イニシャルはQ【爆上・範道大也】
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範道大也がその騒動に気付いたのは、騒動が発生した次の日だった。
「柚葉が炎上した」
射士郎が溜め息を吐き、じとりと柚葉を睨む。睨まれた彼女はぷいとそっぽを向くが、非常にバツが悪そうにしていた。未来が首を傾げ、「炎上ってどういうこと?」と聞くと、射士郎は自分のスマホを彼女に見せた。
「…”【悲報】ブンレッドの彼女、ニートだった”……。何これ?」
「…何かしたんですか?柚葉さん…」
錠が尋ねると、柚葉はそっぽを向いたまま口を開いた。
「…ネットに動画、上げた…」
「何の動画ですか?」
「…GRWMってやつ…。流行ってたから…」
「朝の支度の動画ってことだよね?何でそれが炎上するの?」
「……使ってる化粧品とかドライヤー、全部買ってもらったって言ったら働けって怒られた」
沈黙。
怒りを押し殺して眉間にシワを寄せている射士郎。ぽかんとしている未来と錠。玄蕃だけがニコニコしており、大也も予想外の事実に苦笑いをしていた。
「それだけで炎上するんですか…?」
「まあ、今の世の中での火種としては十分なんじゃないかい?」
「ていうか柚葉って動画投稿してたんだ…」
「収益化したら、大也に頼らずお金稼ぎできると思ったから…。実際炎上したお陰で収益化通ってめちゃくちゃ広告料とか入ってきたし…」
「初めて見たかも、知り合いが炎上商法やってるの」
「やった、っていうかなったのよ。私は被害者!」
「この馬鹿は……」
逆ギレして被害者面をし始めた柚葉の頭を、拳をグーにしてぐりぐりする射士郎。「痛い!やめて!」と彼女が訴えるとすぐに手を離したが、大きなため息を吐いて大也の方を見た。静観していた大也は苦笑しながら彼に尋ねる。
「それで、何でブンレッドが出てくるんだ?」
「炎上した結果、特定されたんだ。大也とこいつがよく出かけている姿がSNSで拡散されて、ブンレッドの正体を知っている一般人から情報が漏れた」
「…柚葉がハシリヤンだったことは?」
「それについては、ISAが先回りして鎮火作業を行った。まあ、苦魔獣のインパクトが強かったからクイーンの存在もそこまで知られてはいなかった」
「……ごめんなさい……」
怒られた、いや実際怒られたのだが、子供のように縮こまって柚葉は大也に謝り、頭を下げた。三食デザートとクレジットカード付き、家に居候までさせてもらっていることに負い目は感じていたのだろう。
「別にいいさ、誰にだって失敗はある」
「…大也…」
パアァ、と目を輝かせる柚葉。巻き込んでしまった大也に許されたことで謎の自信に繋がったのか、「ていうか」と前置きをして腰に手を当てる。
「炎上させたの、ハシリヤンだと思うのよね。風評被害ってヤツよ。何か面倒くさいアンチまで湧いてきてるし!」
「アンチまで出て来たんだ…」
「…後の鎮火作業は俺とISAがやる。お前は暫くネットを見るな、今後は動画投稿もやめろ」
「黙ってろって言うの!?」
「じゃあ、この状況を打開できる策があるのか?」
「生配信でアンチの凸待ちに決まってるでしょ!」
「お前はまずネットリテラシーを学べ!」
射士郎がそう叱ると、錠がスッ…と「ネット安全教室」と書かれた、老人や子供向けのチラシを差し出した。柚葉は嫌だと言わんばかりの目でそれを見つめ、「私は子供じゃない!」と反論する。
「柚葉さん…ネットリテラシーに大人も子供も無いです。大也さんに迷惑をかけない為に学ぶことも必要だと自分は思います」
「…それは、そうだけど…」
「私も一緒に参加するからさ、一回受けに行こうよ。ほら、参加したら年齢問わずキャンディ貰えるって書いてるよ!」
「…やっぱり私のこと子供扱いしてない?」
不服そうにしつつも渋々承諾し、柚葉は「大也ぁ~…」と今回の被害者である彼に泣きついた。擦り寄ってきた彼女を犬か猫を扱うかのように頭を撫でる。
「柚葉はずっとハシリヤンに捕まってたから、地球での勝手が分からないのも仕方ないな」
「お前はまたそうやって甘やかして…」
「反省しているんだから、これ以上咎める必要はないさ」
「今回は大也も巻き込まれているんだ、もう少しきつく叱った方が柚葉の為になる。怒ることと、叱ることは別だ」
「…まあ、それもそうか。分かったよ、柚葉は後でもう少し叱っておく」
「えっ」
ガーン、とショックを受けうなだれる柚葉。そうしてくれ、と言って射士郎はガレージを出て行った。
「…何かシャーシロ…姑っていうより教育係になってきたね」
「…平和だと思います」
「実際、そういう役目は必要だからねえ。飴と鞭というやつさ」
「…飴だけがいい…」
「柚葉が炎上した」
射士郎が溜め息を吐き、じとりと柚葉を睨む。睨まれた彼女はぷいとそっぽを向くが、非常にバツが悪そうにしていた。未来が首を傾げ、「炎上ってどういうこと?」と聞くと、射士郎は自分のスマホを彼女に見せた。
「…”【悲報】ブンレッドの彼女、ニートだった”……。何これ?」
「…何かしたんですか?柚葉さん…」
錠が尋ねると、柚葉はそっぽを向いたまま口を開いた。
「…ネットに動画、上げた…」
「何の動画ですか?」
「…GRWMってやつ…。流行ってたから…」
「朝の支度の動画ってことだよね?何でそれが炎上するの?」
「……使ってる化粧品とかドライヤー、全部買ってもらったって言ったら働けって怒られた」
沈黙。
怒りを押し殺して眉間にシワを寄せている射士郎。ぽかんとしている未来と錠。玄蕃だけがニコニコしており、大也も予想外の事実に苦笑いをしていた。
「それだけで炎上するんですか…?」
「まあ、今の世の中での火種としては十分なんじゃないかい?」
「ていうか柚葉って動画投稿してたんだ…」
「収益化したら、大也に頼らずお金稼ぎできると思ったから…。実際炎上したお陰で収益化通ってめちゃくちゃ広告料とか入ってきたし…」
「初めて見たかも、知り合いが炎上商法やってるの」
「やった、っていうかなったのよ。私は被害者!」
「この馬鹿は……」
逆ギレして被害者面をし始めた柚葉の頭を、拳をグーにしてぐりぐりする射士郎。「痛い!やめて!」と彼女が訴えるとすぐに手を離したが、大きなため息を吐いて大也の方を見た。静観していた大也は苦笑しながら彼に尋ねる。
「それで、何でブンレッドが出てくるんだ?」
「炎上した結果、特定されたんだ。大也とこいつがよく出かけている姿がSNSで拡散されて、ブンレッドの正体を知っている一般人から情報が漏れた」
「…柚葉がハシリヤンだったことは?」
「それについては、ISAが先回りして鎮火作業を行った。まあ、苦魔獣のインパクトが強かったからクイーンの存在もそこまで知られてはいなかった」
「……ごめんなさい……」
怒られた、いや実際怒られたのだが、子供のように縮こまって柚葉は大也に謝り、頭を下げた。三食デザートとクレジットカード付き、家に居候までさせてもらっていることに負い目は感じていたのだろう。
「別にいいさ、誰にだって失敗はある」
「…大也…」
パアァ、と目を輝かせる柚葉。巻き込んでしまった大也に許されたことで謎の自信に繋がったのか、「ていうか」と前置きをして腰に手を当てる。
「炎上させたの、ハシリヤンだと思うのよね。風評被害ってヤツよ。何か面倒くさいアンチまで湧いてきてるし!」
「アンチまで出て来たんだ…」
「…後の鎮火作業は俺とISAがやる。お前は暫くネットを見るな、今後は動画投稿もやめろ」
「黙ってろって言うの!?」
「じゃあ、この状況を打開できる策があるのか?」
「生配信でアンチの凸待ちに決まってるでしょ!」
「お前はまずネットリテラシーを学べ!」
射士郎がそう叱ると、錠がスッ…と「ネット安全教室」と書かれた、老人や子供向けのチラシを差し出した。柚葉は嫌だと言わんばかりの目でそれを見つめ、「私は子供じゃない!」と反論する。
「柚葉さん…ネットリテラシーに大人も子供も無いです。大也さんに迷惑をかけない為に学ぶことも必要だと自分は思います」
「…それは、そうだけど…」
「私も一緒に参加するからさ、一回受けに行こうよ。ほら、参加したら年齢問わずキャンディ貰えるって書いてるよ!」
「…やっぱり私のこと子供扱いしてない?」
不服そうにしつつも渋々承諾し、柚葉は「大也ぁ~…」と今回の被害者である彼に泣きついた。擦り寄ってきた彼女を犬か猫を扱うかのように頭を撫でる。
「柚葉はずっとハシリヤンに捕まってたから、地球での勝手が分からないのも仕方ないな」
「お前はまたそうやって甘やかして…」
「反省しているんだから、これ以上咎める必要はないさ」
「今回は大也も巻き込まれているんだ、もう少しきつく叱った方が柚葉の為になる。怒ることと、叱ることは別だ」
「…まあ、それもそうか。分かったよ、柚葉は後でもう少し叱っておく」
「えっ」
ガーン、とショックを受けうなだれる柚葉。そうしてくれ、と言って射士郎はガレージを出て行った。
「…何かシャーシロ…姑っていうより教育係になってきたね」
「…平和だと思います」
「実際、そういう役目は必要だからねえ。飴と鞭というやつさ」
「…飴だけがいい…」