2年目
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バタバタの3月は過ぎ、新年度が始まった。
真選組に来て1年たった。何とかやれている自分に拍手を送りたい。
今日は毎年恒例の花見だ。だが知里は午前中は電話番として残ることにした。なんとなく気分が乗らなかった。まぁそういう時もある。午後は代わりのものがやってくる。
午前中は特に事件もなく、静かな屯所で仕事をして過ごした。
昼間あたたかい日差しと屯所内にある1本の桜を眺めて、縁側で横になる。本当に気分がいい。
原田が午後に交代要員で屯所に帰ってきた。
知里が縁側で横になり寝ている。
気持ちよさそうで、起こせない。
原田は夏のことを思い出した。
その頃はこの女が本当に嫌いだった。
何がそこまで気に障っていたのかは今となってはわからない。
博愛精神なのか偽善なのか、つかみどころがない性格。つかませないようにしているようにも感じる。
わかりやすい漢どもばかりの中で育った自分には、歯痒さを覚える。
「うーん…。」
知里は目が覚めた。
「交代だ。」
原田が知里に声をかける。
「見られてしまいましたね。」
原田は何も答えなかった。
風で桜が舞っている。
「久方の 光のどげき 春の日に。」
知里は原田を見て言う。
「続きは?」
原田は聞く。
「続きは調べて教えてください。」
「は?」
「覚えてますか、ここの大広間で喧嘩しましたよね。」
知里は寝ていた縁側の後ろを指差す。
「ああ。」
「なかなか原田さんとそれ以降話す機会なかったですからね。」
「そうだな。」
「話さないとどんどん話せなくなるんですね。だから今日の次も早めに話せるようにお題提供しました。」
「意味わかんねぇよ。」
「そうですよね、まぁじゃあ午後お願いします。」
知里は立ってすぐに出て行った。
原田は知里にお膳立てしてもらったようで、不本意だった。漢は自分で切り開くもんだ。
「調べるかよ。」
知里がいなくなった縁側で原田は呟いた。
知里は結局花見には参加しなかった。江戸には小さな桜並木がそこら中にある。
1人桜の下を歩き、ベンチで小休止する。
家族連れ、カップル、友だち同士、天人ツアー客、様々人が知里の前を通る。江戸は本当に人が多い。魅力的な街なんだろう。
ふと顔を左に向けると、白いペンギンの着ぐるみ?を着た人がいる。ペンギンにしてはクオリティが低い。
白いペンギンの着ぐるみがコッチを向いた。
「あぁなんだ宇宙怪獣ステファンの着ぐるみか。完成度高ぇなオイ。」
つい知里は独り言を言ってしまった。
ステファンがこちらに向かってやって来る。
えっ、何。ステファンご立腹?
知里は目が泳いだ。
『どっちかわかるか?』
プラカードが上がる。
えっ?これ会話?答えないといけないやつ?
「えっと、何がですか?」
『江戸の未来は』
抽象的〜!
「すみません、自分の未来もどっちやら。」
『そうか』
プラカードどっから出てんの?
そんな疑問を問うてははならない。
「ステファンさんは観光ですか?」
『ステファンではない、エリザベスだ!!』
「へぇぇぇぇ、エリザベスさんって言うんですねぇぇぇ。」
えらく気品高い名前だなぁぁぁなどとは言えない。
『観光ではない、ここで江戸市民を見ていた。』
「そうですか、私も同じです。」
『何を思い見てた?』
「私の周りに江戸市民を命張って守ってる人たちがいるんです。その守っている命を見てます。」
『そうか、俺の周りにも江戸のため命削り生きている人がいる。その守りたい命を見ている。』
「似てますね。」
『あぁ、でも似て非なるものだ。』
「そうですか。あの、小腹空きませんか?あそこのお団子とお茶美味しいんです。」
『あぁ、ご一緒しよう。』
知里とエリザベスは隣に並びお茶屋に向かった。
「あれ?知里さんとエリザベスじゃないですか。」
お茶屋に新八と銀時がいる。
「あれ、お知り合いですか?さっき初めてエリザベスさんと会ったんです。奇遇ですね。」
「おまおまお前、それが誰のペットか知ってんのか?」
「ペット何ですか!?」
「知らなきゃいい。」
銀時は団子を食べ進めた。
「エリザベスさんすごいしっかりした方で、江戸の未来まで見ておられるんですよ。」
「「へぇぇぇぇええええええ。」」
新八と銀時は生返事をする。
「お前、そのエリザベスに惚れたのかよ。」
銀時は茶化す。
「そうですねぇ。地球の男に飽きたところですから、いいかも?」
知里は応えるが、
『俺には決めた奴がいる。』
知里は振られた。
「ダハハハハハ!振られてやんの!」
知里は銀時の髪の毛を引っ張った。
「イダダダダ、死ぬ死ぬ毛根が数人死んでるー!」
知里の手のひらには銀髪が数本ついたが、すぐ払い除けた。
「銀さんみたいな地球人嫌。でも地球は離れられないかな、こんなに桜綺麗だし。」
「だな。俺もお前みたいな地球人ゴメンだが、桜は好きだ。」
「俺は全員好きだそ。銀時、知里。」
長髪の宇宙海賊風のコスプレに身を纏った男性がいつのまにか背後にいた。
「桂。」
銀時がしまったと言う顔をする。
「え?かつら?
「桂じゃない!宇宙海賊キャプテンカツーラだ!」
桂が叫ぶ。
エリザベスもいつのまにか海賊スタイルになっている。
「初めましてですよね?宇宙海賊キャプテンカツーラさん?」
知里は桂に尋ねる。
「そうだ!名前はエリザベスに聞いた!」
「そうですか。銀さんのお友達ですか?」
「違う、銀時は我らの仲間だ!」
「ちがーう!」
銀時は桂にボディブローを決める。飛ばされた桂により、お茶屋の看板が壊れる。
「ひ、ひどいではないか銀時。この左手のフックが壊れるところであった。これがなきゃキャプテンじゃないのに!」
桂が叫ぶ。
「知らねーよ!宇宙でもどこでもtwo-piece探してこい!」
銀時は座り団子をまた食べる。
新八と知里は店の人に謝り倒す。とりあえず壊した看板は知里が修理の手配をした。
キャプテンカツーラとエリザベスは団子をかっさらって逃げていた。
「何しにきたの?桂さん。」
知里は薄々桂だと気付いた。真選組に1年いれば風貌でわかる。
「カツーラだ。嫌がらせだろ。」
「デジャブ感じた。」
「勘違いだ。」
銀時は団子をおかわりした。
来年は真選組の花見に参加してもいいかなと思って、お茶屋から3人花見を続けた。桜は満開で早くも散り始めている。
真選組に来て1年たった。何とかやれている自分に拍手を送りたい。
今日は毎年恒例の花見だ。だが知里は午前中は電話番として残ることにした。なんとなく気分が乗らなかった。まぁそういう時もある。午後は代わりのものがやってくる。
午前中は特に事件もなく、静かな屯所で仕事をして過ごした。
昼間あたたかい日差しと屯所内にある1本の桜を眺めて、縁側で横になる。本当に気分がいい。
原田が午後に交代要員で屯所に帰ってきた。
知里が縁側で横になり寝ている。
気持ちよさそうで、起こせない。
原田は夏のことを思い出した。
その頃はこの女が本当に嫌いだった。
何がそこまで気に障っていたのかは今となってはわからない。
博愛精神なのか偽善なのか、つかみどころがない性格。つかませないようにしているようにも感じる。
わかりやすい漢どもばかりの中で育った自分には、歯痒さを覚える。
「うーん…。」
知里は目が覚めた。
「交代だ。」
原田が知里に声をかける。
「見られてしまいましたね。」
原田は何も答えなかった。
風で桜が舞っている。
「久方の 光のどげき 春の日に。」
知里は原田を見て言う。
「続きは?」
原田は聞く。
「続きは調べて教えてください。」
「は?」
「覚えてますか、ここの大広間で喧嘩しましたよね。」
知里は寝ていた縁側の後ろを指差す。
「ああ。」
「なかなか原田さんとそれ以降話す機会なかったですからね。」
「そうだな。」
「話さないとどんどん話せなくなるんですね。だから今日の次も早めに話せるようにお題提供しました。」
「意味わかんねぇよ。」
「そうですよね、まぁじゃあ午後お願いします。」
知里は立ってすぐに出て行った。
原田は知里にお膳立てしてもらったようで、不本意だった。漢は自分で切り開くもんだ。
「調べるかよ。」
知里がいなくなった縁側で原田は呟いた。
知里は結局花見には参加しなかった。江戸には小さな桜並木がそこら中にある。
1人桜の下を歩き、ベンチで小休止する。
家族連れ、カップル、友だち同士、天人ツアー客、様々人が知里の前を通る。江戸は本当に人が多い。魅力的な街なんだろう。
ふと顔を左に向けると、白いペンギンの着ぐるみ?を着た人がいる。ペンギンにしてはクオリティが低い。
白いペンギンの着ぐるみがコッチを向いた。
「あぁなんだ宇宙怪獣ステファンの着ぐるみか。完成度高ぇなオイ。」
つい知里は独り言を言ってしまった。
ステファンがこちらに向かってやって来る。
えっ、何。ステファンご立腹?
知里は目が泳いだ。
『どっちかわかるか?』
プラカードが上がる。
えっ?これ会話?答えないといけないやつ?
「えっと、何がですか?」
『江戸の未来は』
抽象的〜!
「すみません、自分の未来もどっちやら。」
『そうか』
プラカードどっから出てんの?
そんな疑問を問うてははならない。
「ステファンさんは観光ですか?」
『ステファンではない、エリザベスだ!!』
「へぇぇぇぇ、エリザベスさんって言うんですねぇぇぇ。」
えらく気品高い名前だなぁぁぁなどとは言えない。
『観光ではない、ここで江戸市民を見ていた。』
「そうですか、私も同じです。」
『何を思い見てた?』
「私の周りに江戸市民を命張って守ってる人たちがいるんです。その守っている命を見てます。」
『そうか、俺の周りにも江戸のため命削り生きている人がいる。その守りたい命を見ている。』
「似てますね。」
『あぁ、でも似て非なるものだ。』
「そうですか。あの、小腹空きませんか?あそこのお団子とお茶美味しいんです。」
『あぁ、ご一緒しよう。』
知里とエリザベスは隣に並びお茶屋に向かった。
「あれ?知里さんとエリザベスじゃないですか。」
お茶屋に新八と銀時がいる。
「あれ、お知り合いですか?さっき初めてエリザベスさんと会ったんです。奇遇ですね。」
「おまおまお前、それが誰のペットか知ってんのか?」
「ペット何ですか!?」
「知らなきゃいい。」
銀時は団子を食べ進めた。
「エリザベスさんすごいしっかりした方で、江戸の未来まで見ておられるんですよ。」
「「へぇぇぇぇええええええ。」」
新八と銀時は生返事をする。
「お前、そのエリザベスに惚れたのかよ。」
銀時は茶化す。
「そうですねぇ。地球の男に飽きたところですから、いいかも?」
知里は応えるが、
『俺には決めた奴がいる。』
知里は振られた。
「ダハハハハハ!振られてやんの!」
知里は銀時の髪の毛を引っ張った。
「イダダダダ、死ぬ死ぬ毛根が数人死んでるー!」
知里の手のひらには銀髪が数本ついたが、すぐ払い除けた。
「銀さんみたいな地球人嫌。でも地球は離れられないかな、こんなに桜綺麗だし。」
「だな。俺もお前みたいな地球人ゴメンだが、桜は好きだ。」
「俺は全員好きだそ。銀時、知里。」
長髪の宇宙海賊風のコスプレに身を纏った男性がいつのまにか背後にいた。
「桂。」
銀時がしまったと言う顔をする。
「え?かつら?
「桂じゃない!宇宙海賊キャプテンカツーラだ!」
桂が叫ぶ。
エリザベスもいつのまにか海賊スタイルになっている。
「初めましてですよね?宇宙海賊キャプテンカツーラさん?」
知里は桂に尋ねる。
「そうだ!名前はエリザベスに聞いた!」
「そうですか。銀さんのお友達ですか?」
「違う、銀時は我らの仲間だ!」
「ちがーう!」
銀時は桂にボディブローを決める。飛ばされた桂により、お茶屋の看板が壊れる。
「ひ、ひどいではないか銀時。この左手のフックが壊れるところであった。これがなきゃキャプテンじゃないのに!」
桂が叫ぶ。
「知らねーよ!宇宙でもどこでもtwo-piece探してこい!」
銀時は座り団子をまた食べる。
新八と知里は店の人に謝り倒す。とりあえず壊した看板は知里が修理の手配をした。
キャプテンカツーラとエリザベスは団子をかっさらって逃げていた。
「何しにきたの?桂さん。」
知里は薄々桂だと気付いた。真選組に1年いれば風貌でわかる。
「カツーラだ。嫌がらせだろ。」
「デジャブ感じた。」
「勘違いだ。」
銀時は団子をおかわりした。
来年は真選組の花見に参加してもいいかなと思って、お茶屋から3人花見を続けた。桜は満開で早くも散り始めている。