イニシャルはQ【爆上・範道大也】
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その後もハシリヤンによる妨害工作のような事案が続き、フィールドはバスケコートやら住宅街やら某タイヤショップやらとあらゆる場所にチェンジしていった。最終的には山の麓付近に移動することになり、いよいよ大詰めといったところでようやく問題児二人が戻って来た。
「選手交代だ!!」
どこか晴れやかな顔で変身アイテムを持ち、颯爽とやって来る玄蕃と先斗。いや早く走って来なさいよという野暮なツッコミはさておき、二人は再びブンブンスーツを身に纏った。
それを見た大也ももう大丈夫と判断したのか、チャンピオンジャケットを取り出した。先斗には錠、ブンブラックのジャケットが投げ渡される。
「ビクトリー!夢を届けタイヤ!」
「この始末…いやこの試合、頼まれた!!」
「こいつはバクアゲだな!いくぞ!」
各々所定の位置につき、いつもの名乗りが行われる。ただし、今日だけは爆上サッカー戦隊だった。心なしかエフェクトもサッカーボールが舞っているように見える。
試合終了まで逃げ切る魂胆だった苦魔獣から玄蕃がレーシングカスタマイズでボールを奪い、先斗にパスする。二人はパスを繋ぎながら敵陣へと攻め入って行った。
「大也、おかげで目が覚めたぜ!」
「私達の相手は、最早ハシリヤンだけではない…。だからこそ、怒りにのまれずクールに見極めねばならない」
「何を信じ、何を目指して走るのか!自分のハンドルをしっかり握ってな!」
「…ああ!」
どうやら、私達の知らないところで和解したらしい。二人はまるでお互いを知り尽くしたバディのように走った。
苦魔獣の命令で最早サッカーはどこへやら、銃撃を始めるネジレッタ。それをレオレスキューカスタマイズとサファリカスタマイズで機敏に避けていく。
更に壁を作ったネジレッタ。「上だ!」と大也が指示を出すと、二人はお互いの背中を叩き、跳んだ。
「チャンピオン!カスタマイズ!」
「バクアゲチャンピオンツインカムドライブ!」
強烈なシュートはネジレッタの壁を破り、そのままゴールに入って行った。爆炎が上がり、二人はそれを見つめている。
「決まったぁ~~!!全てを吹き飛ばす強烈な一発!!ブンブンジャー同点に追いついたーっ!」
「凄いじゃん!玄蕃も先斗も!」
嬉しそうに未来が二人とハイタッチをし、喜びを分かち合う。ここから逆転、といったところでヤルカーがハイウェイ光線を苦魔獣に浴びせた。みるみるうちに巨大化していき、アディショナルタイムへ突入する。
ここから私に出来ることはない。精々応援でもしておこう。
*
ホイッスルが鳴り、ブンブンジャーの勝利が確定した。ブンドリオが手を挙げ、全身で勝利の喜びを表現した。玄蕃と先斗もすっかり和解しており、熱い握手を交わしている。
「おめでと。良い放水だったわよ」
「ああ。柚葉も、応援ありがとな」
「…私には、それくらいしか出来ないもの」
「そんなことない。柚葉には柚葉にしか出来ないことがきっとあるさ」
そう言って大也は笑った。わしゃわしゃと私の頭を撫で、スス、と近付いてくる。軽く腕を絡ませ、周りには聞こえないように囁いてきた。
「……それ、可愛いな」
「…服が?」
意地悪なことを言うと、彼は少し困ったような顔で頬を赤く染める。そして頭を掻き、「いや…」と言葉を濁した。
「柚葉が…可愛い」
「…ふーん。ありがと」
「…段々手慣れてきたな、柚葉」
「誰かさんにいつも振り回されているもの」
「…嫌か?」
不安げに首を傾げる。ちょっとだけ、捨てられた子犬のような面影があり吹き出しそうになってしまった。普段どうしようもない程かっこよくて、余裕のある彼が子犬だなんて。
「好きよ」
「……良かった」
「…大也のこと、好きだもの」
軽く触れた手のひらを指でツツ、と滑らせるようになぞった。「柚葉」と恥じらいの混じった声で制されたとき、「あーーーっ!」と未来が大きな声を出す。
「大也と柚葉がイチャイチャしてる!!」
「いっ…イチャイチャなんかしてないわよ!」
「してた!絶対してた!」
「してない!!」
してるしてないの水掛け論をしていると、「勝利の記念にもう1ゲームいくか!」と先斗が手を挙げた。すぐに未来が反応して「やるやるー!」と尻尾を振って彼や玄蕃に付いて行く。
何だったんだあの嵐は…と彼女の背中を見送っていると、大也は敗北して項垂れている男二人に近付き、手を差し伸べていた。
「あんた達も一緒にやろう」
「えっ…?」
顔を上げ、素っ頓狂な声を出す会長と副会長。大也は彼らに、「しばらくピッチに立っていないんだろ?プレーすれば思い出すさ、地球のサッカーの楽しさを」と背中を押した。
「お二人さん、終わったらカレーもあるぜ」
「!カレーは好き…」
「サッカーも好きなんだな」
二人は立ち上がり、楽しそうにブンブンジャーの中に混じっていく。
──大也のこういうとこに弱いのよね、私…。
一度は道を外れた人間に、贖罪の機会を与える優しさ。いや、強者の余裕というべきなのだろうか。いや、端から見れば、一種の傲慢なのかもしれない。
でも、そんなところが心底好きだった。
「選手交代だ!!」
どこか晴れやかな顔で変身アイテムを持ち、颯爽とやって来る玄蕃と先斗。いや早く走って来なさいよという野暮なツッコミはさておき、二人は再びブンブンスーツを身に纏った。
それを見た大也ももう大丈夫と判断したのか、チャンピオンジャケットを取り出した。先斗には錠、ブンブラックのジャケットが投げ渡される。
「ビクトリー!夢を届けタイヤ!」
「この始末…いやこの試合、頼まれた!!」
「こいつはバクアゲだな!いくぞ!」
各々所定の位置につき、いつもの名乗りが行われる。ただし、今日だけは爆上サッカー戦隊だった。心なしかエフェクトもサッカーボールが舞っているように見える。
試合終了まで逃げ切る魂胆だった苦魔獣から玄蕃がレーシングカスタマイズでボールを奪い、先斗にパスする。二人はパスを繋ぎながら敵陣へと攻め入って行った。
「大也、おかげで目が覚めたぜ!」
「私達の相手は、最早ハシリヤンだけではない…。だからこそ、怒りにのまれずクールに見極めねばならない」
「何を信じ、何を目指して走るのか!自分のハンドルをしっかり握ってな!」
「…ああ!」
どうやら、私達の知らないところで和解したらしい。二人はまるでお互いを知り尽くしたバディのように走った。
苦魔獣の命令で最早サッカーはどこへやら、銃撃を始めるネジレッタ。それをレオレスキューカスタマイズとサファリカスタマイズで機敏に避けていく。
更に壁を作ったネジレッタ。「上だ!」と大也が指示を出すと、二人はお互いの背中を叩き、跳んだ。
「チャンピオン!カスタマイズ!」
「バクアゲチャンピオンツインカムドライブ!」
強烈なシュートはネジレッタの壁を破り、そのままゴールに入って行った。爆炎が上がり、二人はそれを見つめている。
「決まったぁ~~!!全てを吹き飛ばす強烈な一発!!ブンブンジャー同点に追いついたーっ!」
「凄いじゃん!玄蕃も先斗も!」
嬉しそうに未来が二人とハイタッチをし、喜びを分かち合う。ここから逆転、といったところでヤルカーがハイウェイ光線を苦魔獣に浴びせた。みるみるうちに巨大化していき、アディショナルタイムへ突入する。
ここから私に出来ることはない。精々応援でもしておこう。
*
ホイッスルが鳴り、ブンブンジャーの勝利が確定した。ブンドリオが手を挙げ、全身で勝利の喜びを表現した。玄蕃と先斗もすっかり和解しており、熱い握手を交わしている。
「おめでと。良い放水だったわよ」
「ああ。柚葉も、応援ありがとな」
「…私には、それくらいしか出来ないもの」
「そんなことない。柚葉には柚葉にしか出来ないことがきっとあるさ」
そう言って大也は笑った。わしゃわしゃと私の頭を撫で、スス、と近付いてくる。軽く腕を絡ませ、周りには聞こえないように囁いてきた。
「……それ、可愛いな」
「…服が?」
意地悪なことを言うと、彼は少し困ったような顔で頬を赤く染める。そして頭を掻き、「いや…」と言葉を濁した。
「柚葉が…可愛い」
「…ふーん。ありがと」
「…段々手慣れてきたな、柚葉」
「誰かさんにいつも振り回されているもの」
「…嫌か?」
不安げに首を傾げる。ちょっとだけ、捨てられた子犬のような面影があり吹き出しそうになってしまった。普段どうしようもない程かっこよくて、余裕のある彼が子犬だなんて。
「好きよ」
「……良かった」
「…大也のこと、好きだもの」
軽く触れた手のひらを指でツツ、と滑らせるようになぞった。「柚葉」と恥じらいの混じった声で制されたとき、「あーーーっ!」と未来が大きな声を出す。
「大也と柚葉がイチャイチャしてる!!」
「いっ…イチャイチャなんかしてないわよ!」
「してた!絶対してた!」
「してない!!」
してるしてないの水掛け論をしていると、「勝利の記念にもう1ゲームいくか!」と先斗が手を挙げた。すぐに未来が反応して「やるやるー!」と尻尾を振って彼や玄蕃に付いて行く。
何だったんだあの嵐は…と彼女の背中を見送っていると、大也は敗北して項垂れている男二人に近付き、手を差し伸べていた。
「あんた達も一緒にやろう」
「えっ…?」
顔を上げ、素っ頓狂な声を出す会長と副会長。大也は彼らに、「しばらくピッチに立っていないんだろ?プレーすれば思い出すさ、地球のサッカーの楽しさを」と背中を押した。
「お二人さん、終わったらカレーもあるぜ」
「!カレーは好き…」
「サッカーも好きなんだな」
二人は立ち上がり、楽しそうにブンブンジャーの中に混じっていく。
──大也のこういうとこに弱いのよね、私…。
一度は道を外れた人間に、贖罪の機会を与える優しさ。いや、強者の余裕というべきなのだろうか。いや、端から見れば、一種の傲慢なのかもしれない。
でも、そんなところが心底好きだった。