1年目
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真選組に入隊して早3ヶ月が過ぎようとしていた。
「おはようございます、姐さん。」
「知里さん、おはよう。」
最近では知里も隊士や女中さんと徐々に、打ち解けはじめていた。女中のおばちゃん達、出稼ぎの女の子達とは一緒に女子トークをするほどである。ちなみに知里が未亡人であることは、女中のおばちゃんに話してから光の速さで情報が伝わったので、周知の事実となっている。
「知里ちゃん、おはよう!しっかり朝ごはんは食べてるのかい?これ持ってきな!」
女中のおばちゃんが野菜ジュースを渡してくれる。
「おばちゃんありがとう!今日はパンと紅茶〜、野菜ジュース助かる〜。」
「はいよ!今日も気張りな!」
こんな朝一の他愛ない話が日常になりつつある。
いつも通り土方の仕事場に寄り、仕事内容の確認をする。
「おはようございます、土方さん。今日は直近でしないといけないことありますか?」
「ああ、おはよう。悪いんだが、歌舞伎町の北斗心軒っつうラーメン屋に行ってくれないか?昨日の夜、総悟が店の扉を吹っ飛ばしたんだ。」
「またですか。桂でもいました?沖田さんなら走って追いかけた方が確実そうですけどね。」
捕物中に起きた破損事故は、真選組が壊したものは基本的に半分はこちら持ちになっている。真選組が壊したか、追われるものが壊したかで保障が変わるので、揉めることも多い。同心の力を借りて現場を確認しながら作業を進めている。
早速隊服に着替えて、自転車で現場のラーメン屋に走る。
「ハジさん、おはようございます!」
「知里さんおはようございます!」
今日は同心のハジが担当だ。小銭方はどうしてもやらなければならない何かが歌舞伎町裏街にあるそうで来ていなかった。
ラーメン屋の扉は完全破壊され、店内は机や椅子が散乱していたが、キッキンは無事なようで店主が出汁を作っていた。店主は女性で名は幾松と言った。
「幾松さん、私は真選組の知里です。この度は捕物のご協力ありがとうございます。お怪我はありませんでしたか?店の保障についてもこれから確認したいので、お話させてもらってよろしいですか?」
「こっち協力したつもりはないんだけどねぇ。怪我は大丈夫だよ、ただ今日のための出汁が溢れちまって台無しだよ。」
ハジは店近くの防犯カメラや聞き込みをしてくれて、どうやらラーメン屋から出てきた桂を発見した沖田がバズーカを打ったことは間違いなかった。桂は屋根に飛びうつり、逃げおおせていた。
「さすが逃げの小太郎というだけのことはありますよね。」
ハジは感心していた。
知里はと言うと、桂が屋根に飛びうつってから、沖田が扉に向かってバズーカを打ったように思え、逃げられること前提で打ちやがったように思えた。
「あんたもチンピラ警察の尻拭いさせられて大変だねぇ。ちょっとこれ食べて行っておくれよ。今日は営業出来そうにないしな。」
幾松はラーメンを出してくれた。
「ありがとう。幾松さんもお一人で切り盛りされて大変そうですね。チンピラはいつ落ち着くんでしょうかね。大人でチンピラってダサいですよホント。」
近くに他の隊士もいないので、小馬鹿にできる。
「追われるチンピラもいい大人だからね。どうしようもないね。」
幾松もちょっと笑っていた。
扉、店内の備品など、贔屓の工務店に見積もりを取り付けて今日のところは引き上げた。
「ただいま戻りました。」
屯所に着くと、山崎が食堂でご飯を食べていた。
「知里さん、お帰り。水飲む?ご飯は?」
そう言って水を持ってきてくれた。
山崎の前に座り、一息ついた。
「ラーメン食べたから大丈夫。こんなこと言えないけど、沖田さんってバズーカをワザと外してないですかね?」
山崎に尋ねる。
「いやー、無いと信じたいですが、沖田隊長は打ちたがりなんですよ。刀の腕前は一流なんで、バズーカとか要らない気がするんですけどね。」
「そうですよね、でもやめてって言っても聞かないですよね〜。気にしないよ、やってって言ってもやるよね〜。」
「さらにやるでしょうね。」
「ですよねぇ。あー困る〜。」
山崎は知里が困っている姿をみて、沖田隊長はこの困る知里の姿を見るのが好きなのではないかと思った。捻くれ野郎の隊長のことだから、しばらくは無くならないだろうと予感した。
「山崎さん、今日はバトミントンしますか?」
「いいですね、しましょう、しましょう。」
最近は昼休みなど時間が合えばバトミントンを興じる。1日中デスクワークの時など、いい気分転換になっている。
「今日は1セットマッチで、山崎さんは左手でやってくださいよー。」
山崎はバトミントンが鬼強いので、ハンデとして利き手と逆で試合う。それでも十分に強い。
バシッ、パシッ
そんな2人の様子を近藤と土方が眺めていた。
「知里さん、隊士たちと馴染んでもらえて良かったな。」
近藤はそう言ってお茶を飲んだ。
「まぁ、最初はお互い遠慮もあっただろうがな。あいつが隊士や女中に自分から関わっていったんだ。」
最初は戦わない女の隊士を認めない隊士からの侮蔑的な行為もあった。しかし、知里なりに距離を縮めてきたのだ。
土方はその知里のコミュニケーション能力を高く評価しており、今は午前中のように真選組以外の組織と関わる仕事も担当してもらっている。
「そうかー、知里さんの努力の賜物なんだなぁ。我々も見習わないとな、トシ。知里さんは素敵な女性だよ、お妙さんの次にな。」
ハハハと笑った近藤の後ろから、
「いや、アレは年の功じゃねぇですか?オバさんはどんどんお節介になって、人との距離感が崩壊してくるんでさぁ。それに縁側でミントンに興じるアラサーをみて和む男達なんて。早くもジジイになっちまったんですかぃ?」
カチャッ
沖田がバズーカを持って立っていた。
「オイ!ザキ、知里逃げろーーー!」
土方が叫ぶやいなや、バズーカが火を吹いた。
ドッカーン!!
「「ギャーーー!!!!」」
山崎の髪はアフロのように爆発し、知里の髪は天に向かって立っていた。
「おはようございます、姐さん。」
「知里さん、おはよう。」
最近では知里も隊士や女中さんと徐々に、打ち解けはじめていた。女中のおばちゃん達、出稼ぎの女の子達とは一緒に女子トークをするほどである。ちなみに知里が未亡人であることは、女中のおばちゃんに話してから光の速さで情報が伝わったので、周知の事実となっている。
「知里ちゃん、おはよう!しっかり朝ごはんは食べてるのかい?これ持ってきな!」
女中のおばちゃんが野菜ジュースを渡してくれる。
「おばちゃんありがとう!今日はパンと紅茶〜、野菜ジュース助かる〜。」
「はいよ!今日も気張りな!」
こんな朝一の他愛ない話が日常になりつつある。
いつも通り土方の仕事場に寄り、仕事内容の確認をする。
「おはようございます、土方さん。今日は直近でしないといけないことありますか?」
「ああ、おはよう。悪いんだが、歌舞伎町の北斗心軒っつうラーメン屋に行ってくれないか?昨日の夜、総悟が店の扉を吹っ飛ばしたんだ。」
「またですか。桂でもいました?沖田さんなら走って追いかけた方が確実そうですけどね。」
捕物中に起きた破損事故は、真選組が壊したものは基本的に半分はこちら持ちになっている。真選組が壊したか、追われるものが壊したかで保障が変わるので、揉めることも多い。同心の力を借りて現場を確認しながら作業を進めている。
早速隊服に着替えて、自転車で現場のラーメン屋に走る。
「ハジさん、おはようございます!」
「知里さんおはようございます!」
今日は同心のハジが担当だ。小銭方はどうしてもやらなければならない何かが歌舞伎町裏街にあるそうで来ていなかった。
ラーメン屋の扉は完全破壊され、店内は机や椅子が散乱していたが、キッキンは無事なようで店主が出汁を作っていた。店主は女性で名は幾松と言った。
「幾松さん、私は真選組の知里です。この度は捕物のご協力ありがとうございます。お怪我はありませんでしたか?店の保障についてもこれから確認したいので、お話させてもらってよろしいですか?」
「こっち協力したつもりはないんだけどねぇ。怪我は大丈夫だよ、ただ今日のための出汁が溢れちまって台無しだよ。」
ハジは店近くの防犯カメラや聞き込みをしてくれて、どうやらラーメン屋から出てきた桂を発見した沖田がバズーカを打ったことは間違いなかった。桂は屋根に飛びうつり、逃げおおせていた。
「さすが逃げの小太郎というだけのことはありますよね。」
ハジは感心していた。
知里はと言うと、桂が屋根に飛びうつってから、沖田が扉に向かってバズーカを打ったように思え、逃げられること前提で打ちやがったように思えた。
「あんたもチンピラ警察の尻拭いさせられて大変だねぇ。ちょっとこれ食べて行っておくれよ。今日は営業出来そうにないしな。」
幾松はラーメンを出してくれた。
「ありがとう。幾松さんもお一人で切り盛りされて大変そうですね。チンピラはいつ落ち着くんでしょうかね。大人でチンピラってダサいですよホント。」
近くに他の隊士もいないので、小馬鹿にできる。
「追われるチンピラもいい大人だからね。どうしようもないね。」
幾松もちょっと笑っていた。
扉、店内の備品など、贔屓の工務店に見積もりを取り付けて今日のところは引き上げた。
「ただいま戻りました。」
屯所に着くと、山崎が食堂でご飯を食べていた。
「知里さん、お帰り。水飲む?ご飯は?」
そう言って水を持ってきてくれた。
山崎の前に座り、一息ついた。
「ラーメン食べたから大丈夫。こんなこと言えないけど、沖田さんってバズーカをワザと外してないですかね?」
山崎に尋ねる。
「いやー、無いと信じたいですが、沖田隊長は打ちたがりなんですよ。刀の腕前は一流なんで、バズーカとか要らない気がするんですけどね。」
「そうですよね、でもやめてって言っても聞かないですよね〜。気にしないよ、やってって言ってもやるよね〜。」
「さらにやるでしょうね。」
「ですよねぇ。あー困る〜。」
山崎は知里が困っている姿をみて、沖田隊長はこの困る知里の姿を見るのが好きなのではないかと思った。捻くれ野郎の隊長のことだから、しばらくは無くならないだろうと予感した。
「山崎さん、今日はバトミントンしますか?」
「いいですね、しましょう、しましょう。」
最近は昼休みなど時間が合えばバトミントンを興じる。1日中デスクワークの時など、いい気分転換になっている。
「今日は1セットマッチで、山崎さんは左手でやってくださいよー。」
山崎はバトミントンが鬼強いので、ハンデとして利き手と逆で試合う。それでも十分に強い。
バシッ、パシッ
そんな2人の様子を近藤と土方が眺めていた。
「知里さん、隊士たちと馴染んでもらえて良かったな。」
近藤はそう言ってお茶を飲んだ。
「まぁ、最初はお互い遠慮もあっただろうがな。あいつが隊士や女中に自分から関わっていったんだ。」
最初は戦わない女の隊士を認めない隊士からの侮蔑的な行為もあった。しかし、知里なりに距離を縮めてきたのだ。
土方はその知里のコミュニケーション能力を高く評価しており、今は午前中のように真選組以外の組織と関わる仕事も担当してもらっている。
「そうかー、知里さんの努力の賜物なんだなぁ。我々も見習わないとな、トシ。知里さんは素敵な女性だよ、お妙さんの次にな。」
ハハハと笑った近藤の後ろから、
「いや、アレは年の功じゃねぇですか?オバさんはどんどんお節介になって、人との距離感が崩壊してくるんでさぁ。それに縁側でミントンに興じるアラサーをみて和む男達なんて。早くもジジイになっちまったんですかぃ?」
カチャッ
沖田がバズーカを持って立っていた。
「オイ!ザキ、知里逃げろーーー!」
土方が叫ぶやいなや、バズーカが火を吹いた。
ドッカーン!!
「「ギャーーー!!!!」」
山崎の髪はアフロのように爆発し、知里の髪は天に向かって立っていた。