プロローグ

父side

あれから5年という年月が経ち、

彼女達は、あの時からだいぶ大きくなり、15歳ぐらいになっていた。

当初は、船の上で何も出来なかった彼女達だが、今では自分の個性を活かして大いに活躍している。


『お父さん、今日の予定は?』

#[#da=2#]#。俺の娘。年がアイツに近くなるほど、どんどん似てきている。#[#da=2#]#の右目はアイツの色で、左目は俺の色だ。

「そうだな…今日は物資の調達をしにトルトゥーガに向かう」

『うん、分かった。みんな!今日は物資の調達をしにトルトゥーガに行くよ!』

「おう!!」


#[#da=2#]#は、この若さながらこの船の統率が出来ている。だから副船長に任命した。船員の殆どの者がなることに賛成していた。


『あ、そう言えば、ミヅキが新しい海図いくつか手に入れたって聞いてるよ』

「あぁ、そうか……しっかしあいつなぁどこで覚えたか知らないが金を獲るような真似を覚えたよなぁ」

『そう言われればそうかも…もしかしたら、私達だけじゃなくて他にも取引している所があるのかも』


ミヅキは、船の上ではものすごく不向きだった為、海図の読み取る技術を教えたら意外にも呑み込みが早く、すぐに海図ひとつ書くことが出来てしまった。

彼女がもっと、いろんな海図が見たいと言って、俺がトルトゥーガに居る時に何かあるか散策して来いと言った時にいくつかの海図を奪ってきやがった。俺はあいつにどうやったんだと聞いた。そしたら、

<わざわざお金を出して買うより奪った方が手っ取り早かった>

と言ってきた。正直それを聞いた時驚いたが俺は、さすが海賊だと言ってやった。彼女は褒められたことが嬉しかったのか、

<なら、船長さんたちが海に出ている間に私は色んな海図を探しておくね!>

と言って陸での生活を始めると宣言した。それも聞いていた#[#da=2#]#が嬉しそうにやっと自分の特技見つけたのね!言って本人以上に喜んでいた。

「船長さん!今日はトルトゥーガに行くんですよね?」

「あぁ、そうだ」

「よし、いい材料を見つけなきゃ!」

彼女はヤヨイ。この船のコックを務めている。彼女の料理の腕は物凄くいい。結構、料理の評価がきつい俺だが、ヤヨイのは素直に美味しいと思った。

だが、そんなヤヨイでもちょっとばかしややこしい事がある。食卓で礼儀なっていないのは海賊の特権なようなものだからあいつも気にしてはいないが、はしたない言葉を言うと、どんな奴だろうと肉用の包丁を持ってきて俺達を脅迫してくる。

<たとえ船長さんであろうともはしたない言葉は駄目ですよ?(黒笑)>

正直あの顔は今までの中で一番怖かった。だから、皆のルールにヤヨイの前でははしたない言葉は言わないというルールが作られた。

「あっ、そうだ!#[#da=2#]#!レイカ連れて行っていい?」

『勿論!あいつ暇人だから…』

「…暇じゃないでーす」


すると上から声が聞こえてきて、レイカが見下ろしていた。

「ヤヨイ、#[#da=2#]#、私のどこが暇に見える?」

『「全部」』

「2人して口揃えて言うな…あとハモるな」

…ハモるな…
確か、レイカが作った新しい言葉だったか?どこでそんな知識をくけているかは知らないがなんという引き出しの数だ。

レイカ。#[#da=2#]#の右腕的存在。いざ戦いになった時にはものすごく役に立つのだが、それ以外では全く動かない。簡単に言えば、サボりだ。

どこをどうしたらそんなふうになったのか#[#da=2#]#に聞いてみたら、元々親がそういう性格だったらしくて、その血そのまま受け継いでしまったらしい。全く、子は親に似るとはホントらしいな…因みに俺と#[#da=2#]#はどこが似ているのだろうか?………

俺はじっと観察して見たが、#[#da=2#]#はどう見たって母親似だろう。強いて言うなら、目の色ぐらいは俺に似ているだろう。

俺は、しばらくの間#[#da=2#]#を見ていたら、

『ねぇ、お父さん。私の顔になにかついてる?』

と言われてしまい、

「あ?いいや。ただお前が母親の年に近ずいてくるとどんどん母親に似るなぁっと思ってな」

『そうかな?だけど、船員のみんなに私は、お母さんよりお父さんに似ているってよく言われるよ。トルトゥーガに行った時にお父さんの知り合いと人に「年を重ねるごとに父親に似てきているなぁ」って言われるよ』

確かにそんな気もしないもしないが、やっぱり#[#da=2#]#は母親に似ていると思う。

「やっぱりお前は母親に似ている」

『そう?だけど私、お母さんだけじゃなくてお父さんにも似たいなぁ…』

か、可愛い事言ってくれるじゃないか…

こんな他愛もない会話ができるのはいいってもんだなぁ…ここにあと母親である“アスミ”がいれば十分なんだがなぁと心のどこかで思う俺。

まっ、今は娘との時間を楽しく過ごそうじゃないか!


『お父さん!トルトゥーガが見えて来たよ!』


こんな笑顔が見れるのだから、海賊暮らしはやめられない。


父side終了


だが、こんな幸せにも、いつか終わりが来る……
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