1年目
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近藤はバズーカの標的となった2人へ駆け寄り、土方は沖田を追いかけたが、沖田は姿を消した。
「いやー、今日もやられちゃいましたね。」
「酷いですよ、沖田隊長〜。」
もはや沖田の激しいイジりにも動じなくなっている知里を見た土方は、適応能力高すぎだろ。と心で呟いた。
土方は仕事部屋に戻ると、先週に山崎からもらった‘土方知里の報告書’を見ていた。頭を洗った山崎も仕事場へ呼んだ。
『土方知里。29歳。1月12日生まれ。旧姓、神田知里。生まれは関西で、10歳で両親と死別。その後江戸の祖父母の元に引き取られるが、15の時に祖父、17で祖母が亡くなった。2才上の兄がいたが祖父が亡くなったときに蒸発。その後の足取りは掴めないが21の時に会計科のある短大に入学し、23で卒業後、幕府の勘定方に入庁。25で幕府の官僚のハイヤーを担当していた土方誠(27)と入籍。2年後に土方誠の運転するハイヤーが攘夷志士によって爆破され、一緒に乗っていた官僚もろとも死亡。この事件は真選組が担当していたが、途中で長官からの命があり捜査は強制終了したため、真相は不明。なお、事件資料は幕府に献上。』
片手間の調査にしては山崎はかなり詳細に調べてくれた。
「そういえば、知里さん、初日に資料室のこと質問してたんですよね。もしかしてこの事件を調べたかったんじゃないですかね。」
山崎はそう思い出して言った。
「それよりも、この土方誠の事件。徹底的に蓋をしようとしている人間がいると思いませんか?なんだか攘夷志士の犯行だったのかも怪しいもんですよ。」
山崎は続けて土方に私見を述べる。
「どちらにしろ、アイツがなんの思惑もなく真選組に来たわけじゃないことがハッキリした。本格的な調査はいらないが、何かおかしな行動があれば教えてくれ。」
土方は引き続き山崎に知里の密偵を命令し、山崎は了承して部屋を出た。
何かのスパイにしろ何にしろ、知里の行動の原点には私怨が少なからず含まれている。これは真選組としては厄介だ、内勤とはいえ隊士の一員。いざと言うときに私怨から勝手な行動をされては困るのだ。
土方は同情はできるがもし本当に知里が私的な行動を取ればそれなりの処罰する覚悟を持った。真選組の処罰は他の組織に比べてかなり厳しい、最悪は切腹である。
ふと、4年前の結婚式の写真で知里を見た。山崎が当時の知里の同僚からもらったらしい。幸せそうに2人寄り添い、今も着けている指輪が更に輝いて見える。土方は、誠に向かって
「愛した奴遺して、勝手に死んでんじゃねーよ。」
一人呟いた。
山崎も結婚式の写真を見て、知里があまり変わらないなぁと思っていた。当時の事件は連続幕府官僚殺害事件の一つと考えられていた。今やどれも資料は幕府に献上されてしまっている。
「うーん、、、」
山崎が悩んでいると、コーヒーをもった知里が
「バズーカでゴム飛んじゃったよ〜、今日は予備持ってきてなくて困るわ。」
そう言ってすれ違った。いつもは肩下まで伸びた髪をゴムで1つに括っているが、今は髪をおろしていた。
「あ、!」
山崎は突然思い出して、土方の仕事場へ向かう。
「副長!思い出しましたよ!」
「うるせぇな何がだよ!」
土方はタバコの煙でむせる。
「知里さん、2年前にここで取調べしてます。僕担当したんですよ、あの時は髪の毛をおろしてて、当たり前なんですけど物凄く落ち込まれてて、雰囲気違うんでわからなかったんです。」
「事件関係者なんだから、話くらいは聞くだろ。」
「副長それだけじゃないです、知里さん、爆破の瞬間も見てるんです!それで確か何か見たって言ってた気がするんです。」
「何かって何だよ。」
「それは…覚えてないんです、ただ2回目の聴取の前に捜査打ち切りが決まったので、それ以来忘れてました。」
山崎はそれだけ言って出て行った。
土方は知里の報告書を見て、益々きな臭さを感じた。
「いやー、今日もやられちゃいましたね。」
「酷いですよ、沖田隊長〜。」
もはや沖田の激しいイジりにも動じなくなっている知里を見た土方は、適応能力高すぎだろ。と心で呟いた。
土方は仕事部屋に戻ると、先週に山崎からもらった‘土方知里の報告書’を見ていた。頭を洗った山崎も仕事場へ呼んだ。
『土方知里。29歳。1月12日生まれ。旧姓、神田知里。生まれは関西で、10歳で両親と死別。その後江戸の祖父母の元に引き取られるが、15の時に祖父、17で祖母が亡くなった。2才上の兄がいたが祖父が亡くなったときに蒸発。その後の足取りは掴めないが21の時に会計科のある短大に入学し、23で卒業後、幕府の勘定方に入庁。25で幕府の官僚のハイヤーを担当していた土方誠(27)と入籍。2年後に土方誠の運転するハイヤーが攘夷志士によって爆破され、一緒に乗っていた官僚もろとも死亡。この事件は真選組が担当していたが、途中で長官からの命があり捜査は強制終了したため、真相は不明。なお、事件資料は幕府に献上。』
片手間の調査にしては山崎はかなり詳細に調べてくれた。
「そういえば、知里さん、初日に資料室のこと質問してたんですよね。もしかしてこの事件を調べたかったんじゃないですかね。」
山崎はそう思い出して言った。
「それよりも、この土方誠の事件。徹底的に蓋をしようとしている人間がいると思いませんか?なんだか攘夷志士の犯行だったのかも怪しいもんですよ。」
山崎は続けて土方に私見を述べる。
「どちらにしろ、アイツがなんの思惑もなく真選組に来たわけじゃないことがハッキリした。本格的な調査はいらないが、何かおかしな行動があれば教えてくれ。」
土方は引き続き山崎に知里の密偵を命令し、山崎は了承して部屋を出た。
何かのスパイにしろ何にしろ、知里の行動の原点には私怨が少なからず含まれている。これは真選組としては厄介だ、内勤とはいえ隊士の一員。いざと言うときに私怨から勝手な行動をされては困るのだ。
土方は同情はできるがもし本当に知里が私的な行動を取ればそれなりの処罰する覚悟を持った。真選組の処罰は他の組織に比べてかなり厳しい、最悪は切腹である。
ふと、4年前の結婚式の写真で知里を見た。山崎が当時の知里の同僚からもらったらしい。幸せそうに2人寄り添い、今も着けている指輪が更に輝いて見える。土方は、誠に向かって
「愛した奴遺して、勝手に死んでんじゃねーよ。」
一人呟いた。
山崎も結婚式の写真を見て、知里があまり変わらないなぁと思っていた。当時の事件は連続幕府官僚殺害事件の一つと考えられていた。今やどれも資料は幕府に献上されてしまっている。
「うーん、、、」
山崎が悩んでいると、コーヒーをもった知里が
「バズーカでゴム飛んじゃったよ〜、今日は予備持ってきてなくて困るわ。」
そう言ってすれ違った。いつもは肩下まで伸びた髪をゴムで1つに括っているが、今は髪をおろしていた。
「あ、!」
山崎は突然思い出して、土方の仕事場へ向かう。
「副長!思い出しましたよ!」
「うるせぇな何がだよ!」
土方はタバコの煙でむせる。
「知里さん、2年前にここで取調べしてます。僕担当したんですよ、あの時は髪の毛をおろしてて、当たり前なんですけど物凄く落ち込まれてて、雰囲気違うんでわからなかったんです。」
「事件関係者なんだから、話くらいは聞くだろ。」
「副長それだけじゃないです、知里さん、爆破の瞬間も見てるんです!それで確か何か見たって言ってた気がするんです。」
「何かって何だよ。」
「それは…覚えてないんです、ただ2回目の聴取の前に捜査打ち切りが決まったので、それ以来忘れてました。」
山崎はそれだけ言って出て行った。
土方は知里の報告書を見て、益々きな臭さを感じた。