イニシャルはQ【爆上・範道大也】
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「あの時、大也にきつく当たったのは…大也は女の子の扱いが上手いから、女慣れしてるんじゃないかって思っちゃったの。だから、私のことも特別扱いしてる訳じゃないんだって怒っちゃって……本当にごめんなさい」
大也は何も言わない。でも、手は離さなかった。
「…私は、大也の特別な存在になりたい。あなたのこと、支えたい。私は一緒に戦うようなことは出来ないけれど…それでも、出来る限り力になりたい」
大也の手に自分の片手を更に重ねた。上下の手で彼の手を包み、目を真っ直ぐ見る。大也が私の目を見て話してくれるように、私も逃げたりなんてしなかった。大也は動じることなく、視線を返してくる。
「…柚葉」
「…うん」
「俺は──昔から、君に惚れてる。小さい時から…恋愛的な意味で。ずっと気付けなくて、ごめんな」
「うん…」
「柚葉。俺と一緒に走ってほしい。コースは一緒に決めよう。走り方も、スピードも二人で話し合おう。だから…俺の隣で、走り続けてほしい」
「…大也」
私は手を離すと、むに、と彼の頬を挟んだ。
「もっとストレートに言って。小難しい格好つけた台詞なんていらないから…本当の大也の言葉が、欲しい」
「う…」
「私は素直に言ったもの。だから、対等な立場なら同じように言ってほしいのだけれど?」
「……わかった。降参だ…」
大也は観念したように手を挙げた。そして頭を掻き、「ええと…」と珍しく言葉を濁す。そして落ち着かない様子できょろきょろと周りを見回した後、私に向き直った。
「好きだ、柚葉。柚葉さえ良ければ、俺と付き合ってほしい。俺と一緒に、バクアゲになってほしい」
「…うん。私も、大也のことが好き。もちろん、喜んで」
もう、今の関係なら良いような気がした。だから受け入れた。私からも求めた。
大也が私の体を抱き寄せる。硬い胸板と柔らかい女の体がぶつかり、少し驚く。時は残酷だ。こんなにも私達の体を成長させたのに、心の成長はおざなりにした。私達はもう25歳なのに、まだ未成熟だ。体だけは一丁前で、大人になったように錯覚させる。
「……温かいな、柚葉は」
「…大也も、温かいわよ」
「…抱き合うと、温かいのかもな」
「そうなのかも。…ふふ、私達ってそんなことも知らなかったのね」
つい可笑しくて、笑ってしまった。私達、特に大也は強大な敵と戦っているのにそんなことに今更気付いたのだ。
「……それで、その。大也って女の子に慣れてるの?」
「え…いや、俺的には社交辞令程度のつもりだったんだが…」
「ふーん…」
「……ひょっとして、ヤキモチか?」
「……だって。私がいない間に彼女いたんだったら…ちょっと、気にするでしょう」
「…はは。俺は大人になるのに必死だったから、彼女がいたことはないぞ」
「…良かった」
とは言いつつも、「大人になるのに必死だった」というのは引っ掛かる。何となく内藤とのやり取りを思い出した。彼はそんなに、「何」に焦っていたのだろうか。
「…私、重いけどいい?」
「俺も重いからな」
「ワガママ言うけど」
「慣れてる」
「精神年齢…見た目より幼いけど」
「子供っぽいのも可愛い」
「口悪いし…」
「直していけばいい」
「弱いから足手まといになると思う…」
「俺が守るさ」
ボンッ、と音が出そうなくらい顔が真っ赤になってしまったのが自分でも分かった。そんな私を見て、彼はクスリと愛おしげに笑っている。
「…敵わない……!」
「勝てると思っていたのか?」
「ッ…今日の大也、何か生意気…!」
「ごめんな。柚葉が可愛くて、つい」
「ッ~!!」
素直になった大也はもっと厄介だった。なんせ感情をストレートに伝えてくる。変化球しか投げれない私に真っ向勝負のストレートで勝てるのは彼くらいしかいないだろう。
「そういうところ、全部ひっくるめて好きなんだ」
そう言い、大也は私の首元に顔をうずめた。
大也は何も言わない。でも、手は離さなかった。
「…私は、大也の特別な存在になりたい。あなたのこと、支えたい。私は一緒に戦うようなことは出来ないけれど…それでも、出来る限り力になりたい」
大也の手に自分の片手を更に重ねた。上下の手で彼の手を包み、目を真っ直ぐ見る。大也が私の目を見て話してくれるように、私も逃げたりなんてしなかった。大也は動じることなく、視線を返してくる。
「…柚葉」
「…うん」
「俺は──昔から、君に惚れてる。小さい時から…恋愛的な意味で。ずっと気付けなくて、ごめんな」
「うん…」
「柚葉。俺と一緒に走ってほしい。コースは一緒に決めよう。走り方も、スピードも二人で話し合おう。だから…俺の隣で、走り続けてほしい」
「…大也」
私は手を離すと、むに、と彼の頬を挟んだ。
「もっとストレートに言って。小難しい格好つけた台詞なんていらないから…本当の大也の言葉が、欲しい」
「う…」
「私は素直に言ったもの。だから、対等な立場なら同じように言ってほしいのだけれど?」
「……わかった。降参だ…」
大也は観念したように手を挙げた。そして頭を掻き、「ええと…」と珍しく言葉を濁す。そして落ち着かない様子できょろきょろと周りを見回した後、私に向き直った。
「好きだ、柚葉。柚葉さえ良ければ、俺と付き合ってほしい。俺と一緒に、バクアゲになってほしい」
「…うん。私も、大也のことが好き。もちろん、喜んで」
もう、今の関係なら良いような気がした。だから受け入れた。私からも求めた。
大也が私の体を抱き寄せる。硬い胸板と柔らかい女の体がぶつかり、少し驚く。時は残酷だ。こんなにも私達の体を成長させたのに、心の成長はおざなりにした。私達はもう25歳なのに、まだ未成熟だ。体だけは一丁前で、大人になったように錯覚させる。
「……温かいな、柚葉は」
「…大也も、温かいわよ」
「…抱き合うと、温かいのかもな」
「そうなのかも。…ふふ、私達ってそんなことも知らなかったのね」
つい可笑しくて、笑ってしまった。私達、特に大也は強大な敵と戦っているのにそんなことに今更気付いたのだ。
「……それで、その。大也って女の子に慣れてるの?」
「え…いや、俺的には社交辞令程度のつもりだったんだが…」
「ふーん…」
「……ひょっとして、ヤキモチか?」
「……だって。私がいない間に彼女いたんだったら…ちょっと、気にするでしょう」
「…はは。俺は大人になるのに必死だったから、彼女がいたことはないぞ」
「…良かった」
とは言いつつも、「大人になるのに必死だった」というのは引っ掛かる。何となく内藤とのやり取りを思い出した。彼はそんなに、「何」に焦っていたのだろうか。
「…私、重いけどいい?」
「俺も重いからな」
「ワガママ言うけど」
「慣れてる」
「精神年齢…見た目より幼いけど」
「子供っぽいのも可愛い」
「口悪いし…」
「直していけばいい」
「弱いから足手まといになると思う…」
「俺が守るさ」
ボンッ、と音が出そうなくらい顔が真っ赤になってしまったのが自分でも分かった。そんな私を見て、彼はクスリと愛おしげに笑っている。
「…敵わない……!」
「勝てると思っていたのか?」
「ッ…今日の大也、何か生意気…!」
「ごめんな。柚葉が可愛くて、つい」
「ッ~!!」
素直になった大也はもっと厄介だった。なんせ感情をストレートに伝えてくる。変化球しか投げれない私に真っ向勝負のストレートで勝てるのは彼くらいしかいないだろう。
「そういうところ、全部ひっくるめて好きなんだ」
そう言い、大也は私の首元に顔をうずめた。