OLA!!
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任務を終えて、アジトに帰りつく。
一息つきながら、静まり返るリビングに入ると、ふと目についたソファーに眠るアイツを見つける。静かに寝息を立てるアイツのそばに歩み寄り、隣に腰掛け横顔を垣間見る──その瞬間は、俺の安らぎの時となる。
「無邪気な寝顔だ……まったく油断しきっているな……いったいここをどこだと思っているのか……」
その時だ。口籠もるようにしてアイツが呟く。
「……好き、だよ──リゾット……」
一瞬、疲労感から都合のいい空耳が聞こえたのかと思った。だが、アイツは確かにそう呟いた。たとえ空耳だとしても、アイツがそういったと思いたい──
その反動からか、自分もつい口走ってしまう。
「──俺も、お前が好きだ」
愛しい横顔を起こさないように、そっと手をアイツの髪から頬へと流す。すると、ピクリと細やかに動くのが分かった。
誰もいない、誰も聞いちゃあいない──そのはずだった。
しかし、どうにもアイツの様子がおかしい。目は固く閉じられてはいるが、まぶたがピクピクと小刻みに動いている──そして、徐々に顔が赤らんでくるのがわかった。
まさか起きていたのかと、思わず顔を覗き込むようにして近づくと、アイツがとっさにブランケットを頭から被った。
俺はサッと立ち上がり、一本後ろへと下がる。
さっきの行動を目の当たりにして、アイツがすでに起きていると確信するも──時すでに遅し。
聞かれてしまった。アイツの寝顔に油断し、あまりにも軽率な行動をとってしまったなと、後悔の念に駆られつつ、俺はゆっくりと問いかける。
「お前……いつから起きていたんだ?」
「……夢の中で、リーダーが頭を撫でてくれた……ような気がして、それで目を覚まそうとしたら……その、タイミングを逃してしまったっていうか……」
「あ、いや、さっきのはだな──」
言いながらも目が泳ぐ。ブランケットから少し顔を覗かせるアイツに、今の表情は見せられないと拳で覆うも、その赤みを帯びた顔は隠しきれない。
「リーダー、私──」
アイツが起き上がり、何かを口走ろうとしたその時だ。皆が戻ってきたようだ。
「帰ったぜ〜……あ? おい、リゾットよォ、そんなところに突っ立ったままで……何やってんだ?」
「何でもない……」
そういいながら、アイツに目を向けると、再びブランケットを頭から被り、寝たふりを決め込んでいる。だから俺も、何事もなかったかのようにそう答え、そのまま自室へと向かった。
***
あの時、アイツが何を言おうとしたのかは、結局わからずじまい──だが、俺の本心を知られたからには、もう後には引けなくなってしまった。その事実に、今後は頭を抱えることになりそうだ。
そんな俺のちっぽけな憂鬱を知るのは、ぼんやりと仰ぎ見た天井だけだ。
一息つきながら、静まり返るリビングに入ると、ふと目についたソファーに眠るアイツを見つける。静かに寝息を立てるアイツのそばに歩み寄り、隣に腰掛け横顔を垣間見る──その瞬間は、俺の安らぎの時となる。
「無邪気な寝顔だ……まったく油断しきっているな……いったいここをどこだと思っているのか……」
その時だ。口籠もるようにしてアイツが呟く。
「……好き、だよ──リゾット……」
一瞬、疲労感から都合のいい空耳が聞こえたのかと思った。だが、アイツは確かにそう呟いた。たとえ空耳だとしても、アイツがそういったと思いたい──
その反動からか、自分もつい口走ってしまう。
「──俺も、お前が好きだ」
愛しい横顔を起こさないように、そっと手をアイツの髪から頬へと流す。すると、ピクリと細やかに動くのが分かった。
誰もいない、誰も聞いちゃあいない──そのはずだった。
しかし、どうにもアイツの様子がおかしい。目は固く閉じられてはいるが、まぶたがピクピクと小刻みに動いている──そして、徐々に顔が赤らんでくるのがわかった。
まさか起きていたのかと、思わず顔を覗き込むようにして近づくと、アイツがとっさにブランケットを頭から被った。
俺はサッと立ち上がり、一本後ろへと下がる。
さっきの行動を目の当たりにして、アイツがすでに起きていると確信するも──時すでに遅し。
聞かれてしまった。アイツの寝顔に油断し、あまりにも軽率な行動をとってしまったなと、後悔の念に駆られつつ、俺はゆっくりと問いかける。
「お前……いつから起きていたんだ?」
「……夢の中で、リーダーが頭を撫でてくれた……ような気がして、それで目を覚まそうとしたら……その、タイミングを逃してしまったっていうか……」
「あ、いや、さっきのはだな──」
言いながらも目が泳ぐ。ブランケットから少し顔を覗かせるアイツに、今の表情は見せられないと拳で覆うも、その赤みを帯びた顔は隠しきれない。
「リーダー、私──」
アイツが起き上がり、何かを口走ろうとしたその時だ。皆が戻ってきたようだ。
「帰ったぜ〜……あ? おい、リゾットよォ、そんなところに突っ立ったままで……何やってんだ?」
「何でもない……」
そういいながら、アイツに目を向けると、再びブランケットを頭から被り、寝たふりを決め込んでいる。だから俺も、何事もなかったかのようにそう答え、そのまま自室へと向かった。
***
あの時、アイツが何を言おうとしたのかは、結局わからずじまい──だが、俺の本心を知られたからには、もう後には引けなくなってしまった。その事実に、今後は頭を抱えることになりそうだ。
そんな俺のちっぽけな憂鬱を知るのは、ぼんやりと仰ぎ見た天井だけだ。
the END