インハイ予選
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「……勝つぞ」
影山の肩を叩いて、菅原さんが言った。
ベンチに帰ってきても変わらずみんなを応援し続けるその姿は、とてもかっこいい。
俺と山口も、コートに戻った影山のサーブに声を送った。
ドンピシャな日向と影山の超速攻が決まる。
そのまま勢いに乗っていくみんなをよそに、烏養さんは冷静にコートを見つめていた。
『烏養さん、どうして俺を……』
「只野。あの1番、どう思った?」
俺の質問を遮って、烏養さんが聞く。
及川さんは、とにかくサーブがすごいと思った。
コントロールも、威力もとんでもない。若干の回転を伴って、まっすぐにコートの端に飛んでくる。
でも、一番厄介なのはスパイカーに合わせたトスだ。
チームの能力を100%引き出す、洞察力。
それはもう防ぎようがないから、ひたすらスパイクの軌道を読むしかない。
そう伝えると、満足そうに頷かれた。
「そんだけ言えりゃ大丈夫だ、よし行ってこい!」
どん、と背中を押される。
もしかして、と思ったときにはもう、選手交代の笛がなっていた。
_第二セットももう中盤。負けたら終わりのインターハイ予選。
俺は震える足でコートに立つ。
あんなに試合に出たがっていた伊達工戦のときの俺はもうどこかへ行ってしまった。
……どうしよう、俺のミスが先輩たちの負けに繋がったら。
「只野、俺と交代か!」
『田中さん……俺、怖いです』
つい弱音を吐いてしまう。
駆け寄ってきた日向と影山が、心配してくれているのがわかる。
大地さんや旭さんも俺に声をかけてくれる。
落ち着け、今の最高な雰囲気を俺なんかが崩すな!
そう思えば思うほど、体に汗がにじんでくる。
どうしよう、サーブを外したら。スパイクが決まらなかったら。レシーブが間に合わなかったら。
無理をするな、みんながそう言ってくれるそのなかで。
田中さんだけは力強く、ただ俺のことを見ていた。
_田中さんはほんとうに真っ直ぐな人だ。
そんな先輩に応えたい、と心の底から思った。
だから俺は、深く息を吐いた。それから拳を無理やり握って、にっ、と笑ってみせる。
『怖いけど……負けるつもりはもうないです』
「……おおよ! 下手くそ上等! 迷惑かけてけよ、只野!!」
田中さんと二人で笑いあう。
さあ、最高のバレーボールをしよう。
「すまん短い、カバー!!」
『っはい、旭さん!』
大地さんが上げてくれたボールを、オーバーで届ける。
烏養さんがどうしてこのタイミングで俺を入れてくれたのかはわからない。
関係ない。迷惑をかけてもいいから、その分倍点を取れ!
「……今のトスはどうでしたかコラ」
月島のフェイントが決まったとき、田中さんのような口調で影山が言った。
豆鉄砲をくらった鳩のような月島。
あの二人がぎこちないけどコミニュケーションを取っている。
そんな光景に思わず笑ってしまう。
「_金田一!!」
あの12番の得意なのは、クロスだ。
コートの外で見てきた第一セット、全部使え!
12番の速攻を上げる。影山と目があった。
_俺に来る
急いで跳んで、12番と3番の間を狙って全力で叩き込む。
ボールは誰もいないコートの奥に、深く突き刺さった。
『ッし!!』
俺のスパイクが、点に。
烏野のマッチポイントだ。
及川さんのサーブ。
なんとか西谷さんが上げるも、向こうのコートに一発で返ってしまう。
_誰に上がる。
エースの4番か。ツーもありえるし、12番の可能性もある。
俺が12番に向かって駆け出すとき。影山が、月島のユニフォームを引っ張って_
『……っ!』
合わせるために、方向転換する。
そのまま月島の横に急ぎで跳んで、4番の強打を三人でドシャット。
第二セットを取り返した。
最終セット。
互いに攻撃の姿勢は譲らない。
「ナイスブロック花巻ー!!」
『っくそ、……スミマセン、次決めますッ!』
ミスったっていい。その攻撃意志は捨てない!
青城の20点が近づいてきたそのとき、選手交代の笛が。
『……山口』
山口が10番のカードを持って立っている。
先程の俺以上に緊張しているようにみえた。みんなが山口に声を送る。
「……ナイッサ」
「き、気楽にいけよ!」
ピーッと笛がなる。
山口の打ったサーブは……ネットに。
「……ッ」
後衛だった俺は、山口の息を飲む音がただ聞こえた。
山口が日向と交代になる。
そのタイミングで俺も田中さんと交代に。
「おーおかえり。只野、期待以上の働きだったぞ」
『……ありがとう、ございます』
烏養さんは、俺のことを褒めてくれた。
……山口は?
「…………。」
同じ一年ベンチの山口。同じ腐男子の、友達の山口に、俺はなんて声をかければいいかわからなかった。
影山の肩を叩いて、菅原さんが言った。
ベンチに帰ってきても変わらずみんなを応援し続けるその姿は、とてもかっこいい。
俺と山口も、コートに戻った影山のサーブに声を送った。
ドンピシャな日向と影山の超速攻が決まる。
そのまま勢いに乗っていくみんなをよそに、烏養さんは冷静にコートを見つめていた。
『烏養さん、どうして俺を……』
「只野。あの1番、どう思った?」
俺の質問を遮って、烏養さんが聞く。
及川さんは、とにかくサーブがすごいと思った。
コントロールも、威力もとんでもない。若干の回転を伴って、まっすぐにコートの端に飛んでくる。
でも、一番厄介なのはスパイカーに合わせたトスだ。
チームの能力を100%引き出す、洞察力。
それはもう防ぎようがないから、ひたすらスパイクの軌道を読むしかない。
そう伝えると、満足そうに頷かれた。
「そんだけ言えりゃ大丈夫だ、よし行ってこい!」
どん、と背中を押される。
もしかして、と思ったときにはもう、選手交代の笛がなっていた。
_第二セットももう中盤。負けたら終わりのインターハイ予選。
俺は震える足でコートに立つ。
あんなに試合に出たがっていた伊達工戦のときの俺はもうどこかへ行ってしまった。
……どうしよう、俺のミスが先輩たちの負けに繋がったら。
「只野、俺と交代か!」
『田中さん……俺、怖いです』
つい弱音を吐いてしまう。
駆け寄ってきた日向と影山が、心配してくれているのがわかる。
大地さんや旭さんも俺に声をかけてくれる。
落ち着け、今の最高な雰囲気を俺なんかが崩すな!
そう思えば思うほど、体に汗がにじんでくる。
どうしよう、サーブを外したら。スパイクが決まらなかったら。レシーブが間に合わなかったら。
無理をするな、みんながそう言ってくれるそのなかで。
田中さんだけは力強く、ただ俺のことを見ていた。
_田中さんはほんとうに真っ直ぐな人だ。
そんな先輩に応えたい、と心の底から思った。
だから俺は、深く息を吐いた。それから拳を無理やり握って、にっ、と笑ってみせる。
『怖いけど……負けるつもりはもうないです』
「……おおよ! 下手くそ上等! 迷惑かけてけよ、只野!!」
田中さんと二人で笑いあう。
さあ、最高のバレーボールをしよう。
「すまん短い、カバー!!」
『っはい、旭さん!』
大地さんが上げてくれたボールを、オーバーで届ける。
烏養さんがどうしてこのタイミングで俺を入れてくれたのかはわからない。
関係ない。迷惑をかけてもいいから、その分倍点を取れ!
「……今のトスはどうでしたかコラ」
月島のフェイントが決まったとき、田中さんのような口調で影山が言った。
豆鉄砲をくらった鳩のような月島。
あの二人がぎこちないけどコミニュケーションを取っている。
そんな光景に思わず笑ってしまう。
「_金田一!!」
あの12番の得意なのは、クロスだ。
コートの外で見てきた第一セット、全部使え!
12番の速攻を上げる。影山と目があった。
_俺に来る
急いで跳んで、12番と3番の間を狙って全力で叩き込む。
ボールは誰もいないコートの奥に、深く突き刺さった。
『ッし!!』
俺のスパイクが、点に。
烏野のマッチポイントだ。
及川さんのサーブ。
なんとか西谷さんが上げるも、向こうのコートに一発で返ってしまう。
_誰に上がる。
エースの4番か。ツーもありえるし、12番の可能性もある。
俺が12番に向かって駆け出すとき。影山が、月島のユニフォームを引っ張って_
『……っ!』
合わせるために、方向転換する。
そのまま月島の横に急ぎで跳んで、4番の強打を三人でドシャット。
第二セットを取り返した。
最終セット。
互いに攻撃の姿勢は譲らない。
「ナイスブロック花巻ー!!」
『っくそ、……スミマセン、次決めますッ!』
ミスったっていい。その攻撃意志は捨てない!
青城の20点が近づいてきたそのとき、選手交代の笛が。
『……山口』
山口が10番のカードを持って立っている。
先程の俺以上に緊張しているようにみえた。みんなが山口に声を送る。
「……ナイッサ」
「き、気楽にいけよ!」
ピーッと笛がなる。
山口の打ったサーブは……ネットに。
「……ッ」
後衛だった俺は、山口の息を飲む音がただ聞こえた。
山口が日向と交代になる。
そのタイミングで俺も田中さんと交代に。
「おーおかえり。只野、期待以上の働きだったぞ」
『……ありがとう、ございます』
烏養さんは、俺のことを褒めてくれた。
……山口は?
「…………。」
同じ一年ベンチの山口。同じ腐男子の、友達の山口に、俺はなんて声をかければいいかわからなかった。