イニシャルはQ【爆上・大也】
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その後の私は、苦魔獣とブンブンジャーの戦いに入り、苦魔獣に加勢することが主な任務となった。これはキャノンボーグ直々の命令だ。マッドレックスからは「ブーンレッドは俺の得物だ」と言われていたが、そんなのは外野の野次とした。
今日も今日とて、ブンブンジャーに押されている苦魔獣。物陰から見ているだけのサンシーター。どちらもバックマーカーだと心の中で烙印を押し、私は石突から銃弾を飛ばした。
「仕方ないから加勢してあげる。一人増えたんだから、少しは善戦しなさいよ?」
レッドも危険だが、ピンクとオレンジの方が厄介だと判断し、二人に銃撃を浴びせた。逃げ惑う小動物のように慌てて避けるピンクと、冷静に見極めてかわすオレンジ。ピンクは爆発的な攻撃力が厄介だ。本気にさせれば、レッドよりも恐ろしい存在になるだろう。オレンジの方は戦い慣れており、虎視眈々と勝利の隙を伺っている。どんな戦法でも柔軟に対応してくるのは流石調達屋といったところか。
近接戦に持ち込みたいオレンジが銃弾をかわしながら接近してきた。ならばこちらも、と銃撃を止めて傘を閉じる。こうすれば槍やレイピアのように扱うことができる。
「さて、周回遅れになるのはどっちかな」
斧を矛先で受け流した。すると素早くロッドモードに切り替え、剣戟に持ち込んでくる。傘と剣が弾き、弾かれを繰り返した。そこへピンクの銃撃が飛んできた為、体を捩ってそれを避ける。ピンクもロッドモードに変え、2対1の構図が出来上がった。
オレンジの深く踏み込んだ一撃を受け流し、ピンクのやたらと大きい人振りを余裕で避ける。「あーもう!」と苛立ったピンクがオレンジのことも構わず突撃の姿勢を見せたかと思えば、私の傘の先端を掴んだ。
「ッ、はァ!?」
「ちょっとこれ邪魔!!」
先端を掴み引き寄せられた。体勢が崩れたところにようやく彼女からの一撃が入り、肌が引き裂かれる。抉られた傷口からはじんわりと血が滲んでいた。
「くっ…!ふ、ふん…良い走りじゃない…」
不敵に笑うも痛みに顔を歪ませ、傷口を庇うようにして手で覆った。するとピンクは攻撃の手を止め、トドメを刺そうとしたオレンジも手で制する。
「やっぱり無理!!だってどう見てもこの子普通の人間じゃん!!」
「…未来。宇宙人は姿を人間に変えることだって出来るんだ。そうやって私達を油断させようとしているのかもしれないんだよ」
「でも…こんなの…」
目は見えないが、明らかに憐みの目をしていた。「可哀想」と同情されたことに腸が煮えくり返るが、その前に「恥ずかしい」という気持ちが勝ってしまう。敵に同情された。同情される程、自分は弱く見えているのだ。
「…ねえ、あなた一体何者なの?」
ピンクはそう言って私に手を伸ばした。
私が、何者なのか。
記憶にない。覚えていない。私の頭の中には、あの実験室とキャノンボーグだけがある。
──そんなの、私が知りたい。私だって、知りたい!
彼女の手を払いのけた。そして傘で思い切りぶん殴る。振り下ろしたときには息が切れていて、誰がどう見ても満身創痍だった。負け犬の遠吠えのような一撃だった。
「……関係ないでしょ。第一、覚えてないんだから仕方ないじゃない」
「痛ぁ~ッ…!!」
「…覚えていない?お前さん、記憶がないのかい?」
「うるさい黙れ」
私はレッドとブルー、ブラックの相手をして消耗していた苦魔獣の背後に回り背中を蹴り付けた。
「こんだけやってあげたのよ!?あなたが何とかしなさいよ!」
苦魔獣は困惑しながらも果敢にブンブンジャーへ立ち向かっていく。私への攻撃を邪魔された彼らをバックに、私は傘を差して優雅にその場から立ち去った。
今日も今日とて、ブンブンジャーに押されている苦魔獣。物陰から見ているだけのサンシーター。どちらもバックマーカーだと心の中で烙印を押し、私は石突から銃弾を飛ばした。
「仕方ないから加勢してあげる。一人増えたんだから、少しは善戦しなさいよ?」
レッドも危険だが、ピンクとオレンジの方が厄介だと判断し、二人に銃撃を浴びせた。逃げ惑う小動物のように慌てて避けるピンクと、冷静に見極めてかわすオレンジ。ピンクは爆発的な攻撃力が厄介だ。本気にさせれば、レッドよりも恐ろしい存在になるだろう。オレンジの方は戦い慣れており、虎視眈々と勝利の隙を伺っている。どんな戦法でも柔軟に対応してくるのは流石調達屋といったところか。
近接戦に持ち込みたいオレンジが銃弾をかわしながら接近してきた。ならばこちらも、と銃撃を止めて傘を閉じる。こうすれば槍やレイピアのように扱うことができる。
「さて、周回遅れになるのはどっちかな」
斧を矛先で受け流した。すると素早くロッドモードに切り替え、剣戟に持ち込んでくる。傘と剣が弾き、弾かれを繰り返した。そこへピンクの銃撃が飛んできた為、体を捩ってそれを避ける。ピンクもロッドモードに変え、2対1の構図が出来上がった。
オレンジの深く踏み込んだ一撃を受け流し、ピンクのやたらと大きい人振りを余裕で避ける。「あーもう!」と苛立ったピンクがオレンジのことも構わず突撃の姿勢を見せたかと思えば、私の傘の先端を掴んだ。
「ッ、はァ!?」
「ちょっとこれ邪魔!!」
先端を掴み引き寄せられた。体勢が崩れたところにようやく彼女からの一撃が入り、肌が引き裂かれる。抉られた傷口からはじんわりと血が滲んでいた。
「くっ…!ふ、ふん…良い走りじゃない…」
不敵に笑うも痛みに顔を歪ませ、傷口を庇うようにして手で覆った。するとピンクは攻撃の手を止め、トドメを刺そうとしたオレンジも手で制する。
「やっぱり無理!!だってどう見てもこの子普通の人間じゃん!!」
「…未来。宇宙人は姿を人間に変えることだって出来るんだ。そうやって私達を油断させようとしているのかもしれないんだよ」
「でも…こんなの…」
目は見えないが、明らかに憐みの目をしていた。「可哀想」と同情されたことに腸が煮えくり返るが、その前に「恥ずかしい」という気持ちが勝ってしまう。敵に同情された。同情される程、自分は弱く見えているのだ。
「…ねえ、あなた一体何者なの?」
ピンクはそう言って私に手を伸ばした。
私が、何者なのか。
記憶にない。覚えていない。私の頭の中には、あの実験室とキャノンボーグだけがある。
──そんなの、私が知りたい。私だって、知りたい!
彼女の手を払いのけた。そして傘で思い切りぶん殴る。振り下ろしたときには息が切れていて、誰がどう見ても満身創痍だった。負け犬の遠吠えのような一撃だった。
「……関係ないでしょ。第一、覚えてないんだから仕方ないじゃない」
「痛ぁ~ッ…!!」
「…覚えていない?お前さん、記憶がないのかい?」
「うるさい黙れ」
私はレッドとブルー、ブラックの相手をして消耗していた苦魔獣の背後に回り背中を蹴り付けた。
「こんだけやってあげたのよ!?あなたが何とかしなさいよ!」
苦魔獣は困惑しながらも果敢にブンブンジャーへ立ち向かっていく。私への攻撃を邪魔された彼らをバックに、私は傘を差して優雅にその場から立ち去った。