1年目
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岸にはずぶ濡れの3人がうつ伏せで息をあげていた。
「いやーまさか旦那が泳げないなんて知らなかったでさぁ。」
沖田はサッと立ち上がり、隊服を脱いで水を絞っている。
「俺は総一郎くんの人間性を疑うわ。まさか川に人を投げ捨てると思わないからね。おい、お前は大丈夫なのか?」
「ハハハ、身体は平気ですが精神的には大ダメージです…。助けていただきありがとうございます。」
正確には水面にあげてもらっただけだが。横にいる男性は、銀髪の綺麗な男性だった。私もその男性もまだ立ち上がれそうにない。
岸へ山崎たちが到着し、山崎は知里を抱き上げ、新八たちは男性を支えた。
「テメー銀ちゃんに何してくれてんだー!」
とチャイナ服の少女が沖田と取っ組み合いの喧嘩を始めた。
「あれ、知里さんですよね、何でこんなところに。というか、沖田さんに投げ飛ばされてましたよね?」
新八は私の名前を覚えてくれていたようだ。
「新八くん、偶然ですね。沖田さんの行動は全く私にもわからないんですよ。」
ハハハっと遠い目をして笑った。
「えっ、ぱっつぁん知り合いなの?てか女?真選組に女なんているんだ。男所帯のさみしい奴らの集まりだと思っていたら、遂に耐えられなくなったのか?」
銀髪の男性は真選組のことをよく知っているようだった。
「銀さん、変なこと言わないで下さいよ。この方は土方知里さん。今週入った新しい内勤の隊士さんです。こっちは坂田銀時とあっちで沖田さんと喧嘩してるのが神楽ちゃんです。」
新八が簡単に自己紹介してくれて、やっと名前がわかった。
「土方ぁぁ?まさかアイツの嫁なの?マヨ侍の?ないない、いやーお前懐深いねー、銀さん尊敬するわ。」
右手は新八の肩にかけ支えてもらいながら、左手をヒラヒラさせた。
「万事屋の旦那、知里さんは土方さんとは全く関係ないですよ。苗字がたまたま同じだっただけです。」
山崎は私の濡れた隊服の上着を絞ってくれている。
「万事屋?」
「そうです、僕たち3人でなんでも屋の‘万事屋銀ちゃん’というお店をしているんです。もし困りごとがあったら、なんでも依頼して下さい。」
新八は‘万事屋銀ちゃん’と書かれた名刺を手渡した。
「俺は真っ先に退職をお勧めするぜ。真選組なんて、ゴリラかマヨ侍かドS野郎か地味ーしかいねー最低最悪の職場だ。」
銀時は真選組に良い感情は持ってないらしい。
「そんなこと言わないで下さいよー。」
と山崎は嘆いた。
本当にそんなことより、濡れていた身体がまだ冷たい春の風に吹かれ、心底冷えてしまった。身体が震え、山崎が背中をさするが全く意味が無かった。
「仕方ねーな、おい神楽もうそんな奴はほっといてみんな家に帰るぞ。お前たちもついて来い、タオルくらいは貸してやる。」
銀時はそう言って歩き始めた、このままでは帰れないためお言葉に甘えることにしてついて行った。
万事屋に着くと、山崎は着替えを適当に買ってくるといい、すぐに出て行った。
タオルを借り、頭や顔を拭いた。
「いやー俺までこんな事になるなんて思ってもいやせんでしたぜ。」
まだ言うかコイツと思っていたところ、
「全部お前のせいだろ、バカ税金泥棒が!」
神楽ちゃんがすかさず反論した。
「本当にそうですよ、沖田さんお願いですから私に謝罪してくださいよ。」
「へー謝罪したら許してくれんの?オバさん。」
謝罪するつもりないなとイライラしてしまう。
「ちょっとちょっと、この妙齢な女性にオバさんは無いんじゃない?」
銀時がやんわりと異を唱えた。
「俺からしたら妙齢な女性はオバさんでぃ。」
よくわかった、沖田の辞書に謝罪の2文字がないことが。
「知里って言うアルか。もうこんな腐れドS野郎の言うことに耳をかさないがいいアル。」
「ありがとう、神楽ちゃん。ほんとその通りだね。」
神楽ちゃんは沖田の扱いがよくわかってらっしゃる。
ガラッ
「着替え買ってきました!」
山崎が背中で息をしながら帰ってきた、余程急いだようだ。
「お前シャワー使えよ、震えてるじゃねーか。」
じゃあ遠慮なくと沖田が言うと、全員のお前じゃねーよ!の叱咤に、冗談でさぁとコントのようなやりとりが続いた。
「知里、遠慮なく入って着替えて来い、大丈夫、その後ちゃんと総一郎くんもシャワー貸すから。」
銀時に言われ、シャワーを浴びて着替えた。
着替えには洋服一式と下着もちゃんと入っていて、山崎には頭が上がらなかった。
着替えて出ると、待ってましたと沖田がシャワーに入った。居間では新八が温かいお茶を入れてくれていた。
先程の出来事について新八にかわいそうな目で語られていると、山崎が一昨日の取調室監禁事件についても話した。
「知里がかわいそうアル!アイツ何が気に食わなくてこんな事するあるか!」
「遅れに遅れてきた反抗期だな、うん、総一郎くんはそういうとこあるよ。」
「そういうなら続きに続いている反抗期です、落ち着いている沖田隊長は見たことないですから。」
「それってもうそういう性格なんじゃ?もう、改善は見込めないですよ。」
みんなで好き勝手に沖田の解析をして時間を潰した。
沖田が着替えて居間に戻ると、そろそろ屯所に帰る時間が迫っていた。
「知里さん、また来てくださいね。」
「愚痴でもなんでも聞いてやるよ。」
「ドS野郎になんかされたら、私がしめてやるから安心するアル!」
なんだかとても心強い助っ人を手にしたようで、嬉しかった。
山崎は、私に見えないように万事屋さんへ謝礼金の封筒を渡していた。山崎は本当によく気の利く人だわ。
ガラガラッ
扉が閉まった。
新八はボソッと
「知里さんって沖田さんにとって、土方さん同等のおもちゃなんじゃ…」
「言ってやるなよ、呪いの苗字の宿命だ…」
銀時も消え入りそうな声で返答した。
「いやーまさか旦那が泳げないなんて知らなかったでさぁ。」
沖田はサッと立ち上がり、隊服を脱いで水を絞っている。
「俺は総一郎くんの人間性を疑うわ。まさか川に人を投げ捨てると思わないからね。おい、お前は大丈夫なのか?」
「ハハハ、身体は平気ですが精神的には大ダメージです…。助けていただきありがとうございます。」
正確には水面にあげてもらっただけだが。横にいる男性は、銀髪の綺麗な男性だった。私もその男性もまだ立ち上がれそうにない。
岸へ山崎たちが到着し、山崎は知里を抱き上げ、新八たちは男性を支えた。
「テメー銀ちゃんに何してくれてんだー!」
とチャイナ服の少女が沖田と取っ組み合いの喧嘩を始めた。
「あれ、知里さんですよね、何でこんなところに。というか、沖田さんに投げ飛ばされてましたよね?」
新八は私の名前を覚えてくれていたようだ。
「新八くん、偶然ですね。沖田さんの行動は全く私にもわからないんですよ。」
ハハハっと遠い目をして笑った。
「えっ、ぱっつぁん知り合いなの?てか女?真選組に女なんているんだ。男所帯のさみしい奴らの集まりだと思っていたら、遂に耐えられなくなったのか?」
銀髪の男性は真選組のことをよく知っているようだった。
「銀さん、変なこと言わないで下さいよ。この方は土方知里さん。今週入った新しい内勤の隊士さんです。こっちは坂田銀時とあっちで沖田さんと喧嘩してるのが神楽ちゃんです。」
新八が簡単に自己紹介してくれて、やっと名前がわかった。
「土方ぁぁ?まさかアイツの嫁なの?マヨ侍の?ないない、いやーお前懐深いねー、銀さん尊敬するわ。」
右手は新八の肩にかけ支えてもらいながら、左手をヒラヒラさせた。
「万事屋の旦那、知里さんは土方さんとは全く関係ないですよ。苗字がたまたま同じだっただけです。」
山崎は私の濡れた隊服の上着を絞ってくれている。
「万事屋?」
「そうです、僕たち3人でなんでも屋の‘万事屋銀ちゃん’というお店をしているんです。もし困りごとがあったら、なんでも依頼して下さい。」
新八は‘万事屋銀ちゃん’と書かれた名刺を手渡した。
「俺は真っ先に退職をお勧めするぜ。真選組なんて、ゴリラかマヨ侍かドS野郎か地味ーしかいねー最低最悪の職場だ。」
銀時は真選組に良い感情は持ってないらしい。
「そんなこと言わないで下さいよー。」
と山崎は嘆いた。
本当にそんなことより、濡れていた身体がまだ冷たい春の風に吹かれ、心底冷えてしまった。身体が震え、山崎が背中をさするが全く意味が無かった。
「仕方ねーな、おい神楽もうそんな奴はほっといてみんな家に帰るぞ。お前たちもついて来い、タオルくらいは貸してやる。」
銀時はそう言って歩き始めた、このままでは帰れないためお言葉に甘えることにしてついて行った。
万事屋に着くと、山崎は着替えを適当に買ってくるといい、すぐに出て行った。
タオルを借り、頭や顔を拭いた。
「いやー俺までこんな事になるなんて思ってもいやせんでしたぜ。」
まだ言うかコイツと思っていたところ、
「全部お前のせいだろ、バカ税金泥棒が!」
神楽ちゃんがすかさず反論した。
「本当にそうですよ、沖田さんお願いですから私に謝罪してくださいよ。」
「へー謝罪したら許してくれんの?オバさん。」
謝罪するつもりないなとイライラしてしまう。
「ちょっとちょっと、この妙齢な女性にオバさんは無いんじゃない?」
銀時がやんわりと異を唱えた。
「俺からしたら妙齢な女性はオバさんでぃ。」
よくわかった、沖田の辞書に謝罪の2文字がないことが。
「知里って言うアルか。もうこんな腐れドS野郎の言うことに耳をかさないがいいアル。」
「ありがとう、神楽ちゃん。ほんとその通りだね。」
神楽ちゃんは沖田の扱いがよくわかってらっしゃる。
ガラッ
「着替え買ってきました!」
山崎が背中で息をしながら帰ってきた、余程急いだようだ。
「お前シャワー使えよ、震えてるじゃねーか。」
じゃあ遠慮なくと沖田が言うと、全員のお前じゃねーよ!の叱咤に、冗談でさぁとコントのようなやりとりが続いた。
「知里、遠慮なく入って着替えて来い、大丈夫、その後ちゃんと総一郎くんもシャワー貸すから。」
銀時に言われ、シャワーを浴びて着替えた。
着替えには洋服一式と下着もちゃんと入っていて、山崎には頭が上がらなかった。
着替えて出ると、待ってましたと沖田がシャワーに入った。居間では新八が温かいお茶を入れてくれていた。
先程の出来事について新八にかわいそうな目で語られていると、山崎が一昨日の取調室監禁事件についても話した。
「知里がかわいそうアル!アイツ何が気に食わなくてこんな事するあるか!」
「遅れに遅れてきた反抗期だな、うん、総一郎くんはそういうとこあるよ。」
「そういうなら続きに続いている反抗期です、落ち着いている沖田隊長は見たことないですから。」
「それってもうそういう性格なんじゃ?もう、改善は見込めないですよ。」
みんなで好き勝手に沖田の解析をして時間を潰した。
沖田が着替えて居間に戻ると、そろそろ屯所に帰る時間が迫っていた。
「知里さん、また来てくださいね。」
「愚痴でもなんでも聞いてやるよ。」
「ドS野郎になんかされたら、私がしめてやるから安心するアル!」
なんだかとても心強い助っ人を手にしたようで、嬉しかった。
山崎は、私に見えないように万事屋さんへ謝礼金の封筒を渡していた。山崎は本当によく気の利く人だわ。
ガラガラッ
扉が閉まった。
新八はボソッと
「知里さんって沖田さんにとって、土方さん同等のおもちゃなんじゃ…」
「言ってやるなよ、呪いの苗字の宿命だ…」
銀時も消え入りそうな声で返答した。