1年目
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屯所に帰ると見廻り終わりの隊士達が玄関前で集まっていた。普段は食堂でお茶やお菓子を食べたりして、少し休憩をしているのだが、今夜の宴会の準備で食堂が戦場になっていた。
私と沖田が洋服で帰ってきたので、口々に「どうした?」と質問責めにあったが、‘不注意で川に足を滑らせて落ちた’事にした。‘気をつけてね’と心配してくれる隊士や、‘ご愁傷様です…’と沖田が原因だと勘付いている隊士もいた。沖田はスッとどこかへ行ってしまった。
更衣室に向かいいつもの着物に着替えた。携帯をロッカーに忘れていったことが不幸中の幸いだった。濡れた隊服は屯所の洗濯機を借りて洗った。
「ついでに俺のも洗っといてくだせぇ。」
と沖田が置いていった隊服は全力で沖田に投げつけた。
「チェッ、これだから短気なオバさんはいけねぇや。」
沖田はそう言って隊服を洗いにいった。
夜はついに大広間で私の歓迎会が催された。
「今日は知里さんの真選組入隊の歓迎会だ。知里さん一言よろしく。」
近藤はそう言って私に発言を促した。
「あらためまして、土方知里です。みなさんのように現場で戦うことはできませんが、勘定方として微力ながらみなさんの助けになるよう精進します。よろしくお願いします。」
「それじゃあ、かんぱーい!」
「「「かんぱーい!!!!」」」
ガヤガヤガヤガヤ
ものすごい勢いで一気飲みする隊士や大騒ぎする隊士達。その光景に圧倒されつつ、近藤や土方とビールで2杯目の乾杯した。
「知里さんは真選組は少しでも慣れてくれましたか?ここはこれまでの職場とは大分違うでしょう?」
近藤にそう尋ねられ、
「そうですね、想像以上に元気な職場です。なんだか、私もがんばらないとって思いますよ。」
「そう言っていただけて何よりです。初めての女性隊士で我々も慣れてないことが多いかもしれません、気づいたことがあればどんどん言ってください!真選組の変わるチャンスですからな!」
ハハハー!と豪快に笑った近藤は何故か上半身裸になっていた。
「近藤さん、変わるのはまずアンタだよ!」
土方は近藤に隊服をもう一度着させていた。
ドンちゃん騒ぎのまま数時間…
まだまだ飲み足りない隊士は日本酒を煽り、飲み比べがそこらじゅうでされていた。
私は少し呑むペースが早かったのか酔った頭を、縁側で涼んでさましていた。
「酔ったのか?」
土方が2つ水を持って隣に座り、水をくれた。
「ありがとうございます、少しだけです。」
水が身体と頭に染み渡った。
「あんま無理するなよ。コイツらは呑む口実が欲しいだけで、あとは潰れるまで止まらねぇから。」
4月の夜風はまだ冷たいが、今はちょうどよく感じる。
「今日もまた災難だったらしいな。山崎に聞いた。」
土方はどうやら真相を聞いてしまったらしい。
「ははは、そうですね。大変でした。でも新八くんと今日も会えたのは嬉しかったですよ。歌舞伎町の方はみんなおもしろいです。」
大人になってから、職場以外で知り合いを増やすのは中々難しくなってくる。そういう意味では心からよかったと思う。
「あぁ、万事屋にも会ったんだってな。チッ面倒なやつに借りができちまった。」
タバコに火をつけ、私の方に煙がかからないよう顔を背けて煙を吹かした。
「総悟にもあとで言っておくが、なんでかお前にちょっかいを出したがるんだよな。はぁ、何考えてんだかな。」
と申し訳なさげに言う。
「土方さんがわからないんじゃ、私には一生わからないですね。それにしても、今日は月が綺麗ですね。」
雲ひとつない空には、三日月と星が瞬いている。
「お前、‘月が綺麗ですね’は‘愛しています’の意味もあるんだぞ。」
土方はそんな風に茶化した。
「さすが副長、博識でございますね。私はそんな簡単に愛の安売りしませんよ。じゃあ、土方さんはあの月を見て何と思うんですか?」
三日月を指差して尋ねる。
「月が…綺麗だな。」
土方は月を見上げてそう呟いた。
「ご馳走さまです。」
知里と土方はお酒のせいか、少し頬が赤く染まった。
私と沖田が洋服で帰ってきたので、口々に「どうした?」と質問責めにあったが、‘不注意で川に足を滑らせて落ちた’事にした。‘気をつけてね’と心配してくれる隊士や、‘ご愁傷様です…’と沖田が原因だと勘付いている隊士もいた。沖田はスッとどこかへ行ってしまった。
更衣室に向かいいつもの着物に着替えた。携帯をロッカーに忘れていったことが不幸中の幸いだった。濡れた隊服は屯所の洗濯機を借りて洗った。
「ついでに俺のも洗っといてくだせぇ。」
と沖田が置いていった隊服は全力で沖田に投げつけた。
「チェッ、これだから短気なオバさんはいけねぇや。」
沖田はそう言って隊服を洗いにいった。
夜はついに大広間で私の歓迎会が催された。
「今日は知里さんの真選組入隊の歓迎会だ。知里さん一言よろしく。」
近藤はそう言って私に発言を促した。
「あらためまして、土方知里です。みなさんのように現場で戦うことはできませんが、勘定方として微力ながらみなさんの助けになるよう精進します。よろしくお願いします。」
「それじゃあ、かんぱーい!」
「「「かんぱーい!!!!」」」
ガヤガヤガヤガヤ
ものすごい勢いで一気飲みする隊士や大騒ぎする隊士達。その光景に圧倒されつつ、近藤や土方とビールで2杯目の乾杯した。
「知里さんは真選組は少しでも慣れてくれましたか?ここはこれまでの職場とは大分違うでしょう?」
近藤にそう尋ねられ、
「そうですね、想像以上に元気な職場です。なんだか、私もがんばらないとって思いますよ。」
「そう言っていただけて何よりです。初めての女性隊士で我々も慣れてないことが多いかもしれません、気づいたことがあればどんどん言ってください!真選組の変わるチャンスですからな!」
ハハハー!と豪快に笑った近藤は何故か上半身裸になっていた。
「近藤さん、変わるのはまずアンタだよ!」
土方は近藤に隊服をもう一度着させていた。
ドンちゃん騒ぎのまま数時間…
まだまだ飲み足りない隊士は日本酒を煽り、飲み比べがそこらじゅうでされていた。
私は少し呑むペースが早かったのか酔った頭を、縁側で涼んでさましていた。
「酔ったのか?」
土方が2つ水を持って隣に座り、水をくれた。
「ありがとうございます、少しだけです。」
水が身体と頭に染み渡った。
「あんま無理するなよ。コイツらは呑む口実が欲しいだけで、あとは潰れるまで止まらねぇから。」
4月の夜風はまだ冷たいが、今はちょうどよく感じる。
「今日もまた災難だったらしいな。山崎に聞いた。」
土方はどうやら真相を聞いてしまったらしい。
「ははは、そうですね。大変でした。でも新八くんと今日も会えたのは嬉しかったですよ。歌舞伎町の方はみんなおもしろいです。」
大人になってから、職場以外で知り合いを増やすのは中々難しくなってくる。そういう意味では心からよかったと思う。
「あぁ、万事屋にも会ったんだってな。チッ面倒なやつに借りができちまった。」
タバコに火をつけ、私の方に煙がかからないよう顔を背けて煙を吹かした。
「総悟にもあとで言っておくが、なんでかお前にちょっかいを出したがるんだよな。はぁ、何考えてんだかな。」
と申し訳なさげに言う。
「土方さんがわからないんじゃ、私には一生わからないですね。それにしても、今日は月が綺麗ですね。」
雲ひとつない空には、三日月と星が瞬いている。
「お前、‘月が綺麗ですね’は‘愛しています’の意味もあるんだぞ。」
土方はそんな風に茶化した。
「さすが副長、博識でございますね。私はそんな簡単に愛の安売りしませんよ。じゃあ、土方さんはあの月を見て何と思うんですか?」
三日月を指差して尋ねる。
「月が…綺麗だな。」
土方は月を見上げてそう呟いた。
「ご馳走さまです。」
知里と土方はお酒のせいか、少し頬が赤く染まった。