CV時空
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「そういえばさ、キングと話してたあの人って百井さんがたまに話していた人って事なんだよね?」
あの奇妙な空間から出て少しした後、横に並んでいた面々がいつの間にか姿を消し二人だけになってから、十束が今更ながらとんでもない事実に気付いたような顔をして周防にそう問いかけた。
「ああ」
そういえばそうだ。そういうことになるのだ。
十束や草薙にとっての自分が、彼女にとっての三輪一言であったのだろう。
そしてそれだけではない絆を共有している事実に、周防も少し遅れて気がついた。
よく笑ってよく泣く十束とは異なる人懐こさを持っていた世話焼きな高校のクラスメートと、周防の衝動を唆るような一振りの鋭い刃を思わせる王の女がどうにも周防の中では繋がりにくい。死んでしまった今でさえそうだ。
「ふうん」
生返事を返す十束も恐らく似たようなものなのだろう。だがあの女は。
「百井さんってどちらかと言えば好奇心で人の喧嘩を見物してハラハラしながら楽しんでいる人なのにね」
片や人の喧嘩に割り込んで仲裁せしめ、それが役割だとたおやかな笑みを浮かべる宗像とは異なる意味で得体の知れない王。
片や事の後に散々心配するというのに、喧嘩の最中は止めもせず、むしろ楽しむ素振りを見せる女。
「似たもの同士、なんだろ」
十束の評価に周防は口元を歪め、おもむろにタバコに火をつけた。