イニシャルはQ【爆上・大也】
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※バクアゲ8時空
「ちょっと、こんなので本当に勝てるの?」
「マッドレックス様が言ってるんだから当然でしょ。ほら、怪我人みたいにちゃんと倒れ込んで」
走ってやって来たデコトラ―デとイターシャは素早くセーラー服と学生服に着替えた。ウィッグを被ったイターシャにそう促され、私は仕方なく地面に伏した。格好もクイーンだとバレないように、バトルスーツの上から長いスカートのセーラー服を着ている。
「こんなので釣れる訳…」
「大丈夫ですか!?」
「お怪我はありませんか!?」
「釣れた…馬鹿が…」
駆け寄ってくる足音がした。しかしすぐに「待て!これは罠だ!」と誰かが制する。
「ピンポ~ン。罠でーす!」
仰向けになったイターシャが、ピンクとブルーをからかうように両手を広げて楽しげな声を出した。
その瞬間上から鉄の檻が降ってくる。デコトラ―デの方も檻に入れられており、「なんだ?これ」とブラックが檻を見上げた。
「よっしゃあ!作戦成功大成功だぜ!へへッ」
「やったー!ブンブンジャーゲット!フフフッ!」
ウィッグを外し、セーラー服を脱ごうと苦戦し始めるイターシャ。馬鹿はどっちなんだかと思いながら私もセーラー服を脱いで普段のバトルスーツになると、倉庫にレッドがやって来た。
「そういうお前たちはどうやって出るつもりなんだ?」
「え?」
「え?あ…」
檻の中でオロオロし始め、ついには「入っちゃってるんだけど~!?どうしよう!?」と彼女は騒ぎ始めた。デコトラ―デも混乱しており、私は「はあ」とため息を吐く。
「馬鹿ばっかり…」
「そういうお前も、檻の中に入っているだろう」
「ッ…私はこれくらい予想してたわよ!あなた達をおびき寄せる為に体張っただけなんだから!」
ブルーに一発蹴りを入れようとしたが、あっさりと避けられてしまった。同じ檻に入れられたピンクが「ちょっと暴れないで!」と間に入り、どうどうとまるで動物を落ち着かせるかのように私を宥める。
ブラックとピンクは変身すれば出られるのではと思いブンブンジャーのボタンを押すが、その瞬間電流が檻の中にいる全員の体に走った。勿論私もモロに食らい、全身への痛みに膝を着く。
「ぐっ…!」
「大也!早く助けて!」
ピンクの助けを求める声に応じるのかと思いきや、意外にもレッドは「今は無理だ。しばらく入ってろ」と突き放した。その横顔を見た瞬間何かが頭を過ったが、すぐにそれは消えて無くなった。まるでシャボン玉のように一瞬のことだった。
レッドが進む先にはマッドレックスが武器を持って待ち構えている。
「騒音はお手のもの。暴走は俺のもの。ハシリヤン斬込隊長マッドレックス参上!」
「お前の狙いは俺か。…いいだろう」
ブンブンチェンジャーのボタンを押し、大也と呼ばれた青年はブンレッドへと姿を変えた。「そうこなくちゃな」と満足げにマッドレックスが呟く。不思議な空間だった。敵同士の筈なのに、ここには怒りなんて感情が存在していない。
「スピードの向こう側までノーブレーキで突っ込んでいこうじゃねえか」
レッドとマッドレックスの戦いが始まった。挨拶代わりのような打ち合いを暫く行った後、マッドレックスが動きを止めて後ろにいるレッドへと語りかける。
「たまんねえぜ、この手ごたえ!ブーンレッド!俺と組まねえか?」
「はあっ!?」
「俺にはわかる!お前も、自分をたぎらせる相手を探しているんだろ?見ろよ、檻ん中のマヌケ面。あんな奴らとつるんでるより、俺と宇宙を走り回ってるほうが楽しいぜ…!」
剣と槍を交えたまま、レッドは不敵に笑い「誉め言葉と受け取っておこうか」と言った。
「悪いようにはしねえ。きっとボスもお前のことを気に入って下さる」
「そのボスっていうのは、お前より強いのか?」
「ああ。宇宙よりはるかにでかい器のお方だ」
「フッ…そいつはバクアゲだな」
銃弾がマッドレックスの足元に撃ち込まれた。彼は避けようともしなかった。
「俺に勝ったら、俺のハンドル握らせてやる」
「ほーう…おもしれえ!」
再び戦闘が再開される。それを呆然と見つめながら、「何言ってんすか大也さん!!」とブラックが叫んだ。
「どうやら俺の夢は…こいつを倒した先にあるらしい」
「はあ!?夢!?」
「落ち着け!今はあいつを信じろ」
「信じらんないよ!」
不穏な空気だった。戦っているマッドレックスとレッドよりも、ブンブンジャーの精神面の方が不安定に見える。崩すのなら今ではないかと思ったが、武器である傘が無い以上肉弾戦に持ち込むのは危険だと判断した。
怒りのデスロットを避け、必殺技を叩き込むレッド。どうやら、戦いを制したのはレッドらしい。勝負あったな、と区切りをつけようとするレッドにマッドレックスが怒りの声を上げる。
「仲間にならないなら、廃車にしてやる!ヤルカー!ギャーソリンだ!」
飛んできたヤルカーを槍で小突き落とし、そのままぎゅうと果実を絞るように圧迫し始める。イターシャとデコトラ―デがブンブンジャーを押し退けてヤルカーの身を案じるが、マッドレックスはお構いなしだった。大量のギャーソリンを体に充填し、熱波を発しながら巨大化していく。その衝撃で檻も完全に壊れ、私達は出ることができた。
「マッドレックス様…!」
「ヤルちゃん…!」
ヤルカーに駆け寄るサンシーターと、次の戦いに備えるブンブンジャーを見ながらそっとその場を離れていく。これ以上ここに留まるのは危険だ。巨大化したマッドレックスの戦いに巻き込まれて死ぬのは御免だった。
「ちょっと、こんなので本当に勝てるの?」
「マッドレックス様が言ってるんだから当然でしょ。ほら、怪我人みたいにちゃんと倒れ込んで」
走ってやって来たデコトラ―デとイターシャは素早くセーラー服と学生服に着替えた。ウィッグを被ったイターシャにそう促され、私は仕方なく地面に伏した。格好もクイーンだとバレないように、バトルスーツの上から長いスカートのセーラー服を着ている。
「こんなので釣れる訳…」
「大丈夫ですか!?」
「お怪我はありませんか!?」
「釣れた…馬鹿が…」
駆け寄ってくる足音がした。しかしすぐに「待て!これは罠だ!」と誰かが制する。
「ピンポ~ン。罠でーす!」
仰向けになったイターシャが、ピンクとブルーをからかうように両手を広げて楽しげな声を出した。
その瞬間上から鉄の檻が降ってくる。デコトラ―デの方も檻に入れられており、「なんだ?これ」とブラックが檻を見上げた。
「よっしゃあ!作戦成功大成功だぜ!へへッ」
「やったー!ブンブンジャーゲット!フフフッ!」
ウィッグを外し、セーラー服を脱ごうと苦戦し始めるイターシャ。馬鹿はどっちなんだかと思いながら私もセーラー服を脱いで普段のバトルスーツになると、倉庫にレッドがやって来た。
「そういうお前たちはどうやって出るつもりなんだ?」
「え?」
「え?あ…」
檻の中でオロオロし始め、ついには「入っちゃってるんだけど~!?どうしよう!?」と彼女は騒ぎ始めた。デコトラ―デも混乱しており、私は「はあ」とため息を吐く。
「馬鹿ばっかり…」
「そういうお前も、檻の中に入っているだろう」
「ッ…私はこれくらい予想してたわよ!あなた達をおびき寄せる為に体張っただけなんだから!」
ブルーに一発蹴りを入れようとしたが、あっさりと避けられてしまった。同じ檻に入れられたピンクが「ちょっと暴れないで!」と間に入り、どうどうとまるで動物を落ち着かせるかのように私を宥める。
ブラックとピンクは変身すれば出られるのではと思いブンブンジャーのボタンを押すが、その瞬間電流が檻の中にいる全員の体に走った。勿論私もモロに食らい、全身への痛みに膝を着く。
「ぐっ…!」
「大也!早く助けて!」
ピンクの助けを求める声に応じるのかと思いきや、意外にもレッドは「今は無理だ。しばらく入ってろ」と突き放した。その横顔を見た瞬間何かが頭を過ったが、すぐにそれは消えて無くなった。まるでシャボン玉のように一瞬のことだった。
レッドが進む先にはマッドレックスが武器を持って待ち構えている。
「騒音はお手のもの。暴走は俺のもの。ハシリヤン斬込隊長マッドレックス参上!」
「お前の狙いは俺か。…いいだろう」
ブンブンチェンジャーのボタンを押し、大也と呼ばれた青年はブンレッドへと姿を変えた。「そうこなくちゃな」と満足げにマッドレックスが呟く。不思議な空間だった。敵同士の筈なのに、ここには怒りなんて感情が存在していない。
「スピードの向こう側までノーブレーキで突っ込んでいこうじゃねえか」
レッドとマッドレックスの戦いが始まった。挨拶代わりのような打ち合いを暫く行った後、マッドレックスが動きを止めて後ろにいるレッドへと語りかける。
「たまんねえぜ、この手ごたえ!ブーンレッド!俺と組まねえか?」
「はあっ!?」
「俺にはわかる!お前も、自分をたぎらせる相手を探しているんだろ?見ろよ、檻ん中のマヌケ面。あんな奴らとつるんでるより、俺と宇宙を走り回ってるほうが楽しいぜ…!」
剣と槍を交えたまま、レッドは不敵に笑い「誉め言葉と受け取っておこうか」と言った。
「悪いようにはしねえ。きっとボスもお前のことを気に入って下さる」
「そのボスっていうのは、お前より強いのか?」
「ああ。宇宙よりはるかにでかい器のお方だ」
「フッ…そいつはバクアゲだな」
銃弾がマッドレックスの足元に撃ち込まれた。彼は避けようともしなかった。
「俺に勝ったら、俺のハンドル握らせてやる」
「ほーう…おもしれえ!」
再び戦闘が再開される。それを呆然と見つめながら、「何言ってんすか大也さん!!」とブラックが叫んだ。
「どうやら俺の夢は…こいつを倒した先にあるらしい」
「はあ!?夢!?」
「落ち着け!今はあいつを信じろ」
「信じらんないよ!」
不穏な空気だった。戦っているマッドレックスとレッドよりも、ブンブンジャーの精神面の方が不安定に見える。崩すのなら今ではないかと思ったが、武器である傘が無い以上肉弾戦に持ち込むのは危険だと判断した。
怒りのデスロットを避け、必殺技を叩き込むレッド。どうやら、戦いを制したのはレッドらしい。勝負あったな、と区切りをつけようとするレッドにマッドレックスが怒りの声を上げる。
「仲間にならないなら、廃車にしてやる!ヤルカー!ギャーソリンだ!」
飛んできたヤルカーを槍で小突き落とし、そのままぎゅうと果実を絞るように圧迫し始める。イターシャとデコトラ―デがブンブンジャーを押し退けてヤルカーの身を案じるが、マッドレックスはお構いなしだった。大量のギャーソリンを体に充填し、熱波を発しながら巨大化していく。その衝撃で檻も完全に壊れ、私達は出ることができた。
「マッドレックス様…!」
「ヤルちゃん…!」
ヤルカーに駆け寄るサンシーターと、次の戦いに備えるブンブンジャーを見ながらそっとその場を離れていく。これ以上ここに留まるのは危険だ。巨大化したマッドレックスの戦いに巻き込まれて死ぬのは御免だった。