十代とローズが異世界でばったり会う話……というのはアニメを見終わった直後から考えていたのですが、出来上がるのはかなり時間がかかってしまいました。
　ローズはアニメでは一話しか出てこないキャラクターですが、王子様が見えるようになって王子様と異世界に旅立ってほしい、という願望がありました。ふたり（とカエルたち）で楽しく冒険しててほしい。たぶん湿地から離れるときにお供が二匹くらい増える。案内役のカエルは好奇心旺盛な子だからついていくかもしれない。
　ローズは比較的一般人なので、十代の目から見た光の結社と事情を知らないローズの目から見た光の結社って違うんじゃないかなっていうのと「噂話でしか知らない『覇王』という存在」っていうのを書いてみました。「怖い」という話も消えないけど、これからの十代の行動で「困っていたら助けてくれる存在」になっていくのかもしれない、と。ユベルは「めんどくさいな～」と思いながらも付き合ってる感じ。この文句言いながら付き合ってくれる、というのが今回のユベ十要素です。書き終わってから「あんまりユベ十要素なかったな……」ってちょっと思った。

　湿地としゃれこうべは墓守ゲー『Graveyard Keeper』がモデルです。湿地のイメージをしようとして墓守ゲーの「沼地の魔女」が出てきてしまったので……魔女が解呪薬を作ってくれるならローズが湿地にいる理由ができるなあと……しゃれこうべは単純にジェリーが好きだから「酒好きのしゃれこうべ」を登場させてみました。

　「その後異世界において覇王たる十代はどう扱われるのか」の、今回は楽観的ルートのお話です。たぶんバッドなルートもあり得るんですが、このシリーズは十代がハッピーな最終回後を過ごしてほしいと思って書いてるので……。
　この話では覇王城のあたりは暗黒界、ということにしてみました。「界」と言ってるけど「○○地方」みたいなイメージです。ローズがいる場所は「メルヘン界」的な場所です。陽気でのんきな精霊がいっぱいいるイメージ。