イニシャルはQ【爆上・範道大也】
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柚葉は、スピンドーが腰掛ける長いダイニングテーブルの向かい側、下座に座っていた。
「悪い女だねえ、あんたも」
「…私は、大也達を守りたかっただけよ」
「クイーン、口の利き方には気を付けろ」
「いいんだよグランツ、馬はこれくらい気性難の方がいい」
「は…」
彼女は出されたワインに手を付けなかった。スピンドーだけが楽しそうにワインに口を付け、アルコールを楽しむ。
「もうクイーンじゃない…そう宣言してた割に、いざ絶望を突き付けられると手のひらはすぐに返す…。あんた、本当はブンブンジャーを守るフリしてこっちに来たんだろ?」
「違う!!」
「じゃあ、もっと良い指摘をしてやる。…何もできない無力な自分に、価値を見出したかったんだろ?我が身を差し出して庇えば、悲劇のヒロインも、使える人間だってことも全部あんたの評価になる」
スピンドーは立ち上がり、柚葉の傍までやって来た。一口もつけていないワイングラスを片手に持ち、逆さにする。赤ワインが、彼女の顔と服を濡らしていった。返り血を浴びたようになった柚葉を見てスピンドーは笑う。柚葉は、真顔だった。何の感情も感じさせなかった。
「…私は、私のやり方で大也達を支える。私はもう、彼らに十分助けてもらった」
「健気だねえ。そりゃあ、範道大也があんたを選ぶワケだ」
「……大也は、私を選んだりなんてしていない。彼にはブンドリオがいる。ブンブンジャーのみんなもいる」
「ハッ、廃車の話なんてしても仕方ねえわ」
「…例え死んでも、思い出は死なない」
「そうだとしたら──お前は範道大也にとっての生きる呪いになることを選んだんだ。廃車の記憶なんざ、いくらでも塗り替えられる。生きた呪いの方が、あいつに傷をつけられる。あんたは──守るつもりが、お荷物になってんだよ」
唇を噛み、柚葉は怒りを抑える。反論できなかった。確かにあの場でブンブンジャーを守るには、自分が出る他なかった。しかしそれは、人質になったことも意味する。今スピンドーの手の中には、巴柚葉という人間の命があるのだ。
「…良いねえ。あんたの悲鳴はうまい。量が少ないぶん、濃度がちげえ」
「…あっそ。食レポどうも」
「クイーン……」
手を伸ばした。スピンドーが柚葉に触れようとした瞬間、彼女はその手を振り払い椅子から飛び退く。大きな音を立てて椅子が倒れ、グランツが即座に彼女を拘束した。
「触んな!!!」
「スピンドー様…御身に何かあってはいけません。この者との接触は控えるべきかと」
「アタシも悪癖が直ってねえな…。欲しいモノがあるとつい手が出ちまう」
「リスクがあります」
「そうさな…。クイーンの扱いは任せる。手荒なことはすんな、こいつは世間からすればブンブンジャーの仲間だからな。アタシがこいつに乱暴してるなんて知られちゃあ、イメージが崩れる」
「御意」
「クズ共…」
犬のように威嚇する柚葉。すると、ノックの音が響いた。スピンドーが入るよう促すと、ガチャリと扉が開く。
「……あなたは…」
「…クイーン、だったか。ブンブンジャー…いや、ブンレッドを使えば網にかかるとは思っていたが…こんなに上手くいくとは思っていなかったな」
ISAの本部長、常槍だった。
「悪い女だねえ、あんたも」
「…私は、大也達を守りたかっただけよ」
「クイーン、口の利き方には気を付けろ」
「いいんだよグランツ、馬はこれくらい気性難の方がいい」
「は…」
彼女は出されたワインに手を付けなかった。スピンドーだけが楽しそうにワインに口を付け、アルコールを楽しむ。
「もうクイーンじゃない…そう宣言してた割に、いざ絶望を突き付けられると手のひらはすぐに返す…。あんた、本当はブンブンジャーを守るフリしてこっちに来たんだろ?」
「違う!!」
「じゃあ、もっと良い指摘をしてやる。…何もできない無力な自分に、価値を見出したかったんだろ?我が身を差し出して庇えば、悲劇のヒロインも、使える人間だってことも全部あんたの評価になる」
スピンドーは立ち上がり、柚葉の傍までやって来た。一口もつけていないワイングラスを片手に持ち、逆さにする。赤ワインが、彼女の顔と服を濡らしていった。返り血を浴びたようになった柚葉を見てスピンドーは笑う。柚葉は、真顔だった。何の感情も感じさせなかった。
「…私は、私のやり方で大也達を支える。私はもう、彼らに十分助けてもらった」
「健気だねえ。そりゃあ、範道大也があんたを選ぶワケだ」
「……大也は、私を選んだりなんてしていない。彼にはブンドリオがいる。ブンブンジャーのみんなもいる」
「ハッ、廃車の話なんてしても仕方ねえわ」
「…例え死んでも、思い出は死なない」
「そうだとしたら──お前は範道大也にとっての生きる呪いになることを選んだんだ。廃車の記憶なんざ、いくらでも塗り替えられる。生きた呪いの方が、あいつに傷をつけられる。あんたは──守るつもりが、お荷物になってんだよ」
唇を噛み、柚葉は怒りを抑える。反論できなかった。確かにあの場でブンブンジャーを守るには、自分が出る他なかった。しかしそれは、人質になったことも意味する。今スピンドーの手の中には、巴柚葉という人間の命があるのだ。
「…良いねえ。あんたの悲鳴はうまい。量が少ないぶん、濃度がちげえ」
「…あっそ。食レポどうも」
「クイーン……」
手を伸ばした。スピンドーが柚葉に触れようとした瞬間、彼女はその手を振り払い椅子から飛び退く。大きな音を立てて椅子が倒れ、グランツが即座に彼女を拘束した。
「触んな!!!」
「スピンドー様…御身に何かあってはいけません。この者との接触は控えるべきかと」
「アタシも悪癖が直ってねえな…。欲しいモノがあるとつい手が出ちまう」
「リスクがあります」
「そうさな…。クイーンの扱いは任せる。手荒なことはすんな、こいつは世間からすればブンブンジャーの仲間だからな。アタシがこいつに乱暴してるなんて知られちゃあ、イメージが崩れる」
「御意」
「クズ共…」
犬のように威嚇する柚葉。すると、ノックの音が響いた。スピンドーが入るよう促すと、ガチャリと扉が開く。
「……あなたは…」
「…クイーン、だったか。ブンブンジャー…いや、ブンレッドを使えば網にかかるとは思っていたが…こんなに上手くいくとは思っていなかったな」
ISAの本部長、常槍だった。