1年目
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重い目蓋は開き、今日2日目の出勤だ。
朝から土方さんと仕事の引き継ぎをする予定だった。
コンコン
「おう、入れ。」
「おはようございます、土方副長。引き継ぎよろしくお願いします。」
土方さんの仕事部屋は整理整頓されていて、几帳面さが伺えた。ただ、ヘビースモーカーなのだろうタバコの匂いが部屋中に染み付いてヤニ臭かった。無意識に顔をしかめてしまっていたら、それに気づいたようで、
「お前はタバコは苦手か?」
「すいません、得意ではないです。でも我慢できます、大丈夫です。」
「そうか、すまんな。ここ座ってくれ。お前に引き継ぎたい資料はこれだ。一応昨年度のものは終わらせてある、今月分からは頼む。」
まだ今月が始まって2日だが、領収書やら小口修理や傷病手当書類…山のようにあった。これはすごい、絶対昨年度終わってないと思う。そしてなんとこの書類を手書きで対応していたというのだから、なんとも時代錯誤である。そりゃあストレスでタバコも増えるだろう。
「あの、やり方を少し変えさせてもらってもよろしいですか?私はパソコンの方が得意ですので…」
「ああ、それは構わない。任せる。」
これはかなり大変な仕事になった、システムを全部1から作るのだ。さぁ、必要な書類はもらったし自室へ帰ろうとした。
「なぁ、お前ここに自薦で来たんだって?」
土方はタバコに火をつけ、吸いながら尋ねる。
「はい、そうです。」
「なんか理由でもあるのか?こんな男所帯のむさ苦しい、幕府にいつ切られてもおかしくないような組織で、市民にはチンピラ警察だなんて言われていることくらい知っているだろ?」
あぁ、土方は私がここに来たことを快くは思ってないんだなと感じた。でもそれは当たり前、特に副長のように真選組を立ち上げてここまでの組織にした第一人者からしたら、私のような異物は到底受け入れがたいだろう。
「そうですね、何か新しいことをしたかった。それだけです。他の環境にもチャレンジしたかったんです。」
「チャレンジねぇ。何かから逃げ出してきたのかと思ったよ。」
逃げか、これまでの場所では変われなかったのをチャレンジなんて綺麗な言葉にしていたのかもしれない。でも、チクチクと嫌味な事を言う人だなぁと思う。
「そう思われる人も多いでしょうね、ゲホッゲホッ」
つい咳をしてしまった、これは生理現象だから、嫌味じゃないから!
「あ、すまねーな。つい癖で吸っちまった。」
土方は付けたばかりのタバコをすぐに消した。
あ、気はつかってくれるんだ。鬼の副長と呼ばれていることは知っていたので、内心ビクビクしていた。もしかすると普段は違うのかと胸を撫で下ろした。
自室へ戻り、この手書き書類の山を何とか電子化しなければならない。今日から試行錯誤の始まりだ。
その頃、土方は知里が自室に入るのを確認して、監察方の山崎を呼んだ。
「山崎、土方知里を調べろ。」
「えー、なんでですか?しかも調べろだけじゃ漠然としてて難しいですよぉ。」
山崎は他にも密偵の仕事があるのにと少しふてくされている。
「あいつ自薦でココに来たんだそうだ。理由を聞いても釈然としねぇ。どこぞのスパイかもしれねぇ。」
「なんで幕府がスパイなんか送り込むんですか?知りたいことがあれば命令されたら従うしかないのに。」
「ごちゃごちゃうるせぇ。とにかくテメーはわかる範囲でいいから調べろ。他の隊士には内密にしろ、近藤さんにもだ。」
「わかりましたよ、もう、人使い荒いんだから!」
山崎はすぐに出て行った、なんだかんだ山崎の調査はしっかりしている。
土方はまたタバコをふかし、面倒なことが増えたなと午前中にも関わらず、早くも疲れが溜まっていく気がした。
朝から土方さんと仕事の引き継ぎをする予定だった。
コンコン
「おう、入れ。」
「おはようございます、土方副長。引き継ぎよろしくお願いします。」
土方さんの仕事部屋は整理整頓されていて、几帳面さが伺えた。ただ、ヘビースモーカーなのだろうタバコの匂いが部屋中に染み付いてヤニ臭かった。無意識に顔をしかめてしまっていたら、それに気づいたようで、
「お前はタバコは苦手か?」
「すいません、得意ではないです。でも我慢できます、大丈夫です。」
「そうか、すまんな。ここ座ってくれ。お前に引き継ぎたい資料はこれだ。一応昨年度のものは終わらせてある、今月分からは頼む。」
まだ今月が始まって2日だが、領収書やら小口修理や傷病手当書類…山のようにあった。これはすごい、絶対昨年度終わってないと思う。そしてなんとこの書類を手書きで対応していたというのだから、なんとも時代錯誤である。そりゃあストレスでタバコも増えるだろう。
「あの、やり方を少し変えさせてもらってもよろしいですか?私はパソコンの方が得意ですので…」
「ああ、それは構わない。任せる。」
これはかなり大変な仕事になった、システムを全部1から作るのだ。さぁ、必要な書類はもらったし自室へ帰ろうとした。
「なぁ、お前ここに自薦で来たんだって?」
土方はタバコに火をつけ、吸いながら尋ねる。
「はい、そうです。」
「なんか理由でもあるのか?こんな男所帯のむさ苦しい、幕府にいつ切られてもおかしくないような組織で、市民にはチンピラ警察だなんて言われていることくらい知っているだろ?」
あぁ、土方は私がここに来たことを快くは思ってないんだなと感じた。でもそれは当たり前、特に副長のように真選組を立ち上げてここまでの組織にした第一人者からしたら、私のような異物は到底受け入れがたいだろう。
「そうですね、何か新しいことをしたかった。それだけです。他の環境にもチャレンジしたかったんです。」
「チャレンジねぇ。何かから逃げ出してきたのかと思ったよ。」
逃げか、これまでの場所では変われなかったのをチャレンジなんて綺麗な言葉にしていたのかもしれない。でも、チクチクと嫌味な事を言う人だなぁと思う。
「そう思われる人も多いでしょうね、ゲホッゲホッ」
つい咳をしてしまった、これは生理現象だから、嫌味じゃないから!
「あ、すまねーな。つい癖で吸っちまった。」
土方は付けたばかりのタバコをすぐに消した。
あ、気はつかってくれるんだ。鬼の副長と呼ばれていることは知っていたので、内心ビクビクしていた。もしかすると普段は違うのかと胸を撫で下ろした。
自室へ戻り、この手書き書類の山を何とか電子化しなければならない。今日から試行錯誤の始まりだ。
その頃、土方は知里が自室に入るのを確認して、監察方の山崎を呼んだ。
「山崎、土方知里を調べろ。」
「えー、なんでですか?しかも調べろだけじゃ漠然としてて難しいですよぉ。」
山崎は他にも密偵の仕事があるのにと少しふてくされている。
「あいつ自薦でココに来たんだそうだ。理由を聞いても釈然としねぇ。どこぞのスパイかもしれねぇ。」
「なんで幕府がスパイなんか送り込むんですか?知りたいことがあれば命令されたら従うしかないのに。」
「ごちゃごちゃうるせぇ。とにかくテメーはわかる範囲でいいから調べろ。他の隊士には内密にしろ、近藤さんにもだ。」
「わかりましたよ、もう、人使い荒いんだから!」
山崎はすぐに出て行った、なんだかんだ山崎の調査はしっかりしている。
土方はまたタバコをふかし、面倒なことが増えたなと午前中にも関わらず、早くも疲れが溜まっていく気がした。