1年目
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また次の日、今日は月曜日のはずだ。
薄暗い部屋で起きた知里は携帯の時計を見る。
AM 5:00
あぁまだ早かった。
二度寝しようとベットに寝返りを打つと、顔に何かモジャモジャが当たる。
「何これ。人形?」
モジャモジャをのけようと、ガシっと掴んで引っ張る。
「イダダダダダーー、ヤメロ、ハゲる!ハゲる!ハゲる!」
聞き覚えのある声が大絶叫している。
「「えっ?」」
銀時と知里は顔を見合わせる。
1つのベットには一糸纏わぬ身体が2つ並んでいる。
「「いやいやいやいやいや、そんな事ない、そんな事ない。」」
お互いにそう言い聞かせ、黙々と服を着る。
二日酔いのせいか、この状況のせいか、頭がガンガンする。吐き気もしそうな気配だ。銀時はトイレに向かい速攻で吐いた。
「あのー、アレだよね。なんか俺たち夏の思い出作っちゃった的な?」
「あー、えーっと、夏のイタイ思い出?」
「えっ?痛かった?マジでゴメンなさい!!」
銀時は真剣に謝る。
「いや、そのイタイじゃなくて、心理的な?てか、すみません!!!覚えてません!!!」
「えっ、いや、実は俺も、嘘じゃねぇよ?ホント、すまん。」
知里は酔っ払うと記憶が曖昧になることもある。銀時も同じ傾向があるようだ。
「じゃあ、なんかアレだし、夏だったし!年甲斐もなく湘南乃風を感じたし、江戸だけど!ゴメンとかここまでにしよ。」
「お、おう。そうだな、お前もそれでいいなら、俺もそうする。てかここ出てもいつも通りな、マジでお願い。」
知里はとりあえずシャワー浴びて、タオル片手にグルグル回してみた。湘南乃風より大分生暖かい風が吹いた。
ホテルを出て銀時は歩いて帰り、知里はタクシーで家に帰った。
家に帰ってほんの少しだけ二度寝し、朝食をとって、身支度をすませた。意外とスッキリと目覚めていつも通りに過ごせている。
屯所に着くと、隊士たちが知里と挨拶しつつも何かコソコソ話している。
土方と朝には珍しく玄関で会い、挨拶すると、少し目を逸らされた気がした。
あぁ、土方さんには後で謝らないとと、銀時の一件について思い出した。土方があまり銀時をよく思っていないのだ。
女中のおばちゃんに挨拶をすると、待ってました!のごとく女中全員が集まり女子トークタイムとなった。
「アンタやるじゃないの!あの人でしょ、分かるわ、母性本能くすぐられるわよね!」
女中おばちゃんはそう言った。
「えー!でもあの人プー太郎ですよ、しかも死んだ魚の目みたいな顔で、フラフラ歩いてます!」
出稼ぎ出来ている女中のお雪ちゃんは反論した。
「バカだね、お金じゃないんだよ。心なんだよ、お金がいっぱいあったって、心ここにあらずの生活は辛いもんよ。それにお金は知里が稼いだらいいのよ、男女なんて気にしちゃダメ。」
女中のおばちゃんリーダーはそう言う。
「待って、ねえ!何の話してんの?わからない!」
知里はおばちゃんに聞いた。
「何って、アンタ、万事屋銀さんと付き合ってんだろ?結婚の前提だって聞いたけど。沖田隊長に。」
沖田ぁぁぁ〜!あの野郎、やりやがったなぁぁぁ!!!
心でそう叫びつつ、落ち着いて
「みんなよく聞いて。これは勘違いです。私は万事屋銀さんとは付き合ってないし、結婚なんてしません。その情報は間違ってるから、隊士達には広めないで。絶対ね。」
知里はそう女中さんに伝えたが、もう手遅れなのは手に取るようにわかった。
急いで一番隊の仕事部屋に行くと、沖田がアイマスクをして寝転んでいた。
「沖田さんっ!!!!!」
「うわっ、うるせぇ。なんでぃ、オバさん血相変えてどうしたんでさぁ。今日も朝帰りですかぃ。」
沖田の発言は全て腹が立つが、朝帰りは合っていたので歯を少し食いしばった。
「沖田さん!酷いですよ、なんであんなこと言いふらすんです?」
「いやー、だってオバさんの初ロマンスじゃねぇですかぃ。俺は嬉しくて嬉しくてつい女中のおばちゃんに教えたんでさぁ。」
両手を大げさに広げてさも嬉しそうに話す。
「沖田さん!わかってんやろ!あれは土方さんを面白がってついた嘘や!沖田さんだって土方さんの顔見てニヤニヤ笑っとったでしょうが!」
「ええー、酷いですぜぃ。俺を旦那と2人で騙したんですかぃ?それに満更嘘だけじゃないんじゃないですかぃ?ほら、首元にキスマークでさぁ。」
「えっ?」
確かそんなものなど無かったはずだが、知里はつい確認してしまう。
すると沖田も少し驚いた表情で、
「やっぱりあったんじゃねぇですか。何もなければ確認なんかしませんぜ?」
「とにかく何もありませんから、ちゃんと間違いだったって隊士達に言ってください!」
知里は一番隊の部屋を飛び出した。
沖田はただいつものように引っ掛けただけだ。まさかこんなにも見事に知里が引っかかるとは思ってもみなかった。このまま二度寝するつもりだったが、胸が何かムカムカしてきたので、珍しく道場で汗を流すことにした。
一番隊の部屋を飛び出した知里も沖田の発言に簡単に乗せられた自分を恥じた。沖田はいつも通りだったのに、自分がいつも通りでいられていないのだ。銀時と約束した‘いつも通り’が今はとても難しい事のように思えた。
‘いつも通り’を思い出せ!と心で唱え、仕事部屋に入り、一呼吸おいて、‘いつも通り’に土方の部屋をノックした。
コンコン
「失礼します、おはようございます、副長。今日は何かありますか?」
土方はすでに事務仕事に取り掛かっており、手を止めずに話す。
「昨日の夜、歌舞伎町の花街で攘夷志士と乱闘があった。店が数件やられてるから、お前いってきてくれ。」
そう言われて、良かった屯所から出られると少し安心した。そのまますぐに出て行こうとすると、土方呼び止める。
「お前、あー、アレとはいつからなんだ?まぁ言わなくてもいいんだが。お前は知ってるかしらねぇが、元攘夷志士だ。だから、結婚となると少しな。」
土方は屯所中に広まる噂を素直に受け止めて、さらには心配までしてくれている。
そんな状況にも関わらず、また土方を騙したい欲求に駆られるが、こんな真っ直ぐな人にそんなことをまた思ってしまう自分に嫌悪感を感じた。
「土方さん、本当にすみません。実は銀時さんとは何もありません。昨日は浮気調査の手伝いをしていたんです。その調査対象がビアガーデンで落ち合う予定だったんで、銀時さんと偽のカップルになって調査してたんです。」
土方は事務作業の手を止めて、こちらを見た。
目が合うと、どちらもすぐに避け、土方はすぐにタバコに火をつけた。しっかり煙を肺に吸ってから吐く。
「そうか、まぁそれならいいんだ。それと副業は禁止だ。次あれば局中法度で裁くからな。」
「すみません。気をつけます。」
知里は深々と頭をさげて謝った。
土方はわかればいい、早く仕事しろと言って知里を部屋から下げた。
土方はすぐには事務仕事が手につかず、早めの一服を楽しんだ。
薄暗い部屋で起きた知里は携帯の時計を見る。
AM 5:00
あぁまだ早かった。
二度寝しようとベットに寝返りを打つと、顔に何かモジャモジャが当たる。
「何これ。人形?」
モジャモジャをのけようと、ガシっと掴んで引っ張る。
「イダダダダダーー、ヤメロ、ハゲる!ハゲる!ハゲる!」
聞き覚えのある声が大絶叫している。
「「えっ?」」
銀時と知里は顔を見合わせる。
1つのベットには一糸纏わぬ身体が2つ並んでいる。
「「いやいやいやいやいや、そんな事ない、そんな事ない。」」
お互いにそう言い聞かせ、黙々と服を着る。
二日酔いのせいか、この状況のせいか、頭がガンガンする。吐き気もしそうな気配だ。銀時はトイレに向かい速攻で吐いた。
「あのー、アレだよね。なんか俺たち夏の思い出作っちゃった的な?」
「あー、えーっと、夏のイタイ思い出?」
「えっ?痛かった?マジでゴメンなさい!!」
銀時は真剣に謝る。
「いや、そのイタイじゃなくて、心理的な?てか、すみません!!!覚えてません!!!」
「えっ、いや、実は俺も、嘘じゃねぇよ?ホント、すまん。」
知里は酔っ払うと記憶が曖昧になることもある。銀時も同じ傾向があるようだ。
「じゃあ、なんかアレだし、夏だったし!年甲斐もなく湘南乃風を感じたし、江戸だけど!ゴメンとかここまでにしよ。」
「お、おう。そうだな、お前もそれでいいなら、俺もそうする。てかここ出てもいつも通りな、マジでお願い。」
知里はとりあえずシャワー浴びて、タオル片手にグルグル回してみた。湘南乃風より大分生暖かい風が吹いた。
ホテルを出て銀時は歩いて帰り、知里はタクシーで家に帰った。
家に帰ってほんの少しだけ二度寝し、朝食をとって、身支度をすませた。意外とスッキリと目覚めていつも通りに過ごせている。
屯所に着くと、隊士たちが知里と挨拶しつつも何かコソコソ話している。
土方と朝には珍しく玄関で会い、挨拶すると、少し目を逸らされた気がした。
あぁ、土方さんには後で謝らないとと、銀時の一件について思い出した。土方があまり銀時をよく思っていないのだ。
女中のおばちゃんに挨拶をすると、待ってました!のごとく女中全員が集まり女子トークタイムとなった。
「アンタやるじゃないの!あの人でしょ、分かるわ、母性本能くすぐられるわよね!」
女中おばちゃんはそう言った。
「えー!でもあの人プー太郎ですよ、しかも死んだ魚の目みたいな顔で、フラフラ歩いてます!」
出稼ぎ出来ている女中のお雪ちゃんは反論した。
「バカだね、お金じゃないんだよ。心なんだよ、お金がいっぱいあったって、心ここにあらずの生活は辛いもんよ。それにお金は知里が稼いだらいいのよ、男女なんて気にしちゃダメ。」
女中のおばちゃんリーダーはそう言う。
「待って、ねえ!何の話してんの?わからない!」
知里はおばちゃんに聞いた。
「何って、アンタ、万事屋銀さんと付き合ってんだろ?結婚の前提だって聞いたけど。沖田隊長に。」
沖田ぁぁぁ〜!あの野郎、やりやがったなぁぁぁ!!!
心でそう叫びつつ、落ち着いて
「みんなよく聞いて。これは勘違いです。私は万事屋銀さんとは付き合ってないし、結婚なんてしません。その情報は間違ってるから、隊士達には広めないで。絶対ね。」
知里はそう女中さんに伝えたが、もう手遅れなのは手に取るようにわかった。
急いで一番隊の仕事部屋に行くと、沖田がアイマスクをして寝転んでいた。
「沖田さんっ!!!!!」
「うわっ、うるせぇ。なんでぃ、オバさん血相変えてどうしたんでさぁ。今日も朝帰りですかぃ。」
沖田の発言は全て腹が立つが、朝帰りは合っていたので歯を少し食いしばった。
「沖田さん!酷いですよ、なんであんなこと言いふらすんです?」
「いやー、だってオバさんの初ロマンスじゃねぇですかぃ。俺は嬉しくて嬉しくてつい女中のおばちゃんに教えたんでさぁ。」
両手を大げさに広げてさも嬉しそうに話す。
「沖田さん!わかってんやろ!あれは土方さんを面白がってついた嘘や!沖田さんだって土方さんの顔見てニヤニヤ笑っとったでしょうが!」
「ええー、酷いですぜぃ。俺を旦那と2人で騙したんですかぃ?それに満更嘘だけじゃないんじゃないですかぃ?ほら、首元にキスマークでさぁ。」
「えっ?」
確かそんなものなど無かったはずだが、知里はつい確認してしまう。
すると沖田も少し驚いた表情で、
「やっぱりあったんじゃねぇですか。何もなければ確認なんかしませんぜ?」
「とにかく何もありませんから、ちゃんと間違いだったって隊士達に言ってください!」
知里は一番隊の部屋を飛び出した。
沖田はただいつものように引っ掛けただけだ。まさかこんなにも見事に知里が引っかかるとは思ってもみなかった。このまま二度寝するつもりだったが、胸が何かムカムカしてきたので、珍しく道場で汗を流すことにした。
一番隊の部屋を飛び出した知里も沖田の発言に簡単に乗せられた自分を恥じた。沖田はいつも通りだったのに、自分がいつも通りでいられていないのだ。銀時と約束した‘いつも通り’が今はとても難しい事のように思えた。
‘いつも通り’を思い出せ!と心で唱え、仕事部屋に入り、一呼吸おいて、‘いつも通り’に土方の部屋をノックした。
コンコン
「失礼します、おはようございます、副長。今日は何かありますか?」
土方はすでに事務仕事に取り掛かっており、手を止めずに話す。
「昨日の夜、歌舞伎町の花街で攘夷志士と乱闘があった。店が数件やられてるから、お前いってきてくれ。」
そう言われて、良かった屯所から出られると少し安心した。そのまますぐに出て行こうとすると、土方呼び止める。
「お前、あー、アレとはいつからなんだ?まぁ言わなくてもいいんだが。お前は知ってるかしらねぇが、元攘夷志士だ。だから、結婚となると少しな。」
土方は屯所中に広まる噂を素直に受け止めて、さらには心配までしてくれている。
そんな状況にも関わらず、また土方を騙したい欲求に駆られるが、こんな真っ直ぐな人にそんなことをまた思ってしまう自分に嫌悪感を感じた。
「土方さん、本当にすみません。実は銀時さんとは何もありません。昨日は浮気調査の手伝いをしていたんです。その調査対象がビアガーデンで落ち合う予定だったんで、銀時さんと偽のカップルになって調査してたんです。」
土方は事務作業の手を止めて、こちらを見た。
目が合うと、どちらもすぐに避け、土方はすぐにタバコに火をつけた。しっかり煙を肺に吸ってから吐く。
「そうか、まぁそれならいいんだ。それと副業は禁止だ。次あれば局中法度で裁くからな。」
「すみません。気をつけます。」
知里は深々と頭をさげて謝った。
土方はわかればいい、早く仕事しろと言って知里を部屋から下げた。
土方はすぐには事務仕事が手につかず、早めの一服を楽しんだ。