イニシャルはQ【爆上・大也】
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地球に着いたという連絡をキャノンボーグから受け、クイーンは即座に動いた。クイーンの端末から電波を発し、電波が跳ね返ってきた方角からキャノンボーグの居場所を探る。そうして歩いていると、廃工場に辿り着いた。
「来ましたか、クイーン」
「待ちくたびれたわよ。結局、マッドレックスも大したことなかったわね」
「奴が死んであなたもさぞ呆れたことでしょう。しかし私奴が来たからには、もうゴール寸前と言っても過言ではありません」
「そうでしょうね。だってあなたは私をここまで強く改造したハシリヤンだもの」
キャノンボーグは、廃工場の奥でサンシーター達をバックにクイーンを待ち構えていた。サンシーターは彼と彼女の関係性がイマイチ掴めず、首を体ごと傾げている。
「あの…お二人はどういったご関係で?」
「野暮な詮索は身を滅ぼしますよ。私達の関係に名前はありません」
「そうそう。改造した本人と実験体なだけ。あなた達が気にすることじゃないわ」
「え!?じゃあお前、本当にキャノンボーグ様に改造されちまったのか!?」
「そうよ。私のスーツも武器も、全て彼が作った発明品」
誇らしげにクイーンは胸を張った。ミントグリーンを基調とした、ライダースーツのようなジャケット。健康的な腹と足を存分に露出しており、傘を差す姿はレースクイーンのようでもある。
サンシーターは何となく理解し、「嫌味なところはよく似てるカー」とヤルカーが失言をした。キャノンボーグとクイーンが沈黙し、そして同時に手を出す。キャノンボーグは外科医のように手のひらを内側に向け、クイーンは傘の先端をヤルカーに向けた。「ヒィッ!」とヤルカーを抱いていたイターシャが悲鳴を漏らし、驚きのあまり尻餅をつく。
「そんなことを言う口は改造しますよ?」
「ミニカーのパチモンが私にデカい口叩かないでくれる?」
すみませんすみません、とイターシャとデコトラ―デがぺこぺこと頭を下げるが当の本人であるヤルカーは我関せずといった感じだった。それを本気で咎める気はないようで、キャノンボーグもクイーンも呆れたように溜め息を吐く。
「作戦が悉く失敗に終わったのも容易に想像がつきます」
「そうよ。こいつら、役に立たない苦魔獣ばっかり作ってるんだから」
「いいえ、あなたもですよクイーン。あなたがいながら、何故ブンブンジャーに勝てないのです?」
「っ…そ、それは……」
痛いところを突かれたクイーンは口ごもり、視線を逸らした。
「って、手加減してあげてるのよ。瞬殺したら可哀想じゃない。少しくらい遊んであげないと、絶望した時の落差が面白いでしょ」
「ほう。ならば、本気を出せばブンブンジャーを圧倒できると?」
「あ、当たり前でしょ!」
「では、苦魔獣と共に早く作戦を実行してきてください。あなた達も、さっさと手を動かす!」
いつもの返事を言う間も与えず、サンシーター+クイーンは廃工場を追い出された。イターシャはその辺に落ちていた廃工場の鍵を手に取り、「もうこれでいいかしら…」とイグニッションキーを構える。構えた先には、廃工場の鍵があった。
「ガッチャン、イグニッション!」
廃工場の鍵から苦魔獣が生まれる。頭部が少し錆びているのか赤褐色になっていた。唸り声を上げる苦魔獣を見て「これならいけそう」とサンシーター達は頷き合うが、対照的にクイーンは青い顔をしている。
──圧倒できる、なんて。そんなこと出来る訳がない!
ブンブンジャーはクイーンより強い。数の暴力というのはあるが、タイマンでやりあっても勝つことは難しい。相手が二人になると完全に不利になる。それくらい実力に差があった。それなのに、プライドを優先した彼女はキャノンボーグに大口を叩いてしまったのだ。
「ほら、ギャーソリン集めに行くわよ。今日こそ目にもの見せてやるんだから!」
「言い切ったもんは仕方ねえだろ。気合い入れてけ!」
「有言実行するカー!」
二人+一台の励ましが少し効いたのか、クイーンは少し冷静になれた。傘を差していつも通り堂々と歩き、「よし、行くわよ」と先陣を切る。苦魔獣がそれに続き、二人の跡を追うようにサンシーター達が少し距離をとりながら付いて行った。
「来ましたか、クイーン」
「待ちくたびれたわよ。結局、マッドレックスも大したことなかったわね」
「奴が死んであなたもさぞ呆れたことでしょう。しかし私奴が来たからには、もうゴール寸前と言っても過言ではありません」
「そうでしょうね。だってあなたは私をここまで強く改造したハシリヤンだもの」
キャノンボーグは、廃工場の奥でサンシーター達をバックにクイーンを待ち構えていた。サンシーターは彼と彼女の関係性がイマイチ掴めず、首を体ごと傾げている。
「あの…お二人はどういったご関係で?」
「野暮な詮索は身を滅ぼしますよ。私達の関係に名前はありません」
「そうそう。改造した本人と実験体なだけ。あなた達が気にすることじゃないわ」
「え!?じゃあお前、本当にキャノンボーグ様に改造されちまったのか!?」
「そうよ。私のスーツも武器も、全て彼が作った発明品」
誇らしげにクイーンは胸を張った。ミントグリーンを基調とした、ライダースーツのようなジャケット。健康的な腹と足を存分に露出しており、傘を差す姿はレースクイーンのようでもある。
サンシーターは何となく理解し、「嫌味なところはよく似てるカー」とヤルカーが失言をした。キャノンボーグとクイーンが沈黙し、そして同時に手を出す。キャノンボーグは外科医のように手のひらを内側に向け、クイーンは傘の先端をヤルカーに向けた。「ヒィッ!」とヤルカーを抱いていたイターシャが悲鳴を漏らし、驚きのあまり尻餅をつく。
「そんなことを言う口は改造しますよ?」
「ミニカーのパチモンが私にデカい口叩かないでくれる?」
すみませんすみません、とイターシャとデコトラ―デがぺこぺこと頭を下げるが当の本人であるヤルカーは我関せずといった感じだった。それを本気で咎める気はないようで、キャノンボーグもクイーンも呆れたように溜め息を吐く。
「作戦が悉く失敗に終わったのも容易に想像がつきます」
「そうよ。こいつら、役に立たない苦魔獣ばっかり作ってるんだから」
「いいえ、あなたもですよクイーン。あなたがいながら、何故ブンブンジャーに勝てないのです?」
「っ…そ、それは……」
痛いところを突かれたクイーンは口ごもり、視線を逸らした。
「って、手加減してあげてるのよ。瞬殺したら可哀想じゃない。少しくらい遊んであげないと、絶望した時の落差が面白いでしょ」
「ほう。ならば、本気を出せばブンブンジャーを圧倒できると?」
「あ、当たり前でしょ!」
「では、苦魔獣と共に早く作戦を実行してきてください。あなた達も、さっさと手を動かす!」
いつもの返事を言う間も与えず、サンシーター+クイーンは廃工場を追い出された。イターシャはその辺に落ちていた廃工場の鍵を手に取り、「もうこれでいいかしら…」とイグニッションキーを構える。構えた先には、廃工場の鍵があった。
「ガッチャン、イグニッション!」
廃工場の鍵から苦魔獣が生まれる。頭部が少し錆びているのか赤褐色になっていた。唸り声を上げる苦魔獣を見て「これならいけそう」とサンシーター達は頷き合うが、対照的にクイーンは青い顔をしている。
──圧倒できる、なんて。そんなこと出来る訳がない!
ブンブンジャーはクイーンより強い。数の暴力というのはあるが、タイマンでやりあっても勝つことは難しい。相手が二人になると完全に不利になる。それくらい実力に差があった。それなのに、プライドを優先した彼女はキャノンボーグに大口を叩いてしまったのだ。
「ほら、ギャーソリン集めに行くわよ。今日こそ目にもの見せてやるんだから!」
「言い切ったもんは仕方ねえだろ。気合い入れてけ!」
「有言実行するカー!」
二人+一台の励ましが少し効いたのか、クイーンは少し冷静になれた。傘を差していつも通り堂々と歩き、「よし、行くわよ」と先陣を切る。苦魔獣がそれに続き、二人の跡を追うようにサンシーター達が少し距離をとりながら付いて行った。