その他二次創作小説
君の手
「ん?」
シャーロックに言われてペンを渡した時、ジョンは指に違和感を覚えた。
「シャーロック、手が荒れてるじゃないか」
シャーロックは、始め不審そうにジョンを見返し、それからその言葉の意味を理解した。
「……ああ。そういえば」とあまり興味なさそうに言う。
「何か保湿剤を塗った方がいい。切れて傷になると、そこから化膿することもあるぞ」
「そうか」とシャーロックは頷く。
しかし数日経ってもシャーロックの手の状態は良くならず、むしろ悪化していた。
「シャーロック。この前僕が言っていたこと聞いてたか?」
「ああ。まあ、放っておけば治る。暖かくなれば」
暖かくなるまであと何週間かかるのか、その頭でわからないはずはないのだが。それを言っても、シャーロックは聞き流すだけだ。
仕方なく、ジョンはハンドクリームと手袋を買った。
「ほら」
「こういう面倒なものは好きじゃないんだ」
「切れてからじゃ遅いだろう」
ジョンは半ば強制的にシャーロックの手を取り、ハンドクリームを塗る。
「せっかく綺麗な手をしているんだから、少しは気を遣え」
「綺麗か?」
「綺麗だとも──僕と違って」
シャーロックはまじまじとジョンの手を見た。
「ふむ……君の手は……美しいとは言い難い」
「そうかね」
自分で卑下したものの同意されると気分が悪いとジョンは思う。シャーロックの指は細長く、整っている。それよりやや短く太い自分の手とは大違いだ。
「でも、たくさんの人を癒してきた手だな。今みたいに」
ジョンは、思わずシャーロックの顔を見た。シャーロックは神妙な顔でジョンの手を見つめている。
ここで彼がからかうように笑っていてくれたら、ジョンも笑い飛ばすことができたのに。
今はただ、胸の奥が熱くなってくる。その熱が伝わらないように、ジョンは手を離した。
2015/03/27に書いたものに加筆修正
2025/12/23
「ん?」
シャーロックに言われてペンを渡した時、ジョンは指に違和感を覚えた。
「シャーロック、手が荒れてるじゃないか」
シャーロックは、始め不審そうにジョンを見返し、それからその言葉の意味を理解した。
「……ああ。そういえば」とあまり興味なさそうに言う。
「何か保湿剤を塗った方がいい。切れて傷になると、そこから化膿することもあるぞ」
「そうか」とシャーロックは頷く。
しかし数日経ってもシャーロックの手の状態は良くならず、むしろ悪化していた。
「シャーロック。この前僕が言っていたこと聞いてたか?」
「ああ。まあ、放っておけば治る。暖かくなれば」
暖かくなるまであと何週間かかるのか、その頭でわからないはずはないのだが。それを言っても、シャーロックは聞き流すだけだ。
仕方なく、ジョンはハンドクリームと手袋を買った。
「ほら」
「こういう面倒なものは好きじゃないんだ」
「切れてからじゃ遅いだろう」
ジョンは半ば強制的にシャーロックの手を取り、ハンドクリームを塗る。
「せっかく綺麗な手をしているんだから、少しは気を遣え」
「綺麗か?」
「綺麗だとも──僕と違って」
シャーロックはまじまじとジョンの手を見た。
「ふむ……君の手は……美しいとは言い難い」
「そうかね」
自分で卑下したものの同意されると気分が悪いとジョンは思う。シャーロックの指は細長く、整っている。それよりやや短く太い自分の手とは大違いだ。
「でも、たくさんの人を癒してきた手だな。今みたいに」
ジョンは、思わずシャーロックの顔を見た。シャーロックは神妙な顔でジョンの手を見つめている。
ここで彼がからかうように笑っていてくれたら、ジョンも笑い飛ばすことができたのに。
今はただ、胸の奥が熱くなってくる。その熱が伝わらないように、ジョンは手を離した。
2015/03/27に書いたものに加筆修正
2025/12/23
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