1年目
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午後には早速真選組の隊服が届いた。
サイズはXSだが、男性用である。
知里は身長が女性の平均弱しかない。
服を着替えたいところだが、この仕事部屋は鍵がかからないため、少々戸惑った。
部屋を出たところで、ちょうど沖田が見えた。
「沖田隊長、服を着替えたいのですが屯所内で鍵のかかる個室はありますか?」
「オバさんの着替えなんざ誰も覗きませんぜ?」
沖田は冷たい目をして、予想通りの返答をしてきた。
「わかってますが、マナーなので。無ければお手洗いででも着替えますので。」
「無いとは言ってませんぜ、ちょうどいいところがありまさぁ。」
沖田は何か思いついたというように、ついて来いと手招きする。道場から更に奥、昨日山崎に案内された拘置施設だ。そのまま中へ、さらに取調室に入るように指示された。そして私が入った途端に扉の鍵を閉めた。
ガチャ
「あぁなるほど確かに鍵がかかりますね。でもこの鏡ってマジックミラーだったんじゃありませんか?」
沖田は取調室外の部屋のマイクから話しかける。
「その通りでさぁ、ちなみに取調室は被疑者が勝手に出られないように、内側からも鍵を差し込まないと開かない仕組みでさぁ。」
沖田のその言葉に冷や汗を感じた。
「沖田さん、私鍵持ってませんけど?」
「大丈夫でさぁ、俺が持ってます。」
「意味がわかりません。出してください。」
本当に意味がわからない、沖田総悟は一体何をしたいのか。自分が沖田に閉じ込められたことだけはわかった。
「もういいんですかい?着替えはまだじゃないですか。」
「ここで着替える訳ないでしょ。」
話が通じなくて頭に血が上りそうだが、その時ドアの外で電話が鳴った。
ピピピピ
「了解、すぐに行きまさぁ。ってことで俺は見廻りに行ってくるんで。好きなだけそこで着替えてくだせぇ、オバさん。」
ガチャバタン
「えええええええ、ちょっ、沖田さーん!!!」
沖田は鍵閉めたまま本当に部屋を出て行った。
マジか、沖田マジか。ハメられた。オバさんオバさん言ってくる失礼な少年だと思っていたが、とんでもない悪童だった。これは嫌がらせの範疇なのか?しばし呆然とした。
「すみませーん!誰かいませんかー?」
取調室はさすが1つの情報も漏らさないように、遮音性は抜群だった。こちらも外の音はほぼ聞こえてこない。
まさか迎えにこないってことは無いよね?
沖田の性格は知らないが、流石に見廻りが終われば解放してくれるだろうと信じていた。
そこから3時間…
見廻りってどこまで見廻ってんだ。てか人を閉じこめておいて、のんびり見廻りってできるのか?どんな神経してんの。携帯を持ってこなかったことをこんなに後悔したことはない。
「覚えてろよ、沖田ぁー!」
さらに2時間…
流石に限界だ。気にしないようにしていたが、トイレにも行きたくなってきた。もちろん部屋の中にトイレはない。
「お願いします、誰か開けてー!」
沖田は絶対見廻り終わってるはずだ。これは確信犯だ。悪童ではない、もう立派なドS野郎だ。
「頭イカれてんじゃねぇのか、沖田ぁー!絶対許さねー!」
その頃山崎は知里が午後全く顔を見ていないことを不思議に思っていた。女中さんはお昼を食堂で食べている知里は見ていた。しかしその後の足取りがつかめない、玄関には靴はあり、仕事部屋には鞄がある。中には携帯や財布が入っている。どうやら屯所内にはいるはずなのだが、知里が行きそうなところは探した。
ちょうど土方が部屋から出てきたので、知里のことを話すと、「どこかそのへんほっつき歩いてんだろ」と言われる始末。すると後ろから沖田が、
「なんでぇ、オバさんいなくなったんですか。そりゃあ心配じゃないですか、土方さん一緒に探しましょうや。」
その言葉に土方は冷や汗を流した。あの沖田が他人を心配するはずがないからだ、つまりこの失踪には確実に沖田が関わっている自信があった。
「おい、総悟。お前知里をどこにやった?」
「なんですか土方さん、名前を呼び捨てにしちゃって、彼女ですか?」
「うるせぇよ、聞かれたことに答えろ。」
沖田は答えをはぐらかすばかりで、進展が無かった。焦り始めた土方は山崎にもう一度屯所中を探すように命じた。
山崎はまた玄関から徹底して屋根裏、軒下まで探した。もちろん一番隊の部屋も隅から隅まで。
まさか沖田さんが知里さんを拉致だなんて、何が沖田さん気に食わなかったんだろう…てか無事だよね?
残りは屯所奥にある拘置施設だ。そういえばさっきここは調べなかったな。開けてすぐに1つの取調室に電気が付いているのがわかった。
ガチャ
取調室の中には机に突っ伏したまま動かない知里の姿。
うわー死んでる、沖田隊長やらかしてるー!!
焦りに焦って、山崎は副長にすぐ電話をかけた。
「副長ー!大変です、死んでます、取調室です、すぐに来てくださいぃぃぃぃ!」
「オィィィいい!すぐ行く、総悟も来い!」
全力失踪で取調室に到着すると、知里は山崎に抱きついていた。
「ひゅーひゅー、お熱いこって!」
沖田は冷やかしに全力を注ぎ、土方はどういうことか理解できていなかった。
すると知里は取調室のパイプ椅子を持って沖田の前に立ち、沖田の頭を目掛けて投げつけた。
「おー、恐い恐い。冷やかされたくらいでこんなことするなんて、酷いじゃないでさぁ、オバさん。」
「冷やかされくらいでパイプ椅子で殴る訳ないだろうが!!」
パイプ椅子で人を殴るのは人生初だ。しかも沖田はしっかり両腕でガードしていた。
「いつもの丁寧な言葉遣いはどうしたんでぃ、土方さん、オバさんの本性でましたぜぃ。」
土方は「オィ落ちつけ、落ちつけ」とパイプ椅子を取ろうと知里を背後から両腕を掴んだ。
「総悟!これはお前の仕業だろ。」
「仕業ってまるで俺がわざと監禁したみたいじゃねぇですかぃ。元はと言えばこのオバさんが鍵の閉まる部屋はないかって聞いてきたんでぃ。」
「オィィィ、何都合いいことだけ思い出してんだよ!服を着替えたいから個室ないかって聞いただけだろうが!」
沖田のご都合主義の主張に真っ向から反論する。
「お前も落ちついてくれ。総悟、お前なんで取調室なんかに知里連れてくんだよ。」
「実際に入ってみないと被疑者の気持ちわからないかなと思いやして、一石二鳥でさ!」
沖田理論は私の頭では到底理解できなかったが、怒りは沸点をとおに超えて落ち着いてきた。
ビビビビッ
‘沖田さん、私鍵持ってませんけど?‘
‘大丈夫でさぁ、俺が持ってます。‘
‘意味がわかりません。出してください。’
‘もういいんですかい?着替えはまだじゃないですか。’
‘ここで着替える訳ないでしょ。’
‘了解、すぐに行きまさぁ。ってことで俺は見廻りに行ってくるんで。好きなだけそこで着替えてくだせぇ、オバさん。‘
部屋には約5時間前の会話が流れてきた。
「取調室は鍵をかけたら自動的に録音されるようななっているんですよ。」
淡々と山崎は操作していた。
「現行犯逮捕だ、テメー総悟、裁判なしで切腹だコラァ!」
土方が言い切る前に、沖田は部屋を飛び出した。
「お前も本当に悪かったな、どのくらい入ってたんだ、ここに?」
「5時間くらいですかねぇぇ。」
ビビビビ
‘頭イカれてんじゃねぇのか、沖田ぁー!絶対許さねー!’
「あ、だいたいこれで5時間30分です。」
山崎がまた淡々と操作する。
「わー、山崎さんそれ流しちゃダメなやつー!」
山崎は意外な知里の一面を面白がっているようだった。
「お前も災難だったな、頭のイカれた沖田に監禁されてな。とにかく今から食堂にいって水飲んでこい。」
「それよりもお手洗いに行きたいですね。」
さっきまでのヒートアップが嘘のように、ようやく落ち着きを取り戻した。
今日はそのまま帰宅するように言われ、何もしていないのに最強に疲れて眠りに落ちた。
ビビビビ
’山崎さん…うぅ、山崎さん〜会いたかった…’
山崎はニヤっと笑って、全データを削除した。
サイズはXSだが、男性用である。
知里は身長が女性の平均弱しかない。
服を着替えたいところだが、この仕事部屋は鍵がかからないため、少々戸惑った。
部屋を出たところで、ちょうど沖田が見えた。
「沖田隊長、服を着替えたいのですが屯所内で鍵のかかる個室はありますか?」
「オバさんの着替えなんざ誰も覗きませんぜ?」
沖田は冷たい目をして、予想通りの返答をしてきた。
「わかってますが、マナーなので。無ければお手洗いででも着替えますので。」
「無いとは言ってませんぜ、ちょうどいいところがありまさぁ。」
沖田は何か思いついたというように、ついて来いと手招きする。道場から更に奥、昨日山崎に案内された拘置施設だ。そのまま中へ、さらに取調室に入るように指示された。そして私が入った途端に扉の鍵を閉めた。
ガチャ
「あぁなるほど確かに鍵がかかりますね。でもこの鏡ってマジックミラーだったんじゃありませんか?」
沖田は取調室外の部屋のマイクから話しかける。
「その通りでさぁ、ちなみに取調室は被疑者が勝手に出られないように、内側からも鍵を差し込まないと開かない仕組みでさぁ。」
沖田のその言葉に冷や汗を感じた。
「沖田さん、私鍵持ってませんけど?」
「大丈夫でさぁ、俺が持ってます。」
「意味がわかりません。出してください。」
本当に意味がわからない、沖田総悟は一体何をしたいのか。自分が沖田に閉じ込められたことだけはわかった。
「もういいんですかい?着替えはまだじゃないですか。」
「ここで着替える訳ないでしょ。」
話が通じなくて頭に血が上りそうだが、その時ドアの外で電話が鳴った。
ピピピピ
「了解、すぐに行きまさぁ。ってことで俺は見廻りに行ってくるんで。好きなだけそこで着替えてくだせぇ、オバさん。」
ガチャバタン
「えええええええ、ちょっ、沖田さーん!!!」
沖田は鍵閉めたまま本当に部屋を出て行った。
マジか、沖田マジか。ハメられた。オバさんオバさん言ってくる失礼な少年だと思っていたが、とんでもない悪童だった。これは嫌がらせの範疇なのか?しばし呆然とした。
「すみませーん!誰かいませんかー?」
取調室はさすが1つの情報も漏らさないように、遮音性は抜群だった。こちらも外の音はほぼ聞こえてこない。
まさか迎えにこないってことは無いよね?
沖田の性格は知らないが、流石に見廻りが終われば解放してくれるだろうと信じていた。
そこから3時間…
見廻りってどこまで見廻ってんだ。てか人を閉じこめておいて、のんびり見廻りってできるのか?どんな神経してんの。携帯を持ってこなかったことをこんなに後悔したことはない。
「覚えてろよ、沖田ぁー!」
さらに2時間…
流石に限界だ。気にしないようにしていたが、トイレにも行きたくなってきた。もちろん部屋の中にトイレはない。
「お願いします、誰か開けてー!」
沖田は絶対見廻り終わってるはずだ。これは確信犯だ。悪童ではない、もう立派なドS野郎だ。
「頭イカれてんじゃねぇのか、沖田ぁー!絶対許さねー!」
その頃山崎は知里が午後全く顔を見ていないことを不思議に思っていた。女中さんはお昼を食堂で食べている知里は見ていた。しかしその後の足取りがつかめない、玄関には靴はあり、仕事部屋には鞄がある。中には携帯や財布が入っている。どうやら屯所内にはいるはずなのだが、知里が行きそうなところは探した。
ちょうど土方が部屋から出てきたので、知里のことを話すと、「どこかそのへんほっつき歩いてんだろ」と言われる始末。すると後ろから沖田が、
「なんでぇ、オバさんいなくなったんですか。そりゃあ心配じゃないですか、土方さん一緒に探しましょうや。」
その言葉に土方は冷や汗を流した。あの沖田が他人を心配するはずがないからだ、つまりこの失踪には確実に沖田が関わっている自信があった。
「おい、総悟。お前知里をどこにやった?」
「なんですか土方さん、名前を呼び捨てにしちゃって、彼女ですか?」
「うるせぇよ、聞かれたことに答えろ。」
沖田は答えをはぐらかすばかりで、進展が無かった。焦り始めた土方は山崎にもう一度屯所中を探すように命じた。
山崎はまた玄関から徹底して屋根裏、軒下まで探した。もちろん一番隊の部屋も隅から隅まで。
まさか沖田さんが知里さんを拉致だなんて、何が沖田さん気に食わなかったんだろう…てか無事だよね?
残りは屯所奥にある拘置施設だ。そういえばさっきここは調べなかったな。開けてすぐに1つの取調室に電気が付いているのがわかった。
ガチャ
取調室の中には机に突っ伏したまま動かない知里の姿。
うわー死んでる、沖田隊長やらかしてるー!!
焦りに焦って、山崎は副長にすぐ電話をかけた。
「副長ー!大変です、死んでます、取調室です、すぐに来てくださいぃぃぃぃ!」
「オィィィいい!すぐ行く、総悟も来い!」
全力失踪で取調室に到着すると、知里は山崎に抱きついていた。
「ひゅーひゅー、お熱いこって!」
沖田は冷やかしに全力を注ぎ、土方はどういうことか理解できていなかった。
すると知里は取調室のパイプ椅子を持って沖田の前に立ち、沖田の頭を目掛けて投げつけた。
「おー、恐い恐い。冷やかされたくらいでこんなことするなんて、酷いじゃないでさぁ、オバさん。」
「冷やかされくらいでパイプ椅子で殴る訳ないだろうが!!」
パイプ椅子で人を殴るのは人生初だ。しかも沖田はしっかり両腕でガードしていた。
「いつもの丁寧な言葉遣いはどうしたんでぃ、土方さん、オバさんの本性でましたぜぃ。」
土方は「オィ落ちつけ、落ちつけ」とパイプ椅子を取ろうと知里を背後から両腕を掴んだ。
「総悟!これはお前の仕業だろ。」
「仕業ってまるで俺がわざと監禁したみたいじゃねぇですかぃ。元はと言えばこのオバさんが鍵の閉まる部屋はないかって聞いてきたんでぃ。」
「オィィィ、何都合いいことだけ思い出してんだよ!服を着替えたいから個室ないかって聞いただけだろうが!」
沖田のご都合主義の主張に真っ向から反論する。
「お前も落ちついてくれ。総悟、お前なんで取調室なんかに知里連れてくんだよ。」
「実際に入ってみないと被疑者の気持ちわからないかなと思いやして、一石二鳥でさ!」
沖田理論は私の頭では到底理解できなかったが、怒りは沸点をとおに超えて落ち着いてきた。
ビビビビッ
‘沖田さん、私鍵持ってませんけど?‘
‘大丈夫でさぁ、俺が持ってます。‘
‘意味がわかりません。出してください。’
‘もういいんですかい?着替えはまだじゃないですか。’
‘ここで着替える訳ないでしょ。’
‘了解、すぐに行きまさぁ。ってことで俺は見廻りに行ってくるんで。好きなだけそこで着替えてくだせぇ、オバさん。‘
部屋には約5時間前の会話が流れてきた。
「取調室は鍵をかけたら自動的に録音されるようななっているんですよ。」
淡々と山崎は操作していた。
「現行犯逮捕だ、テメー総悟、裁判なしで切腹だコラァ!」
土方が言い切る前に、沖田は部屋を飛び出した。
「お前も本当に悪かったな、どのくらい入ってたんだ、ここに?」
「5時間くらいですかねぇぇ。」
ビビビビ
‘頭イカれてんじゃねぇのか、沖田ぁー!絶対許さねー!’
「あ、だいたいこれで5時間30分です。」
山崎がまた淡々と操作する。
「わー、山崎さんそれ流しちゃダメなやつー!」
山崎は意外な知里の一面を面白がっているようだった。
「お前も災難だったな、頭のイカれた沖田に監禁されてな。とにかく今から食堂にいって水飲んでこい。」
「それよりもお手洗いに行きたいですね。」
さっきまでのヒートアップが嘘のように、ようやく落ち着きを取り戻した。
今日はそのまま帰宅するように言われ、何もしていないのに最強に疲れて眠りに落ちた。
ビビビビ
’山崎さん…うぅ、山崎さん〜会いたかった…’
山崎はニヤっと笑って、全データを削除した。