1年目
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梅雨が明け、江戸にも暑い暑い夏がやってきた。知里の仕事部屋にはエアコンが付いておらず、蒸し風呂である。そもそも真選組にはエアコンのついている部屋が少なく、会議室にしかない。
書類仕事をする隊士は複数ある会議室に自然と部署の垣根を越えて集まるようになる。知里もその1人だ。
「暑いですぜ〜これじゃあ見廻りもできやせん。」
沖田がアイマスクをして隣に寝転がる。
「沖田さんは見廻りしたことありましたっけ?」
知里はノートパソコンに書類を入力している。
「オバさんは記憶力が悪くてかなわねぇや。」
「ホントだー、先週、沖田総悟の見廻りで髪結処が一軒無くなってますね。すごーい。」
最近では沖田にも少し嫌味を言えるようになった。もちろん沖田にはなんのダメージもない。ちなみに髪結処の店主にはもの凄く怒鳴られて知里のダメージは大きい。
「総悟!見廻りだー!早く来い!」
土方が青筋を立てて総悟を探しにきた。
「へいへい。土方氏ねばいいのに。」
沖田はそういうと走って出て行った。
しばらくすると、珍しく三番隊隊長の斉藤終がやってきた。
大きなアフロに口元にはしっかりスカーフが巻かれている、夏には最悪の相性だ。
「斉藤さん、おはようございます。今日も暑いですね。」
「…。」
いつも通りの無言で、知里の斜向かいに座った。そして、携帯を取り出してポチポチ操作をし始めた。
ピロン♪
’知里さん、おはようございます。暑くて倒れそうですZ’
‘今日は特に暑いみたいですよ、熱中症に注意です!’
送信
斉藤終とは最初は何度も話しかけていたが、無言とか「Z」しか返事が無かった。他の隊士に聞いても、斉藤終は「Z」しか話さない主義ということだった。どうやら筆談では会話可能のようだったので、最初はそれで対応してもらっていた。しかし斉藤が普段から筆記具とスケッチブックを持参しないといけないことを不憫に思い、‘RAIN’の使い方を教えて会話することになったのだ。
ピロン♪
‘塩分チャージタブレット買ってきましたZ’
‘それ美味しいですよね、梅味もオススメです。’
送信
ピロン♪
‘明日買ってみますZ zzz’
斉藤は意外と返信が早く、実は話したいことが結構あるのではと推測したりしていた。そして‘RAIN’でもすぐに寝た。
今日はちゃんと事務仕事を黙々とする隊士が集まったようで、集中して仕事をすることができ捗った。集中し過ぎたようで、少し肩が痛くなった。
ピロン♪
‘昼食に行くZ’
‘私も行きます。よければ外に食べに行きませんか?’
送信
ピロン♪
‘了解だZ’
‘近くの蕎麦屋に行きたいと思うけど、それでいい?’
送信
ピロン♪
‘涼しくていいZ’
廊下を並んで、2人携帯をポチポチしながら歩く。
屯所近くに十割蕎麦を出す店があり、そこのざる蕎麦がリーズナブルで美味しい。
知里はざる蕎麦普通盛り、斉藤は大盛りを注文した。
斉藤も食べる時は流石に口元のスカーフを外す。
ZZZZZZZZ
斉藤が食べる蕎麦の音ですら「Z」に聴こえてくるのが不思議だ。
ピロン♪
‘ごちそうさまでしたZ’
‘ごちそうさまでした。’
送信
店内では一言も話さなかったが、ピロン♪ピロン♪とひっきりなしに鳴っていた。
店を出てからはまた無言で並んで歩く。
歩きながらの携帯は人にぶつかる危険性があるので、お互いに自重している。
ピールリ♪ ピールリ♪
美しい鳥のさえずりに、知里は周りを見渡した。
「あっ。」
思わず知里は斉藤の腕を掴み、茶屋の屋根を指差した。
斉藤は驚いた様子で知里を見たが、すぐに指差す方へ視線を移した。
「斉藤さん、あそこ見て!青い鳥!!」
ピールリ♪ パタパタパタパタ
鳥を見つけたと思ったらすぐに飛んで行ってしまった。
「さっきの、多分オオルリですよ。市街地で見られるなんて凄く珍しいです。幸せの青い鳥って言われてるんですよ。ゴメンね、‘RAIN’だと飛んでいっちゃうかなと思って、つい。」
知里は斉藤に突然話しかけてしまったことを詫びた。
ピロン♪
‘おかげさまで幸せだZ’
‘それは良かったZ’
送信
その後はまたお互い無言のまま屯所へ帰った。
斉藤はそのまま道場へ稽古をしに向かった。
「終兄さんとどっか行ってたんですかぃ?」
沖田は見廻りから戻り、すでに縁側で惰眠を貪っていた。
「蕎麦屋に行ってたんですよ。」
「2人で?」
「そう、2人で。」
「何か話すんですかぃ?」
「Z以外聞いたことない。」
沖田は不思議そうに首をひねってアイマスクをつけ直して寝た。
書類仕事をする隊士は複数ある会議室に自然と部署の垣根を越えて集まるようになる。知里もその1人だ。
「暑いですぜ〜これじゃあ見廻りもできやせん。」
沖田がアイマスクをして隣に寝転がる。
「沖田さんは見廻りしたことありましたっけ?」
知里はノートパソコンに書類を入力している。
「オバさんは記憶力が悪くてかなわねぇや。」
「ホントだー、先週、沖田総悟の見廻りで髪結処が一軒無くなってますね。すごーい。」
最近では沖田にも少し嫌味を言えるようになった。もちろん沖田にはなんのダメージもない。ちなみに髪結処の店主にはもの凄く怒鳴られて知里のダメージは大きい。
「総悟!見廻りだー!早く来い!」
土方が青筋を立てて総悟を探しにきた。
「へいへい。土方氏ねばいいのに。」
沖田はそういうと走って出て行った。
しばらくすると、珍しく三番隊隊長の斉藤終がやってきた。
大きなアフロに口元にはしっかりスカーフが巻かれている、夏には最悪の相性だ。
「斉藤さん、おはようございます。今日も暑いですね。」
「…。」
いつも通りの無言で、知里の斜向かいに座った。そして、携帯を取り出してポチポチ操作をし始めた。
ピロン♪
’知里さん、おはようございます。暑くて倒れそうですZ’
‘今日は特に暑いみたいですよ、熱中症に注意です!’
送信
斉藤終とは最初は何度も話しかけていたが、無言とか「Z」しか返事が無かった。他の隊士に聞いても、斉藤終は「Z」しか話さない主義ということだった。どうやら筆談では会話可能のようだったので、最初はそれで対応してもらっていた。しかし斉藤が普段から筆記具とスケッチブックを持参しないといけないことを不憫に思い、‘RAIN’の使い方を教えて会話することになったのだ。
ピロン♪
‘塩分チャージタブレット買ってきましたZ’
‘それ美味しいですよね、梅味もオススメです。’
送信
ピロン♪
‘明日買ってみますZ zzz’
斉藤は意外と返信が早く、実は話したいことが結構あるのではと推測したりしていた。そして‘RAIN’でもすぐに寝た。
今日はちゃんと事務仕事を黙々とする隊士が集まったようで、集中して仕事をすることができ捗った。集中し過ぎたようで、少し肩が痛くなった。
ピロン♪
‘昼食に行くZ’
‘私も行きます。よければ外に食べに行きませんか?’
送信
ピロン♪
‘了解だZ’
‘近くの蕎麦屋に行きたいと思うけど、それでいい?’
送信
ピロン♪
‘涼しくていいZ’
廊下を並んで、2人携帯をポチポチしながら歩く。
屯所近くに十割蕎麦を出す店があり、そこのざる蕎麦がリーズナブルで美味しい。
知里はざる蕎麦普通盛り、斉藤は大盛りを注文した。
斉藤も食べる時は流石に口元のスカーフを外す。
ZZZZZZZZ
斉藤が食べる蕎麦の音ですら「Z」に聴こえてくるのが不思議だ。
ピロン♪
‘ごちそうさまでしたZ’
‘ごちそうさまでした。’
送信
店内では一言も話さなかったが、ピロン♪ピロン♪とひっきりなしに鳴っていた。
店を出てからはまた無言で並んで歩く。
歩きながらの携帯は人にぶつかる危険性があるので、お互いに自重している。
ピールリ♪ ピールリ♪
美しい鳥のさえずりに、知里は周りを見渡した。
「あっ。」
思わず知里は斉藤の腕を掴み、茶屋の屋根を指差した。
斉藤は驚いた様子で知里を見たが、すぐに指差す方へ視線を移した。
「斉藤さん、あそこ見て!青い鳥!!」
ピールリ♪ パタパタパタパタ
鳥を見つけたと思ったらすぐに飛んで行ってしまった。
「さっきの、多分オオルリですよ。市街地で見られるなんて凄く珍しいです。幸せの青い鳥って言われてるんですよ。ゴメンね、‘RAIN’だと飛んでいっちゃうかなと思って、つい。」
知里は斉藤に突然話しかけてしまったことを詫びた。
ピロン♪
‘おかげさまで幸せだZ’
‘それは良かったZ’
送信
その後はまたお互い無言のまま屯所へ帰った。
斉藤はそのまま道場へ稽古をしに向かった。
「終兄さんとどっか行ってたんですかぃ?」
沖田は見廻りから戻り、すでに縁側で惰眠を貪っていた。
「蕎麦屋に行ってたんですよ。」
「2人で?」
「そう、2人で。」
「何か話すんですかぃ?」
「Z以外聞いたことない。」
沖田は不思議そうに首をひねってアイマスクをつけ直して寝た。