1年目
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ちさとは帰る準備をしに自室へ戻る。
「じゃあ気をつけて帰れよ。」
「はい。土方さんも少し休まれてくださいね。」
土方も宿舎へ向かう。風呂に入って少し休憩するのだろう。
どうせすぐにまたここに戻るのだから、整理しなくてもいいのだか、とりあえず机の上の書類を並べておいた。
「帰るんですかぃ?」
沖田が自室に入ってくる。
「はい。シャワー浴びて、一息ついてからまた来ます。」
知里は立ち上がり部屋から出ようとするも、沖田が出入り口から動かず、後ろ手で襖を閉めた。
「沖田さん、退いてください。今日は疲れてるので、ちょっと邪魔しないでもらえますか。」
知里は はぁ、と溜息をこぼした。
すると、沖田が1歩知里に近寄り、耳元で
「今日は眠れそうにないんじゃないですかぃ?」
小さく呟き、沖田の息遣いがふっと耳にあたる。
知里は身体が硬直してしまい、何か発そうにも動けない。
「拒否しないんですかぃ?」
沖田は知里の両肩に手を置き知里と目を合わせる。
「やめて。」
ようやく知里は下を向き、声を上げるが、
「手は退けないんですね。」
沖田はスッと手を知里の背中に回し、ギュッと抱きしめる。
「うっ、沖田さん、やめて下さい。お願い。」
突然の沖田の行動に身体の硬直が解けないと同時に、沖田の線の細い身体からと感じられないほど力強く抱きしめられ、例え身体が自由に動いても逃げられそうにない。
強く抱きしめられすぎて、息が苦しくなった知里は手で沖田の腕を掴み引き剥がそうとする。
「無駄でさぁ。こんな身体、このままへし折ることだってできまさぁ。」
ギュッとさらに沖田は力を込めて知里を抱く。
「あ゛、うっ…はぁ、はぁ、はぁ」
知里は息ができず、顔を上にあげて空気を求めるように口をあける。
骨が軋むほどに力を込めてから、沖田は知里から手を離した。
知里はそのまま崩れ、膝をつき激しく息をする。
「うっ、はぁはぁはぁ」
「まるで陸の魚みたいでさぁ。」
沖田は知里の前にしゃがみ冷たく呟く。
「ちょっと協力してほしいだけでさぁ。抵抗しなければすぐ終わりまさぁ。」
沖田は右手で知里の頬に触れ、顔を上げさせて、唇を奪った。
「うっ、んっ、、んっ、、」
沖田の舌が知里の口内を激しく犯す。知里は沖田の肩を押し返すが、びくともしない。
キスをしたままそのまま畳に押さえつけられ、沖田はすぐに知里の隊服のズボンを脱がしにかかる。
知里ズボンのチャックを下げ、下着の中に手を入れる。
「んんんっ!」
知里は腰を捻り拒絶するも、沖田が足で知里の脚を抑え込みされるがままである。
沖田の指が知里の繁みを撫で、そのまま割れ目へ進む。
沖田はキスをやめ、
「濡れてまさぁ。」
と知里の目を見て言う。
「俺が怖いですか?」
沖田が知里に聞く。
知里はコクリと頷く。
「それでいいでさぁ。」
沖田の指が知里の割れ目に入り、激しく動かす。
「あああああ、はぁ、はぁ、ああああ」
沖田の指はなおも激しく動かす。それは決して知里とのセックスを楽しむための前戯とは程遠いものだ。
「あああああ、ああ、いっ、あ、あああああ!」
ビクンッ
知里は沖田の指で強制的にイカされた。
「はぁはぁはぁ」
「イッたんですかぃ?じゃあいいですね。」
沖田は知里の下着とズボンを脱がし、沖田も着物は着たまま下着を脱ぐ。
沖田は大きく膨れ上がった自身を知里の濡れた割れ目へあてがい、
「ンッ」
沖田は一気に知里の中へ貫いた。
「あああっ」
知里はイってすぐの余韻の中、さらに挿入された沖田のペニスに膣内を圧迫される。
「はぁはぁはぁ」
知里は顔を横にして薄く目をあけて、沖田を盗み見た。
沖田は知里と自身の結合部を恍惚として見入っていた。知里が自分を見ているのに気づいた沖田は、
「今日、俺は攘夷志士を16人斬り殺したんでさぁ。死体処理して、、ここに戻って、シャワー浴びても、落ち着かないんでさぁ、、、心臓の鼓動が…痛いんでさぁ。」
知里を見下しながら言う。
「だから、、、俺と痛みをわけあってくだせぇ。」
知里に応えさせる間もなく、沖田は激しくピストンする。
「あ、んっ、あ、あ、、あ、ぁ゛、うっ、あ、あ」
知里は声にならない声をあげ、
「ンッ、ンハァ、アッ、ンッ」
沖田は快感からか声が漏れ出る。
沖田の言葉通り、まるで知里を痛めつけるように激しく腰を振り、
「もう、、イキまさぁ。」
そう言ってさらに激しく膣の奥まで届くよう腰を打ちつける。
「あああああ、ああー!!!」
知里は叫び絶頂を迎え、沖田はペニスを抜き大量の白濁を知里の隊服へかけた。
知里は少し意識が混濁していた。めまいに似た浮遊感もあった。
沖田は知里の横に倒れ、背中で息をしている。
知里はゆっくりと起き上がるが、
「ぃって」
下腹部に鈍痛が感じられた。
それでも汚れた隊服を脱いで、綺麗にたたみ、袋に入れた。下着とズボンを履く。
沖田は息は落ち着き、しかし黙ったまま知里の身支度が整うのを見ていた。
身支度を整えた知里は沖田の隣に座る。
「沖田さん、私、沖田さんに何と話せばいいのかわかりません。」
「…。」
「ただ、もう二度こんなことは沖田さんにはさせません。」
「何でそう言い切れるんでぃ…。」
「沖田さんが人を斬った後、絶対に沖田さんから逃げます。」
「追いかけたらどうするんでぃ。」
「土方さんに付き纏います。」
「土方も殺しまさぁ。」
「近藤さんに付き纏います。」
「…。」
「沖田さんが諦めるまで。だから大丈夫です。もうこんな思いは二度としないんです。」
「何言ってるのかわかんねぇでさぁ。」
「わからなくてもいいです。でも沖田さんは今まで通りでいいんです。何も変わりません。それだけを覚えてください。」
「わかんねぇでさぁ!!」
沖田は起き上がり、知里の目の前に対面して座る。
「わかんねぇでさぁ、あんたの言ってること全部!俺だってこんな…。」
「沖田さん、落ち着いて私を見てください。何か変わったところはありますか?」
「…。」
「隊服は…今ちょっと着れないけど、家に帰って、朝には新しい隊服きて屯所に来ます。」
「…。」
「ね、何も変わってない。沖田さんもこうやってちゃんと帯締めれば、ほらね、さっきと同じ。朝になれば、沖田さんは隊服できっと隣の仕事部屋にいます。」
「…。」
「大丈夫です。だから今日はこのまま寝てください。きっと眠れます。」
「あんたは、それでいいんですかぃ?」
「まずは自分のことだけ考えてください。ね、宿舎に帰りましょう。私も家に帰ります。」
「俺は…。」
「沖田さん、また明日会いましょう。私を信じてください。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
沖田は知里と一緒に知里の仕事部屋から出て、そこで別れた。
知里に言われた通り、宿舎に戻って自室で布団の上に寝転ぶ。
目を閉じると先程の出来事が鮮明に思い出された。
何も変わってないことなんかない。
俺は確実にアイツとの関係を変えた。
それなのに、なんでアイツは何も変わらないフリをするんだ。
もっと泣いて俺を罵ってくれれば良かったのに。
俺に謝ることもさせてくれない。
そもそも俺はアイツに謝りたいのか?
俺はなんでこんなことを思いついた?
そうだ、土方とアイツが玄関で話している姿を見た時だ。
土方が屯所に帰ってきてから、玄関前でタバコを吸ってた。
早く風呂にでも入って、さっさと休憩したらいいのに、そう思ってた。
俺が風呂から上がったら、土方は知里と玄関で談笑してた。
わかったんだ、あぁ、土方は知里を待ってたんだって。
確かに1番最後に帰って来たのは知里だ。もし、違うやつが最後だったら、土方は待ってただろうか。
そんなにアイツが心配なのか?
そもそもアイツは戦えない女だ。
剣も武道も何もできない。自分のことを自分で守れない。
なのに何で真選組でいられるんだ?
近藤さんは人がいいから上から頼まれたら仕方ないとしても、土方はすぐに考えを変えたりしない。
山崎だってそうだ、いい人ズラして迎合するが、腹の中ではそう簡単に変わったりしない。
なのになんでか、みんなアイツを真選組の仲間として認め信頼しはじめた。
何も出来ないアイツを。
原田一派に至ってはあんなにアイツを蔑んでいたのに、今では一目をおこうとしている。
そのまま嫌われていれば良かったんだ。
真選組で居心地悪く、死ぬほど苦労して過ごしてくれてさえいれば。
ミツバお姉ちゃんは戦えない女で足手まといになるからってみんなで武州に置いて来たのに。何でアイツはここに居られるんだ?
あぁ、俺はアイツが嫌いなんだ。
真選組にアイツがいることを認められないでいるのは俺なんだ。
いなくなって欲しい。
俺の目の前から、真選組から。
〜
知里の仕事部屋ももうアイツの一部になっている。
この部屋も嫌いだ。壊したい。今すぐこの手で。
知里を乱暴にして俺を怖いと言った時の表情、アレは今までで1番最高だった。
でも知里と目があった時、俺を憐んでいるようだった。
だから咄嗟に人を斬ったときの衝動が抑えられないと言い訳した。
心臓が痛いのは、人を斬ったからじゃない。
真意を読まれたと心臓が酷く鼓動したんだ。
ミツバお姉ちゃんが知里だったら良かったのに。
知里がミツバお姉ちゃんだったら良かったのに。
俺はミツバお姉ちゃんに苦労して育ててもらった。
俺は知里を心底傷つけた。
俺は人を傷つけるばかりだ。
知里はきっともう俺に謝らせてくれない。
きっとこの話すらもう二度とさせないつもりなんだろう。
また俺は守られたのか。
俺はミツバお姉ちゃんに一体何ができたんだろう。
これから俺は知里に何ができるんだろう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
怖かったか怖くなかったかといば、正直言って怖かった。
いつもバズーカを楽しそうに打つ、副長の命を狙う、あの青年ではなかった。
彼がオバさんなどと言うように私ももういい大人だ。
職場内での色恋沙汰の1つや2つも経験してる。
ただ、これはそう言った類のものだったかと言われると少し自信がない。
いわゆる欲の捌け口となったんだろうか。
そうであれば女として持つ小さなプライドはズタズタだ。
彼が言う痛みとは何だったんだろう。
人を斬るとは自分が斬られるかもしれない極限状態。
そこから脱却するのは確かに難しそうだ。
現に今、自分の心臓は早打ちしドクドクという血流の音が耳を塞ぐ。
いつ治りがあるのか予想もつかない。
彼らはこんなにも自分の心臓の鼓動を聞いているのだろうか。
おかしくなりそうだ。
ああ、これが痛み?
例えばこの痛みは他にどうやって治めるのだろう。
遊女の元へ行くのだろうか。
遊女はこんな風にされても痛くないのだろうか。
わからない。
彼は何も語らなかった、否、私が話させなかった。
自分を守るためだ。
彼にこれからも何も語らせない、彼が傷つこうが関係ない。
これからの自分のためだ。
謝られたり、罵られたりしたら、ここに居づらくなる。
ここはまだ私に必要な場所だ。
私の居場所は誰にも奪わせたりしない。
確かなのは、今私の邪魔をする奴は大嫌いだ。
〜〜〜
解説
沖田はこの日まで主人公に対してとにかく気になる存在で、胸がモヤモヤする状態です。好きとか嫌いという感情は近藤やミツバ、土方に対して以外は沖田にとって重要ではありません。
ちょっかいを出していた理由は暇つぶし9割5分5厘、わからない5厘です。
しかし、この日は討ち入りという精神の昂りから好き嫌いの感情が出てきます。普段そういった感情を持ち合わせていないので、適切な対処ができませんでした。若気の至りの一つです。酷いけどね。
主人公は沖田のことを何とも思ってませんでしたが、今はどちらかといえば嫌いです。当たり前か。でも大人の対応でいつも通りに接します。
「じゃあ気をつけて帰れよ。」
「はい。土方さんも少し休まれてくださいね。」
土方も宿舎へ向かう。風呂に入って少し休憩するのだろう。
どうせすぐにまたここに戻るのだから、整理しなくてもいいのだか、とりあえず机の上の書類を並べておいた。
「帰るんですかぃ?」
沖田が自室に入ってくる。
「はい。シャワー浴びて、一息ついてからまた来ます。」
知里は立ち上がり部屋から出ようとするも、沖田が出入り口から動かず、後ろ手で襖を閉めた。
「沖田さん、退いてください。今日は疲れてるので、ちょっと邪魔しないでもらえますか。」
知里は はぁ、と溜息をこぼした。
すると、沖田が1歩知里に近寄り、耳元で
「今日は眠れそうにないんじゃないですかぃ?」
小さく呟き、沖田の息遣いがふっと耳にあたる。
知里は身体が硬直してしまい、何か発そうにも動けない。
「拒否しないんですかぃ?」
沖田は知里の両肩に手を置き知里と目を合わせる。
「やめて。」
ようやく知里は下を向き、声を上げるが、
「手は退けないんですね。」
沖田はスッと手を知里の背中に回し、ギュッと抱きしめる。
「うっ、沖田さん、やめて下さい。お願い。」
突然の沖田の行動に身体の硬直が解けないと同時に、沖田の線の細い身体からと感じられないほど力強く抱きしめられ、例え身体が自由に動いても逃げられそうにない。
強く抱きしめられすぎて、息が苦しくなった知里は手で沖田の腕を掴み引き剥がそうとする。
「無駄でさぁ。こんな身体、このままへし折ることだってできまさぁ。」
ギュッとさらに沖田は力を込めて知里を抱く。
「あ゛、うっ…はぁ、はぁ、はぁ」
知里は息ができず、顔を上にあげて空気を求めるように口をあける。
骨が軋むほどに力を込めてから、沖田は知里から手を離した。
知里はそのまま崩れ、膝をつき激しく息をする。
「うっ、はぁはぁはぁ」
「まるで陸の魚みたいでさぁ。」
沖田は知里の前にしゃがみ冷たく呟く。
「ちょっと協力してほしいだけでさぁ。抵抗しなければすぐ終わりまさぁ。」
沖田は右手で知里の頬に触れ、顔を上げさせて、唇を奪った。
「うっ、んっ、、んっ、、」
沖田の舌が知里の口内を激しく犯す。知里は沖田の肩を押し返すが、びくともしない。
キスをしたままそのまま畳に押さえつけられ、沖田はすぐに知里の隊服のズボンを脱がしにかかる。
知里ズボンのチャックを下げ、下着の中に手を入れる。
「んんんっ!」
知里は腰を捻り拒絶するも、沖田が足で知里の脚を抑え込みされるがままである。
沖田の指が知里の繁みを撫で、そのまま割れ目へ進む。
沖田はキスをやめ、
「濡れてまさぁ。」
と知里の目を見て言う。
「俺が怖いですか?」
沖田が知里に聞く。
知里はコクリと頷く。
「それでいいでさぁ。」
沖田の指が知里の割れ目に入り、激しく動かす。
「あああああ、はぁ、はぁ、ああああ」
沖田の指はなおも激しく動かす。それは決して知里とのセックスを楽しむための前戯とは程遠いものだ。
「あああああ、ああ、いっ、あ、あああああ!」
ビクンッ
知里は沖田の指で強制的にイカされた。
「はぁはぁはぁ」
「イッたんですかぃ?じゃあいいですね。」
沖田は知里の下着とズボンを脱がし、沖田も着物は着たまま下着を脱ぐ。
沖田は大きく膨れ上がった自身を知里の濡れた割れ目へあてがい、
「ンッ」
沖田は一気に知里の中へ貫いた。
「あああっ」
知里はイってすぐの余韻の中、さらに挿入された沖田のペニスに膣内を圧迫される。
「はぁはぁはぁ」
知里は顔を横にして薄く目をあけて、沖田を盗み見た。
沖田は知里と自身の結合部を恍惚として見入っていた。知里が自分を見ているのに気づいた沖田は、
「今日、俺は攘夷志士を16人斬り殺したんでさぁ。死体処理して、、ここに戻って、シャワー浴びても、落ち着かないんでさぁ、、、心臓の鼓動が…痛いんでさぁ。」
知里を見下しながら言う。
「だから、、、俺と痛みをわけあってくだせぇ。」
知里に応えさせる間もなく、沖田は激しくピストンする。
「あ、んっ、あ、あ、、あ、ぁ゛、うっ、あ、あ」
知里は声にならない声をあげ、
「ンッ、ンハァ、アッ、ンッ」
沖田は快感からか声が漏れ出る。
沖田の言葉通り、まるで知里を痛めつけるように激しく腰を振り、
「もう、、イキまさぁ。」
そう言ってさらに激しく膣の奥まで届くよう腰を打ちつける。
「あああああ、ああー!!!」
知里は叫び絶頂を迎え、沖田はペニスを抜き大量の白濁を知里の隊服へかけた。
知里は少し意識が混濁していた。めまいに似た浮遊感もあった。
沖田は知里の横に倒れ、背中で息をしている。
知里はゆっくりと起き上がるが、
「ぃって」
下腹部に鈍痛が感じられた。
それでも汚れた隊服を脱いで、綺麗にたたみ、袋に入れた。下着とズボンを履く。
沖田は息は落ち着き、しかし黙ったまま知里の身支度が整うのを見ていた。
身支度を整えた知里は沖田の隣に座る。
「沖田さん、私、沖田さんに何と話せばいいのかわかりません。」
「…。」
「ただ、もう二度こんなことは沖田さんにはさせません。」
「何でそう言い切れるんでぃ…。」
「沖田さんが人を斬った後、絶対に沖田さんから逃げます。」
「追いかけたらどうするんでぃ。」
「土方さんに付き纏います。」
「土方も殺しまさぁ。」
「近藤さんに付き纏います。」
「…。」
「沖田さんが諦めるまで。だから大丈夫です。もうこんな思いは二度としないんです。」
「何言ってるのかわかんねぇでさぁ。」
「わからなくてもいいです。でも沖田さんは今まで通りでいいんです。何も変わりません。それだけを覚えてください。」
「わかんねぇでさぁ!!」
沖田は起き上がり、知里の目の前に対面して座る。
「わかんねぇでさぁ、あんたの言ってること全部!俺だってこんな…。」
「沖田さん、落ち着いて私を見てください。何か変わったところはありますか?」
「…。」
「隊服は…今ちょっと着れないけど、家に帰って、朝には新しい隊服きて屯所に来ます。」
「…。」
「ね、何も変わってない。沖田さんもこうやってちゃんと帯締めれば、ほらね、さっきと同じ。朝になれば、沖田さんは隊服できっと隣の仕事部屋にいます。」
「…。」
「大丈夫です。だから今日はこのまま寝てください。きっと眠れます。」
「あんたは、それでいいんですかぃ?」
「まずは自分のことだけ考えてください。ね、宿舎に帰りましょう。私も家に帰ります。」
「俺は…。」
「沖田さん、また明日会いましょう。私を信じてください。」
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沖田は知里と一緒に知里の仕事部屋から出て、そこで別れた。
知里に言われた通り、宿舎に戻って自室で布団の上に寝転ぶ。
目を閉じると先程の出来事が鮮明に思い出された。
何も変わってないことなんかない。
俺は確実にアイツとの関係を変えた。
それなのに、なんでアイツは何も変わらないフリをするんだ。
もっと泣いて俺を罵ってくれれば良かったのに。
俺に謝ることもさせてくれない。
そもそも俺はアイツに謝りたいのか?
俺はなんでこんなことを思いついた?
そうだ、土方とアイツが玄関で話している姿を見た時だ。
土方が屯所に帰ってきてから、玄関前でタバコを吸ってた。
早く風呂にでも入って、さっさと休憩したらいいのに、そう思ってた。
俺が風呂から上がったら、土方は知里と玄関で談笑してた。
わかったんだ、あぁ、土方は知里を待ってたんだって。
確かに1番最後に帰って来たのは知里だ。もし、違うやつが最後だったら、土方は待ってただろうか。
そんなにアイツが心配なのか?
そもそもアイツは戦えない女だ。
剣も武道も何もできない。自分のことを自分で守れない。
なのに何で真選組でいられるんだ?
近藤さんは人がいいから上から頼まれたら仕方ないとしても、土方はすぐに考えを変えたりしない。
山崎だってそうだ、いい人ズラして迎合するが、腹の中ではそう簡単に変わったりしない。
なのになんでか、みんなアイツを真選組の仲間として認め信頼しはじめた。
何も出来ないアイツを。
原田一派に至ってはあんなにアイツを蔑んでいたのに、今では一目をおこうとしている。
そのまま嫌われていれば良かったんだ。
真選組で居心地悪く、死ぬほど苦労して過ごしてくれてさえいれば。
ミツバお姉ちゃんは戦えない女で足手まといになるからってみんなで武州に置いて来たのに。何でアイツはここに居られるんだ?
あぁ、俺はアイツが嫌いなんだ。
真選組にアイツがいることを認められないでいるのは俺なんだ。
いなくなって欲しい。
俺の目の前から、真選組から。
〜
知里の仕事部屋ももうアイツの一部になっている。
この部屋も嫌いだ。壊したい。今すぐこの手で。
知里を乱暴にして俺を怖いと言った時の表情、アレは今までで1番最高だった。
でも知里と目があった時、俺を憐んでいるようだった。
だから咄嗟に人を斬ったときの衝動が抑えられないと言い訳した。
心臓が痛いのは、人を斬ったからじゃない。
真意を読まれたと心臓が酷く鼓動したんだ。
ミツバお姉ちゃんが知里だったら良かったのに。
知里がミツバお姉ちゃんだったら良かったのに。
俺はミツバお姉ちゃんに苦労して育ててもらった。
俺は知里を心底傷つけた。
俺は人を傷つけるばかりだ。
知里はきっともう俺に謝らせてくれない。
きっとこの話すらもう二度とさせないつもりなんだろう。
また俺は守られたのか。
俺はミツバお姉ちゃんに一体何ができたんだろう。
これから俺は知里に何ができるんだろう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
怖かったか怖くなかったかといば、正直言って怖かった。
いつもバズーカを楽しそうに打つ、副長の命を狙う、あの青年ではなかった。
彼がオバさんなどと言うように私ももういい大人だ。
職場内での色恋沙汰の1つや2つも経験してる。
ただ、これはそう言った類のものだったかと言われると少し自信がない。
いわゆる欲の捌け口となったんだろうか。
そうであれば女として持つ小さなプライドはズタズタだ。
彼が言う痛みとは何だったんだろう。
人を斬るとは自分が斬られるかもしれない極限状態。
そこから脱却するのは確かに難しそうだ。
現に今、自分の心臓は早打ちしドクドクという血流の音が耳を塞ぐ。
いつ治りがあるのか予想もつかない。
彼らはこんなにも自分の心臓の鼓動を聞いているのだろうか。
おかしくなりそうだ。
ああ、これが痛み?
例えばこの痛みは他にどうやって治めるのだろう。
遊女の元へ行くのだろうか。
遊女はこんな風にされても痛くないのだろうか。
わからない。
彼は何も語らなかった、否、私が話させなかった。
自分を守るためだ。
彼にこれからも何も語らせない、彼が傷つこうが関係ない。
これからの自分のためだ。
謝られたり、罵られたりしたら、ここに居づらくなる。
ここはまだ私に必要な場所だ。
私の居場所は誰にも奪わせたりしない。
確かなのは、今私の邪魔をする奴は大嫌いだ。
〜〜〜
解説
沖田はこの日まで主人公に対してとにかく気になる存在で、胸がモヤモヤする状態です。好きとか嫌いという感情は近藤やミツバ、土方に対して以外は沖田にとって重要ではありません。
ちょっかいを出していた理由は暇つぶし9割5分5厘、わからない5厘です。
しかし、この日は討ち入りという精神の昂りから好き嫌いの感情が出てきます。普段そういった感情を持ち合わせていないので、適切な対処ができませんでした。若気の至りの一つです。酷いけどね。
主人公は沖田のことを何とも思ってませんでしたが、今はどちらかといえば嫌いです。当たり前か。でも大人の対応でいつも通りに接します。