イニシャルはQ【爆上・範道大也】
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※バクアゲ39時空(分かりづらい話なので表記します)
大也、未来、ブンドリオと一緒にガレージでカレーを食べた後、三人で散歩に出た。未来は日光を全身で浴びて「気持ち良い~!」と猫のように伸びをしている。
「ほんと、良い天気ね」
「…ね、あたし本当にお邪魔じゃない?大也と二人きりの方が良かった?」
「デートはデート、これはこれ。…私は、未来達と一緒にいる時間も好きよ」
そう言って日傘の中に未来を入れると、「んふふ」と彼女は笑って私の頬を人差し指でつついた。
「柚葉可愛い~」
「ちょ、ちょっと…」
「あたし、そのバトルスーツもかっこいいな~って思うけど…何で今日は着てるの?」
「パトロールも兼ねているからよ。苦魔獣が出た時、まあ…ネジレッタの相手くらいなら私にも出来るだろうし」
「…それ、キャノンボーグが開発したものでしょ?嫌じゃない?」
「…アイツは嫌いだけど、これは別。何か体によく馴染むし…まあ、使えるものは使えないと」
傘であまり顔は見えないが、大也は微笑ましそうに私達の様子を見ていた。すると、ブンブンチェンジャーから映像が投影された。何やら地面で泡が蠢いており、苦魔獣が暴れている。
「苦魔獣だ。行くぞ!」
「うん!柚葉は…」
「私も行く。一般人の避難と、雑魚の相手は任せて!」
「ありがと!」
現場に着くと、玄蕃を除くいつもの面子が揃った。仕事だという筈の射士郎も来ており、制服を着た錠の横に立っている。
「シャーシロ!仕事だったんじゃないの?」
「俺はブンブンジャーだ」
成る程、これもある意味彼の仕事なのかもしれない。
射士郎と大也はアイコンタクトをとった。そして大也が「いくぞ!」と声を掛ける。
「「オーライ!」」
玄蕃以外の先斗を含む5人が一斉に変身した。ブンドリオとビュンディーの効果音が重なって響き、戦意が漲ってくる。
「おいスポンジグルマ―、頑張れよ!もうすぐスピンドー様がいらっしゃるんだからな!」
「!?」
「「あっ」」
「口が滑った!」
「じゃあね!」
「頼んだぞ!」
一目散に逃げて行くサンシーター。いつもなら追うところだが、先程の発言が耳にこびりついてそれどころではない。──もうすぐ、スピンドーがやって来る。
「スピンドーが来る…!?」
*
戦闘場所は街から移り変わり、戦いやすい工事現場になった。5人が一斉に攻撃を仕掛けるが、この苦魔獣は中々しぶとく、全ての攻撃を避け、流し、捌いている。
「あわわ~!もひとつあわわ~!」
泡を振りまき、翻弄する。ピンクとブラックが転び、バイオレットも「全然掴めねえ!」とコントローラーに触れられず頭を抱えていた。
その間に援護射撃を行うが、やはり通常の銃撃では装甲を貫通しない。エネルギーをチャージして撃てば、かすり傷くらいはつくのかもしれないが。
「お困りのようだねえ」
「お困りです!」
「雪でも泡でも滑る時にはチェーンだ」
何故チェーン?と首を傾げたが、チェーンとそれを持つ彼の手にも泡がつけられた。勿論つるつると滑ってチェーンは手から滑り落ちていき、玄蕃も慌てる。
「ウォッシャー!」
「まずい!」
「スッポーンジー!!」
玄蕃を庇ったブルーに大量の泡がつけられ、その上から苦魔獣が圧し掛かった。すると次の瞬間にはブルーのスーツだけが残されており、中身は消えてしまっていた。
「ええーっ!?」
「消えたー!?」
「カオスに転がり過ぎだろ!」
「人間も吸い取るとは、随分高性能なスポンジだな」
「これはお困りが過ぎる…!」
玄蕃も変身し、突撃したが同じ技を受けてしまった。勿論彼も例に漏れずスーツだけが取り残され、あれよあれよという間にピンクとブラック、バイオレットまでやられてしまう。やっていることは単純だが、いつもの苦魔獣より格段に強い。
「うーん、綺麗になりました。ウォッシャッシャ!」
苦魔獣が高笑いをした瞬間、何者かが現れてレッドに攻撃を行った。その一撃で変身が解除され、私は慌てて大也に駆け寄る。
「大也!!大丈夫!?」
「作戦通りだな苦魔獣よ。リスク排除見事である」
「ははーっ大番頭様」
「グランツ・リスク…!作戦だと…!?」
以前交戦したという情報があるグランツ・リスクだった。ハシリヤンの大番頭。スーツのようなボディで、肩には牛の頭蓋骨が乗っている。私は初めて見るが、明らかにマッドレックスやキャノンボーグとは雰囲気が違う。まさしく「強者」の風格だ。
「左様。他のブンブンジャーには消えてもらった」
彼が後ろを振り向くと、黒い高級そうな車が止まった。グランツは車に近付くとドアを開ける。──ブーツが、地面を踏みしめる音がした。
オールバックの金髪を模した頭部。赤と黒のジャケット。
「これなるは、我がハシリヤン走大将。ワルイド・スピンドー様である!」
赤いフェドラ帽を被り、顔を上げる。サングラスのような目が私達を捉えた。視線を感じた瞬間、恐怖と興奮で体が小さく震え始める。一刻も早くこの場から逃げ出したかったが、理性が何とかそれを踏み止まらせた。
──ワルイド・スピンドー。ブンドリオの人生を狂わせ、人々を苦しめ続ける、全ての元凶。
彼はゆっくりと、庭でも散歩するかのような優雅な足取りで近付いてきた。立ち上がろうとする大也を支える。手に彼の血がこびりついた。
「ワルイド・スピンドー…お前がハシリヤンのボスか…」
「範道大也。礼を言いに来たんだわ」
声が、鼓膜を刺激する。気絶しそうな程の、圧倒的な存在感。敵すらも魅了する貫禄。脳味噌が蕩けそうだった。
「ブンの字を拾ってくれて、ありがとよ。奴は達者か?」
「…何しに来た?」
「フフフ…地球はいいねえ。あっちこっちで戦争のにおい、貧しさのにおい!最高のギャーソリンのにおいさね。お前も耳澄まして聞いてみな、星中の悲鳴。たまんねえわ!」
大也は、震えていた。それが怒りなのか、恐怖なのか、何なのかは私には分からない。ただ、彼を支えることでしか今の私に意義を見出すことは出来なかった。
大也、未来、ブンドリオと一緒にガレージでカレーを食べた後、三人で散歩に出た。未来は日光を全身で浴びて「気持ち良い~!」と猫のように伸びをしている。
「ほんと、良い天気ね」
「…ね、あたし本当にお邪魔じゃない?大也と二人きりの方が良かった?」
「デートはデート、これはこれ。…私は、未来達と一緒にいる時間も好きよ」
そう言って日傘の中に未来を入れると、「んふふ」と彼女は笑って私の頬を人差し指でつついた。
「柚葉可愛い~」
「ちょ、ちょっと…」
「あたし、そのバトルスーツもかっこいいな~って思うけど…何で今日は着てるの?」
「パトロールも兼ねているからよ。苦魔獣が出た時、まあ…ネジレッタの相手くらいなら私にも出来るだろうし」
「…それ、キャノンボーグが開発したものでしょ?嫌じゃない?」
「…アイツは嫌いだけど、これは別。何か体によく馴染むし…まあ、使えるものは使えないと」
傘であまり顔は見えないが、大也は微笑ましそうに私達の様子を見ていた。すると、ブンブンチェンジャーから映像が投影された。何やら地面で泡が蠢いており、苦魔獣が暴れている。
「苦魔獣だ。行くぞ!」
「うん!柚葉は…」
「私も行く。一般人の避難と、雑魚の相手は任せて!」
「ありがと!」
現場に着くと、玄蕃を除くいつもの面子が揃った。仕事だという筈の射士郎も来ており、制服を着た錠の横に立っている。
「シャーシロ!仕事だったんじゃないの?」
「俺はブンブンジャーだ」
成る程、これもある意味彼の仕事なのかもしれない。
射士郎と大也はアイコンタクトをとった。そして大也が「いくぞ!」と声を掛ける。
「「オーライ!」」
玄蕃以外の先斗を含む5人が一斉に変身した。ブンドリオとビュンディーの効果音が重なって響き、戦意が漲ってくる。
「おいスポンジグルマ―、頑張れよ!もうすぐスピンドー様がいらっしゃるんだからな!」
「!?」
「「あっ」」
「口が滑った!」
「じゃあね!」
「頼んだぞ!」
一目散に逃げて行くサンシーター。いつもなら追うところだが、先程の発言が耳にこびりついてそれどころではない。──もうすぐ、スピンドーがやって来る。
「スピンドーが来る…!?」
*
戦闘場所は街から移り変わり、戦いやすい工事現場になった。5人が一斉に攻撃を仕掛けるが、この苦魔獣は中々しぶとく、全ての攻撃を避け、流し、捌いている。
「あわわ~!もひとつあわわ~!」
泡を振りまき、翻弄する。ピンクとブラックが転び、バイオレットも「全然掴めねえ!」とコントローラーに触れられず頭を抱えていた。
その間に援護射撃を行うが、やはり通常の銃撃では装甲を貫通しない。エネルギーをチャージして撃てば、かすり傷くらいはつくのかもしれないが。
「お困りのようだねえ」
「お困りです!」
「雪でも泡でも滑る時にはチェーンだ」
何故チェーン?と首を傾げたが、チェーンとそれを持つ彼の手にも泡がつけられた。勿論つるつると滑ってチェーンは手から滑り落ちていき、玄蕃も慌てる。
「ウォッシャー!」
「まずい!」
「スッポーンジー!!」
玄蕃を庇ったブルーに大量の泡がつけられ、その上から苦魔獣が圧し掛かった。すると次の瞬間にはブルーのスーツだけが残されており、中身は消えてしまっていた。
「ええーっ!?」
「消えたー!?」
「カオスに転がり過ぎだろ!」
「人間も吸い取るとは、随分高性能なスポンジだな」
「これはお困りが過ぎる…!」
玄蕃も変身し、突撃したが同じ技を受けてしまった。勿論彼も例に漏れずスーツだけが取り残され、あれよあれよという間にピンクとブラック、バイオレットまでやられてしまう。やっていることは単純だが、いつもの苦魔獣より格段に強い。
「うーん、綺麗になりました。ウォッシャッシャ!」
苦魔獣が高笑いをした瞬間、何者かが現れてレッドに攻撃を行った。その一撃で変身が解除され、私は慌てて大也に駆け寄る。
「大也!!大丈夫!?」
「作戦通りだな苦魔獣よ。リスク排除見事である」
「ははーっ大番頭様」
「グランツ・リスク…!作戦だと…!?」
以前交戦したという情報があるグランツ・リスクだった。ハシリヤンの大番頭。スーツのようなボディで、肩には牛の頭蓋骨が乗っている。私は初めて見るが、明らかにマッドレックスやキャノンボーグとは雰囲気が違う。まさしく「強者」の風格だ。
「左様。他のブンブンジャーには消えてもらった」
彼が後ろを振り向くと、黒い高級そうな車が止まった。グランツは車に近付くとドアを開ける。──ブーツが、地面を踏みしめる音がした。
オールバックの金髪を模した頭部。赤と黒のジャケット。
「これなるは、我がハシリヤン走大将。ワルイド・スピンドー様である!」
赤いフェドラ帽を被り、顔を上げる。サングラスのような目が私達を捉えた。視線を感じた瞬間、恐怖と興奮で体が小さく震え始める。一刻も早くこの場から逃げ出したかったが、理性が何とかそれを踏み止まらせた。
──ワルイド・スピンドー。ブンドリオの人生を狂わせ、人々を苦しめ続ける、全ての元凶。
彼はゆっくりと、庭でも散歩するかのような優雅な足取りで近付いてきた。立ち上がろうとする大也を支える。手に彼の血がこびりついた。
「ワルイド・スピンドー…お前がハシリヤンのボスか…」
「範道大也。礼を言いに来たんだわ」
声が、鼓膜を刺激する。気絶しそうな程の、圧倒的な存在感。敵すらも魅了する貫禄。脳味噌が蕩けそうだった。
「ブンの字を拾ってくれて、ありがとよ。奴は達者か?」
「…何しに来た?」
「フフフ…地球はいいねえ。あっちこっちで戦争のにおい、貧しさのにおい!最高のギャーソリンのにおいさね。お前も耳澄まして聞いてみな、星中の悲鳴。たまんねえわ!」
大也は、震えていた。それが怒りなのか、恐怖なのか、何なのかは私には分からない。ただ、彼を支えることでしか今の私に意義を見出すことは出来なかった。