1年目
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今日は朝からバタバタしている。
監察の山崎が1ヶ月にも及ぶ密偵から帰ってきた。それにより討ち入りが決まったのだ。
山崎の情報によると、攘夷志士の隠れ先は2つ。武器庫として使用されている海岸線の倉庫と本拠地の武田屋だ。
討ち入り計画は近藤と土方が練っている。情報がバレてはいけないので、一般隊士にも決行時間はわからない。おそらくだが、午後には詳細が決まり報告があるだろう。
知里は討ち入りには参加しないが、負傷した隊士および攘夷志士の病院受け入れの対応を行う。今回は2カ所で距離があるので、1つの病院では対応不可能だった。1人で複数の病院を周るのは短時間では無理なので、今回は補佐役として、3名隊士を借りることができた。結局まだ情報をもらえないので、やれることといえば各病院何名までなら受け入れ可能か確認しておくくらいだ。
「今回は結構大物らしい。かなりの人数が討ち入り参加の予定だって。」
補佐役の隊士が噂する。
「そっか、病院4つじゃ無理かな。」
知里とりあえずこれまで受け入れ実践のある病院をピックアップした。
「逆にそのくらいで足りるかもしれませんね。一番隊が出る方は多分攘夷志士の怪我人出ないですし。」
沖田率いる一番隊は斬り込み部隊と言うだけあり、本当に後に何も残らない。見た事はないが、凄惨な状態になるらしい。だが、隊士たちの怪我が圧倒的に多いのも一番隊だ。まさに死闘を繰り広げている。
「とにかく無事で終わってほしいわ。」
知里は後の計画は午後から決めるとして、補佐役と解散し自室でパソコン作業に入る。
「何言ってるんでさぁ。成功しなきゃ意味ない、失敗したら無駄死にでさぁ。」
沖田が勝手に知里の部屋に入ってきた。
さっきの言葉が聞こえていたらしい。
「わかってます。死ぬことも前提に含まれてる仕事に精神がまだついていけてないだけです。甘いって言うのはわかりますので、もう言いません。すいません。」
パソコンを操作しながら答える。
「わかってるならいいでさぁ。隊士の士気が下がることだけは言わないことさぁ。」
「沖田さん、勝手に思うだけでもダメですか?」
「ダメでさぁ、オバさんは顔に出る。」
沖田は厳しく知里に放った。
午後には詳細が決まった。一、ニ、四番隊は副長と本拠地、近藤と五、八、十番隊は倉庫になった。残りは屯所で待機するのと、攘夷志士の怪我人が搬送された病院での見張りに駆り出される。知里ら病院の受け入れ事務担当は、病院1つにつき1人配置して対応する。攘夷志士が入る病院の方が手続きが大変なので、今回は倉庫に近い病院は知里が担当する。
「夜22時、討ち入り決行だ。今回は二カ所同時討ち入りだ、手柄を上げるチャンスだ。それまで各自準備して臨むように。」
近藤が隊士に向かって鼓舞した。隊士たちの顔つき、声質、全てに熱情を感じる。沖田に至っては既に殺気に近い。知里は討ち入り時の隊士をまだ直視はできない。
知里は21時ごろから先に病院に向かう。
願わくば自分の仕事が忙しくならなければいい。誰かさんに叱られそうだが、黒い制服を見なければなお良い。
22時、倉庫側の討ち入りが予定通り始まった。
22時40分に負傷兵の数、重症度などが知里に伝わり、2つの病院で割り振る。今回は二カ所で間に合いそうだった。
知里の方はすべて攘夷志士の怪我人を受け入れ、屯所から隊士の応援を取り付ける。16名の攘夷志士が運び込まれ、4名が意識不明の重体だった。病院もまさに死闘である。意識のある攘夷志士からは罵声を浴び、病院の先生たちからは患者が多すぎる怒られるが、他に回せないので、頑張ってもらった。残り3つの病院も似たようなものだが、大丈夫だった。
知里は攘夷志士の治療に見込みがついてから、見張りの隊士に後を任せて屯所へ帰った。
既に午前4時、玄関前ではタバコを吸う土方がいた。
「お疲れさまでした。」
今日、正確には昨日からだが、初めて土方と話した。それだけ討ち入りの前は話しかけられない雰囲気だった。
「おう、そっちは大丈夫だったか?」
「問題ありません。討ち入りは成功ですか?」
「攘夷志士グループは壊滅した。成功だろう。隊士の怪我人もまぁ少なかった。」
今回は隊士の怪我人は合計で13人、重体はいなかった。
「計画が成功して良かったです。」
知里は隊士の怪我人が多少心配だったが、重体はいないことに安堵した。
タバコを吸い終えた土方と一緒に玄関に入る。
さっきまで暗くて見えなかったが、土方の顔が半分赤い。
「うわ!ちょっと、怪我、怪我!」
知里は驚いて土方に叫ぶ。
「何言ってやがるもう止まってる。」
土方はそう言って靴を脱ぐ。
「てかそんな状態でタバコとか!先に顔洗うなり、シャワー浴びてくださいよ!夢にでるわ!悪夢だわ!」
「キーキーうるせぇ、一回家帰っていいぞ。10時には来い。」
「えーめんどくさいですね。でもシャワー浴びたいし、仕方ないか。」
悩みつつ知里も靴を脱ぐ。
すると、廊下から首にタオルをかけた沖田が現れ、
「浴びていったらいいじゃないですかぃ。ちょうど一番隊がシャワー使ったとこなんで、20人分の血はちゃんと排水溝でさぁ。」
「帰りますね。」
知里は迷うことなく即決した。
「あれ、土方さん、切られたんですかぃ?そのまま氏ねよ、土方」
討ち入り前は触ると切れてしまいそうな沖田も今は普段通りに近い様子だった。
「んだと、コラ。」
土方はまだ少し瞳孔が開いていた。
監察の山崎が1ヶ月にも及ぶ密偵から帰ってきた。それにより討ち入りが決まったのだ。
山崎の情報によると、攘夷志士の隠れ先は2つ。武器庫として使用されている海岸線の倉庫と本拠地の武田屋だ。
討ち入り計画は近藤と土方が練っている。情報がバレてはいけないので、一般隊士にも決行時間はわからない。おそらくだが、午後には詳細が決まり報告があるだろう。
知里は討ち入りには参加しないが、負傷した隊士および攘夷志士の病院受け入れの対応を行う。今回は2カ所で距離があるので、1つの病院では対応不可能だった。1人で複数の病院を周るのは短時間では無理なので、今回は補佐役として、3名隊士を借りることができた。結局まだ情報をもらえないので、やれることといえば各病院何名までなら受け入れ可能か確認しておくくらいだ。
「今回は結構大物らしい。かなりの人数が討ち入り参加の予定だって。」
補佐役の隊士が噂する。
「そっか、病院4つじゃ無理かな。」
知里とりあえずこれまで受け入れ実践のある病院をピックアップした。
「逆にそのくらいで足りるかもしれませんね。一番隊が出る方は多分攘夷志士の怪我人出ないですし。」
沖田率いる一番隊は斬り込み部隊と言うだけあり、本当に後に何も残らない。見た事はないが、凄惨な状態になるらしい。だが、隊士たちの怪我が圧倒的に多いのも一番隊だ。まさに死闘を繰り広げている。
「とにかく無事で終わってほしいわ。」
知里は後の計画は午後から決めるとして、補佐役と解散し自室でパソコン作業に入る。
「何言ってるんでさぁ。成功しなきゃ意味ない、失敗したら無駄死にでさぁ。」
沖田が勝手に知里の部屋に入ってきた。
さっきの言葉が聞こえていたらしい。
「わかってます。死ぬことも前提に含まれてる仕事に精神がまだついていけてないだけです。甘いって言うのはわかりますので、もう言いません。すいません。」
パソコンを操作しながら答える。
「わかってるならいいでさぁ。隊士の士気が下がることだけは言わないことさぁ。」
「沖田さん、勝手に思うだけでもダメですか?」
「ダメでさぁ、オバさんは顔に出る。」
沖田は厳しく知里に放った。
午後には詳細が決まった。一、ニ、四番隊は副長と本拠地、近藤と五、八、十番隊は倉庫になった。残りは屯所で待機するのと、攘夷志士の怪我人が搬送された病院での見張りに駆り出される。知里ら病院の受け入れ事務担当は、病院1つにつき1人配置して対応する。攘夷志士が入る病院の方が手続きが大変なので、今回は倉庫に近い病院は知里が担当する。
「夜22時、討ち入り決行だ。今回は二カ所同時討ち入りだ、手柄を上げるチャンスだ。それまで各自準備して臨むように。」
近藤が隊士に向かって鼓舞した。隊士たちの顔つき、声質、全てに熱情を感じる。沖田に至っては既に殺気に近い。知里は討ち入り時の隊士をまだ直視はできない。
知里は21時ごろから先に病院に向かう。
願わくば自分の仕事が忙しくならなければいい。誰かさんに叱られそうだが、黒い制服を見なければなお良い。
22時、倉庫側の討ち入りが予定通り始まった。
22時40分に負傷兵の数、重症度などが知里に伝わり、2つの病院で割り振る。今回は二カ所で間に合いそうだった。
知里の方はすべて攘夷志士の怪我人を受け入れ、屯所から隊士の応援を取り付ける。16名の攘夷志士が運び込まれ、4名が意識不明の重体だった。病院もまさに死闘である。意識のある攘夷志士からは罵声を浴び、病院の先生たちからは患者が多すぎる怒られるが、他に回せないので、頑張ってもらった。残り3つの病院も似たようなものだが、大丈夫だった。
知里は攘夷志士の治療に見込みがついてから、見張りの隊士に後を任せて屯所へ帰った。
既に午前4時、玄関前ではタバコを吸う土方がいた。
「お疲れさまでした。」
今日、正確には昨日からだが、初めて土方と話した。それだけ討ち入りの前は話しかけられない雰囲気だった。
「おう、そっちは大丈夫だったか?」
「問題ありません。討ち入りは成功ですか?」
「攘夷志士グループは壊滅した。成功だろう。隊士の怪我人もまぁ少なかった。」
今回は隊士の怪我人は合計で13人、重体はいなかった。
「計画が成功して良かったです。」
知里は隊士の怪我人が多少心配だったが、重体はいないことに安堵した。
タバコを吸い終えた土方と一緒に玄関に入る。
さっきまで暗くて見えなかったが、土方の顔が半分赤い。
「うわ!ちょっと、怪我、怪我!」
知里は驚いて土方に叫ぶ。
「何言ってやがるもう止まってる。」
土方はそう言って靴を脱ぐ。
「てかそんな状態でタバコとか!先に顔洗うなり、シャワー浴びてくださいよ!夢にでるわ!悪夢だわ!」
「キーキーうるせぇ、一回家帰っていいぞ。10時には来い。」
「えーめんどくさいですね。でもシャワー浴びたいし、仕方ないか。」
悩みつつ知里も靴を脱ぐ。
すると、廊下から首にタオルをかけた沖田が現れ、
「浴びていったらいいじゃないですかぃ。ちょうど一番隊がシャワー使ったとこなんで、20人分の血はちゃんと排水溝でさぁ。」
「帰りますね。」
知里は迷うことなく即決した。
「あれ、土方さん、切られたんですかぃ?そのまま氏ねよ、土方」
討ち入り前は触ると切れてしまいそうな沖田も今は普段通りに近い様子だった。
「んだと、コラ。」
土方はまだ少し瞳孔が開いていた。