イニシャルはQ【爆上・範道大也】
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大丈夫だ、と言い切った瞬間大也は私を抱きしめた。幼い頃から知っている筈なのに、体に触れるのは初めてだった。硬い体を直に感じ、体温が上がった。
「ずっと惚れていたんだ、柚葉に」
「ほ、惚れ……!?」
「ああ。そして、俺が惚れたものに間違いはない」
そういう意味の「惚れた」かと理解し、内心少しだけガッカリした。そして、ガッカリした自分に驚いた。その「ガッカリ」は、果たしてどういった感情から来る「ガッカリ」なのだろうか。
「大丈夫だ。柚葉は、もうあんなことにはならない」
「……でも私、ハシリヤンだったのよ?そんなの…信用できない、でしょう…」
「今の柚葉は、もうクイーンじゃない。柚葉は柚葉だ。俺の大事な幼馴染だ」
ぎゅう、と抱きしめる力が強くなった。少し苦しかったので、「痛い」と文句を言った。すぐに力が弱まったので、こっちから抱きしめ返してやることにする。
大也の背中に手を回し、抱きしめ返した。大きな背中だった。私が宇宙へ攫われているうちに、彼はこんなに大きくなってしまった。
「……ありがとう」
「…ごめん。昔、助けられなくて」
「…大也のせいじゃない。攫われたのは…事故みたいなものだったから」
「……」
大也はまだ何か考えているようだったが、私の肩に顔をうずめることで思考を悟らせなかった。彼が語らないのであれば追及する必要もない。私達は黙ったまま抱き合い、お互いの体温を分かち合う。
昔繋いだ手と同じ温かさが、今だけは何よりも愛おしかった。
*
「改めて、彼女は巴柚葉。俺の幼馴染だ」
「……巴柚葉、よ」
ガレージに集まったブンブンジャーの面子は、ポカンとした顔で私を見つめていた。
洗脳されていたとはいえ、彼・彼女らと戦ったのは事実だ。受け入れられないのも無理はないだろう。
既にI.S.Aの取り調べは受けており、ハシリヤンについて事細かに聞かれた。ショックを受けたせいで消えた記憶についてはI.S.Aの技術で無理矢理引き出す案もあったが、その案は出た瞬間即刻大也が止めてくれた。体に負荷も掛かることから、それは見逃してもらえた。
許してもらうつもりはない。大也は私のせいじゃないと言ってくれたし、I.S.Aからも心神喪失状態だったことから無罪とされた。だが、戦場で刃を交えた相手からすれば堪ったものではないだろう。拒絶されるのは承知の上だ。
「柚葉、元に戻って良かったー!!」
「………え?」
「こうして無事に戻って来れて何よりです!」
「ハシリヤンは地球人すら利用するとは、恐ろしいねぇ」
「レッド君が認めてるなら、俺は別に何でもいいぜ。どっちにしろ、カオスなことになるからな」
ピンク──ではなく、未来が私の手をとって我が事のように喜んでくれた。錠や玄蕃も頷いており、先斗は私のことなんて気にも留めていないかのようにカレーを頬張っている。
壁にもたれている射士郎は黙っていた。目を閉じて話を聞いており、何も言わない。
「……私のことを受け入れられない気持ちは分かるし、クイーンだった時に行ったことについても言い訳はしないわ。…ただ、今まで迷惑を掛けたことに対するけじめとして名乗っておきたかったの。私のことを受け入れられないのなら、すぐに出て行くわ」
「…俺は認めていない」
「…ええ」
「……俺が認めるかどうかば、今後のお前次第だ。大也がお前の安全性を保証するのなら、それを否定するようなことはするな」
「えっと…つまり、どういうこと?」
「まあ、一時休戦というところじゃないかな。君をシャーシロが受け入れるかどうかはシャーシロ個人の問題で、ブンブンジャーに持ち込む問題ではないのさ」
「………あ、ありがと」
「認めてはいないからな」
ふんとそっぽを向く射士郎を見て大也は楽しそうに微笑んだ。玄蕃も同じ顔をしている。そういえば、話を聞いている限りこの三人とブンドリオは長い付き合いのようだ。何かしら通じ合っているところがあるのかもしれない。
「柚葉って、具体的には今からどうするの?」
「ご両親に連絡などは…」
「ああ、もう入れておいた」
「えっ、はや!じゃあもう会ったの?」
「柚葉の両親は、柚葉がいなくなってから海外に引っ越したんだ。無事だったことについて喜んではいたが、すぐに戻って来るつもりもないらしい」
「え、ええ~…。それは親としてどうなの…?」
「…私の両親、結構ふわふわしているのよ。だから、私が無事だったって聞いた時も”そうだと思ってた”って感じだったわ」
未来は「ついていけない」という顔をした。ふんふんと聞いていた錠が、「じゃあ柚葉さんは家がないんじゃ…」と呟く。
「ああ。だから、とりあえず俺の家で生活してもらうことにした」
「え!?」
「ええ!?」
「は…」
「バクアゲだろ?」
にやりと大也は笑っているが、他は「正気かこの男」という顔をしている。特に射士郎に至っては大也の肩を掴んで鬼気迫る表情をしていた。
「お、おい大也、流石にそこまでは聞いていないぞ」
「別に問題ないだろ?家も広い割にブンブンと二人だけだからな、良い刺激になるよ」
「も、問題はないけど、起きるっていうか、男女の仲的なのは無いの!?」
未来の突っ込み過ぎな質問に大也は「んー」とわざとらしい仕草で考える姿勢を見せた。そして私の方を見て悪戯っ子のように微笑む。
「そういう問題は、今後次第だな」
「ええ~!?もしかして二人って付き合って、」
「俺は認めてないからな!!柚葉!!」
「何で私に怒るのよ!?大也に言いなさいよ!私だってここまで言われるとは思っていなかったわよ!」
「認めてない!まだ認めてないからな!!」
「うるさーーーい!!文句があるなら大也に言って!!まあ、大也は寒空の下私を放り出すようなことしないけど!」
「今は夏だけどねぇ」
私は迫って来る射士郎からギャーギャーと逃げ回った。クッションやら何やらを放り投げるが当たる気配はしない。
大也は声を出し、腹を抱えて笑っていた。問題発言の当事者だというのに他人事過ぎやしないか。
きゃあきゃあと一人で楽しそうにはしゃぐ未来、ポカンとしている錠、ニコニコしている玄蕃、眉を吊り上げている射士郎、射士郎を止めようとするブンドリオ、カレーを食べて昼寝をし始めた先斗、そんな彼にブランケットを掛けるビュンディー、楽しそうな大也。
こんなに楽しい日常が待っているのなら、もっと早くにハシリヤンを抜けていれば良かった。そうすればきっと、もっと楽しい日常が送れていたのに。
「女の子同士なんだし詳しく聞かせてよー!!」
「錠はこういうのは苦手かい?」
「すみません。自分、こういう話には疎くて…」
「止まれ柚葉!!」
「何よコイツ戦ってた時よりしつこいじゃない!あっち行ってってば!」
「……新しい仲間は寂しがり屋といったところか。でも、俺達を応援してくれる──バクアゲにしてくれる、最高の仲間だ」
「ずっと惚れていたんだ、柚葉に」
「ほ、惚れ……!?」
「ああ。そして、俺が惚れたものに間違いはない」
そういう意味の「惚れた」かと理解し、内心少しだけガッカリした。そして、ガッカリした自分に驚いた。その「ガッカリ」は、果たしてどういった感情から来る「ガッカリ」なのだろうか。
「大丈夫だ。柚葉は、もうあんなことにはならない」
「……でも私、ハシリヤンだったのよ?そんなの…信用できない、でしょう…」
「今の柚葉は、もうクイーンじゃない。柚葉は柚葉だ。俺の大事な幼馴染だ」
ぎゅう、と抱きしめる力が強くなった。少し苦しかったので、「痛い」と文句を言った。すぐに力が弱まったので、こっちから抱きしめ返してやることにする。
大也の背中に手を回し、抱きしめ返した。大きな背中だった。私が宇宙へ攫われているうちに、彼はこんなに大きくなってしまった。
「……ありがとう」
「…ごめん。昔、助けられなくて」
「…大也のせいじゃない。攫われたのは…事故みたいなものだったから」
「……」
大也はまだ何か考えているようだったが、私の肩に顔をうずめることで思考を悟らせなかった。彼が語らないのであれば追及する必要もない。私達は黙ったまま抱き合い、お互いの体温を分かち合う。
昔繋いだ手と同じ温かさが、今だけは何よりも愛おしかった。
*
「改めて、彼女は巴柚葉。俺の幼馴染だ」
「……巴柚葉、よ」
ガレージに集まったブンブンジャーの面子は、ポカンとした顔で私を見つめていた。
洗脳されていたとはいえ、彼・彼女らと戦ったのは事実だ。受け入れられないのも無理はないだろう。
既にI.S.Aの取り調べは受けており、ハシリヤンについて事細かに聞かれた。ショックを受けたせいで消えた記憶についてはI.S.Aの技術で無理矢理引き出す案もあったが、その案は出た瞬間即刻大也が止めてくれた。体に負荷も掛かることから、それは見逃してもらえた。
許してもらうつもりはない。大也は私のせいじゃないと言ってくれたし、I.S.Aからも心神喪失状態だったことから無罪とされた。だが、戦場で刃を交えた相手からすれば堪ったものではないだろう。拒絶されるのは承知の上だ。
「柚葉、元に戻って良かったー!!」
「………え?」
「こうして無事に戻って来れて何よりです!」
「ハシリヤンは地球人すら利用するとは、恐ろしいねぇ」
「レッド君が認めてるなら、俺は別に何でもいいぜ。どっちにしろ、カオスなことになるからな」
ピンク──ではなく、未来が私の手をとって我が事のように喜んでくれた。錠や玄蕃も頷いており、先斗は私のことなんて気にも留めていないかのようにカレーを頬張っている。
壁にもたれている射士郎は黙っていた。目を閉じて話を聞いており、何も言わない。
「……私のことを受け入れられない気持ちは分かるし、クイーンだった時に行ったことについても言い訳はしないわ。…ただ、今まで迷惑を掛けたことに対するけじめとして名乗っておきたかったの。私のことを受け入れられないのなら、すぐに出て行くわ」
「…俺は認めていない」
「…ええ」
「……俺が認めるかどうかば、今後のお前次第だ。大也がお前の安全性を保証するのなら、それを否定するようなことはするな」
「えっと…つまり、どういうこと?」
「まあ、一時休戦というところじゃないかな。君をシャーシロが受け入れるかどうかはシャーシロ個人の問題で、ブンブンジャーに持ち込む問題ではないのさ」
「………あ、ありがと」
「認めてはいないからな」
ふんとそっぽを向く射士郎を見て大也は楽しそうに微笑んだ。玄蕃も同じ顔をしている。そういえば、話を聞いている限りこの三人とブンドリオは長い付き合いのようだ。何かしら通じ合っているところがあるのかもしれない。
「柚葉って、具体的には今からどうするの?」
「ご両親に連絡などは…」
「ああ、もう入れておいた」
「えっ、はや!じゃあもう会ったの?」
「柚葉の両親は、柚葉がいなくなってから海外に引っ越したんだ。無事だったことについて喜んではいたが、すぐに戻って来るつもりもないらしい」
「え、ええ~…。それは親としてどうなの…?」
「…私の両親、結構ふわふわしているのよ。だから、私が無事だったって聞いた時も”そうだと思ってた”って感じだったわ」
未来は「ついていけない」という顔をした。ふんふんと聞いていた錠が、「じゃあ柚葉さんは家がないんじゃ…」と呟く。
「ああ。だから、とりあえず俺の家で生活してもらうことにした」
「え!?」
「ええ!?」
「は…」
「バクアゲだろ?」
にやりと大也は笑っているが、他は「正気かこの男」という顔をしている。特に射士郎に至っては大也の肩を掴んで鬼気迫る表情をしていた。
「お、おい大也、流石にそこまでは聞いていないぞ」
「別に問題ないだろ?家も広い割にブンブンと二人だけだからな、良い刺激になるよ」
「も、問題はないけど、起きるっていうか、男女の仲的なのは無いの!?」
未来の突っ込み過ぎな質問に大也は「んー」とわざとらしい仕草で考える姿勢を見せた。そして私の方を見て悪戯っ子のように微笑む。
「そういう問題は、今後次第だな」
「ええ~!?もしかして二人って付き合って、」
「俺は認めてないからな!!柚葉!!」
「何で私に怒るのよ!?大也に言いなさいよ!私だってここまで言われるとは思っていなかったわよ!」
「認めてない!まだ認めてないからな!!」
「うるさーーーい!!文句があるなら大也に言って!!まあ、大也は寒空の下私を放り出すようなことしないけど!」
「今は夏だけどねぇ」
私は迫って来る射士郎からギャーギャーと逃げ回った。クッションやら何やらを放り投げるが当たる気配はしない。
大也は声を出し、腹を抱えて笑っていた。問題発言の当事者だというのに他人事過ぎやしないか。
きゃあきゃあと一人で楽しそうにはしゃぐ未来、ポカンとしている錠、ニコニコしている玄蕃、眉を吊り上げている射士郎、射士郎を止めようとするブンドリオ、カレーを食べて昼寝をし始めた先斗、そんな彼にブランケットを掛けるビュンディー、楽しそうな大也。
こんなに楽しい日常が待っているのなら、もっと早くにハシリヤンを抜けていれば良かった。そうすればきっと、もっと楽しい日常が送れていたのに。
「女の子同士なんだし詳しく聞かせてよー!!」
「錠はこういうのは苦手かい?」
「すみません。自分、こういう話には疎くて…」
「止まれ柚葉!!」
「何よコイツ戦ってた時よりしつこいじゃない!あっち行ってってば!」
「……新しい仲間は寂しがり屋といったところか。でも、俺達を応援してくれる──バクアゲにしてくれる、最高の仲間だ」