インハイ予選
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
翌日、音駒との練習試合。
「ツッキー、ナイスブロック!!」
「……うるさい山口。騒ぐほどのことじゃないでしょ」
「ごめんツッキー!」
昨日の出来事が嘘みたいに、月島は普段通りだった。
むしろ、あれが夢だったんじゃないかと思うくらい。
『あんなに顔、赤くしてたくせに』
「……聞こえてる」
夢じゃなかった。
振り返った月島の耳は、少し赤い。
表情が読みにくいタイプだと思っていたけれど、案外わかりやすいんだな。
ツンデレ無気力系の月島と、やさしい天然の山口。
やばい、マジでお似合いすぎる。
そんなことを考えているうちにも笛が鳴り、日向のサーブがとぶ。
「山本ナイスレシーブ!!」
「研磨さんっ、俺にください!!」
背の高い11番が跳び、長い腕をしならせて速攻を。
「ッ、すまねぇ只野! カバー!」
『間に合えっ……大地さんっ!』
西谷さんの腕をはじいてコート外に逃げたボールを、ぎりぎりで拾い上げる。
少しネットに近かったけれど、それでも大地さんがしっかり決めてくれた。
「カバーありがとよ! 只野!!」
『西谷さんこそ、あの速攻からナイスレシーブ!』
勢いのまま、二人でハイタッチを交わす。
『田中さんナイッサーッ!!』
ローテが回り、俺は前衛へ。
「只野くん、二段トスもやるね〜」
『……っ!?、ふぁい!』
頭の上から、黒尾さんの声が。
しまった。変な声出た。
なんだよ“ふぁい”って。よりによってこの月島の隣で。
右を見ると、月島が肩を震わせて笑っていた。
「……ふぁい、だって。っはは」
『うるさい……!』
月島のせいだ。
あんなこと言うから、変に意識してしまう。
「えっ……ごめんねー只野くん、うるさくしちゃって」
『あっ違います黒尾さんじゃないです』
俺の声だけ届いてしまったみたいで。
黒尾さんが声を控えめにして言ってきた。
「……ホント?」
そう答える黒尾さんの、安心したような顔を見て、胸の奥がすこし跳ねる。
……いや、変な意味じゃないけれど。
だって俺にはもう、好きな人がいるのだから。
試合はギリギリ負けた。
ペナルティのフライングも、なんとか気合で終わらせたけれど、もう体が重い。
『つ……つかれた』
「今日の無名、いつもより動いていたよね」
『音駒とやると、なんか疲れるんだよなー』
体育館の床にばたんと倒れ込んで、山口と天井を見上げる。
そんな俺達に、誰かがタオルを差し出した。
「只野くん」
『あ……どうも』
孤爪さんだった。
細い目で、じっとこちらを見てくる。
「この前といい、今日といい……ちょっと、いじわるしてごめん」
『え、あ、……ハイ?』
そんなつもりじゃなかった、みたいな顔。
なんのことだ? そもそも俺、孤爪さんとちゃんと話したことってあったっけ。
「じゃ。……また夏休みに」
ぽつりとだけ言って、孤爪さんは帰っていった。
「なんだったんだろうね……」
『さあ……あ!』
孤爪さんで思いだした。
『……研日計画、ひとつも進んでない』
「……あ」
二人で顔を見合わせる。
……せっかくの合宿なのに。
翌日。
体育館の点検で部活はお休みで、俺は月島に呼び出されてカフェに来ていた。
「おまたせしましたー、ショートケーキです」
「どうも」
山口が言っていたけれど、月島は本当にショートケーキを頼んでいた。
こころなしか、嬉しそうな顔をしているように見える。
「……何?」
『いや、月島がショートケーキ好きなの、意外だなと思って』
あげないよ、と言いながら月島は一口目をほおばった。
「君こそ、ゆるふわパンケーキって……」
『いいだろ別にー……』
甘いものを食べるのも久しぶりだ。
そんな、他愛のない話をした後に。
「さて、本題だけどさ」
月島は大きく息を吸って言う。
「……僕が山口と付き合うの、手伝ってほしい」
「ツッキー、ナイスブロック!!」
「……うるさい山口。騒ぐほどのことじゃないでしょ」
「ごめんツッキー!」
昨日の出来事が嘘みたいに、月島は普段通りだった。
むしろ、あれが夢だったんじゃないかと思うくらい。
『あんなに顔、赤くしてたくせに』
「……聞こえてる」
夢じゃなかった。
振り返った月島の耳は、少し赤い。
表情が読みにくいタイプだと思っていたけれど、案外わかりやすいんだな。
ツンデレ無気力系の月島と、やさしい天然の山口。
やばい、マジでお似合いすぎる。
そんなことを考えているうちにも笛が鳴り、日向のサーブがとぶ。
「山本ナイスレシーブ!!」
「研磨さんっ、俺にください!!」
背の高い11番が跳び、長い腕をしならせて速攻を。
「ッ、すまねぇ只野! カバー!」
『間に合えっ……大地さんっ!』
西谷さんの腕をはじいてコート外に逃げたボールを、ぎりぎりで拾い上げる。
少しネットに近かったけれど、それでも大地さんがしっかり決めてくれた。
「カバーありがとよ! 只野!!」
『西谷さんこそ、あの速攻からナイスレシーブ!』
勢いのまま、二人でハイタッチを交わす。
『田中さんナイッサーッ!!』
ローテが回り、俺は前衛へ。
「只野くん、二段トスもやるね〜」
『……っ!?、ふぁい!』
頭の上から、黒尾さんの声が。
しまった。変な声出た。
なんだよ“ふぁい”って。よりによってこの月島の隣で。
右を見ると、月島が肩を震わせて笑っていた。
「……ふぁい、だって。っはは」
『うるさい……!』
月島のせいだ。
あんなこと言うから、変に意識してしまう。
「えっ……ごめんねー只野くん、うるさくしちゃって」
『あっ違います黒尾さんじゃないです』
俺の声だけ届いてしまったみたいで。
黒尾さんが声を控えめにして言ってきた。
「……ホント?」
そう答える黒尾さんの、安心したような顔を見て、胸の奥がすこし跳ねる。
……いや、変な意味じゃないけれど。
だって俺にはもう、好きな人がいるのだから。
試合はギリギリ負けた。
ペナルティのフライングも、なんとか気合で終わらせたけれど、もう体が重い。
『つ……つかれた』
「今日の無名、いつもより動いていたよね」
『音駒とやると、なんか疲れるんだよなー』
体育館の床にばたんと倒れ込んで、山口と天井を見上げる。
そんな俺達に、誰かがタオルを差し出した。
「只野くん」
『あ……どうも』
孤爪さんだった。
細い目で、じっとこちらを見てくる。
「この前といい、今日といい……ちょっと、いじわるしてごめん」
『え、あ、……ハイ?』
そんなつもりじゃなかった、みたいな顔。
なんのことだ? そもそも俺、孤爪さんとちゃんと話したことってあったっけ。
「じゃ。……また夏休みに」
ぽつりとだけ言って、孤爪さんは帰っていった。
「なんだったんだろうね……」
『さあ……あ!』
孤爪さんで思いだした。
『……研日計画、ひとつも進んでない』
「……あ」
二人で顔を見合わせる。
……せっかくの合宿なのに。
翌日。
体育館の点検で部活はお休みで、俺は月島に呼び出されてカフェに来ていた。
「おまたせしましたー、ショートケーキです」
「どうも」
山口が言っていたけれど、月島は本当にショートケーキを頼んでいた。
こころなしか、嬉しそうな顔をしているように見える。
「……何?」
『いや、月島がショートケーキ好きなの、意外だなと思って』
あげないよ、と言いながら月島は一口目をほおばった。
「君こそ、ゆるふわパンケーキって……」
『いいだろ別にー……』
甘いものを食べるのも久しぶりだ。
そんな、他愛のない話をした後に。
「さて、本題だけどさ」
月島は大きく息を吸って言う。
「……僕が山口と付き合うの、手伝ってほしい」
16/16ページ