ジターバグ(ギアッチョver.)
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「ハァ……」
溢れるため息を聞かないように、私はイヤホンを耳に好きな曲を流す。
しかし、好きな音楽を聴きながらも、心のモヤモヤはなかなか晴れない……
再びため息づいたその時──いきなり片方のイヤホンを取られたようで、聴いていたメロディが溢れだす。振り向くと、そこにいたのはギアッチョだ。
「ちょっ、何すんの!?」
「おめー……こんな所で何してんのかと思ったらよォ、この曲聴いてたのか?」
「別に私がどの曲を聴いていようが、ギアッチョには関係ないでしょう?」
そう言った側から、後悔の念が押し寄せる。私……何ギアッチョに当たってんだろう……そんな自分に嫌気がさす。
しかし、いつもなら怒号を言い返してくるはずのギアッチョが、ただ黙ってイヤホンを自分の片耳に入れて、隣に腰を下ろす。
「俺も聴くぜ、この曲……」
「えっ……知ってるの?」
「あぁ……いい曲だよな。俺は特にBメロが好きだ」
「うん、いいよね……」
しばらく2人で同じ音楽を聴く。聴き終わると同時に、不意に問いかけられる。
「どうした? なんかあったんだろ?」
「……何で?」
「いや、なんとなく……俺がこの曲聴く時は、大抵落ち込んどる時だからよ……」
思いもよらぬ返答に、思わず笑ってしまう。馬鹿にされたと思ったのか、ギアッチョが眉間にシワを寄せ、怪訝そうな表情を浮かべる。
「ごめんごめん! だって、ギアッチョが落ち込むとか想像できなくてさ。ねぇ、例えばどんな時に落ち込むの? まさか任務で失敗した時とか言わないよね?」
冗談混じりに問いかけたが、当のギアッチョは少し真剣な眼差しをこちらに向けている。その事に気付いた私は、少しドキリと胸が高鳴る。
「な、何……?」
「俺が気落ちする時は……オメーのへこんでる姿を見た時だ……だからよォ、オメーはさっきみたいに笑ってろ!」
「えっ、ちょっ──」
『分かったな!』と言って立ち上がり、その場を立ち去る。チラリと見えたギアッチョの顔が、微かに赤らんでいるのが見てとれた。
あんな顔をするなんて……思わず調子が狂ってしまう──それは、自分のちっぽけな悩みなんて、どこかに吹き飛んでしまうくらいの出来事だった。
溢れるため息を聞かないように、私はイヤホンを耳に好きな曲を流す。
しかし、好きな音楽を聴きながらも、心のモヤモヤはなかなか晴れない……
再びため息づいたその時──いきなり片方のイヤホンを取られたようで、聴いていたメロディが溢れだす。振り向くと、そこにいたのはギアッチョだ。
「ちょっ、何すんの!?」
「おめー……こんな所で何してんのかと思ったらよォ、この曲聴いてたのか?」
「別に私がどの曲を聴いていようが、ギアッチョには関係ないでしょう?」
そう言った側から、後悔の念が押し寄せる。私……何ギアッチョに当たってんだろう……そんな自分に嫌気がさす。
しかし、いつもなら怒号を言い返してくるはずのギアッチョが、ただ黙ってイヤホンを自分の片耳に入れて、隣に腰を下ろす。
「俺も聴くぜ、この曲……」
「えっ……知ってるの?」
「あぁ……いい曲だよな。俺は特にBメロが好きだ」
「うん、いいよね……」
しばらく2人で同じ音楽を聴く。聴き終わると同時に、不意に問いかけられる。
「どうした? なんかあったんだろ?」
「……何で?」
「いや、なんとなく……俺がこの曲聴く時は、大抵落ち込んどる時だからよ……」
思いもよらぬ返答に、思わず笑ってしまう。馬鹿にされたと思ったのか、ギアッチョが眉間にシワを寄せ、怪訝そうな表情を浮かべる。
「ごめんごめん! だって、ギアッチョが落ち込むとか想像できなくてさ。ねぇ、例えばどんな時に落ち込むの? まさか任務で失敗した時とか言わないよね?」
冗談混じりに問いかけたが、当のギアッチョは少し真剣な眼差しをこちらに向けている。その事に気付いた私は、少しドキリと胸が高鳴る。
「な、何……?」
「俺が気落ちする時は……オメーのへこんでる姿を見た時だ……だからよォ、オメーはさっきみたいに笑ってろ!」
「えっ、ちょっ──」
『分かったな!』と言って立ち上がり、その場を立ち去る。チラリと見えたギアッチョの顔が、微かに赤らんでいるのが見てとれた。
あんな顔をするなんて……思わず調子が狂ってしまう──それは、自分のちっぽけな悩みなんて、どこかに吹き飛んでしまうくらいの出来事だった。
the END
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