音駒との練習試合
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『……は』
「スマホ持ってる?」
開いた口が塞がらない俺に、だして、と黒尾さんが言う。
いやいやいや、おかしい。反射的に首をふる。
ここは絶対ブロックのコツとか、なんとかとか、なんか……そういうやつを言う場面じゃないか。
『ちょっっっと待ってください!!』
「へえ、嫌?」
黒尾さんが距離を詰めてくる。
『嫌ではないけど、急すぎませんか!』
「いーから、ほら、早く」
携帯を差し出される。
そして黒尾さんの片手が俺の後ろの壁に_いわゆる、壁ドン。
倉庫に二人っきりで壁ドンをされる。とてもおいしいシチュエーションだが、俺がやられる側となると話は別である。
人生で壁ドンをされるのはもちろん初めてで。
俺が呆気にとられている隙をみて、黒尾さんは俺の携帯を抜き取り素早く番号を登録してしまった。
『……手慣れてる』
「お、その顔も。……只野クン表情豊かそうなのに、試合中とかさっき話してるときとか、どーも無表情なの、黒尾サン気になってたんデスヨ」
『もったいない、ってそういうことかよ!』
「只野くん、もしかしてオンオフはっきりしてるタイプ?」
意地悪そうな顔で黒尾さんが笑った。
なにが爽やかそう、だ。数時間前の自分の予想はことごとく外れた。
黒尾さんは飄々とした、掴みどころのない人だった。
連絡先を交換してしまったのだから、ブロックの秘訣はそこで聞けるじゃないか、と自分を慰めておく。
「だーいじょうぶか只野くん、今日の練習、そんなに疲れた?」
誰のせいだと思っているんだろう。
返事をするかわりに、俺は軽く黒尾さんをにらんでおいた。
黒尾さんの後をついて行って外に向かう。
『……でもまあ、疲れましたよ。いつもより動いた気もしますし』
「ん? あー、それは研磨がー……」
『孤爪さんが?』
「……いや、なんでもないデス」
ほんとうにこの人は掴み所がない。黒尾さんの顔は見えなかったが、おそらくまたニヤけているのだろう。
とても気になったが、まあこれも携帯で聞けばいいか。
「挨拶!!!」
「「ありがとうございましたーっ!!!」」
みんなで音駒のみなさんに手を降る。
帰り際、日向が孤爪さんと何か話していた。
「__とか、別に、以外のこと言わせるからな!!」
「……期待しとく」
……これはガチで研日ありえるぞ。
さっきの黒尾さんの発言のこともあるし、あとで日向に詳しく聞いておこう。
新幹線に乗り込む。みんなどうせすぐ寝てしまうから、今が話ができるチャンスだ。
俺は山口の隣に座った。
新幹線の中は静かだった。
レギュラー組はやはり全員爆睡で、同じくベンチ組だった二年生の先輩たちと清水さんはそれぞれ勉強をしているようだ。
しばらくの無言のあと、山口がゆっくりと口を開く。
「只野……変なこと聞いてもいい?」
『……どうぞ』
質問は、俺達が通じ合うには十分すぎる一言で。
「攻めの反対は?」
『受け一択』
俺と山口は、熱い握手を交わした。
「あ? 受けがなんだって?」
『……っとお、俺達もスパイクしっかり受けられるようになりたいなーって。なあ!』
「そ、そうだよね! やっぱり攻めるだけだとあれがあれだし……」
まだ、烏養さんがいた。なんとか凌いだ。
……まさか俺と同じ腐男子がほんとうにこの世に存在していたなんて。
しかも同い年で同じ部活。……やばい、超嬉しい。
数日後。オフの日の放課後、俺と山口は二人でファミレスに来た。
もちろん、話すのは_
『_で、菅原さんは圧倒的右枠だと思うんだよ』
「わかる、あの人肌白いもんね。性格も儚い系だし……」
『時々謎にハイテンションなのもギャップだよな』
そういういことばかり。コーラ片手に話が進む。
「旭さんは奥手だけど、その分スイッチ入ったら凄そう……」
『先輩たち、付き合っている人いるんかなー。バレー全力! なイメージだけど』
"
『田中さんと西谷さんは絶対ピュアだろーあれは』
「なんやかんやで内心すごい照れるタイプだと嬉しいよね」
"
「大地さんは受け」
『えっ』
「えっ」
"
「……只野は研日、どう思う?」
2時間は話しただろうか。
俺と山口の、白熱したCP論争が一息ついたタイミングで言われた。
『いや……仲良いよな、あの二人』
「うん、だよね。しかも日向、連絡先交換したんだ! って言ってた」
『は……結婚??』
「……うーん、さすがに気が早いかなあ でもまあ、連絡先交換は恋の始まりだよね」
一体どちらから提案したのだろうか。考えただけで心が幸せになる。
それにしても、いつの間にそんなイベントが。片付けの時か?
『……あー』
片付け、という言葉で、黒尾さんのニヤケ顔が頭をよぎった。
……あれはもはや新手のカツアゲだろ。山口、俺はあれからは恋は始まらないと思うよ。
なんかさ、超強力なキューピットとかがいない限りは、絶対。
『……あ!!』
その時、俺は画期的な素晴らしいことを思いついてしまった。
『なあ、山口。……現実に、研日を実現させたくないか?』
山口の目が光ったのが見えた。
「スマホ持ってる?」
開いた口が塞がらない俺に、だして、と黒尾さんが言う。
いやいやいや、おかしい。反射的に首をふる。
ここは絶対ブロックのコツとか、なんとかとか、なんか……そういうやつを言う場面じゃないか。
『ちょっっっと待ってください!!』
「へえ、嫌?」
黒尾さんが距離を詰めてくる。
『嫌ではないけど、急すぎませんか!』
「いーから、ほら、早く」
携帯を差し出される。
そして黒尾さんの片手が俺の後ろの壁に_いわゆる、壁ドン。
倉庫に二人っきりで壁ドンをされる。とてもおいしいシチュエーションだが、俺がやられる側となると話は別である。
人生で壁ドンをされるのはもちろん初めてで。
俺が呆気にとられている隙をみて、黒尾さんは俺の携帯を抜き取り素早く番号を登録してしまった。
『……手慣れてる』
「お、その顔も。……只野クン表情豊かそうなのに、試合中とかさっき話してるときとか、どーも無表情なの、黒尾サン気になってたんデスヨ」
『もったいない、ってそういうことかよ!』
「只野くん、もしかしてオンオフはっきりしてるタイプ?」
意地悪そうな顔で黒尾さんが笑った。
なにが爽やかそう、だ。数時間前の自分の予想はことごとく外れた。
黒尾さんは飄々とした、掴みどころのない人だった。
連絡先を交換してしまったのだから、ブロックの秘訣はそこで聞けるじゃないか、と自分を慰めておく。
「だーいじょうぶか只野くん、今日の練習、そんなに疲れた?」
誰のせいだと思っているんだろう。
返事をするかわりに、俺は軽く黒尾さんをにらんでおいた。
黒尾さんの後をついて行って外に向かう。
『……でもまあ、疲れましたよ。いつもより動いた気もしますし』
「ん? あー、それは研磨がー……」
『孤爪さんが?』
「……いや、なんでもないデス」
ほんとうにこの人は掴み所がない。黒尾さんの顔は見えなかったが、おそらくまたニヤけているのだろう。
とても気になったが、まあこれも携帯で聞けばいいか。
「挨拶!!!」
「「ありがとうございましたーっ!!!」」
みんなで音駒のみなさんに手を降る。
帰り際、日向が孤爪さんと何か話していた。
「__とか、別に、以外のこと言わせるからな!!」
「……期待しとく」
……これはガチで研日ありえるぞ。
さっきの黒尾さんの発言のこともあるし、あとで日向に詳しく聞いておこう。
新幹線に乗り込む。みんなどうせすぐ寝てしまうから、今が話ができるチャンスだ。
俺は山口の隣に座った。
新幹線の中は静かだった。
レギュラー組はやはり全員爆睡で、同じくベンチ組だった二年生の先輩たちと清水さんはそれぞれ勉強をしているようだ。
しばらくの無言のあと、山口がゆっくりと口を開く。
「只野……変なこと聞いてもいい?」
『……どうぞ』
質問は、俺達が通じ合うには十分すぎる一言で。
「攻めの反対は?」
『受け一択』
俺と山口は、熱い握手を交わした。
「あ? 受けがなんだって?」
『……っとお、俺達もスパイクしっかり受けられるようになりたいなーって。なあ!』
「そ、そうだよね! やっぱり攻めるだけだとあれがあれだし……」
まだ、烏養さんがいた。なんとか凌いだ。
……まさか俺と同じ腐男子がほんとうにこの世に存在していたなんて。
しかも同い年で同じ部活。……やばい、超嬉しい。
数日後。オフの日の放課後、俺と山口は二人でファミレスに来た。
もちろん、話すのは_
『_で、菅原さんは圧倒的右枠だと思うんだよ』
「わかる、あの人肌白いもんね。性格も儚い系だし……」
『時々謎にハイテンションなのもギャップだよな』
そういういことばかり。コーラ片手に話が進む。
「旭さんは奥手だけど、その分スイッチ入ったら凄そう……」
『先輩たち、付き合っている人いるんかなー。バレー全力! なイメージだけど』
"
『田中さんと西谷さんは絶対ピュアだろーあれは』
「なんやかんやで内心すごい照れるタイプだと嬉しいよね」
"
「大地さんは受け」
『えっ』
「えっ」
"
「……只野は研日、どう思う?」
2時間は話しただろうか。
俺と山口の、白熱したCP論争が一息ついたタイミングで言われた。
『いや……仲良いよな、あの二人』
「うん、だよね。しかも日向、連絡先交換したんだ! って言ってた」
『は……結婚??』
「……うーん、さすがに気が早いかなあ でもまあ、連絡先交換は恋の始まりだよね」
一体どちらから提案したのだろうか。考えただけで心が幸せになる。
それにしても、いつの間にそんなイベントが。片付けの時か?
『……あー』
片付け、という言葉で、黒尾さんのニヤケ顔が頭をよぎった。
……あれはもはや新手のカツアゲだろ。山口、俺はあれからは恋は始まらないと思うよ。
なんかさ、超強力なキューピットとかがいない限りは、絶対。
『……あ!!』
その時、俺は画期的な素晴らしいことを思いついてしまった。
『なあ、山口。……現実に、研日を実現させたくないか?』
山口の目が光ったのが見えた。