pixiv未掲載小説
【GX】未完/万十/週刊誌
2026/09/24 21:31GX未完
※設定は『遊城十代が死んだ』シリーズです。
「面白いもの買ってきた」
家に帰ってくるなり、ニヤニヤしながら十代が袋から取り出したのは低俗そうな週刊誌だった。
『激写! 万丈目サンダー外国人美女と不倫!?』
表紙にはそんな文字が大きく書かれていた。
「外国人美女と不倫してたのォ?」
「してない」
「でも写真あるってさ」
十代は雑誌を包んでいたビニールを破り、ページをめくる。該当のページを見た途端に吹き出した。
「……ヤバ、すごい外国人美女だコレ、マジで」
十代がこちらに見せたページでまず目につくのは「万丈目サンダー外国人美女と不倫デート!? 空港お迎え」という大きな文字だ。場所は空港、オレと「外国人美女」が写っている。
「外国人美女ォ」
十代はもう一度言ってゲラゲラと笑った。これのどこが「外国人美女」なのか。
空港に行ったのは先月だったか、とオレは記憶を手繰り寄せる。メキシコに行った十代が日本に帰った日だ。詳しくは知らないがインダストリアル・イリュージョン社のメキシコ支社に行き何か仕事をしたらしい。帰国日時が事前にはっきりしており、その日はオレも特に仕事はなかったから空港へ迎えに行き食事をして帰った。デートというほどではないし不倫どころか配偶者だ。写真は事実だが見出しは何一つ合っていない。「外国人」だけは合っているか。偽造した身分だが。
「思い出した? 外国人美女と不倫デート」
「ああ、トンカツがうまかった」
トンカツは十代が食べたいと言い出したと思う。空港に有名チェーン店が入っていたのでそこで食べて帰った。
「あの店うまかったなあ。また食いに行こう」
「そうだな」
「これ美女っていうか……そもそも人がいるのがやっとわかる感じだな」
十代はもう一度雑誌の写真を見た。「外国人美女」は頭は帽子で隠れ顔など写っていないし大部分が他の通行人で隠れてしまっている──女性に見えるというよりそもそも何者であるのかわからないのだ。オレに張り付いてもたいしたネタがなかったのでほとんど判別できない写真を撮り「外国人美女」を捏造したのだろう。
「……あ、でもこれ記事の方にはオレだって書いてあんだ」
十代はページをめくり少しつまらなそうに言った。オレも文章にざっと目を通せば「美女と不倫かと思いきや配偶者を迎えに来ただけだった」という旨が書いてある。十代については美女と見紛うほどだのなんだのとありもしないことが書き連ねられていたが。
「なーんだ、万丈目サンダーの不倫が知れると思ったのに」
「そんな捏造記事書いたら訴訟もんだろ」
誤解を招く見出しもどうかと思うが、雑誌の表紙には大きく書かれた「不倫」の下に小さく「なんと実は…」と書いてあるから言い逃れできるようにしてある。姑息な手だ。それでも消費者の興味を引くには十分で、不倫相手はどんなものかと思いながら手に取るのだろう。
「……こんなものわざわざ買うなんて、信じたりしたか?」
「まさか」
十代は即答した。まあ、雑誌を持ってきた時も明らかに面白がっていたか。
「信じちゃいないけど、誰と撮られたか気になっただけ。知り合いのデュエリストとか芸能人とか? そーゆーのかと思ったらオレなのは笑えたけど」
「面白いもの買ってきた」
家に帰ってくるなり、ニヤニヤしながら十代が袋から取り出したのは低俗そうな週刊誌だった。
『激写! 万丈目サンダー外国人美女と不倫!?』
表紙にはそんな文字が大きく書かれていた。
「外国人美女と不倫してたのォ?」
「してない」
「でも写真あるってさ」
十代は雑誌を包んでいたビニールを破り、ページをめくる。該当のページを見た途端に吹き出した。
「……ヤバ、すごい外国人美女だコレ、マジで」
十代がこちらに見せたページでまず目につくのは「万丈目サンダー外国人美女と不倫デート!? 空港お迎え」という大きな文字だ。場所は空港、オレと「外国人美女」が写っている。
「外国人美女ォ」
十代はもう一度言ってゲラゲラと笑った。これのどこが「外国人美女」なのか。
空港に行ったのは先月だったか、とオレは記憶を手繰り寄せる。メキシコに行った十代が日本に帰った日だ。詳しくは知らないがインダストリアル・イリュージョン社のメキシコ支社に行き何か仕事をしたらしい。帰国日時が事前にはっきりしており、その日はオレも特に仕事はなかったから空港へ迎えに行き食事をして帰った。デートというほどではないし不倫どころか配偶者だ。写真は事実だが見出しは何一つ合っていない。「外国人」だけは合っているか。偽造した身分だが。
「思い出した? 外国人美女と不倫デート」
「ああ、トンカツがうまかった」
トンカツは十代が食べたいと言い出したと思う。空港に有名チェーン店が入っていたのでそこで食べて帰った。
「あの店うまかったなあ。また食いに行こう」
「そうだな」
「これ美女っていうか……そもそも人がいるのがやっとわかる感じだな」
十代はもう一度雑誌の写真を見た。「外国人美女」は頭は帽子で隠れ顔など写っていないし大部分が他の通行人で隠れてしまっている──女性に見えるというよりそもそも何者であるのかわからないのだ。オレに張り付いてもたいしたネタがなかったのでほとんど判別できない写真を撮り「外国人美女」を捏造したのだろう。
「……あ、でもこれ記事の方にはオレだって書いてあんだ」
十代はページをめくり少しつまらなそうに言った。オレも文章にざっと目を通せば「美女と不倫かと思いきや配偶者を迎えに来ただけだった」という旨が書いてある。十代については美女と見紛うほどだのなんだのとありもしないことが書き連ねられていたが。
「なーんだ、万丈目サンダーの不倫が知れると思ったのに」
「そんな捏造記事書いたら訴訟もんだろ」
誤解を招く見出しもどうかと思うが、雑誌の表紙には大きく書かれた「不倫」の下に小さく「なんと実は…」と書いてあるから言い逃れできるようにしてある。姑息な手だ。それでも消費者の興味を引くには十分で、不倫相手はどんなものかと思いながら手に取るのだろう。
「……こんなものわざわざ買うなんて、信じたりしたか?」
「まさか」
十代は即答した。まあ、雑誌を持ってきた時も明らかに面白がっていたか。
「信じちゃいないけど、誰と撮られたか気になっただけ。知り合いのデュエリストとか芸能人とか? そーゆーのかと思ったらオレなのは笑えたけど」
