刀剣乱舞の夢小説

忘れえぬ約束③

引き継ぎ刀剣男士に関する報告書


 本丸番号 ■■■■■■■■■
 審神者 識別番号 ■■■■■■■
     名 ■■■■■
     年齢 十三
     性別 女
 備考 特令成人。■■■大学卒。本丸番号■■■■■■■■■より四振りの刀剣を引き継ぎ。

 引き継ぎ刀剣
加州清光
(KASYUKIYOMITU_■■■■■■■■■_001_001_■■■■■■■_echizen)
小夜左文字
(SAYOSAMONNJI_KIWAME_SAMONNJI_■■■■■■■■■_001_007_■■■■■■■_echizen)
宗三左文字
(SOUZASAMONNJI_KIWAME_SAMONNJI_■■■■■■■■■_001_011_■■■■■■■_echizen)
大和守安定
(YAMATONOKAMIYASUSADA_KIWAME_■■■■■■■■■_001_013_■■■■■■■_echizen)

 顕現波数一致率 99%(小数点以下切捨)
 備考 引き継ぎ刀剣は四振りとも識別番号■■■■■■■が顕現した刀剣男士である。大和守安定は一時祟り神であった可能性あり。他三振りの動向にも注意すること。

本丸番号■■■■■■■■■における、引き継ぎ刀剣について
■■■■年■月■日
報告者:山姥切長義
(YAMANBAGIRITYOUGI
_■■■■■■■■■_001_074_■■■■■■■_echizen)

1.刀剣男士への聞き取り
 「引き継がれた理由」と「現在の主」について。

加州清光
(KASYUKIYOMITU_KIWAME_■■■■■■■■■_001_001_■■■■■■■_echizen)

 特段おかしな様子はない。初期刀らしい面倒見のよさがある。審神者に対して好意的である。引き継がれた加州清光にしては珍しく、修行へ行っている。

 ん~、まあ悪い人じゃなさそうだったからね。本丸は建て直したいと思ってたし。ま、建て直さず引っ越しになっちゃったけどさ。
 修行へ行った理由? そーねえ、やっぱり強くなりたいからね。へえ、『俺』には珍しいの? ……そーね、俺も今までは全然修行出る気なかったからなあ。なんでって……やっぱり、前の主へのこだわり、かなあ。あ、審神者の方ね、一番最初の。あんた知ってる?
 ……うん。そう、百年経ってもあれよりひどいもの見たことない……いや、前の本丸もひどかったけどさ、瓦礫があったじゃん。壊れた、って目の前でわかってさ。だから、なんか受け入れられたけど、あれは本当に何も『残らなかった』じゃない? だから、なかなかね──。
 結局、今でも首謀者わからないんでしょ。あの時山姥切がさあ──最初の主の山姥切長義ね。本丸より政府のが何か掴めるかもって、政府所属に戻っちゃったんだよね。あれから全然会ってないけど、ながよしは知らない? ……そーよね、わかんないよね。変なこと聞いちゃった。
 なんの話だっけ。──ああ、修行ね。
 主がすすめてくれたんだよね。修行道具が手に入ったからって。抵抗がなかったわけじゃないんだけど……真正面から頼まれたら、嬉しいよね。これまでの主は、そういうの言わなかったから。てかそもそも期待されてなかったのかも。俺だって、修行から戻ったばかりの打刀が即戦力にならないことくらい知ってるからさ。
 でも、主はこれからの戦いに俺の力がほしいって言ってくれたから。そんな風に期待されたら行くしかないよね。
 うん? 他の主だったら、か……。
 うーん、ろくな主がいなかったからなあ。知ってる? うちに来た連中。
 ほんとそーよ。まともだったの、二人だけ。一人目の時はまだ俺も心の整理ついてなかったし、二人目は……たぶん、自分から言い出すのを待つひとじゃないかなあ。今の主みたいな図図しさはないひとだったからね。
 ──ふふ。まあ、ちょっとわがまま言えるくらいのが健康的だよねー。まだ子供だしさ。わがまますぎるのは困るけど。
 ん? もしわがまますぎたら、その時は俺が責任持って止めないとね。初期刀みたいなもんだし。
 まあ、大丈夫だと思うけどね。年の割にしっかりした子供だし。特令成人だっけ? 一応大人なんでしょ。あれってなんか決まりあんの? 審神者になることが条件って聞いたけど、詳しいこと知らないんだよね。
 へー。推薦か、試験か、大学の卒業。主は? え、大学なの? まだ子供じゃん。
 え? へえー……。全然知らなかった……。
 つい聞いちゃったけどあんまよくなかったよね。ごめん。いやだって、本人に聞くべきじゃん? 話の流れでつい聞いちゃったけどさ……。
 ……え? そうなの? いや見たことない。こんのすけに聞いても同じ? いや聞かないでしょ普通。刀剣男士の知る権利? そんなのあんの? 八十年前に施行? へー……。
 ニュースとか、主が死んでしばらくしか見たことない。なんか続報あるかなーってさ……。結局ろくな情報なくて、見なくなっちゃった。長谷部とかはチェックしてたかもだけど……あいつも折れるの早かったからな。……主が変わってから最初に折れたかも。そーいやあ、前に宗三が……。

小夜左文字
(SAYOSAMONNJI_KIWAME_SAMONNJI_■■■■■■■■■_001_007_■■■■■■■_echizen)

 特段おかしな様子はない。特筆するならば、復讐に関する疑念を語らない。最初の審神者の仇を復讐相手と定め、「歴史修正を阻止すること」を復讐であると定めているらしい。

 聞き取り調査ですか? はい、僕が答えられることなら……。
 復讐が終わっていないから、です。何度主が変わっても、僕が果たすべきことだから。
 今の主は……思ったより子供、です。歌仙と喧嘩ばかりしているのは、少し心配、かな……。
 見たことないですか? ……だいたいは、口が悪いとか、座り方が悪いとか、そういうのですね。僕は歌仙の言い方も悪いと思うけど……お嫁にいけなくなる、なんて時代遅れですよ。
 ……そうですね。百年もこの世界に生きてれば。
 落ち着いて話し合えばいいと思うんですけど。僕も、歌仙に今は昔みたいにお嫁に行ったりしないって話はしたんです。でも、なかなか考えが変わらないみたいで。主にも、きちんと歌仙と話したらって言ったけど、すぐ喧嘩になっちゃうみたいで……。
 ……両方悪いと思いますよ。歌仙は今が戦国から変わったことをわかってないし、主は歌仙にわかる言葉で説明しようとしないし……「ぱたーなりずむ」って言葉、歌仙でなくてもわからないと思う……かふちょうせい? なんですか、それ。
 ……はあ。……うん、なんとなくですが。……そうかもしれません。女の人は大変ですね。確か、以前の主も結婚が嫌で逃げてきたと……いえ、宗三兄様と喧嘩した方の。そうです、それが問題になって……それ以外にも理由はあったんでしょうけど……。
 ……いえ、僕は別に。たぶん兄様、わざと叩かれたんだろうし……だってながよしさん、今の主に叩かれそうになって、それ避けたり止めたりするの無理ですか?
 ですよね。顕現したての刀ならまだしも。だから、あれは兄様がわざとやったことだと思います。
 ……僕が思ってるだけですけど。兄様自身は、特に何も言ってなかったので……。
 ……もしかして、兄様が何か罰を受けたり……しない? あ、確かにあれも随分昔でしたね……。
 今の主は、喧嘩しても手はあげないと思うけど……でも、結構子供っぽいから……大丈夫かな……。
 ……あ、そういえば聞き取り調査でしたね。何を答えれば?
 ……そうですか、わかりました。

宗三左文字
(SOUZASAMONNJI_KIWAME_SAMONNJI_■■■■■■■■■_001_011_■■■■■■■_echizen)

 特段おかしな様子はない。審神者に対して好意的である。宗三左文字には厭世的な態度の者も多いが、この宗三左文字は楽天的な気がある。
 
 面白そうだから、ですかね。僕は結構、主が変わるのも面白いと思ってます。ただの刀だった頃は、ただ奪われたり与えられたりするだけでしたけど、今は仕えるかそうでないか選べますし、主と話すことも出来る。関わる、ということが出来るのは、楽しいですよ。
 ……あんまりよくない主もいましたけどね。
 え? ──ああ、そんなこともありましたねえ。随分前なので忘れてました。あのひとも、もうだいぶ……むしろまだ生きてるんですかね? ……ですよね。いえ、特別知りたいわけでは。
 うーん。あんまり根に持つつもりはないので。そんな性格してたら、六人も……七人でしたっけ? そんなに審神者変えられませんよ。他の連中は知りませんけど。
 今の主ですか? 子供なのはいただけませんね。僕は僕の持ち主が子供であることは構いませんよ。でも、子供を審神者にする制度は感心しません。しかも、立場の弱い子供がなってるんでしょう。最低ですよ。これお上に報告するんでしょう。クソッタレと書いておいてください。
 意外ですか? 前の主の影響ですよ。逃れられないんです。いつまでも。
 魔王ほどの影響はないですけどね。でも、どの主たちも何かしら僕に影を残しています。きっと今の主も、何か僕に残すでしょう。
 今の主も、まあ悪くないですよ。わがままな子供ですけど。僕、一番最初に命令されたのアイス買ってくることですよ。初日に護衛で外の宿泊施設に行ったんですが、子供は十八時以降外に出られないから買ってきて、って。二十年振りの命令がアイス。しかも注文が多い。
 いえ、量ではなくて。ナントカマークのあるやつじゃないと駄目だとか。なんか牛乳とか使ってない……ああ、それですそれです。なるべくカルマを減らしたいとか言ってて、だったら審神者なんかになるなって話ですよね。審神者はどうしてもやめれないそうです。業が深いですよ。
 アイス買ってこいとかそんな命令はへし切にしなさいって話です。喜んでやりますよ。早く来て助かりました。
 はい? ……ああ、いえ。僕の思い過ごしです。気になります?
 最初の本丸の、折れた順に来ているかも、と思ったんです。今剣。へし切長谷部。物吉貞宗。この順に折れましたから。でも四番目に来たのは愛染国俊でした。あの子は五番目くらいの主の頃まで生きてましたから、最初の三振りは偶然そうなっただけでしょう。
 最初の主に似ているから、もしかしたら、と思ったんです。顕現遺伝子でしたか、あれがすごく似ていると聞きました。中身は似てるような似てないような……あんなわがままでしたかねえ。ああでも、今思い返すとあのひとも、頑固な婆さん、でしたかね……。
 今の主もそんな歳まで審神者をやるんですかね。全然想像つかないですけど。──その次の主は、どんなでしょう……。
 ……ま、僕が先に折れるかもしれないですけど。

大和守安定
(YAMATONOKAMIYASUSADA_KIWAME_■■■■■■■■■_001_013_■■■■■■■_echizen)

 一時祟り神であったとの記録があるが、一般的な刀剣男士に見える。本丸内の神刀、霊刀に聞き取りを行ったが、おかしなところはないという。当人の様子としても、平時は畑にいることが多く、穏やかな男士である。

 なあに?  あ、聞き取り調査してるんだっけ。お疲れさま。えっと、移動とかした方がいい? そう。これ食べる? ミニトマト。割れてるけど。そっか。
 何の話? 主に引き継がれた理由。
 ……未練、かな。
 僕は主と死にたい。沖田くんと一緒に歴史の闇に消えたかったみたいに……。
 ……そう。あの時一緒にいたのが僕だったらな……。
 僕、修行に行ったけどそういうところは変われなかったみたい。
 でもそれが僕を『大和守安定』たらしめてるのかな。未練だ。だから、刀解を選べない。主と共に消えられないなら、せめて戦場で折れたい。
 これで理由になってるかな。他には?
 今の主かあ。いい主だと思うよ。清光や宗三は子供に審神者をやらせるなって思うみたいだけど、僕は一緒にいられる時間が長いから嬉しいな。だって、人間は長くても百年しか生きられないじゃないか。
 ああでも、子供だから不便なこともあるね。保護者面会と定期面談? あれすごく面倒がってるし。
 ……ふーん。そっか、確かに。子供、なんだもんね。
 ……そうかも。普段はあまり子供って感じがしないし……でも、よく遊ぶところはやっぱり子供なのかな? 夕方、いつも楽しそうだよねえ。
 ……でも、今だけなのかもね……。
 前の主の時は、時間が経つのが寂しいなんて思わなかったのにな。……どこかで、ずっと一緒にいられると思ってたのかな。
 百年もないのに。
 ……ごめん、湿っぽくなっちゃったね。
 えーっと……なんだったっけ。
 困ってること? 別にないよ。不満……は、ちょっと出陣が少ないことくらいかな。でも、僕が行くと検非違使が危ないしね。清光がうらやましいや。この、れべる、って下げたり出来ない? 出来ないかあ。じゃ、もう一度修行に行くとか。
 ……いや。修行は一度で十分、かな。僕、あのひとの刀でいたいもの。
 うん? 主は主だよ。最初の主とは、違う……けど、目指すものはあのひとと同じだ。遡行軍と戦い、歴史を守る。僕は主だけの刀。だからその願いを果たし続ける。
 ……未練なんだ。

2.審神者への聞き取り

審神者
(■■■■■■■_■■■■■■■■■_echizen)

 あ、わたしにも聞き取りあるんだ。アイス食べながらでいい?
 ほんで。引き取った刀剣について。まだ祟り神とか疑ってんの?
 ふーん。安全上ね。ふーん。
 うちの刀疑われたらいい気分しないよ。誰が顕現しても引き取ったからにはうちの子なんだから。当たり前でしょ。
 どうってなんだよォ。あ~各刀剣に一言ずつコメントが必要ってこと?
 え~……まず加州は……いい子だよ。まとめ役とか進んでやってくれるし、他の子のこと気にかけて相談に乗ったり……ちゃんと本丸全体見てくれてる。長谷部とかもそうだけどね。そういうのやってくれるとわたしも助かる。あとは……義理堅いね。ながよしにわたしのこと聞いちゃったってわざわざ謝ってきたよ。それただの公開情報じゃんって感じなんだけど。本当にいい子だよ。
 修行? 早めに極の戦力を増やしたかったからね。加州清光はいい刀だ。本丸の雑用で腐らすのはもったいないよ。
 うん? 口説くって何さあ。ただ、加州に戦ってほしいって言っただけだよ。あの子は戦う姿が綺麗だ。わたしがもっと見たいから修行に行ってくれって──あ、こういうのが口説いてるって言われるのか。でも、刀の戦う姿は見たいもんでしょ、審神者は。鑑賞するだけなら美術館でいいからね。ながよしみたいに美術館で映える子もいるけどさ。あなたの姿は本当に目を引くよね。わたしも美術館で見とれたもん。こう、力強い感じがしてさ、堂堂とした佇まいが本当にかっこよくて──。
 ああ、はいはい。今は引継ぎ刀剣の話だった。
 じゃあえっと──安定? いい子だね、畑も馬もきちんと世話するし。結構新人の世話もしてるみたい。面倒見がいい。演練や演習にしか出してやれないのがちょっと申し訳ないな。検非違使に目をつけられてなさそうな場所なら出してやれるけど育ってない刀を優先しなよって本人にも言われるからな……。まあうちはまだ池田屋を越えたとこだから、この先に安定の力が必要になることもあるのか。
 次は小夜かな。やっぱりあんまり戦場に出してやれないけど、意外と一緒に遊んでくれるよ。そうしながら、短刀たちにいろいろ教えてるみたいだし。この子も面倒見がいいなあ。やっぱり刀剣男士として過ごす時間が長いとそうなりやすいのかな。
 ん? 歌仙との喧嘩心配してた? そうか、そりゃ申し訳ないな……。でもなんで現代に生まれた刀剣男士なのに頭が戦国だか江戸時代なんだよォ。ながよしはそんな馬鹿なこと思わないでしょ? こんちゃんねるにセクハラ講習動画ないの? いや、ありゃセクハラっていうか、時代錯誤講習動画か? なァにが嫁だクソ。報告書に書いといてよ、クソ時代錯誤な発言するなって動画作れってさぁ。
 あとは宗三か。宗三は……難しい?
 あんまものを頼むと文句言うし、かといって頼まなかったら「飾り物にする気か」って文句言うし。
 初日のアイスのこと怒ってた? あ~めっちゃ文句言われたわそういや。でも宗三、自分用に八百円くらいするアイス買ってたんだけど。「最近のアイスすごく美味しいですね」って言ってたけど、そりゃそんな値段のアイス買えばうまいよ。確かに好きなもの買っていいって言ったけど、十三の子供の財布に遠慮がない。あなたこれから稼ぐじゃないですか? って言われたし確かにそうなんだけどさあ……。
 でも仕方ないかな。あなた来るのが遅いんですよ、って言われたよ。二十年もほったらかしでしょ。そりゃ高いアイスも食べたくなる。夕食も朝食のバイキングもめっちゃ食べてたし。人間は食わなきゃ一ヶ月もつかわかんないけどさ、男士は餓死はしないんだもん。辛かったと思うよ、二十年。宗三も軽傷とはいえ怪我してたしね。加州なんか、折れる寸前て感じだったしさ──。
 怨むと思うわな。でも、それならもっと早く対処すべきだったでしょ。少なくとも安定と連絡取れることはわかってたじゃん。二十年放置したのはなんでさ。結局使い捨ての道具と思ってるのかよ。刀も、審神者も。
 ……愚痴ってもしゃーないわな。まあ、書くとするなら──彼らに対する政府の対応は著しく誠意を欠いている。祟り神と化したという報告も、実態調査をすべきだった。連絡手段があるのだから状況を聞き、彼らを外に出すなり手入れ出来る者を送るなりすべきだった。彼らは現状に不満はないと言ってくれてるけど、わたしは政府の対応には問題があると思う。
 そう書いておいて。
 ……こんなところでいいかな?

「ここの所属になってからもこんな聞き取り調査やるなんて、あなたもお疲れ様だね」
「まあ、事務仕事には慣れているから、大した手間でもないさ。こうして話を聞くのも面白いしね」
「ねえ、ながよし」
「何かな」
「あなたはわたしの刀だよね」
 探るように釣り目が俺を見た。目元のほくろ。普段は化粧で隠される頬の十字傷のような痣。ゆるく波打つ髪。まるでどこかで見た特徴を混ぜたような印象を抱くのは、俺だけではないだろう。
「ああ。主の刀だとも。これはここに所属する前から受けていた調査命令だ。今後、主の頭を飛ばして俺に何かを命じられることはない」
「そうか」
 主は満足げに笑う。支配欲か所有欲か、主はたびたび『わたしの刀』という言葉を使う。どの刀に対しても。
「──それもあるけど、ながよし。あなたのIDは他の引き継ぎ刀剣と一部同じだよね。IDについて、正式な公表はされてないけど、あれは《登録名称_状態_刀派_顕現者_同刀剣顕現番号_本丸顕現番号_本丸番号_所属国》じゃないの?」
「俺には答えかねるよ」
「それもそーか。じゃ、かつて彼らのいた本丸と同じだったことは?」
「過去の所属も守秘義務のうちだよ。──今の俺は主の刀だ。この答えでは満足できないかな」
 主はしばし俺を見つめて、目を細めた。
「──いや。十分だとも。余計なことを聞いて悪かったね。お詫びにアイス食べる? 冷凍庫のわたしの棚から好きなの食べていいよ」
「それはどうも」
 お言葉に甘えて冷凍庫を開ける。『主専用!』と書かれた棚には幾種類ものアイスが入っている。『新作』とシールの貼られたものや『創業320年 変わらない自慢の味』とパッケージに書かれたもの、定番の最中やバニラバーなどなど……。
「じゃ、こちらを頂こうかな」
 懐かしさに惹かれて、シューアイスを一つ取る。かつて見たロゴマークに、この会社まだあったのか、などと思う。
「それおいしいよ。おすすめ!」
 普段は子供らしからぬ言動も多い主だが、にこにこ笑う顔は単なる子供にしか見えない。
「そうかい」
 ──あ、ながよし。まだ起きてたんだ? ながよしも食べなよこれ。おいしいんだから。ウチの地元の方で作ってるの。他のシューアイスとはミルクの味が濃くて違うんだから。あ! 加州には秘密にしてね。最近コレステロール値上がったって怒られてんの。
「──うん、おいしい」
 あの頃と変わらない、と口にすることは出来ない。
 政府所属の刀剣男士は、過去の本丸や審神者について語ることを禁じられる。業務上知り得た情報だから──という理由らしいのだが、審神者間を引き継がれる刀剣男士には、そのような守秘義務は課されない。無論氏名や住所などの個人情報は別であるが、大抵の男士は主の氏名や住所など知らない。どんな人物であったのか、どんな思い出があるのかを語る自由を、彼らは持っている。何が違うのだろう。政府所属と本丸所属とで、過去を語ることにどれほどの違いが?
 きっと彼らは再会を喜んだのだろうに。
「豆乳だけどさ、ミルクとあまり味変わらないでしょ。よくよく味わうと豆乳だな~って感じだけど」
 あ。
 そうか。俺は、あの時のアイスの味など、もう覚えていないのか。
 この百年で、人間社会の食糧事情は大きく変わった。ある企業が良質な植物性人工タンパク質の開発に成功したことを皮切りに、肉などの動物性の食物は植物性人工タンパク質から作ったものへと徐徐に変わって行き、現在はそちらが主流である。肉や卵、乳製品などは現在も流通しているが、環境負荷や動物愛護、あるいは安価で栄養価があるなどの観点から植物性人工タンパク質を選ぶ人間は多く、主もその一人だ。特に主は、一切の動物性原料を使っていないというマークのついた製品を好む。宗教上の理由もあるらしい。
 今俺が食べるアイスの袋にも、そのマークが入っていた。──もとは乳製品を扱う企業であったと思うが、時流に合わせてこのような商品も作っているのか。
 百年。時間遡行軍との戦いの中にいると戦況の変化以外はあまり感じなかったが、人間社会はその間に大きく変わっている。百年前ならば子供が審神者になることなどなかったが、今はこうしてまだ十三の子供が審神者として戦場に身を置いている。
「……豆乳だと気に入らない?」
「いや、これもおいしいよ」
「なんか神妙な顔しとるもんで」
「牛乳との味の違いを考えていた」
「そこのシューアイス好きだったもんね」
 主は笑った。俺は返答をしかねる。
「ねえ、ながよし。今からわたしは独り言を言う。子供の妄言と思ってくれて構わない」
 主は、そう宣言してから『独り言』を始めた。
「わたしは覚えてる。今剣を連れてあの場所に行った。なんだっけ、長期勤務褒賞授与式典? 五十年勤めた審神者に授与されるやつ。おおよそ七十以上の老人の集まり。確か別のフロアでは二十五年の式典もやってた。いつもは日をずらすのに、そのときはなんかかんかあって同じ日になった。これも歴史修正主義者に仕組まれたことかもしれんと今なら思う。──時間は十一時くらいだったかな。お腹すいてきたから早く帰りたいと思ってたよ。アレルギーあるから食事会は断ってたし。まあ、食事の時間になる前にみんな死んだが。ちなみにわたしは死んだ瞬間の記憶がないし死後の世界の記憶もない。気がついたら子供の、今よりもっと子供の姿になっていた。最初は歴史が修正されたと思ってたよ。審神者とばれたら殺されると思って、目立たないように情報を集めた。幸い、そうではなさそうだった。でも、前世──なのかわからんが、そんなような記憶があるとわかって妙な実験施設にも送られたくないから、それなりに子供のふりをしながら過ごした。今の教育制度は年齢の割に突出した知能を持っていても目立たない。八十越えたわたしより賢い子供はたくさんいた。そこにまざりながら審神者を目指して現在に至るってとこ」
「──そうかい」
「引き継ぎじゃないみんなには話してない。必要もないしね。ただ、ながよしには必要があると思った。──百年も経ったのに、またわたしの刀になってくれてありがとう」
 主は俺を見て微笑んだ。
「……守秘義務をこれほど疎ましいと思ったのは初めてだよ」
 俺も再び主の刀になれてよかったと、伝えられたらどんなによかったか。
「ま、守秘義務でないことなら話せるんだ。実は個人的にながよしに聞きたいことがあってね──あくまでも『個人的な話』、ね? してもいいかな」
 主は念を押すように『個人的』と繰り返した。
「なんだい」
「ながよしは……この戦争の開戦日を言える?」
「西暦二千二百五年、一月十五日だ」
 俺の答えに、主は何故か一度深呼吸した。
「……戦争が始まったのは西暦二千二百五年一月十四日だった……わたしの記憶では」
「それは──」
 記憶違いだろう、というのは簡単だ。だが、この本丸に来る前に、そのような報告があったことは知っている──。
 政府の保管するデータは、すべて開戦日は「西暦二千二百五年一月十五日」だ。電子記録も、改竄しづらい紙の記録も。
 だが、「西暦二千二百五年一月十四日だったはずである」という報告は、複数の審神者からあったという噂はきいたことがある。
「……俺が政府にいた頃に、一部の審神者から報告があったという話は聞いた」
「最初の報告は何年前?」
「……俺の管轄下ではないから、直接は知らない。ただ、噂を聞いたのはここ十数年の範囲──だと思う」
「歴史改変の可能性の調査は?」
「俺ではわからない。噂話で聞いただけだ。殆どが高齢の審神者からの報告だから勘違いだろうと言われていた。……ここの引き継ぎ刀剣たちはなんと?」
「あの子達は開戦日なんかそもそも覚えてないってさ。でもあなたが十五日と思ってるなら、仮にあの子たちが覚えてても十五日と思ってたんじゃない? にしてもながよし……」
 主は俺を見る。
「案外、わたしの言葉を信じてくれるんだね。てっきり勘違いだと言われるかと」
「いや、俺が信じるのは『主にとっては十四日だ』ということであって、『実際の日付として正しいのか』ではないよ」
「そうか!」
 主はかかと笑う。
「いや、その方が助かる。わたしの記憶の方が間違ってる可能性ももちろんあるわけだし。開戦日の一日のズレ、っていうのがどれほど歴史に影響あるのかわからないけど……でもこの前、ちょっと怖いことを考えてしまった」
「なんだい」
「この開戦日のズレ、世界そのものがズレたんじゃないかと」
「世界そのもの?」
「十四日の世界と十五日の世界にズレた……別れたんじゃないか、と。そしていずれはどちらかが『放棄された世界』になるんじゃないかと。久しぶりに『放棄された世界』に出陣したら、そんなことを考えてしまった」
「……近代を放棄することは難しいんじゃないかな」
 正確なことは知らないが、そう答えた。主の顔が随分と不安そうだったから。
「事実としてそう? 政府の基準を知ってるの?」
 ごまかされてはくれないか。
「いや……俺の想像だ」
「うん、わたしのも想像。むしろ妄想。だけど──もし『こちら側』が放棄された時は、わたし諦められないと思うんだ。その時は、わたしが歴史修正主義者ということになるのかな。『この世界』を守ろうとするなら。そうなったらわたしも、細川ガラシャみたいになるのか。薙刀でも振り回して」
 言いながら主は机に伏してしまう。
「……考えすぎだよ。それに主の大きさなら短刀がせいぜいだ。乱と同じくらいじゃないか」
「これから伸びるかもしれないじゃん。つかむしろ成長期はこれからだし」
「そういえば大和守は主が成長するのを寂しがってたよ」
 話題を変える。
「……成長は死に向かうことだからなあ。あの子……前の時は『主は帰ってくる』って言い張ってたらしいが……」
 百年前──そういえばそんなことを言っていたか。突然に主を失った刀剣男士たちの反応は様様だったが、加州と大和守が喧嘩をしていたことはよく印象に残っている。

 ──だからあのひとは死んだんだってば! あのナントカってやつで! なにも残らなかった! 残らなかったんだよ!
 ──残らなかったなら、死んだ証しさえないじゃない。主は帰ってくるよ。
 ──目ぇ覚ませよ安定!
 ──僕は目を開けているよ。清光こそ、そんなに泣いてたら主が帰ってきたとき可愛くないんじゃないの。
 ──だから死んだってば! 帰ってこないんだよ!
 ──帰ってくるよ。

 錯乱している──と、あの時は思っていた。まあ、全員が錯乱していたと思う。俺も含めて。
「……ところでながよし。百年前の事件については何か掴めたのか?」
 主は顔を上げて俺を見た。
「公式発表以外のことは何も」
「そうか……こちらは戦力を減らされてばかりなのにな」
 主はため息をついた。
「ところでながよし、政府ではどんな仕事してたの? もちろん言える範囲でいいけど」
「使い走りをやっただけだ」
「マジで?」
「マジで。百年前ので政府の職員と刀剣男士がごっそりやられたせいで、人員がいなかった。審神者が突然死んで錯乱しない本丸もそんな多くないしね。うちとかかなりまともな方だったよ。大和守とか言動が一部アレなのはいても、少なくとも新しい審神者が来たらちゃんと言うこと聞く連中ばかりだったから。俺は審神者がいなくなった本丸の調査とか、錯乱してアレな本丸に行く新しい審神者の護衛とか、そういう仕事してたよ。その後も流れで本丸の調査ばかりだ。使い走りだろ」
「そんな百年もいつも調査しなきゃいけない本丸があったの?」
「主はこの本丸を当たり前だと思っているけど、ここは『とてもうまくいってる本丸』なんだよ、本当に。引き継ぎも新しい刀剣男士もうまくやっているし、審神者と刀剣男士の関係も良好。難しいことなんだ、とても」
 マジで? と主は目を見開いた。
「主の後に来た審神者だって数人まともじゃなかっただろう」
「……加州たちは昔の話はしない」
 主は悲しげに視線を下げた。
「……俺も資料でしか知らないが──強制解任というのは、それなりのことをした、ということだ。ここの引き継ぎ刀の歪みのなさは政府に不思議に思われてるよ」
「うちの子は祟り神なんかにゃならないよ」
「……自分を刀と思うなら、切れ味よく人に使われるものであれ。自分を刀剣男士と思うなら、歴史の守り手であってくれ。自分を神と思うなら、人を守るやさしい神様でいて。自分を悪神あやかしと思うなら──」
「わたしに斬られる覚悟をしろ。──そんな話もした気がするねぇ」
「今も変わらないのかい?」
「だいたいは」
「なら、ここの刀はあやかしにはならないのだろうね」
「正確にはあやかしになった者はわたしが斬るからいなくなる、だ。刀が歪むなら、それは審神者の責任だ」
 真っ直ぐ、だと思う。こんな人間に喚ばれたら、刀だって歪みようがないのかもしれない。
「……あの呪術事件の後は、化け物の瘴気にあてられておかしくなってしまった刀も随分いたよ。審神者が死んだ場合は特に。でもここの連中がまともだったのは、主がそういう性格だからかもしれないね」
「それはわたしよりも、あの子たちが強いからだと思うよ。もちろん、瘴気にあてられちゃった子たちが弱かったなんて言うつもりはないけど。早めに化け物を倒せたとか、そういう要素もあると思うし……あとは……たぶん宗三たちのTZEWが化け物も瘴気も吹っ飛ばしたからだと……」
 ──ん?
「TZEW? TZEWってあの?」
「……暇だから作ってたやつで、化け物を吹っ飛ばしたらしいんだよね」
「何も聞いてないが!?」
「……これは個人的な話だ、ながよし」
 主は人差し指を立てた。
「前の審神者には悪いなーと思いつつ、彼は呪術のみならず爆発物にも興味があったみたいで化け物が偶然にもそれを飲み込んで吹っ飛んだ、ということにして政府の方には報告しておいた。宗三たちにはもう作らないって約束させたから……」
「仲間内にそんな危険知識のあるやつがいると知りたくなかったよ……」
「そもそもちょっとネットを調べたらそんな危険物を作れる社会の方を問題視しよう」
「それももちろん問題だがね……それ、暇つぶしという言葉を信じるのか、主。俺には反逆の意志ありと感じられるが」
「ないよ。宗三も小夜もあれで好奇心旺盛だから、作ってみたくなっただけでしょ」
「『今の主』に対して反意はなくても『当時の主』に対しては? 気に入らない刀を重傷にさせ手入れをしない、怒鳴ることや直接手を出さない代わりの無理な戦場への出陣は日常茶飯事だったと報告書にあったが。爆弾に興味を持ったのは『使いたい相手』がいたからでは?」
「そいつは……考えてなかった」
 夢にも思わなかったのだろう。おひとよしなのだ、このひとは。顕現される刀剣男士たちもその素養をいい方向で受け継いでいると思う。主に従い、人間や歴史を守ろうと日日働き、悪意をもって何かしようなどという者はいない。
 でも俺は、心を歪めてしまった刀たちを見てきている。そんなものを作るということは、当時の審神者に余程不満があったのだろう。ただ──彼らは『審神者を殺す』という一線は越えなかった。しかしそれは『機を逃した』だけではないのか。あの審神者が化け物を生み出したから化け物に爆弾を使っただけで、一歩違えば審神者に爆弾を使ったのではないのか。
「流石に審神者に手出しはしないと思うが……」
「今はそうでも『この次』は? ──俺は主が引退なりなんなりしたあとは、また政府の方に戻るつもりだ。あの二振りがまた引き継ぎを望むようなら、懸念事項として報告しないわけにいかない」
「……それは──そうだな。そうか、『次』の審神者、か……わかった、そのことは報告してくれ。あまり宗三たちの立場が悪くならないように手心は加えてやってほしいが……」
 主は渋渋といった様子ではあるが、反対はしなかった。
「いいのかい?」
「必要なことを反対はしない。……わたしは実際引き継ぎなんてしてないようなものだから、引き継ぎの審神者と刀剣男士がどのような関係かわからない。わたしは宗三と大喧嘩したって殺そうとまではしないって確信できるけどさ、引き継ぎだったら憎くなってしまうのかもしれないし……」
「そこは引き継ぎ云云よりも日頃の信頼関係だと思うが……前の審神者はいい人間だったとは言えないからな」
「わたしだっていい人間じゃないけど。傲慢でわがままだと思う。あなたたちにいつも服従と戦いを求めてる」
「主は刀を労うし手入れも怠らないし、愛情も注ぐだろ。傲慢でわがままだとしても、俺が見てきた連中とは程度が違うよ……」
「……あなたも百年大変だったね。ここで少しはゆっくりしなよ」
「そう言うなら畑当番を減らしてくれ」
「主としてローテ不公平には出来ないなあ。エコヒーキはよくない、が……違う仕事をするなら、畑免除出来るよ」
「俺を休ませたくないのかい?」
「畑よりはたぶん楽だよ」
 そうして主に提案されたのは、本丸の刀剣男士たちへの聞き取り役だった。
「加州とか安定とか、いつも他の男士のこと気にかけてくれてるけど、なにせ人数が多いからさ。今回の聞き取りの地続きみたいな感じで、これからもみんなにいろいろ聞いてみてくれないかな。相談事とか困り事とか、出てくるかもだし。普段から声掛けしてたら、突然困った時も言いやすいかなって思うし」
「……畑当番より負担が増えていないか?」
「いやいや、ひとりで全員分やれってわけじゃないよ。加州や安定とも協力してさ。あとカンストして暇してる連中とかも。……あ、そうだ、本丸の総合相談窓口みたいなの作る? そういうのあったらよくない? 何振りか集めて、ながよしがリーダーやってさ」
「俺がリーダーか? なんというか……そういうのは、もっと世話好きな連中の方が向いてると思うんだが」
「聞き取りそのものは世話好きなのが向いてるかもだけど、情報をまとめるのはながよし得意でしょ。あと本丸内で解決できることか無理なことかもだいたい検討つくよね。だからリーダーをやってほしい。取りまとめてわたしに報告してよ。なんか壊れたとかそういう時はすぐ対応できるように予算もいくらか付けようか?」
「……どんどん畑当番より面倒な仕事になっていないかな? 総合相談窓口、というと聞こえがいいが実質本丸内のなんでも屋になりそうじゃないか……?」
 主は宙を見て考える。
「うーん、実際動かさないとわかんないけど、そうなるかも。なんか刀の増え方が昔と全然違って……心配なんだよねえ。昔は、一振り増えるのに何ヵ月、下手すりゃ何年も新しい刀が来ない、って感じだったじゃない? 今、じゃんじゃん来るじゃん? わたしが馴染めたかな? 困ってないかな? とか見るのはもう完全に無理なんよ。一応最初のうちに何か困ったらすぐ言ってって伝えてあるけどさ、遠慮がちな性格の子もいるし。みんなが『困ったらとりあえずここに言えばいい』みたいなのがあると、助かるんじゃないかなと思って」
「なるほど」
 悪くない考えだと思う。刀剣男士たちが困らないようにと気を回すところは、相変わらずだ。
「じゃ、やってくれるかながよし」
 主は期待に満ちた目で俺を見た。
「……わかったよ。畑当番より大変な気もするが」
「暇を持て余すよりいいだろう。じゃ、わたしもメンバー候補考えるけど、ながよしも考えといて。細かいことは明日以降詰めよう。よろしく!」
 主はにこにことして席を立った。おやすみ~、と手を振って休憩室を出ていく。
「……これが藪蛇ってやつか?」
 畑当番とどちらがマシだったか、まだわからないが。
 報告書もやっと終わるというのに、また忙しくなりそうだ。

2021/03/27 pixiv公開
2022/08/16 誤字修正
2024/11/02 当サイト掲載
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