インハイ予選
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試合は30点台に届く接戦に。
取られては取り返してを繰り返し、今は向こうのマッチポイント。
『西谷先輩ナイスレシーブ!!』
影山が苦しげにもドンピシャなトスを上げる。
そのとき、及川さんの目が光った。
_読まれている。
俺がそう思ったときにはもう遅く。
飛んだ日向の前には高い壁が三枚。
驚いて目を見開く影山と、急いで駆け出す大地さんが、スローモーションになって見えた。
完璧にブロックされたボールがコートに落ちる。
俺達は、負けた。
次のチームが来る前に急いで撤収しなければならない。
鉛のように重い足を動かして、ボールの入ったカゴを押した。
ミーティングの後、烏養さんがご飯に連れて行ってくれた。
美味しい料理が試合後の体に染みる。
……最後のブロックフォロー。
俺ならば、拾えただろうか。
たらればを考えても仕方ない。
その瞬間に、コートに置いてもらえる選手じゃないと考える意味すらもない。
『……っ、く、そ』
負けたこと、コートに最後まで立てなかったこと、全部が悔しくて、涙があふれる。
周りを見るとみんな泣いていて、そのままぼろぼろ泣いた。
次の日も変わらず学校はあって。
でも当然授業なんて1ミリも聞いていない。早くバレーをしたい、それだけ。
「……た、只野くん、大丈夫……?」
そんな俺を見かねてか、隣から谷地さんが声をかけてくれた。
『ありがとう、ちょっと部活の大会で疲れてて』
「そ、そっか! 只野くんは、バレー部でありましたねっ!!」
谷地さんの日本語はたまに変になる。そこもかわいい、と思う。
『それで、……悔しいんだ』
「只野くん……」
谷地さんが困ったように眉を下げる。
いや、俺ダサすぎだろ。気になっている子にこんな顔させるなんて。
とりあえずなんか言え!
『やちさ……』
「只野くん、生きていれば、臓器売買をしても丸儲けなんですよ!!」
熱く言い放った谷地さんが、俺の手を取った。
谷地さんの口から臓器売買、なんて単語が出てくるとは。
思わず笑ってしまった。
「……はっ、只野くんには影山さんという方がありながら、なんて差し出がましいことを……!」
『な、なんで影山……?』
我に返った谷地さんが土下座をしようとするので慌てて止める。
「只野くん、部活頑張ってるから、何かお力添えで一言を、と思いまして……」
はにかむ谷地さん。
『……ありがとう、谷地さん』
谷地さんはほんとうに優しい。
だからもっと知りたい、そう思ってしまう。
放課後。
谷地さんのおかげで、前を向けた気がする。
これからの部活、ただガムシャラに頑張るだけじゃだめだ。考えろ!
俺にはまだレギュラーに選んでもらえるような実力がない。
でも烏養さんが言うには、中盤に入れると役立つ選手ではあるらしい。
だからこのまま行けば、途中で試合には出してもらえる。
_そんなのは、嫌だ。
最後までコートに立っていたい。あの空気を最後まで。
そのために俺は、何をすれば良いのだろう?
頭をひねったが、いつも以上に頑張る、以外の案は出てこなかった。
もやもやしたまま部活に向かう。
「_もう一度、あそこへ行く」
そう力強く言った三年生の先輩たちは春高まで残るみたいだった。
大地さんと菅原さんは俺と同じ進学クラスだけど、受験とか、大丈夫なんだろうか。
……俺は、俺が三年生のとき、受験よりバレーを優先するんだろうか。
せっかく谷地さんに応援してもらったのに俺は考え事ばっかりだ。
嬉しそうにはしゃぐ日向を横目にため息をついたとき、勢いよくドアが開いた。
「行きますよね!! 東京!!」
武田先生だった。息切れしながら、笑顔で合宿の話をしてくれた。
なんでも、東京の強豪校達の合宿に特別に参加させてもらえるんだとか。
合宿。
強豪校の強い人達と話すことで、何か手がかりを得られるかもしれない。
それに、合宿は恋愛の名産地!!
これ以上に研日計画を進めるのにもってこいなイベントは無いだろう。
さっきまでの暗い気持ちはなくなり、俺は夏休みの合宿ライフに胸を踊らせた。
山口にアイコンタクトを取る。
「……無名、黒尾さんに連絡、取った?」
『ん? まだだけど』
「あ〜もう、するよ! 作戦会議!」
なぜか呆れた顔の山口が、俺の制服を引っ張る。
「……山口、何して_」
「ごめんツッキー! 先帰ってて!!」
何か言いたそうに月島がこちらを見るが、山口の顔を見て、わざとらしくため息をついた。
月島の扱いが手慣れているところ、さすがは幼なじみだ。
山口は、もう平気なんだろうか。
ファミレスで、メニューを眺める山口にさりげなく青城戦のことを聞いてみた。
「それはそれ、これはこれ!」
次は決めるから大丈夫! と明るく笑う山口を、俺は心の底からすごいと思った。
俺も見習って、次に自信を持たないと。
研日について計画を立てる前に、黒尾さんにとりあえず挨拶だけでも送っとこう、ということになった。
わくわくしながら文字を打つ。
返信、来るといいな。
取られては取り返してを繰り返し、今は向こうのマッチポイント。
『西谷先輩ナイスレシーブ!!』
影山が苦しげにもドンピシャなトスを上げる。
そのとき、及川さんの目が光った。
_読まれている。
俺がそう思ったときにはもう遅く。
飛んだ日向の前には高い壁が三枚。
驚いて目を見開く影山と、急いで駆け出す大地さんが、スローモーションになって見えた。
完璧にブロックされたボールがコートに落ちる。
俺達は、負けた。
次のチームが来る前に急いで撤収しなければならない。
鉛のように重い足を動かして、ボールの入ったカゴを押した。
ミーティングの後、烏養さんがご飯に連れて行ってくれた。
美味しい料理が試合後の体に染みる。
……最後のブロックフォロー。
俺ならば、拾えただろうか。
たらればを考えても仕方ない。
その瞬間に、コートに置いてもらえる選手じゃないと考える意味すらもない。
『……っ、く、そ』
負けたこと、コートに最後まで立てなかったこと、全部が悔しくて、涙があふれる。
周りを見るとみんな泣いていて、そのままぼろぼろ泣いた。
次の日も変わらず学校はあって。
でも当然授業なんて1ミリも聞いていない。早くバレーをしたい、それだけ。
「……た、只野くん、大丈夫……?」
そんな俺を見かねてか、隣から谷地さんが声をかけてくれた。
『ありがとう、ちょっと部活の大会で疲れてて』
「そ、そっか! 只野くんは、バレー部でありましたねっ!!」
谷地さんの日本語はたまに変になる。そこもかわいい、と思う。
『それで、……悔しいんだ』
「只野くん……」
谷地さんが困ったように眉を下げる。
いや、俺ダサすぎだろ。気になっている子にこんな顔させるなんて。
とりあえずなんか言え!
『やちさ……』
「只野くん、生きていれば、臓器売買をしても丸儲けなんですよ!!」
熱く言い放った谷地さんが、俺の手を取った。
谷地さんの口から臓器売買、なんて単語が出てくるとは。
思わず笑ってしまった。
「……はっ、只野くんには影山さんという方がありながら、なんて差し出がましいことを……!」
『な、なんで影山……?』
我に返った谷地さんが土下座をしようとするので慌てて止める。
「只野くん、部活頑張ってるから、何かお力添えで一言を、と思いまして……」
はにかむ谷地さん。
『……ありがとう、谷地さん』
谷地さんはほんとうに優しい。
だからもっと知りたい、そう思ってしまう。
放課後。
谷地さんのおかげで、前を向けた気がする。
これからの部活、ただガムシャラに頑張るだけじゃだめだ。考えろ!
俺にはまだレギュラーに選んでもらえるような実力がない。
でも烏養さんが言うには、中盤に入れると役立つ選手ではあるらしい。
だからこのまま行けば、途中で試合には出してもらえる。
_そんなのは、嫌だ。
最後までコートに立っていたい。あの空気を最後まで。
そのために俺は、何をすれば良いのだろう?
頭をひねったが、いつも以上に頑張る、以外の案は出てこなかった。
もやもやしたまま部活に向かう。
「_もう一度、あそこへ行く」
そう力強く言った三年生の先輩たちは春高まで残るみたいだった。
大地さんと菅原さんは俺と同じ進学クラスだけど、受験とか、大丈夫なんだろうか。
……俺は、俺が三年生のとき、受験よりバレーを優先するんだろうか。
せっかく谷地さんに応援してもらったのに俺は考え事ばっかりだ。
嬉しそうにはしゃぐ日向を横目にため息をついたとき、勢いよくドアが開いた。
「行きますよね!! 東京!!」
武田先生だった。息切れしながら、笑顔で合宿の話をしてくれた。
なんでも、東京の強豪校達の合宿に特別に参加させてもらえるんだとか。
合宿。
強豪校の強い人達と話すことで、何か手がかりを得られるかもしれない。
それに、合宿は恋愛の名産地!!
これ以上に研日計画を進めるのにもってこいなイベントは無いだろう。
さっきまでの暗い気持ちはなくなり、俺は夏休みの合宿ライフに胸を踊らせた。
山口にアイコンタクトを取る。
「……無名、黒尾さんに連絡、取った?」
『ん? まだだけど』
「あ〜もう、するよ! 作戦会議!」
なぜか呆れた顔の山口が、俺の制服を引っ張る。
「……山口、何して_」
「ごめんツッキー! 先帰ってて!!」
何か言いたそうに月島がこちらを見るが、山口の顔を見て、わざとらしくため息をついた。
月島の扱いが手慣れているところ、さすがは幼なじみだ。
山口は、もう平気なんだろうか。
ファミレスで、メニューを眺める山口にさりげなく青城戦のことを聞いてみた。
「それはそれ、これはこれ!」
次は決めるから大丈夫! と明るく笑う山口を、俺は心の底からすごいと思った。
俺も見習って、次に自信を持たないと。
研日について計画を立てる前に、黒尾さんにとりあえず挨拶だけでも送っとこう、ということになった。
わくわくしながら文字を打つ。
返信、来るといいな。