ブリュレ/ミスタ、プロシュート
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その頃──ミスタとキアラは、カフェの近くまで来ていた。
やっぱりさっきの事が気にかかる……何度も横目で見ていたミスタだったが、耐えきれず疑惑を投げかける。
「あのよォ……」
「何?」
「さっきピストルズも言ってだけどよォ、お前、ダイエットするって事は、痩せた身体を見せたい奴がいる……ってことか?」
「えっ、見せたいって……ちょっとミスタ 、何考えてんの?」
急に足を止めたキアラが、鋭い目つきでミスタを睨む。当然声色も下がり、怪訝そうな表情を浮かべている。
「ち、違うぜ! そーじゃなくてよォ……好きな奴がいるのかっつー事だぜ!」
「えっ⁉︎ だ、だから〜、さっきも言ったけどいないってば! それに……もし、いたとしても、ミスタには内緒だよ……」
不意に背けたキアラの顔が少し赤くなっている様な気がした。
もしかして、さっきの“好きな奴”ってまさか──ミスタが若干の淡い期待に胸を膨らませる。
その時急に、キアラが声を上げる──目線の先には2つの人影。
「あっ! あそこにいるのはもしかして、プロシュートさん達かも! ミスタ、ちょっと待ってて!」
「え、ちょっ、おい、キアラ⁉︎」
ミスタの制止を振り切るかの如く、キアラが2人の元へと駆け寄る。
程なくして、慌てて後を追いかけるミスタは、内心胸騒ぎを覚える──プロシュートとは一体誰なのか? 名前は実に美味そうだが、逆に食えない奴なんじゃあないのか、と──
そして嫌な予感は的中してしまう。そこにいたのは、名前とは裏腹にかなりの男前……言わずと知れた暗殺チームのプロシュート。後ろには、弟分のペッシも一緒だ。
やって来たキアラの姿に気付いたのか──プロシュートが声をかける。
「キアラ……⁉︎ オメー、ここで何してんだ?」
「こんな所出会うなんて、奇遇ですね! 仕事ですか?」
「あ? ま、まぁなァ……」
ミスタが呆気 に取られた表情を浮かべる中、プロシュートもミスタの存在に気付き、目を見張る。
「お前は、ブチャラティんところの──」
「拳銃使いのグイード・ミスタですぜィ、兄貴!」
「あの時の死に損ないか……なんでオメーが、こいつと一緒にいるんだ?」
「それはこちっちのセリフだぜ! 何でお前がキアラを知っている⁉︎」
「あれ? ミスタ……2人と知り合いなの?」
ミスタとプロシュートが漂わせる殺伐 とした雰囲気とは裏腹に、キアラがあっけらかんとしながら問いかける。
「あぁ⁉︎ ちょっとな……」
「そうなんだ〜……って、ことはプロシュートさんもギ、ギャング⁉︎」
「……まぁな」
プロシュートは、少しバツが悪そうにうつむき加減に呟く。
それから、チラリとミスタに目を向けながら問いかける。
「ところでよォ、オメーは……デートか?」
「えっ⁉︎ ま、まさか〜、違いますよ〜」
「…………⁉︎」
ミスタは思わず絶句する。……えっ⁉︎ おいおい、さっきと言ってる事が全然違うじゃあねーかよ、キアラちゃんよォォ〜⁉︎ と、言わんばかりの視線を向ける。
「良かったですねィ、兄貴ィ〜、2人はまだ付き合ってないみたいですぜィ?」
「えっ⁉︎」
「おい、ペッシペッシペッシよォ〜、オメーは余計なこと言ってんじゃあねーぞ……?」
肩を掴まれ、不意に後ろを向かされたかと思うと、耳元で声色低く囁かれる──明らかに怒りに満ちている……プロシュートの顔をまともに見られなくなったペッシの額から汗が噴き出す。
「プロシュートさん……?」
「あ? あぁ……じゃあまた今度、俺がリストランテにでも誘ってやるぜ?」
振り返りそう話すプロシュートに、キアラが嬉しそうに頷く。
そんな光景を目の当たりにしたミスタに、焦りの色が見える。
確か、あいつが言ってったっけか? 前にジャポーネの高校生に聞いたって──
“スタンド使い同士は引かれ合う”
この場合、“引かれ合う”は“惹かれ合う”ってか⁉︎ とにかくこの状況はやばいな──
そして咄嗟 に行動を起こす。
「おい、キアラ! 先にジェラートでも買ってこいよ」
「えっ、いきなり何言い出すの?」
「俺はこのお兄さんにちょっと話があるからよォ……」
ミスタが鋭い視線を向ける。それが意図する事に気付いたプロシュートも、同じく行動を起こす。
「ペッシ、お前もキアラと一緒に飲みもんでも買ってこい」
「え? でも、兄貴ィ──」
「いいからとっとと行ってこい!」
「へ、ヘイ!」
キアラとペッシの2人は、言われるがままカフェへと向かう。
一方残ったミスタとプロシュート──特にミスタが俄然 敵対心を剥き出しにする。
そんな中、初めに話を切り出したのはプロシュートだ。
「で、俺に話って……?」
「お前……アイツとどういう関係だ……?」
「ハンッ、お前に話す筋合いはねぇよなァ」
「何だと……⁉︎」
「その口ぶりはよォ、惚れてんだろ? アイツに──」
「…………!」
「だが……俺と女を取り合うなんざ……100年早ぇんだよ、この青二才がよォ……?」
「なんだと、コノヤロー!」
ミスタが胸ぐらを掴みかかる勢いで迫る──が、プロシュートの余裕の笑みを前にして、ギリっと歯を食いしばり思い留まる。
これが大人の余裕というやつなのか……確かに今の自分じゃ、奴と同じ土俵に立っているとは到底思えない──
自分はまだまだ半人前だと言う烙印 を押された様な気分にすらさせられる──ミスタはそう思った。
しかし、ミスタにだって譲れない想いがある──
「確かに、アンタの方が大人の余裕っつーの? あるみてーだし、今の俺じゃあ太刀打ちできねーかもしれねぇ……だがよォ──」
一瞬押し黙り……キッと鋭い視線をプロシュートに向ける──そして再び口を開く。
「あいつだけは渡さねぇ……キアラだけはなァ……」
「ハンっ、いい目をしてるじゃあねーか……面白え……この勝負、受けて立ってやろうじゃあねぇか」
「望むところだぜ」
プロシュートがフッと笑みを浮かべる──そこへジェラートと飲み物を買ったキアラとペッシが戻って来た。
2人が来たと同時に、ミスタとプロシュートは互いに距離を取り顔を背ける。
「はい、ミスタの分も買って来たよ〜」
「兄貴ィ〜、飲み物買って来やした……」
さっきから漂う異様な雰囲気を察しながら、ペッシがプロシュートの様子を伺う。そして空気を変えるべく、質問を繰り出そうとするが……そんなペッシより先に、キアラがミスタに問いかける。
「話は……終わった? 何の話してたの?」
「あ? 別に……大した話じゃあねーよ?」
「そう……?」
キアラが負に落ちない様子で首を傾げる傍ら、ペッシも恐る恐るプロシュートに声をかける。
「あ、兄貴ィ……」
「ペッシ、行くぞ」
「へ、ヘイ、兄貴!」
「あっ……プロシュートさん、ペッシくん、それじゃあまた!」
「あぁ……」
プロシュートは背を向け、歩き出すかと思いきや──おもむろに振り返りキアラの元へと再び歩み寄る。
プロシュートの行動に、きょとんとした表情を浮かべるキアラの耳元に顔を寄せると『Sei mio…… 』──と、聞こえるか聞こえないかくらいの大きさで囁く。
そしてそのまま頰にキスを落とし、ニヒルな笑みを浮かべた。
「えっ……⁉︎」
「ちょっ、おいッ!」
目を見開くキアラと目に角を立てるミスタ──そんな2人を後目に『じゃあな』と、一言残して、プロシュートはペッシと共に行ってしまう。
まさに不意打ちだった……と言うかしてやられた……ミスタの心中に不覚の念が渦巻 く。
「ち、ちょっと、プロシュートさんってば、何で突然あんな事……全くこれだからイタリアーノってのは見境がないと言うか……ん? どうかした?」
さっきから押し黙るミスタを下から覗き込む様にして様子を伺う。
それに気付いているのか否か……ミスタが唐突に話し始める。
「要は好きなんだろ? アイツもお前の事がよォ」
「えっ⁉︎ じ、冗談はやめてよ〜、そんなわけないじゃん」
笑いながら会話を続けようとするキアラに対し、ミスタの表情は硬い。そして真剣な眼差しで問いかける。
「お前はどうなんだよ?」
「えっ……」
「だから、お前はどう思ってんの? アイツの事──」
「わ、私は別に……、ん? ってか、さっき“アイツも”って──」
キアラが不意にミスタを見上げると、バツが悪そうに頭を掻く姿があった。
「つーか今日だってよォ、休日に何とも思ってねー奴のことなんて、わざわざ誘わねーよ」
「……えっ⁉︎ そ、それって──」
「んなことぐらい、テメーで考えろよなァ……」
戸惑うキアラをよそに、ミスタがそう吐き捨て、一足先を歩き出す──
『ちょっと、待ってよ』と言う呼びかけを後目にミスタが思う事は──
どんなに断られようと、俺はお前を誘うし、煙たがられても、それはそれで気になる存在になれりゃーこっちのもんだ。
今は単なる友達止まりだとしても、いつか必ず──
キアラよォ……覚悟しとけよ?
そんなミスタの宣戦布告……?
やっぱりさっきの事が気にかかる……何度も横目で見ていたミスタだったが、耐えきれず疑惑を投げかける。
「あのよォ……」
「何?」
「さっきピストルズも言ってだけどよォ、お前、ダイエットするって事は、痩せた身体を見せたい奴がいる……ってことか?」
「えっ、見せたいって……ちょっとミスタ 、何考えてんの?」
急に足を止めたキアラが、鋭い目つきでミスタを睨む。当然声色も下がり、怪訝そうな表情を浮かべている。
「ち、違うぜ! そーじゃなくてよォ……好きな奴がいるのかっつー事だぜ!」
「えっ⁉︎ だ、だから〜、さっきも言ったけどいないってば! それに……もし、いたとしても、ミスタには内緒だよ……」
不意に背けたキアラの顔が少し赤くなっている様な気がした。
もしかして、さっきの“好きな奴”ってまさか──ミスタが若干の淡い期待に胸を膨らませる。
その時急に、キアラが声を上げる──目線の先には2つの人影。
「あっ! あそこにいるのはもしかして、プロシュートさん達かも! ミスタ、ちょっと待ってて!」
「え、ちょっ、おい、キアラ⁉︎」
ミスタの制止を振り切るかの如く、キアラが2人の元へと駆け寄る。
程なくして、慌てて後を追いかけるミスタは、内心胸騒ぎを覚える──プロシュートとは一体誰なのか? 名前は実に美味そうだが、逆に食えない奴なんじゃあないのか、と──
そして嫌な予感は的中してしまう。そこにいたのは、名前とは裏腹にかなりの男前……言わずと知れた暗殺チームのプロシュート。後ろには、弟分のペッシも一緒だ。
やって来たキアラの姿に気付いたのか──プロシュートが声をかける。
「キアラ……⁉︎ オメー、ここで何してんだ?」
「こんな所出会うなんて、奇遇ですね! 仕事ですか?」
「あ? ま、まぁなァ……」
ミスタが
「お前は、ブチャラティんところの──」
「拳銃使いのグイード・ミスタですぜィ、兄貴!」
「あの時の死に損ないか……なんでオメーが、こいつと一緒にいるんだ?」
「それはこちっちのセリフだぜ! 何でお前がキアラを知っている⁉︎」
「あれ? ミスタ……2人と知り合いなの?」
ミスタとプロシュートが漂わせる
「あぁ⁉︎ ちょっとな……」
「そうなんだ〜……って、ことはプロシュートさんもギ、ギャング⁉︎」
「……まぁな」
プロシュートは、少しバツが悪そうにうつむき加減に呟く。
それから、チラリとミスタに目を向けながら問いかける。
「ところでよォ、オメーは……デートか?」
「えっ⁉︎ ま、まさか〜、違いますよ〜」
「…………⁉︎」
ミスタは思わず絶句する。……えっ⁉︎ おいおい、さっきと言ってる事が全然違うじゃあねーかよ、キアラちゃんよォォ〜⁉︎ と、言わんばかりの視線を向ける。
「良かったですねィ、兄貴ィ〜、2人はまだ付き合ってないみたいですぜィ?」
「えっ⁉︎」
「おい、ペッシペッシペッシよォ〜、オメーは余計なこと言ってんじゃあねーぞ……?」
肩を掴まれ、不意に後ろを向かされたかと思うと、耳元で声色低く囁かれる──明らかに怒りに満ちている……プロシュートの顔をまともに見られなくなったペッシの額から汗が噴き出す。
「プロシュートさん……?」
「あ? あぁ……じゃあまた今度、俺がリストランテにでも誘ってやるぜ?」
振り返りそう話すプロシュートに、キアラが嬉しそうに頷く。
そんな光景を目の当たりにしたミスタに、焦りの色が見える。
確か、あいつが言ってったっけか? 前にジャポーネの高校生に聞いたって──
“スタンド使い同士は引かれ合う”
この場合、“引かれ合う”は“惹かれ合う”ってか⁉︎ とにかくこの状況はやばいな──
そして
「おい、キアラ! 先にジェラートでも買ってこいよ」
「えっ、いきなり何言い出すの?」
「俺はこのお兄さんにちょっと話があるからよォ……」
ミスタが鋭い視線を向ける。それが意図する事に気付いたプロシュートも、同じく行動を起こす。
「ペッシ、お前もキアラと一緒に飲みもんでも買ってこい」
「え? でも、兄貴ィ──」
「いいからとっとと行ってこい!」
「へ、ヘイ!」
キアラとペッシの2人は、言われるがままカフェへと向かう。
一方残ったミスタとプロシュート──特にミスタが
そんな中、初めに話を切り出したのはプロシュートだ。
「で、俺に話って……?」
「お前……アイツとどういう関係だ……?」
「ハンッ、お前に話す筋合いはねぇよなァ」
「何だと……⁉︎」
「その口ぶりはよォ、惚れてんだろ? アイツに──」
「…………!」
「だが……俺と女を取り合うなんざ……100年早ぇんだよ、この青二才がよォ……?」
「なんだと、コノヤロー!」
ミスタが胸ぐらを掴みかかる勢いで迫る──が、プロシュートの余裕の笑みを前にして、ギリっと歯を食いしばり思い留まる。
これが大人の余裕というやつなのか……確かに今の自分じゃ、奴と同じ土俵に立っているとは到底思えない──
自分はまだまだ半人前だと言う
しかし、ミスタにだって譲れない想いがある──
「確かに、アンタの方が大人の余裕っつーの? あるみてーだし、今の俺じゃあ太刀打ちできねーかもしれねぇ……だがよォ──」
一瞬押し黙り……キッと鋭い視線をプロシュートに向ける──そして再び口を開く。
「あいつだけは渡さねぇ……キアラだけはなァ……」
「ハンっ、いい目をしてるじゃあねーか……面白え……この勝負、受けて立ってやろうじゃあねぇか」
「望むところだぜ」
プロシュートがフッと笑みを浮かべる──そこへジェラートと飲み物を買ったキアラとペッシが戻って来た。
2人が来たと同時に、ミスタとプロシュートは互いに距離を取り顔を背ける。
「はい、ミスタの分も買って来たよ〜」
「兄貴ィ〜、飲み物買って来やした……」
さっきから漂う異様な雰囲気を察しながら、ペッシがプロシュートの様子を伺う。そして空気を変えるべく、質問を繰り出そうとするが……そんなペッシより先に、キアラがミスタに問いかける。
「話は……終わった? 何の話してたの?」
「あ? 別に……大した話じゃあねーよ?」
「そう……?」
キアラが負に落ちない様子で首を傾げる傍ら、ペッシも恐る恐るプロシュートに声をかける。
「あ、兄貴ィ……」
「ペッシ、行くぞ」
「へ、ヘイ、兄貴!」
「あっ……プロシュートさん、ペッシくん、それじゃあまた!」
「あぁ……」
プロシュートは背を向け、歩き出すかと思いきや──おもむろに振り返りキアラの元へと再び歩み寄る。
プロシュートの行動に、きょとんとした表情を浮かべるキアラの耳元に顔を寄せると『
そしてそのまま頰にキスを落とし、ニヒルな笑みを浮かべた。
「えっ……⁉︎」
「ちょっ、おいッ!」
目を見開くキアラと目に角を立てるミスタ──そんな2人を後目に『じゃあな』と、一言残して、プロシュートはペッシと共に行ってしまう。
まさに不意打ちだった……と言うかしてやられた……ミスタの心中に不覚の念が
「ち、ちょっと、プロシュートさんってば、何で突然あんな事……全くこれだからイタリアーノってのは見境がないと言うか……ん? どうかした?」
さっきから押し黙るミスタを下から覗き込む様にして様子を伺う。
それに気付いているのか否か……ミスタが唐突に話し始める。
「要は好きなんだろ? アイツもお前の事がよォ」
「えっ⁉︎ じ、冗談はやめてよ〜、そんなわけないじゃん」
笑いながら会話を続けようとするキアラに対し、ミスタの表情は硬い。そして真剣な眼差しで問いかける。
「お前はどうなんだよ?」
「えっ……」
「だから、お前はどう思ってんの? アイツの事──」
「わ、私は別に……、ん? ってか、さっき“アイツも”って──」
キアラが不意にミスタを見上げると、バツが悪そうに頭を掻く姿があった。
「つーか今日だってよォ、休日に何とも思ってねー奴のことなんて、わざわざ誘わねーよ」
「……えっ⁉︎ そ、それって──」
「んなことぐらい、テメーで考えろよなァ……」
戸惑うキアラをよそに、ミスタがそう吐き捨て、一足先を歩き出す──
『ちょっと、待ってよ』と言う呼びかけを後目にミスタが思う事は──
どんなに断られようと、俺はお前を誘うし、煙たがられても、それはそれで気になる存在になれりゃーこっちのもんだ。
今は単なる友達止まりだとしても、いつか必ず──
キアラよォ……覚悟しとけよ?
そんなミスタの宣戦布告……?
the END