健全な短編【船体】
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
カナロの結婚はいつも上手くいかない。良い人を見つけてもフラれたり、馬が合わなかったり、そもそも他に好きな人がいたり、難しい条件があったり。とにかく、女難の相が出ているのではないかというくらいだ。
「柚葉、今度は上手くいきそうだ。あどけない笑みを浮かべる美しい心の彼女。なにより節約家だ」
今も尻尾でも付いてるんじゃないかというくらい嬉しそうに、どうせ上手くいかない彼女のことを話す。
「柚葉。聞いてるのか?」
「聞いてるよ。エコな彼女に出会えたんでしょ?良かったねおめでと」
適当にあしらうようにそう言うと、カナロは表情を曇らせて俯いた。...こういう表情のカナロは、何か思い詰めていたり抱え込んでいるときだ。マリッジブルーになられても面倒なので話くらいは聞いてあげよう。
「...だが、俺の結婚はいつも上手くいかない。残念だがオトやモサレックスの言うことはいつも当たる。まるで予知だ」
「で?」
「...今回の彼女は本当に良い子なんだが、昔海難事故に遭って以来海を怖がっている。入ることはおろか見ることすら難しい。俺と結婚すれば、怖い思いをずっとさせてしまう」
...カナロ。なんでそんなに優しいの?なんでそんなに一途で真っ直ぐなの?いつも最後に泣くのはカナロばかり。次があるよと周りが笑うのは所詮他人事だからだ。
こんな調子では結婚もまだまだ遠い。そんな遠い未来に辿り着くまで、カナロはずっと辛い思いをする。こんなの可哀想だ。あんまりだ。
「ねえカナロ」
「ん?」
「その彼女さんとは付き合ってるの?」
「いや、今はまだ仲良くなっている途中だ」
「ふーん」
別に、築かれた関係の横から掠め取ることくらい容易いことだ。しかしカナロは騎士。そんな卑劣なことは嫌うだろう。
「カナロ」
私は気が抜けていたカナロを押し倒した。そして起き上がれないように上に乗ると、柚葉、と赤面しつつも動揺しているカナロが多少の抵抗を見せる。こういうことは恋人同士が結婚してから、などと囀ずる。
「私と結婚しよ」
「えっ!?」
「戦わないでなんて言わないし、泳ぐのは得意。海は好きだし凝り性だから分別も細かいし、そのくせ貧乏性だからいつも長持ちするものばかり見てる」
それは...確かに俺の理想だが...とカナロは考える。大方、今まで友人として話してきた人間を婚約者として迎えて良いのか、でも考えているんだろう。
「幸せにするよ、カナロ」
「い、いやしかし、柚葉は...」
「カナロにとって私って、惚気聞かせたり何でも相談に乗ってくれる都合の良いただの友人程度なの?」
「いや、それは違う!柚葉は...」
「私は?」
*
今までにないレベルの超急接近だ。柚葉が俺の上に乗って、真剣に...なのかはわからないが、とにかく結婚の話をしている。何か悪いものでも食べたのかとでも思う程今日の彼女は別人だ。いつもなら俺の話をうんうんと聞いてアドバイスしてくれる、
......"そういう"友人、なのか?
「困らせてごめんね、カナロ。でも早く答えてくれないとこのまま襲っちゃうかも」
「ま、待て!そういうのはまだ早い!物事には順序が...!」
「へえ」
まだ、なんだ?
彼女は俺の上で笑った。いつもは見せない影のある笑みにゾクリと背筋が奮える。上手く考えれなくてつい目線を逸らすと、急かすように柚葉が俺の頬を撫でた。
「お悩み相談飽きちゃったの。でもカナロの結婚は応援してるから、私と結婚すれば話が早いでしょ?」
「...柚葉のことは嫌いじゃないし、寧ろ好きだ。だがこれが恋愛に発展するまでの気持ちなのかは俺には分からない。適当な言葉で気持ちを誤魔化して、柚葉を傷付けたくはないんだ」
「1か100しかないよねカナロ。100に届いていないのなら、今からゆっくり増やしていけばいいんだよ。でも、そういう素直で優しいカナロのこと大好きだからね」
なんだ、なんなんだ。今日の柚葉はやけに甘くて辛い。しかしそれを嫌だとは思わないし、むしろ...グッとくる。
「...既成事実作った方が早い?」
「早まるな柚葉!俺は決めた、君と結婚する!絶対俺が幸せにする!」
目を丸くして瞬きしたあと、彼女は「へ」と何ともムードを壊すような間抜けな声を出した。
「...今更だけど脅されて仕方なく、ではないよね...?」
「当たり前だ。そもそも、柚葉に脅されてそこまで思い詰めることはない」
「あ、そんなこと言うんだ?海のリュウソウ族は人を煽るのが上手なのかな?」
「待て柚葉、だからそういうのはまだ!せめて式を挙げてからだ!服を脱がそうとするな!俺の尊厳くらいは守らせてくれ!!!!!」
「柚葉、今度は上手くいきそうだ。あどけない笑みを浮かべる美しい心の彼女。なにより節約家だ」
今も尻尾でも付いてるんじゃないかというくらい嬉しそうに、どうせ上手くいかない彼女のことを話す。
「柚葉。聞いてるのか?」
「聞いてるよ。エコな彼女に出会えたんでしょ?良かったねおめでと」
適当にあしらうようにそう言うと、カナロは表情を曇らせて俯いた。...こういう表情のカナロは、何か思い詰めていたり抱え込んでいるときだ。マリッジブルーになられても面倒なので話くらいは聞いてあげよう。
「...だが、俺の結婚はいつも上手くいかない。残念だがオトやモサレックスの言うことはいつも当たる。まるで予知だ」
「で?」
「...今回の彼女は本当に良い子なんだが、昔海難事故に遭って以来海を怖がっている。入ることはおろか見ることすら難しい。俺と結婚すれば、怖い思いをずっとさせてしまう」
...カナロ。なんでそんなに優しいの?なんでそんなに一途で真っ直ぐなの?いつも最後に泣くのはカナロばかり。次があるよと周りが笑うのは所詮他人事だからだ。
こんな調子では結婚もまだまだ遠い。そんな遠い未来に辿り着くまで、カナロはずっと辛い思いをする。こんなの可哀想だ。あんまりだ。
「ねえカナロ」
「ん?」
「その彼女さんとは付き合ってるの?」
「いや、今はまだ仲良くなっている途中だ」
「ふーん」
別に、築かれた関係の横から掠め取ることくらい容易いことだ。しかしカナロは騎士。そんな卑劣なことは嫌うだろう。
「カナロ」
私は気が抜けていたカナロを押し倒した。そして起き上がれないように上に乗ると、柚葉、と赤面しつつも動揺しているカナロが多少の抵抗を見せる。こういうことは恋人同士が結婚してから、などと囀ずる。
「私と結婚しよ」
「えっ!?」
「戦わないでなんて言わないし、泳ぐのは得意。海は好きだし凝り性だから分別も細かいし、そのくせ貧乏性だからいつも長持ちするものばかり見てる」
それは...確かに俺の理想だが...とカナロは考える。大方、今まで友人として話してきた人間を婚約者として迎えて良いのか、でも考えているんだろう。
「幸せにするよ、カナロ」
「い、いやしかし、柚葉は...」
「カナロにとって私って、惚気聞かせたり何でも相談に乗ってくれる都合の良いただの友人程度なの?」
「いや、それは違う!柚葉は...」
「私は?」
*
今までにないレベルの超急接近だ。柚葉が俺の上に乗って、真剣に...なのかはわからないが、とにかく結婚の話をしている。何か悪いものでも食べたのかとでも思う程今日の彼女は別人だ。いつもなら俺の話をうんうんと聞いてアドバイスしてくれる、
......"そういう"友人、なのか?
「困らせてごめんね、カナロ。でも早く答えてくれないとこのまま襲っちゃうかも」
「ま、待て!そういうのはまだ早い!物事には順序が...!」
「へえ」
まだ、なんだ?
彼女は俺の上で笑った。いつもは見せない影のある笑みにゾクリと背筋が奮える。上手く考えれなくてつい目線を逸らすと、急かすように柚葉が俺の頬を撫でた。
「お悩み相談飽きちゃったの。でもカナロの結婚は応援してるから、私と結婚すれば話が早いでしょ?」
「...柚葉のことは嫌いじゃないし、寧ろ好きだ。だがこれが恋愛に発展するまでの気持ちなのかは俺には分からない。適当な言葉で気持ちを誤魔化して、柚葉を傷付けたくはないんだ」
「1か100しかないよねカナロ。100に届いていないのなら、今からゆっくり増やしていけばいいんだよ。でも、そういう素直で優しいカナロのこと大好きだからね」
なんだ、なんなんだ。今日の柚葉はやけに甘くて辛い。しかしそれを嫌だとは思わないし、むしろ...グッとくる。
「...既成事実作った方が早い?」
「早まるな柚葉!俺は決めた、君と結婚する!絶対俺が幸せにする!」
目を丸くして瞬きしたあと、彼女は「へ」と何ともムードを壊すような間抜けな声を出した。
「...今更だけど脅されて仕方なく、ではないよね...?」
「当たり前だ。そもそも、柚葉に脅されてそこまで思い詰めることはない」
「あ、そんなこと言うんだ?海のリュウソウ族は人を煽るのが上手なのかな?」
「待て柚葉、だからそういうのはまだ!せめて式を挙げてからだ!服を脱がそうとするな!俺の尊厳くらいは守らせてくれ!!!!!」