インハイ予選
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インターハイ予選の組み合わせが出た。
伊達工業、青葉城西と当たる、いわゆる嫌な山。
「まずは目の前の一戦。絶対取るぞ!」
大地さんの一言で、みんなに少しあったであろう緊張感がなくなった。
やっぱりこの人は凄い主将だと思う。
翌日の授業休み。
日直の人が困っているようなので、手伝うために席をたつ。
「只野君、黒板消すの手伝ってくれてありがとう。ご覧のとおり、背が小さいもので……」
『全然。代わりに俺が困っていたら助けてね、谷地さん』
クラスメイトの谷地仁花さん。
……ちょっとかわいいな、とか思っていたり。
「只野! ……教科書貸してくれ」
『……貸しても影山は寝るだろ』
影山が来たので、谷地さんとの会話はそこで終わってしまった。
「……寝ない」
そう詰まりながら言う影山の顔には、学ランの袖ボタンの跡が。
鏡を見てから言えよ、とそのボタンの跡を押しながら、教科書をわたしてやる。
影山は不思議そうに同じところを触って、自分の顔がどうなっているのかわかったようだ。
「違う。これは……あれだ」
『どれだよ』
そんな影山がおかしくて、俺はちょっと笑ってしまった。
『……日向のとこには借りに行かなかったのか?』
若干、一組の方が五組より近い。少しの期待もあって、俺は聞いた。
「アイツ、絶対教科書汚いだろ」
真顔で断言する影山。
影山もそうだろ、と言いたいのをぐっとこらえておいた。
家庭科の、栄養素の授業。
バレーに関することだけは熱心に取り組むんだから、恐ろしい。
『まあいいや。後でなんか奢って』
「ああ」
駆け足で戻る影山に手をふった。
自分の席に戻って、肩を落とす。
……影日はなかったか。少しショックだ。
「只野君、三組の影山さん、と親しげに話して……頬をさわる!? まさか、只影……!?」
見てしまった、そのうち只野君に呼び出されて仙台湾に沈められるかも……!
そう考えて一人慌てる谷地さんも、”同じ”だったと俺が知るのは、まだ先の話である。
それから一週間、俺達は毎日練習に励んだ。
放課後、いつもより遅くまで残ったり、昼休みにはバレーの動画を見たり。
大変だったけれど、苦しいとは思わなかった。
IH予選前日。
清水さんと武田先生が、ギャラリーから横断幕をおろしてくれた。
横断幕の文字は ”飛べ” 。
烏野らしくて、みんなにピッタリだと思う。
「……がんばれ」
清水さんが続けて何か言って_……!?
一瞬の無言があって、それから2、3年生が涙を流す。
「清水っ!!」
あの大地さんまでも。
「一回戦、絶対勝つぞ!!」
気合を入れ直し、ミーティングは最高の状態で終わった。
「_あれは驚いたよね、清水先輩の応援もそうだけど、先輩方の反応がさー」
『俺達、ただ見てることしかできなかったな』
「ツッキーも、珍しく慌ててたし」
「……うるさい山口」
その帰り道、俺は月島と山口、三人で少し話した。
俺は途中の交差点でお別れだが、二人は幼なじみで家も近いらしい。
ごめんツッキー! なんて言いながらも笑っている山口を横目で見て、幼なじみっておいしい設定だよな、と一人思った。
『明日、試合なんだな……』
「なに、怖いの?」
普段の能天気はどうしたのさ、と月島に煽るように言われた。
しかし、それに動じる俺はもういない。
月島なりの気遣いだ、というのがこの2ヶ月でわかってきた気がする。
『怖い、でも大丈夫だ。……月島が心配してくれたからな!』
「は?」
『なんでもないです』
ただ、その目は別である。
「あはは、ツッキー、何人かやってそうな目だよ」
「……いつも通りでしょ」
山口で割っても足りない。
月島と話していると、あれ、俺ってゴミだったっけ、と思う瞬間がたまにある。
「まあ、只野は試合とのオンオフあるタイプっぽいから、きっと大丈夫だよ!」
そんな俺を見かねた山口が励ましてくれた。
ありがとう、と言うと嬉しそうにはにかむその姿は、俺の中では右固定である。
「あっ、ツッキーっ!?」
『え、ちょっ、速っ!』
突然、月島が走り出した。ここ、坂道キツイところなのに!
分かれ道である交差点まで、月島は止まらなかった。
意外とケロッとしている山口と、息絶え絶えな俺。
「体力、足りてないんじゃないの?」
そんな俺を見下ろすように月島が笑った。
『……月島は、随分…、余裕そうで……!』
「そう、ツッキーこう見えて体力あるからね!」
「なんでお前が威張ってるの山口」
そう言いながらも、少しうれしそうな顔の月島。
「……じゃ、明日」
「待ってよツッキー!! 只野、また明日!」
二人に手をふる。
月島が同期の中で一番よくわからないやつ。
ホントに、何のために走らされたんだ。
伊達工業、青葉城西と当たる、いわゆる嫌な山。
「まずは目の前の一戦。絶対取るぞ!」
大地さんの一言で、みんなに少しあったであろう緊張感がなくなった。
やっぱりこの人は凄い主将だと思う。
翌日の授業休み。
日直の人が困っているようなので、手伝うために席をたつ。
「只野君、黒板消すの手伝ってくれてありがとう。ご覧のとおり、背が小さいもので……」
『全然。代わりに俺が困っていたら助けてね、谷地さん』
クラスメイトの谷地仁花さん。
……ちょっとかわいいな、とか思っていたり。
「只野! ……教科書貸してくれ」
『……貸しても影山は寝るだろ』
影山が来たので、谷地さんとの会話はそこで終わってしまった。
「……寝ない」
そう詰まりながら言う影山の顔には、学ランの袖ボタンの跡が。
鏡を見てから言えよ、とそのボタンの跡を押しながら、教科書をわたしてやる。
影山は不思議そうに同じところを触って、自分の顔がどうなっているのかわかったようだ。
「違う。これは……あれだ」
『どれだよ』
そんな影山がおかしくて、俺はちょっと笑ってしまった。
『……日向のとこには借りに行かなかったのか?』
若干、一組の方が五組より近い。少しの期待もあって、俺は聞いた。
「アイツ、絶対教科書汚いだろ」
真顔で断言する影山。
影山もそうだろ、と言いたいのをぐっとこらえておいた。
家庭科の、栄養素の授業。
バレーに関することだけは熱心に取り組むんだから、恐ろしい。
『まあいいや。後でなんか奢って』
「ああ」
駆け足で戻る影山に手をふった。
自分の席に戻って、肩を落とす。
……影日はなかったか。少しショックだ。
「只野君、三組の影山さん、と親しげに話して……頬をさわる!? まさか、只影……!?」
見てしまった、そのうち只野君に呼び出されて仙台湾に沈められるかも……!
そう考えて一人慌てる谷地さんも、”同じ”だったと俺が知るのは、まだ先の話である。
それから一週間、俺達は毎日練習に励んだ。
放課後、いつもより遅くまで残ったり、昼休みにはバレーの動画を見たり。
大変だったけれど、苦しいとは思わなかった。
IH予選前日。
清水さんと武田先生が、ギャラリーから横断幕をおろしてくれた。
横断幕の文字は ”飛べ” 。
烏野らしくて、みんなにピッタリだと思う。
「……がんばれ」
清水さんが続けて何か言って_……!?
一瞬の無言があって、それから2、3年生が涙を流す。
「清水っ!!」
あの大地さんまでも。
「一回戦、絶対勝つぞ!!」
気合を入れ直し、ミーティングは最高の状態で終わった。
「_あれは驚いたよね、清水先輩の応援もそうだけど、先輩方の反応がさー」
『俺達、ただ見てることしかできなかったな』
「ツッキーも、珍しく慌ててたし」
「……うるさい山口」
その帰り道、俺は月島と山口、三人で少し話した。
俺は途中の交差点でお別れだが、二人は幼なじみで家も近いらしい。
ごめんツッキー! なんて言いながらも笑っている山口を横目で見て、幼なじみっておいしい設定だよな、と一人思った。
『明日、試合なんだな……』
「なに、怖いの?」
普段の能天気はどうしたのさ、と月島に煽るように言われた。
しかし、それに動じる俺はもういない。
月島なりの気遣いだ、というのがこの2ヶ月でわかってきた気がする。
『怖い、でも大丈夫だ。……月島が心配してくれたからな!』
「は?」
『なんでもないです』
ただ、その目は別である。
「あはは、ツッキー、何人かやってそうな目だよ」
「……いつも通りでしょ」
山口で割っても足りない。
月島と話していると、あれ、俺ってゴミだったっけ、と思う瞬間がたまにある。
「まあ、只野は試合とのオンオフあるタイプっぽいから、きっと大丈夫だよ!」
そんな俺を見かねた山口が励ましてくれた。
ありがとう、と言うと嬉しそうにはにかむその姿は、俺の中では右固定である。
「あっ、ツッキーっ!?」
『え、ちょっ、速っ!』
突然、月島が走り出した。ここ、坂道キツイところなのに!
分かれ道である交差点まで、月島は止まらなかった。
意外とケロッとしている山口と、息絶え絶えな俺。
「体力、足りてないんじゃないの?」
そんな俺を見下ろすように月島が笑った。
『……月島は、随分…、余裕そうで……!』
「そう、ツッキーこう見えて体力あるからね!」
「なんでお前が威張ってるの山口」
そう言いながらも、少しうれしそうな顔の月島。
「……じゃ、明日」
「待ってよツッキー!! 只野、また明日!」
二人に手をふる。
月島が同期の中で一番よくわからないやつ。
ホントに、何のために走らされたんだ。