イニシャルはQ【爆上・範道大也】
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範道大也は怒っていた。相棒であるブンドリオを貶め、多くの星と人々に悲鳴を上げさせてきたスピンドーと対峙し、ましてや悲鳴を喜ぶ言動に腸が煮えくり返っていたのだ。
「そんなものに喜びを見出すお前は地球の敵だ」
「ポウッ!世の中わかってねえなあ。あっそうだ。お前らブンブンジャーはビッグバングランプリを目指してんだってなあ?」
スピンドーは愉快そうに告げた。今のビッグバングランプリは自分の仕切り。レースの勝敗はギャーソリンの源であり、ハシリヤンの思いのままであるが故に八百長がまかり通っている。
地面の草を握り締め、必死にクールダウンしようと大也は焦っていた。だが、柚葉が見ても分かる程もう怒りを隠しきれていない。
「フッ…ブンの字に伝えな。あんたの大事なものは全部壊してやる。最高のギャーソリンを聞かせろや!ってね。フッ…お前らの夢、何もかもアタシが買ったよ!」
皮肉にも、スピンドーは大也と同じ言い回しを使った。それがトリガーになったのか、大也が怒りで顔を歪める。柚葉の支えすらも、力強く振り払った。
「俺達の夢を…笑うな!!」
ブンレッドに変身しようとした瞬間、ブンブンチェンジャーが撃ち抜かれた。何が起きたか理解できない間にグランツに殴られ、生身のまま戦闘に持ち込まれた。
一方的に甚振られ、傷が増えていく大也。恐怖で足がすくんでいた柚葉も流石にマズイと思ったのか、飛び出して共にグランツへと立ち向かった。生身の大也よりも、バトルスーツを着た自分の方がまだ対抗できるだろうと踏んで。
「大也退いて!!こいつは私がやる!!」
銃撃は大也を巻き込むと判断し、近接戦を仕掛けた。大也に当たらないように調整しながら傘を振るうが、直撃してもびくともしない。むしろ弾かれ、追撃で殴られた。
「ぐっ…!!」
「柚葉…!」
グランツは仰向けで倒れた大也を足で踏みつけ、片手で柚葉を持ち上げた。親に抱きかかえられた子供のようにバタバタと暴れるが、傘の打撃は全く効かない。
「このッ…大也に手出さないで!!やめて!!」
「フン…」
このままでは駄目だ、何か奴らを動揺させなくては。動揺と恐怖で混乱している頭で彼女は必死に考えた。そして、光った。頭の中で、明確な言葉が浮かんだ。
「ッ!!キャノンボーグ!!あなた達、あいつが裏で何してたか知ってる!?地球人攫って改造してたのよ!!あなた達ってデカい態度とってる割に随分人手不足なのね!!」
「…ハッ、地球人攫ってた?」
車に戻ろうとしていたスピンドーは足を止め、引き返した。柚葉を離すようグランツに指示すればすぐに彼女は解放され、ゲホゲホとせき込み地面に座り込む。そんな柚葉に近付き、スピンドーは顔を覗き込んだ。
「……ああ、お前か。クイーンってのは」
「!!」
「知らない訳ねえだろ。キャノンがどんだけ隠し事しててもアタシには筒抜けなんだわ。へェ、キャノンは”良い人間”を選んだモンだな…」
柚葉の顔に手を近付けた。反射的に目を瞑った彼女の瞼をこじ開け、無理矢理視線を合わせる。
「お前、こっち側…走り屋の才能があるよ。こいつは強欲な目だ。何もかも、自分のモノにならないと気が済まねえって目をしてる…」
「ッ…」
「アタシ直々に勧誘してやるよ。ハシリヤンに来い、クイーン。アタシならお前の望むものを全部与えてやる。こんな奴らと一緒にいるより、余程良い思いをさせてやる」
「スピンドー様、流石にそれはリスクが…」
「黙りな、グランツ。アタシはさ…癖があって、一途な奴が好きなんだわ。特に、影のある奴は溜んないね。お前は昔のブンの字を見ているようで、アタシゃゾクゾクするよ…」
小さく震えていた柚葉は、最後の抵抗としてスピンドーを殴ろうとした。しかし今そんなことをすれば即刻殺される未来が見えた為、手を止める。そしてその手で、大也の手に自分の手を重ねた。
「…お断りよ。私は…私はクイーンじゃない!巴柚葉!大也と…ブンブンジャーのみんなと一緒に、バクアゲになるってハンドルを握ったのよ!!」
大粒の涙を零していた。怖い、でも言いなりになりたくない。その気持ちがせめぎ合い、彼女の感情をぐちゃぐちゃにしていた。それでも、大也達を選んだ。走り屋にはならないと、ハンドルを切った。
「…フッ。まあいいわ。アタシはいつでも歓迎だよ、クイーン」
スピンドーは笑って車の方に戻って行く。苦魔獣に指示を出したグランツは傘を差すと姿が消えて行き、ボロボロの大也と柚葉、そして苦魔獣が残された。勿論柚葉は大也を庇っており、先程までの怯えは全く見せていない。だが、明らかに満身創痍だった。
大也の呻き声が響き、絶望的な空気が漂う中──聞き慣れたクラクションが響いた。
「そんなものに喜びを見出すお前は地球の敵だ」
「ポウッ!世の中わかってねえなあ。あっそうだ。お前らブンブンジャーはビッグバングランプリを目指してんだってなあ?」
スピンドーは愉快そうに告げた。今のビッグバングランプリは自分の仕切り。レースの勝敗はギャーソリンの源であり、ハシリヤンの思いのままであるが故に八百長がまかり通っている。
地面の草を握り締め、必死にクールダウンしようと大也は焦っていた。だが、柚葉が見ても分かる程もう怒りを隠しきれていない。
「フッ…ブンの字に伝えな。あんたの大事なものは全部壊してやる。最高のギャーソリンを聞かせろや!ってね。フッ…お前らの夢、何もかもアタシが買ったよ!」
皮肉にも、スピンドーは大也と同じ言い回しを使った。それがトリガーになったのか、大也が怒りで顔を歪める。柚葉の支えすらも、力強く振り払った。
「俺達の夢を…笑うな!!」
ブンレッドに変身しようとした瞬間、ブンブンチェンジャーが撃ち抜かれた。何が起きたか理解できない間にグランツに殴られ、生身のまま戦闘に持ち込まれた。
一方的に甚振られ、傷が増えていく大也。恐怖で足がすくんでいた柚葉も流石にマズイと思ったのか、飛び出して共にグランツへと立ち向かった。生身の大也よりも、バトルスーツを着た自分の方がまだ対抗できるだろうと踏んで。
「大也退いて!!こいつは私がやる!!」
銃撃は大也を巻き込むと判断し、近接戦を仕掛けた。大也に当たらないように調整しながら傘を振るうが、直撃してもびくともしない。むしろ弾かれ、追撃で殴られた。
「ぐっ…!!」
「柚葉…!」
グランツは仰向けで倒れた大也を足で踏みつけ、片手で柚葉を持ち上げた。親に抱きかかえられた子供のようにバタバタと暴れるが、傘の打撃は全く効かない。
「このッ…大也に手出さないで!!やめて!!」
「フン…」
このままでは駄目だ、何か奴らを動揺させなくては。動揺と恐怖で混乱している頭で彼女は必死に考えた。そして、光った。頭の中で、明確な言葉が浮かんだ。
「ッ!!キャノンボーグ!!あなた達、あいつが裏で何してたか知ってる!?地球人攫って改造してたのよ!!あなた達ってデカい態度とってる割に随分人手不足なのね!!」
「…ハッ、地球人攫ってた?」
車に戻ろうとしていたスピンドーは足を止め、引き返した。柚葉を離すようグランツに指示すればすぐに彼女は解放され、ゲホゲホとせき込み地面に座り込む。そんな柚葉に近付き、スピンドーは顔を覗き込んだ。
「……ああ、お前か。クイーンってのは」
「!!」
「知らない訳ねえだろ。キャノンがどんだけ隠し事しててもアタシには筒抜けなんだわ。へェ、キャノンは”良い人間”を選んだモンだな…」
柚葉の顔に手を近付けた。反射的に目を瞑った彼女の瞼をこじ開け、無理矢理視線を合わせる。
「お前、こっち側…走り屋の才能があるよ。こいつは強欲な目だ。何もかも、自分のモノにならないと気が済まねえって目をしてる…」
「ッ…」
「アタシ直々に勧誘してやるよ。ハシリヤンに来い、クイーン。アタシならお前の望むものを全部与えてやる。こんな奴らと一緒にいるより、余程良い思いをさせてやる」
「スピンドー様、流石にそれはリスクが…」
「黙りな、グランツ。アタシはさ…癖があって、一途な奴が好きなんだわ。特に、影のある奴は溜んないね。お前は昔のブンの字を見ているようで、アタシゃゾクゾクするよ…」
小さく震えていた柚葉は、最後の抵抗としてスピンドーを殴ろうとした。しかし今そんなことをすれば即刻殺される未来が見えた為、手を止める。そしてその手で、大也の手に自分の手を重ねた。
「…お断りよ。私は…私はクイーンじゃない!巴柚葉!大也と…ブンブンジャーのみんなと一緒に、バクアゲになるってハンドルを握ったのよ!!」
大粒の涙を零していた。怖い、でも言いなりになりたくない。その気持ちがせめぎ合い、彼女の感情をぐちゃぐちゃにしていた。それでも、大也達を選んだ。走り屋にはならないと、ハンドルを切った。
「…フッ。まあいいわ。アタシはいつでも歓迎だよ、クイーン」
スピンドーは笑って車の方に戻って行く。苦魔獣に指示を出したグランツは傘を差すと姿が消えて行き、ボロボロの大也と柚葉、そして苦魔獣が残された。勿論柚葉は大也を庇っており、先程までの怯えは全く見せていない。だが、明らかに満身創痍だった。
大也の呻き声が響き、絶望的な空気が漂う中──聞き慣れたクラクションが響いた。