インハイ予選
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
一年生しかいない部室はお通夜のような雰囲気だった。
日向、影山の二人が、授業は起きていることの方が少ない、と言ったからだ。
『つ、月島……』
この中で恐らく一番頭の良い月島は、突っ立って部屋の隅に顔を埋めていた。
日向がその周りをうずうずと動く。
言ってしまえば二人への絶望と、日向ガードのために、こうしているようだ。
正直、めちゃくちゃおもしろい。
「おれに、勉強おしえてください!!」
「……英単語くらいは自分でやってよね」
しばらくして、月島が折れた。
とびはしゃぐ日向と対象的に、眉間に深いしわを寄せた男が一人。
普段、言い争いばかりしている月島に頼み事をするのが嫌なようだった。
「俺も無名)も、教えられるほど勉強ができるわけじゃないからね……」
山口が同意を求めてこちらを見た。
しかし俺は知っている。
山口は普通に頭が良いということを。
『そういえば月島は、学年一桁台だっけ?』
「影山、変な意地張らないでツッキーのとこ行ってきたら?」
つまりこれはそういうことである。
「勉強、教えてくれ……サイ」
「……は?」
影山が、嫌でたまらないという顔をしながら言った。
あの影山が素直に頼みに来たということに驚いて、固まる月島。
それを恐らく、聞こえなかったのか、と受け取った影山が、目をカッと見開いて。
「勉強を!! 教えてくださいゴラアアアア!!」
「ちょっ、わかったから! 急に大声出さないでくれる!?」
なぜか田中さんのように、そう月島に告げた。
「ふふ……無名、どう? 影月は」
『俺、影山は右派なんだけどなー……ありです』
喧嘩ップルは大歓迎です。
昨日話したときから、この組み合わせはどうだろう、とひそかに気になっていたのだ。
頷きながらそれを見つめていた山口が、ふと聞いてきた。
「……ちなみに俺、ツッキーには無名も合うと思っているんだけど、どう?」
『俺が月島とぉ?』
さすがにない。
期待した目をしている山口には申し訳ないが、どうあがいても無理である。
そもそも、俺は谷地さんのことが好き……かもしれないし。
「え、無名好きな人いるの!?」
そう伝えた途端に発された山口の大声は、部室中に響き渡った。
日向は顔を赤くして、影山は驚いた顔をして色々聞いてきた。
山口はなぜかメモを取る準備をしていて、何もしてこなかったのは月島だけだった。けれど。
一瞬、月島と目があった気だけがした。
それから一週間が経った。
テストに備え、部活の後に勉強する習慣を始めてみたけれど、これがなかなかキツイ。
でも補修は絶対に嫌だ。
そんなことがあってみろ。あいつら一年生同期たちとの差がより開いてしまう。
「_それにしても只野、お前最近勉強に熱心だな」
放課後の部活前、わからないところを聞きに行ったとき、先生に言われた。
良いことだ、と先生が笑う。俺は内心ニヤけていた。
俺、昔も今も、バレーしか見ていないんです。
『もちろんです。俺は、バレー馬鹿なんで』
そのまま職員室を出る。
きっと先生は意味もわからず目を丸くしていることだろう。
それを想像して、ちょっと笑った。
そんなことをしていたから若干、部活に遅れてしまった。
急いでジャージに着替え、体育館のドアを開ける。
今日はまだ練習も準備体操も始まっていないようだ。ラッキーである。
『すんません遅れましたあ!!』
「……うえっ、只野くん!?」
そこにいたのは。
俺のクラスメイトであり、気になる人。
『や、谷地さん!?』
少し大きい制服が似合う谷地さんは、少しはにかんだ顔で手を振ってくれた。
どうして谷地さんがここに。
「実はですね……、あの綺麗な先輩に話しかけられて、気づいたら仮入部することになっていたんです……!」
あたふたしながら谷地さんが説明してくれた。
綺麗な先輩、というのは清水さんだろうか。
顔を赤くしながら清水さんについて語る谷地さんを、俺はかわいらしいと思った。
初日ということもあり軽い挨拶だけして、谷地さんは帰っていった。
これから谷地さんが部活にいるということに、なる。
部活に、谷地さんが。
「……無名)、分かりやすすぎ」
『あー……、やっぱり?』
しばらく練習して休憩中。山口が、俺を肘でつついた。
俺も、自分の顔が熱くなっているのがわかる。
これは練習で動いたからではない、というのもわかる。
「いーじゃん、俺は無名を応援しているよ」
山口がニヤけるので、俺は目をそらした。
「なー無名の好きな人ってさ、だれ?」
「……バレーやってんのか?」
部活終わり、二人が俺の周りをぐるぐると回る。
一週間経ってもまだ、日向と影山は俺の好きな人に興味があるようだった。
これはバレるのも時間の問題だろう。
変に広まるのは嫌だから、念の為二人の秘密くらいは知っておきたい。
『そういう二人はさ、どうなの。好きな人いるの?』
あの計画のこともあるし、ちょうどよかった。
日向、影山の二人が、授業は起きていることの方が少ない、と言ったからだ。
『つ、月島……』
この中で恐らく一番頭の良い月島は、突っ立って部屋の隅に顔を埋めていた。
日向がその周りをうずうずと動く。
言ってしまえば二人への絶望と、日向ガードのために、こうしているようだ。
正直、めちゃくちゃおもしろい。
「おれに、勉強おしえてください!!」
「……英単語くらいは自分でやってよね」
しばらくして、月島が折れた。
とびはしゃぐ日向と対象的に、眉間に深いしわを寄せた男が一人。
普段、言い争いばかりしている月島に頼み事をするのが嫌なようだった。
「俺も無名)も、教えられるほど勉強ができるわけじゃないからね……」
山口が同意を求めてこちらを見た。
しかし俺は知っている。
山口は普通に頭が良いということを。
『そういえば月島は、学年一桁台だっけ?』
「影山、変な意地張らないでツッキーのとこ行ってきたら?」
つまりこれはそういうことである。
「勉強、教えてくれ……サイ」
「……は?」
影山が、嫌でたまらないという顔をしながら言った。
あの影山が素直に頼みに来たということに驚いて、固まる月島。
それを恐らく、聞こえなかったのか、と受け取った影山が、目をカッと見開いて。
「勉強を!! 教えてくださいゴラアアアア!!」
「ちょっ、わかったから! 急に大声出さないでくれる!?」
なぜか田中さんのように、そう月島に告げた。
「ふふ……無名、どう? 影月は」
『俺、影山は右派なんだけどなー……ありです』
喧嘩ップルは大歓迎です。
昨日話したときから、この組み合わせはどうだろう、とひそかに気になっていたのだ。
頷きながらそれを見つめていた山口が、ふと聞いてきた。
「……ちなみに俺、ツッキーには無名も合うと思っているんだけど、どう?」
『俺が月島とぉ?』
さすがにない。
期待した目をしている山口には申し訳ないが、どうあがいても無理である。
そもそも、俺は谷地さんのことが好き……かもしれないし。
「え、無名好きな人いるの!?」
そう伝えた途端に発された山口の大声は、部室中に響き渡った。
日向は顔を赤くして、影山は驚いた顔をして色々聞いてきた。
山口はなぜかメモを取る準備をしていて、何もしてこなかったのは月島だけだった。けれど。
一瞬、月島と目があった気だけがした。
それから一週間が経った。
テストに備え、部活の後に勉強する習慣を始めてみたけれど、これがなかなかキツイ。
でも補修は絶対に嫌だ。
そんなことがあってみろ。あいつら一年生同期たちとの差がより開いてしまう。
「_それにしても只野、お前最近勉強に熱心だな」
放課後の部活前、わからないところを聞きに行ったとき、先生に言われた。
良いことだ、と先生が笑う。俺は内心ニヤけていた。
俺、昔も今も、バレーしか見ていないんです。
『もちろんです。俺は、バレー馬鹿なんで』
そのまま職員室を出る。
きっと先生は意味もわからず目を丸くしていることだろう。
それを想像して、ちょっと笑った。
そんなことをしていたから若干、部活に遅れてしまった。
急いでジャージに着替え、体育館のドアを開ける。
今日はまだ練習も準備体操も始まっていないようだ。ラッキーである。
『すんません遅れましたあ!!』
「……うえっ、只野くん!?」
そこにいたのは。
俺のクラスメイトであり、気になる人。
『や、谷地さん!?』
少し大きい制服が似合う谷地さんは、少しはにかんだ顔で手を振ってくれた。
どうして谷地さんがここに。
「実はですね……、あの綺麗な先輩に話しかけられて、気づいたら仮入部することになっていたんです……!」
あたふたしながら谷地さんが説明してくれた。
綺麗な先輩、というのは清水さんだろうか。
顔を赤くしながら清水さんについて語る谷地さんを、俺はかわいらしいと思った。
初日ということもあり軽い挨拶だけして、谷地さんは帰っていった。
これから谷地さんが部活にいるということに、なる。
部活に、谷地さんが。
「……無名)、分かりやすすぎ」
『あー……、やっぱり?』
しばらく練習して休憩中。山口が、俺を肘でつついた。
俺も、自分の顔が熱くなっているのがわかる。
これは練習で動いたからではない、というのもわかる。
「いーじゃん、俺は無名を応援しているよ」
山口がニヤけるので、俺は目をそらした。
「なー無名の好きな人ってさ、だれ?」
「……バレーやってんのか?」
部活終わり、二人が俺の周りをぐるぐると回る。
一週間経ってもまだ、日向と影山は俺の好きな人に興味があるようだった。
これはバレるのも時間の問題だろう。
変に広まるのは嫌だから、念の為二人の秘密くらいは知っておきたい。
『そういう二人はさ、どうなの。好きな人いるの?』
あの計画のこともあるし、ちょうどよかった。