インハイ予選
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_見よ 古兵、烏野の復活だ
IH予選一回戦、常波高校に勝った。
……とは言っても、俺は応援していただけだったのだが。
伊達工業高校も勝ち上がってきていて、二回戦目はそこと当たる。
スターティングメンバーが発表されたが、また俺はベンチ。
旭さんや田中さんの控えとしてしっかり努めよう、とは思うものの、選んでもらえないってのは、やっぱりキツイ。
そう思いながら、タオルの準備をする。
先輩たちのもとへ向かうこの足が、かすかに重たい気がした。
「旭、お前、今までにないくらい怖い顔してるぞ」
「そんなんじゃ打てる球も打てねーべ。ほら、リラックス!」
声のする方に顔を向けると、ものすごい形相の旭さんが。
……旭さんは伊達工との試合が原因で部活に来れていなかったんだっけ。
「まあ、いざとなったら縁下か只野が決めてくれるべ」
「うちには優秀なスパイカーがいるからなー、ひげちょことは違って」
不意に名前を呼ばれて、肩がはねた。
……二人は俺のこと、ただの控えではなく、烏野のスパイカーとして見てくれているんだ。
胸が熱くなる。その嬉しさで、俺の中で一つ決心がついた。
『……もちろんです。いつでも呼んでください、旭さん』
優秀な控えではなく、スタメンになろう。一秒でも長くボールに触るために。
旭さんは目を見開いて、俺の目をじっと見つめた。
その時、何やら元気な声が響き渡った。西谷先輩のようだった。
「皆、前だけ見てけよォ!! 背中は俺が、守ってやるぜ!!」
……西谷先輩はやはりカッコいい。
俺も、西谷先輩と同じコートに立ちたい、と思う。
「……只野といい、西谷といい、うちには頼もしい後輩が多いな」
ふっ、と笑った旭さんの顔に緊張はもうなかった。
俺も、それを見てなんやかんやでほっとする。
レギュラーはもちろんなりたいけど、それは今日じゃないはずだ。
ゆっくり息を吐き出して、ベンチに深く腰掛けた。
伊達工戦が、始まる。
「……日向と影山、そろそろアレ、使うかな」
「さあね。……王様がなんか言ってるから、やるんじゃないの」
日向の普通の速攻が捕まって、影山の顔つきが変わる。
あの速攻を使うのが楽しみで仕方がない、という顔。
そしてまた、烏が飛ぶ。
『日向! 2度目の超速攻もキレイに決まってたな!!』
「ありがとう無名!! 影山のトス、すっげえいいとこ来る!」
旭さんのバックアタックで、烏野が第一セットを取った。
俺は日向にドリンクを手渡す。
二人の超速攻は変わらず会場を沸かせていて。
それを見ると変わらず胸が高鳴る……けど、今日は少し違った。
『俺も凄えプレーやって、そんくらい言われたいな』
控え選手ではなく、レギュラーになる。
そう決心してから試合を見ると、先輩WSの二人のレベルの高さが改めて目についた。
音駒との練習試合のときの、西谷先輩の言葉が頭をよぎる。
”強いほうがコートに立つ、これ当然です!!”
本当にそうだ。旭さん、田中さんだけでなく、縁下さん、木下さんよりも強くならないと、俺はコートに立てない。
最後の旭さんのバックアタック。力強く、自信に溢れたスパイクだった。
……っても、諦める気は全然ないけど!!
「おれ、無名と一緒にコートに立ちたい!」
嬉しいことに、日向がそう言ってくれた。
ベンチに座らせてタオルであおいでやると、気持ちよさそうに目を閉じる。
「……そういえば日向って、只野のこと名前で呼ぶよね」
何かきっかけとかあるの? と山口が聞いてきた。
『日向、俺の名字言ってみ』
「ただの、だろ」
『な? ……日向だけイントネーションがおかしくて、凄い違和感あるんだよ』
答えると、山口は少し残念そうに眉を下げた。
何を期待していたのかは知らないが、そういうことで、名前で呼んでもらっていたのだ。
「そっか……、あ、じゃあ、俺も只野のこと名前で呼んでいいってこと?」
『? いいよ、大歓迎』
「ありがとう! ……無名、素敵な名前だね」
「わかる! 無名って、言葉の響き、おれ気に入ってる!!」
『あ、ありがとう……?』
頬のあたりが熱くなってきたので、俺の名前の話に花を咲かせる二人をおいて、そっとベンチを離れる。
きっと顔は赤くなっているんだろうな。昔からそうだ。
……恥ずかしい。
『……なんだよ月島』
「…………別に」
IH予選一回戦、常波高校に勝った。
……とは言っても、俺は応援していただけだったのだが。
伊達工業高校も勝ち上がってきていて、二回戦目はそこと当たる。
スターティングメンバーが発表されたが、また俺はベンチ。
旭さんや田中さんの控えとしてしっかり努めよう、とは思うものの、選んでもらえないってのは、やっぱりキツイ。
そう思いながら、タオルの準備をする。
先輩たちのもとへ向かうこの足が、かすかに重たい気がした。
「旭、お前、今までにないくらい怖い顔してるぞ」
「そんなんじゃ打てる球も打てねーべ。ほら、リラックス!」
声のする方に顔を向けると、ものすごい形相の旭さんが。
……旭さんは伊達工との試合が原因で部活に来れていなかったんだっけ。
「まあ、いざとなったら縁下か只野が決めてくれるべ」
「うちには優秀なスパイカーがいるからなー、ひげちょことは違って」
不意に名前を呼ばれて、肩がはねた。
……二人は俺のこと、ただの控えではなく、烏野のスパイカーとして見てくれているんだ。
胸が熱くなる。その嬉しさで、俺の中で一つ決心がついた。
『……もちろんです。いつでも呼んでください、旭さん』
優秀な控えではなく、スタメンになろう。一秒でも長くボールに触るために。
旭さんは目を見開いて、俺の目をじっと見つめた。
その時、何やら元気な声が響き渡った。西谷先輩のようだった。
「皆、前だけ見てけよォ!! 背中は俺が、守ってやるぜ!!」
……西谷先輩はやはりカッコいい。
俺も、西谷先輩と同じコートに立ちたい、と思う。
「……只野といい、西谷といい、うちには頼もしい後輩が多いな」
ふっ、と笑った旭さんの顔に緊張はもうなかった。
俺も、それを見てなんやかんやでほっとする。
レギュラーはもちろんなりたいけど、それは今日じゃないはずだ。
ゆっくり息を吐き出して、ベンチに深く腰掛けた。
伊達工戦が、始まる。
「……日向と影山、そろそろアレ、使うかな」
「さあね。……王様がなんか言ってるから、やるんじゃないの」
日向の普通の速攻が捕まって、影山の顔つきが変わる。
あの速攻を使うのが楽しみで仕方がない、という顔。
そしてまた、烏が飛ぶ。
『日向! 2度目の超速攻もキレイに決まってたな!!』
「ありがとう無名!! 影山のトス、すっげえいいとこ来る!」
旭さんのバックアタックで、烏野が第一セットを取った。
俺は日向にドリンクを手渡す。
二人の超速攻は変わらず会場を沸かせていて。
それを見ると変わらず胸が高鳴る……けど、今日は少し違った。
『俺も凄えプレーやって、そんくらい言われたいな』
控え選手ではなく、レギュラーになる。
そう決心してから試合を見ると、先輩WSの二人のレベルの高さが改めて目についた。
音駒との練習試合のときの、西谷先輩の言葉が頭をよぎる。
”強いほうがコートに立つ、これ当然です!!”
本当にそうだ。旭さん、田中さんだけでなく、縁下さん、木下さんよりも強くならないと、俺はコートに立てない。
最後の旭さんのバックアタック。力強く、自信に溢れたスパイクだった。
……っても、諦める気は全然ないけど!!
「おれ、無名と一緒にコートに立ちたい!」
嬉しいことに、日向がそう言ってくれた。
ベンチに座らせてタオルであおいでやると、気持ちよさそうに目を閉じる。
「……そういえば日向って、只野のこと名前で呼ぶよね」
何かきっかけとかあるの? と山口が聞いてきた。
『日向、俺の名字言ってみ』
「ただの、だろ」
『な? ……日向だけイントネーションがおかしくて、凄い違和感あるんだよ』
答えると、山口は少し残念そうに眉を下げた。
何を期待していたのかは知らないが、そういうことで、名前で呼んでもらっていたのだ。
「そっか……、あ、じゃあ、俺も只野のこと名前で呼んでいいってこと?」
『? いいよ、大歓迎』
「ありがとう! ……無名、素敵な名前だね」
「わかる! 無名って、言葉の響き、おれ気に入ってる!!」
『あ、ありがとう……?』
頬のあたりが熱くなってきたので、俺の名前の話に花を咲かせる二人をおいて、そっとベンチを離れる。
きっと顔は赤くなっているんだろうな。昔からそうだ。
……恥ずかしい。
『……なんだよ月島』
「…………別に」