1年目
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朝の会議の後、近藤は土方にとめられていた。
「近藤さん、俺はあんな勘定方が来ること聞きてないぞ。」
「トシ、そのことなんだが、俺も今週知ったんだ。トシは、先週の討ち入りの後始末や年度末の事務仕事が忙しそうだっただろ。一応携帯にメールしたんだけどな?」
「携帯は先週から修理に出してんだ。」
「そうか、まぁ兎に角突然決まったんだ。知里さんも2週間前に公募があって、内示も1週間前に決まったって言ってたし。」
「ちょっと待て、じゃあアイツ自薦できたのか。飛ばされたんじゃなく。」
「おーそうなんだよ!嬉しいよなぁトシ!こんな田舎侍の組織に希望持って入って来てくれたんだから!」
近藤は本気で喜んでるが、土方はなにか釈然としない気持ちになっていた。
こんな男所帯の最底辺組織に女が自薦で来るだと?真選組の組織への希望だけで入ってくるとは考えられねぇ。何か他の目的があるんじゃねぇだろうな。ただの物好きか?
「それに今まではトシが勘定もやってただろ?やっぱ事務もトシに頼りすぎてた。トシにはもっと実戦だよな。よかったじゃないか知里さんが来てくれてな。」
まぁそれはその通りだと思う。予算だの、収支報告書だの、隊士の訓練、討伐計画、見廻りありとあらゆるものを1人で対応してきた。キャパオーバーになりつつあるのは見えていた。
コンコン、近藤の仕事部屋がノックされた。
「どうぞー。おー知里さん。ちょうどよかった、トシと今話していたところだったんだ。」
「そうですか、土方さんには事前に顔合わせもできずに申し訳ありません。近藤さんからは、これまで土方さんが対応しておられた勘定科目について、引き継ぎさせていただけたらと思います。」
「おお、突然決まったんだ、仕方ねぇ。俺も年度末はバタバタしてて時間が取れなかった。今日資料をまとめるから、明日から引き継ぎ作業頼む。」
「わかりました。」
「よーし、じゃあ知里さんが新しく仲間に入ってくれたことだし、今週末は宴会にするか!」
近藤は明るく提案した。どうせ飲みたいだけだろうが、と土方は思っていた。
今日のところは特に仕事もないので、先に上がらせてもらい、自宅の整理をする事になった。
屯所から歩いて10分のマンションが新しい我が家だ。
「ただいま。」
返ってくる返事はもうない。
「今日は真選組へ初出勤だったよ。ほんと男所帯でむさ苦しいったらないわー、あと沖田って隊長がいるんだけど、私のことオバさんって言うんよ!はぁー若い若いと思ってたけど、実際私オバさんだよなー。」
いつもの旦那への報告という、ただの独り言。
旦那は2年前、攘夷志士の爆破テロに巻き込まれて亡くなった。爆弾の威力が激しく、骨すら遺してくれなかった。
唯一、旦那が遺していったのは、この結婚指輪。
犯人もまだ捕まっておらず、攘夷グループでさえどこが関わったのかわかっていない。
そんな時にこの真選組の勘定方の公募があった、みんな行きたがる人なんていなかった。
真選組…ここだ、ここに行かないと。何かに背中を押された気がした。
「近藤さん、俺はあんな勘定方が来ること聞きてないぞ。」
「トシ、そのことなんだが、俺も今週知ったんだ。トシは、先週の討ち入りの後始末や年度末の事務仕事が忙しそうだっただろ。一応携帯にメールしたんだけどな?」
「携帯は先週から修理に出してんだ。」
「そうか、まぁ兎に角突然決まったんだ。知里さんも2週間前に公募があって、内示も1週間前に決まったって言ってたし。」
「ちょっと待て、じゃあアイツ自薦できたのか。飛ばされたんじゃなく。」
「おーそうなんだよ!嬉しいよなぁトシ!こんな田舎侍の組織に希望持って入って来てくれたんだから!」
近藤は本気で喜んでるが、土方はなにか釈然としない気持ちになっていた。
こんな男所帯の最底辺組織に女が自薦で来るだと?真選組の組織への希望だけで入ってくるとは考えられねぇ。何か他の目的があるんじゃねぇだろうな。ただの物好きか?
「それに今まではトシが勘定もやってただろ?やっぱ事務もトシに頼りすぎてた。トシにはもっと実戦だよな。よかったじゃないか知里さんが来てくれてな。」
まぁそれはその通りだと思う。予算だの、収支報告書だの、隊士の訓練、討伐計画、見廻りありとあらゆるものを1人で対応してきた。キャパオーバーになりつつあるのは見えていた。
コンコン、近藤の仕事部屋がノックされた。
「どうぞー。おー知里さん。ちょうどよかった、トシと今話していたところだったんだ。」
「そうですか、土方さんには事前に顔合わせもできずに申し訳ありません。近藤さんからは、これまで土方さんが対応しておられた勘定科目について、引き継ぎさせていただけたらと思います。」
「おお、突然決まったんだ、仕方ねぇ。俺も年度末はバタバタしてて時間が取れなかった。今日資料をまとめるから、明日から引き継ぎ作業頼む。」
「わかりました。」
「よーし、じゃあ知里さんが新しく仲間に入ってくれたことだし、今週末は宴会にするか!」
近藤は明るく提案した。どうせ飲みたいだけだろうが、と土方は思っていた。
今日のところは特に仕事もないので、先に上がらせてもらい、自宅の整理をする事になった。
屯所から歩いて10分のマンションが新しい我が家だ。
「ただいま。」
返ってくる返事はもうない。
「今日は真選組へ初出勤だったよ。ほんと男所帯でむさ苦しいったらないわー、あと沖田って隊長がいるんだけど、私のことオバさんって言うんよ!はぁー若い若いと思ってたけど、実際私オバさんだよなー。」
いつもの旦那への報告という、ただの独り言。
旦那は2年前、攘夷志士の爆破テロに巻き込まれて亡くなった。爆弾の威力が激しく、骨すら遺してくれなかった。
唯一、旦那が遺していったのは、この結婚指輪。
犯人もまだ捕まっておらず、攘夷グループでさえどこが関わったのかわかっていない。
そんな時にこの真選組の勘定方の公募があった、みんな行きたがる人なんていなかった。
真選組…ここだ、ここに行かないと。何かに背中を押された気がした。