『ひねくれた告白』
「学園長、好きです」
「私もだよ依子」
日課のように一方的な愛の告白を飽きることなく己が師に伝える。
隣で弟弟子が阻止せんとしても御構い無しだ。
一言に異性としての好意が伝わるとは端から思っていない。
ならばせめて、このどうしようもない一人相撲を楽しんでしまおうと、今日も依子は伝わらない告白を伝える。


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『最近の発作です』
一枚一枚ささやかな幸せが重なっていく。
色んな表情、あの方の声、決して自分では見れない彼の姿をシャッターに収め音もなく消える。
これほど自分の能力が有用なものであるなんて、感謝しなければ。
無論、神の代わりに一言様にだけど。
「その撮り貯めた写真はどうするんだい」「ええ、勿論一人で眺めるので…す」
振り返ればそこに、一言様。笑顔が怖い。
「うん、君の場合クロみたいに教育しても悦んでしまうだけだから、取り敢えず没収しようか」
グッバイ私のタンマツ、グッバイ一言様メモリー………。

こちらの時空では撮影&ストーキングという性癖に目覚めてしまったヒロイン

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貴方は三輪一言夢で『つくづく敵わない』をお題にして140文字SSを書いてください。
https://shindanmaker.com/375517

依子は自分の兄弟弟子達が如何に師のことを知っているかを誇らしげに語り張り合う場面に、滅多に口を挟まない。
一度何故競おうと思わないのかと聞いたことがあるが、
「好きな人の秘密って自分だけで大切にしまっておくものでしょう？」
そう微笑む彼女を見て、シロは恋する乙女と言うものには敵わないなと苦笑した。


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一言様夢小説は、文中に『視線』を入れて【嬉しい】をイメージした140文字作文を書いて下さい。
#140SS
https://shindanmaker.com/210384

友人と教室を移動する途中で一言様とすれ違った。
「こんにちは、学園長」
「やあ、こんにちは」
何気無い生徒と教師の挨拶。
その狭間を縫うように、一瞬だけ視線が交差した刹那、彼の表情は柔らかくなって、すぐに何時もの学園長としての一言様の表情へと戻り廊下を去って行った。
たった一瞬、ただそれだけで私の胸は熱くなった。


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貴方は学園Kの三輪一言で『見逃すつもりもないけれど』をお題にして140文字SSを書いてください。
https://shindanmaker.com/587150

「メイド十束くんブロマイド10枚購入でお好きな1枚プレゼント、1枚200円。売り上げ3割はそちら持ち。如何ですか草薙先輩」
「肖像権はこっちのものやさかい、7:3」
「高くぶっかけましたね、4:6で」
「うちの稼ぎ頭やさかいな、6:4でどうやろか？」
「コッチも生活かかってるんです、双方4.5割、残りの1割は第2弾製作費に回す。これでどうですか」
「……しゃあない、確率は釣り上げてや」
「商談成立ですね」
「売り上げは何に使うんだい？」
「それは勿論カメラの新調と一言様メモリーのさらなる向上を……」
「こらどーも、学園長」
「依子、それは校則違反だからね。しばらく没収するよ」
「ふぇぇ……」


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貴方は学K夢で『遺言ですよ？』をお題にして140文字SSを書いてください。
https://shindanmaker.com/587150

「狗朗」
神妙な面持ちで姉弟子は、自分の前に装飾の施された鍵付きの小箱を出した。
「これはなんですか姉上」
「私にもしものことがあったら、これをあなたは見てもいいけど、見た後は誰にも言わずに処分して頂戴。跡形も無く」
「姉上、これはまさか」
「ええその通りよ」
「あの一言様秘蔵メモリ集……！」
姉弟弟子は固く熱くてを握り合った。


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貴方は一言様夢で『物仕掛けと色仕掛け』をお題にして140文字SSを書いてください。
https://shindanmaker.com/375517

「私に止められるわけなかったのよ…」
依子はあの日の悔恨を思い出し、力なく崩れ落ちた。
「姉上……」
「だって紫ちゃんに『依子ちゃん？貴女、本気で戦うあの人の姿を見たくない？』って言われたんだもの！そんなこと言われたから二人の決闘をそりゃあもう撮影しまくったわ！」
「姉上……貴女って人は……！後で俺にも動画下さい」

11限目の話

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『言わぬが花』
二人の兄弟弟子がこんな時にも自分が師の事を知っているかを競うのを見て、依子は溜息をつき再び金魚掬いを続ける。
「君はいいのか」
チームを組んでいる善条は何気なく問うた。
「二人が今競ってる一言様のデータって大体知ってますから」
「……そうか」
ほけほけと笑ってそら恐ろしいことを言い出すかつての先輩の娘に、善条はそれ以上質問をしなかった。


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『神様に恋をした』
端的に言うと、きっかけはただの一目惚れだ。
事情は多少異なるが、こちらの依子もあちらと同様にかつて一言の手によって救われた。その瞬間落ちてしまったものが恋であると、あちらの自分より先に気付いてしまったのがこちらの依子の不幸だった。
恋であると気付いた自分は独り相撲をし続けて、恋であると気付けなくて一人悩み続ける少女時代を送ったあちらの自分は結末を理解しながら結局結ばれた。
因果なものだと苦笑して、鉛筆を机の上に置く。
日誌を書き終え依子は足早に教室を出た。
行く先は、決まっている。