インハイ予選
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最近、幼なじみがスマホをよく見つめるようになった。
特に何をするわけでもなく。ただ、悩むような仕草を見せながら。
「黒尾ー、ちょっと来ーい」
「おー今行く」
ある日の部活終わり、その画面を見ることができた。
ラインのトーク画面だ。でも一回も会話をしていない……?
相手の名前は、無名、さん。
この名前、確か烏野にいた気がする、と記憶をたどる。
確か……只野無名くん? 器用で厄介な一年のWSの人。
「ちょっっと研磨サン?」
「……クロ」
いつの間に。よく見ると、走ってきたのか少し息が荒い。
これ誰とのライン? と聞くと、無言で目を逸らされた。
「……あの13番でしょ」
「エッ」
クロが跳ねる。合っていたようだ。
駅を降りて住宅街を歩く。その只野くんと、いつ接点を持ったのか聞いてみた。
クロは少し渋りながらも、教えてくれる。
「……その人のこと、クロは好きなんだ?」
クロは最初否定してきたけど、おれに嘘は通じないことを知っているから。
赤くなりながら、誰にも言うなよ? と念を押してきた。
「どこまでいったの」
「……ライン交換して、……終わり」
それであのトーク画面だったのか。でも、もう1週間以上前の話だ。
あのクロが、1週間何も、会話すらもしていない?
「……壁ドンまでして?」
「いや、それは強引に行き過ぎたっていうか、どうしても縁を繋いでおきたかったといいますか……」
クロがもにょもにょし始める。嘘、と思った。
いつもクロは、好きになった人にはすぐ近づいて手を打つのに。
「……只野くん、どこが好きなの?」
「あー……、無口そうにみえて感情豊かなところとか、ささやかな気遣いとか? それとー_」
笑みを浮かべながら、指を数えていくクロ。
そんなに彼に本気なんだ。
こんなに奥手なクロをみるのは初めてかもしれない。
「連絡、してあげたら?」
「ばーか、そう暇じゃねーだろ」
それに今はインターハイ予選中だぞ、と付け足すクロの顔には、気持ちがあった。
そっけない返信だったら、そもそも無視されたら、という気持ちが。
……おれの予想だと、あの只野くんもなかなかめんどくさいタイプだと思うけど。
それでもやっぱり。
「……クロ慎重すぎ」
「いいんです〜!! 黒尾さんはじっくり確実にがモットーなんで」
おれはため息をつく。
……只野くん、どうか、この死ぬほどめんどくさい、臆病で、優しいおれの幼なじみを愛してやってください。
特に何をするわけでもなく。ただ、悩むような仕草を見せながら。
「黒尾ー、ちょっと来ーい」
「おー今行く」
ある日の部活終わり、その画面を見ることができた。
ラインのトーク画面だ。でも一回も会話をしていない……?
相手の名前は、無名、さん。
この名前、確か烏野にいた気がする、と記憶をたどる。
確か……只野無名くん? 器用で厄介な一年のWSの人。
「ちょっっと研磨サン?」
「……クロ」
いつの間に。よく見ると、走ってきたのか少し息が荒い。
これ誰とのライン? と聞くと、無言で目を逸らされた。
「……あの13番でしょ」
「エッ」
クロが跳ねる。合っていたようだ。
駅を降りて住宅街を歩く。その只野くんと、いつ接点を持ったのか聞いてみた。
クロは少し渋りながらも、教えてくれる。
「……その人のこと、クロは好きなんだ?」
クロは最初否定してきたけど、おれに嘘は通じないことを知っているから。
赤くなりながら、誰にも言うなよ? と念を押してきた。
「どこまでいったの」
「……ライン交換して、……終わり」
それであのトーク画面だったのか。でも、もう1週間以上前の話だ。
あのクロが、1週間何も、会話すらもしていない?
「……壁ドンまでして?」
「いや、それは強引に行き過ぎたっていうか、どうしても縁を繋いでおきたかったといいますか……」
クロがもにょもにょし始める。嘘、と思った。
いつもクロは、好きになった人にはすぐ近づいて手を打つのに。
「……只野くん、どこが好きなの?」
「あー……、無口そうにみえて感情豊かなところとか、ささやかな気遣いとか? それとー_」
笑みを浮かべながら、指を数えていくクロ。
そんなに彼に本気なんだ。
こんなに奥手なクロをみるのは初めてかもしれない。
「連絡、してあげたら?」
「ばーか、そう暇じゃねーだろ」
それに今はインターハイ予選中だぞ、と付け足すクロの顔には、気持ちがあった。
そっけない返信だったら、そもそも無視されたら、という気持ちが。
……おれの予想だと、あの只野くんもなかなかめんどくさいタイプだと思うけど。
それでもやっぱり。
「……クロ慎重すぎ」
「いいんです〜!! 黒尾さんはじっくり確実にがモットーなんで」
おれはため息をつく。
……只野くん、どうか、この死ぬほどめんどくさい、臆病で、優しいおれの幼なじみを愛してやってください。