イニシャルはQ【爆上・大也】
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
地球へと降り立つと、まさに今苦魔獣が5人のタイヤ人間と交戦中だった。確かあれは、地球ではブンブンジャーと呼ばれている集団の筈だ。愚かにもハシリヤンに抵抗する反乱分子である。
苦魔獣は佳境に立たされている。そして今まさにレッドからの攻撃を受けて倒されようとした瞬間を狙い、私は石突から銃弾を放った。
「ほんっと、周回遅れ ばかりで困るわ」
苦魔獣とブンブンジャーの間に銃撃が走り、攻撃を遮ることが出来た。その間に割って入るように降り立ち、土煙を払うように傘を開く。雨傘か日傘のように持ち、私はブンブンジャーの前に姿を現した。
「眩しい…。眩しいのは嫌い……。でも、私達ハシリヤンに盾突くあなた達はもっと気に入らない」
「…誰だ?」
レッドがブンブンハンドルをガンモードに切り替え、銃口を向けた。しかし臆することなく私は不敵に笑った。強く風が吹き、長い髪がたなびく。
「私はハシリヤンの一員、クイーン。上司の命令で、一足先に地球へやって来たの。あわよくば、あなた達を追い越す する為に」
「俺達を追い越す、か。そいつはちょっと難しいかもしれないな」
「良い自信ね。潰し甲斐があるのは良いことよ。だって、その方がデッドレースは楽しいわ」
マスクに隠れたレッドの表情は窺えない。
私は傘を閉じ、苦魔獣をその先端で小突いた。「赤いの以外はあなたが相手しなさい」と言い、苦魔獣を向かわせる。狙いから外れたレッドは苦魔獣の相手を仲間に任せると、堂々とした出で立ちで前に出た。ガンモードからロッドモードに切り替え、近接戦への準備を整える。
「さあ、デッドレースに挑戦する覚悟はできているかしら?」
「覚悟なら、初めから出来ているさ。言われなくともな」
傘を担いだ。ゆっくりと歩き、レッドの攻撃範囲を優雅に荒らす。にっこりと微笑んだ直後、担いでいた傘を振り下ろした。鈍い音が響いた。レッドはロッドモードの刃で受けとめたが、重い衝撃に手はビリビリと小さく震えている。
暫しの沈黙の後、飛び退く。レッドが間合いを詰める。牽制の為に石突から銃撃を放つ。しかし当たらない。運良く当たりかけた銃弾は、その悉くが剣先で弾かれた。
銃は効かない。素早く学習して銃撃を止め、応えるように間合いを詰めた。リーチは傘の方が長かった。だが、先端は剣によって弾かれる。薙ぎ払うように振るわれる傘と、それを迎え撃つ剣。激しい攻防を制したのは、レッドが放った強い一撃だった。体勢を崩した私はそのまま尻餅をつき、傘を手放してしまう。あ、と思った時には既に遅かった。
剣先を向けたレッドを、余裕のない表情で見上げた。どう見ても、レッドにとってはこれ以上ないチャンスだった。
「…?」
彼は私の顔を観察し、何か思考を巡らせているようだった。しかし何も言わない。逃げるなら今の内だ。
「っ…ちょっと!何してんの!?あなたも何とかしなさいよ!」
逃げ腰で傘を拾って苦魔獣の方に駆け寄り、苦魔獣の背中を蹴り付けた。理不尽な暴力に戸惑いを隠せない苦魔獣だったが、命令には逆らえないのか私を庇うように前に出る。勿論、レッドも攻撃対象になっていた。
「大也、どうしたの?」
ピンクが問いかけるが、「いや…」と誤魔化しただけでレッドは答えない。ただ黙って私の顔を見ていた。
「ふん…今日は試運転 だからこのくらいにしてあげる。次からは本気よ」
「単純に負けただけだろ…」
「っ、負けてない!まだ来たばかりでボディの調子が悪いのよ…!」
ブルーの鋭い指摘に焦りを隠すことができていない。私は苦魔獣を盾にしながらその場を去った。
*
「何だったんだ、アイツは…」
「変なハシリヤンでしたね。見た目も人間と変わらないですし…」
「ハシリヤンにも色々いるからな。見た目が人間に近いだけの宇宙人かもしれない」
「え~…それってちょっと、戦い辛いかも…」
げんなりするピンクに「割り切れ」とブルーは諭した。そして、未だ何かを考えこんでいるレッドにオレンジが「大也」と声をかける。
「気になる相手も出てきたが、まずは目の前の苦魔獣を倒すことが先だろう?」
「…そうだな。悪い、玄蕃。みんな、行くぞ!」
「オーライ!」
苦魔獣は佳境に立たされている。そして今まさにレッドからの攻撃を受けて倒されようとした瞬間を狙い、私は石突から銃弾を放った。
「ほんっと、
苦魔獣とブンブンジャーの間に銃撃が走り、攻撃を遮ることが出来た。その間に割って入るように降り立ち、土煙を払うように傘を開く。雨傘か日傘のように持ち、私はブンブンジャーの前に姿を現した。
「眩しい…。眩しいのは嫌い……。でも、私達ハシリヤンに盾突くあなた達はもっと気に入らない」
「…誰だ?」
レッドがブンブンハンドルをガンモードに切り替え、銃口を向けた。しかし臆することなく私は不敵に笑った。強く風が吹き、長い髪がたなびく。
「私はハシリヤンの一員、クイーン。上司の命令で、一足先に地球へやって来たの。あわよくば、あなた達を
「俺達を追い越す、か。そいつはちょっと難しいかもしれないな」
「良い自信ね。潰し甲斐があるのは良いことよ。だって、その方がデッドレースは楽しいわ」
マスクに隠れたレッドの表情は窺えない。
私は傘を閉じ、苦魔獣をその先端で小突いた。「赤いの以外はあなたが相手しなさい」と言い、苦魔獣を向かわせる。狙いから外れたレッドは苦魔獣の相手を仲間に任せると、堂々とした出で立ちで前に出た。ガンモードからロッドモードに切り替え、近接戦への準備を整える。
「さあ、デッドレースに挑戦する覚悟はできているかしら?」
「覚悟なら、初めから出来ているさ。言われなくともな」
傘を担いだ。ゆっくりと歩き、レッドの攻撃範囲を優雅に荒らす。にっこりと微笑んだ直後、担いでいた傘を振り下ろした。鈍い音が響いた。レッドはロッドモードの刃で受けとめたが、重い衝撃に手はビリビリと小さく震えている。
暫しの沈黙の後、飛び退く。レッドが間合いを詰める。牽制の為に石突から銃撃を放つ。しかし当たらない。運良く当たりかけた銃弾は、その悉くが剣先で弾かれた。
銃は効かない。素早く学習して銃撃を止め、応えるように間合いを詰めた。リーチは傘の方が長かった。だが、先端は剣によって弾かれる。薙ぎ払うように振るわれる傘と、それを迎え撃つ剣。激しい攻防を制したのは、レッドが放った強い一撃だった。体勢を崩した私はそのまま尻餅をつき、傘を手放してしまう。あ、と思った時には既に遅かった。
剣先を向けたレッドを、余裕のない表情で見上げた。どう見ても、レッドにとってはこれ以上ないチャンスだった。
「…?」
彼は私の顔を観察し、何か思考を巡らせているようだった。しかし何も言わない。逃げるなら今の内だ。
「っ…ちょっと!何してんの!?あなたも何とかしなさいよ!」
逃げ腰で傘を拾って苦魔獣の方に駆け寄り、苦魔獣の背中を蹴り付けた。理不尽な暴力に戸惑いを隠せない苦魔獣だったが、命令には逆らえないのか私を庇うように前に出る。勿論、レッドも攻撃対象になっていた。
「大也、どうしたの?」
ピンクが問いかけるが、「いや…」と誤魔化しただけでレッドは答えない。ただ黙って私の顔を見ていた。
「ふん…今日は
「単純に負けただけだろ…」
「っ、負けてない!まだ来たばかりでボディの調子が悪いのよ…!」
ブルーの鋭い指摘に焦りを隠すことができていない。私は苦魔獣を盾にしながらその場を去った。
*
「何だったんだ、アイツは…」
「変なハシリヤンでしたね。見た目も人間と変わらないですし…」
「ハシリヤンにも色々いるからな。見た目が人間に近いだけの宇宙人かもしれない」
「え~…それってちょっと、戦い辛いかも…」
げんなりするピンクに「割り切れ」とブルーは諭した。そして、未だ何かを考えこんでいるレッドにオレンジが「大也」と声をかける。
「気になる相手も出てきたが、まずは目の前の苦魔獣を倒すことが先だろう?」
「…そうだな。悪い、玄蕃。みんな、行くぞ!」
「オーライ!」