短編【光の巨人】
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たまに面倒を見ていたウルトラ戦士、ゼットが弟子入りしたらしい。いや、正確にはまだわからない。本人からは聞いておらず、風の噂で耳に入るだけなのだ。凄く強いとか、イケメンだとか、厳しいとか、優しいとか、とにかく情報が錯綜しているのである。
「ゼロさあ、ウルトラマンゼットって知ってる?」
「え?お、おう。当たり前だろ」
「なんか彼、弟子入りしたらしいんだよね。誰か知ってる?」
「は!?っし、知らねえな…」
「なーんだ、ゼロも知らないのかあ」
同期であるゼロは色んな方面に顔が広いが、そんな彼でもそこまでは知らなかったらしい。意外だ。もしかして、ゼットについても名前や所属を知っているだけであまり詳しくないのだろうか。
「…そんなに興味あんのか?」
「そりゃあ、もちろん」
「何でだよ。別に、お前ゼットとめちゃくちゃ仲が良い訳でもないだろ」
「いやー、一応少しは可愛い後輩だと思って見てたし…。それに、ゼットの師匠って噂によると凄く強くて…」
「おう」
「厳しいけど優しくて…」
「うんうん」
「光の国でも屈指のイケメンだ、って」
「まあな!」
「何でゼロが得意げなの」
「何でもねえよ。んで、お前はまんまとそのイケメンウルトラ戦士に釣られたミーハーってことか」
「言い方!」
かっこよくて強い人が気になる、なんて当然だ。私はさっさと良いお婿さんを見つけて幸せな結婚をしたいのである。
「ミーハーじゃないもん。未来の旦那さんを探してるだけだもん」
「そういえばそんな話もあったな…。…え、お前まさか…ゼットの師匠と結婚すんの?」
「いやいや、会ってもいないのに要素だけで決めるなんて失礼だよ」
「ま、まあそうだな…」
「今のところ80%くらいはアリ」
「その気じゃねえか!」
「ルックス実力性格良し…。しかもあのゼットを押さえ込む力がある気配。間違いなく優良物件」
「そりゃ…そうだけど…!虚言かもしれないだろ!」
「みんな言ってるんだから虚言な訳ないよ」
「ゼット本人が虚言の可能性はあるだろ!?」
「ゼットはそんなこと言わない!…多分!」
「あれ!?柚葉さんと師匠!?どうしてお二人が!?」
私とゼロが睨み合っていると、丁度そこに通りがかったゼットが足を止めた。非常に驚いた様子で口元に手を当てており、心なしか小刻みに震えている。
「げっ」
「ゼット!心配したよ、暫く会えていなかったから」
「あわわわすみません…最近は何かと忙しくて…!」
「ところで、さっき師匠って言ってた?もしかしてゼットの師匠ってここにいるの?」
「えっ…とぉ…それは…」
ゼットはオロオロしていたが、そんな彼の首根っこをゼロが掴んで少し離れたところに行った。何やら私の方を見ながら、二人でヒソヒソと話している。やがて話が終わった二人が戻って来たが、ゼットは何だか居心地が悪そうだ。そんなゼットを横目に呆れた様子でゼロが話し出す。
「柚葉。ゼットだが、コイツは俺の弟子を一方的に名乗ってる」
「…えっ?どういうこと?…ゼットは弟子入りなんてしてないの?」
「言葉としては!”やらせてもらっている”で通していましたから!」
「ここまで話が変に広まっておいてそれが通じるか!俺は弟子をとった覚えはねえ!」
…どうやら、話を聞く限りゼットはゼロに対して押しかけ女房よろしく押しかけ弟子をしていたらしい。態度を見る限りゼロは満更でもない様子だが、頑として彼を弟子であるとは認めようとしない。まあ、ゼロにも色々考えがあるのだろう。
「ていうか、何でゼットと知り合ってるのにその辺を聞かされてないんだよ…」
「いやぁ…柚葉さんは結婚相手を探していると仰っていましたので、ゼロ師匠の存在を知ったら電撃結婚なさるのでは自分なりに考えまして…」
「ははーん…。成る程…。それで私にはゼロとの関係を黙っていた、と…」
「申し訳ございません…!もう暫くはしがらみナシで柚葉さんの後輩でいたかったので…!」
床に突き刺さりそうなくらい頭を下げるゼットを許し、この件については一先ず終止符を打った。ようやく顔を上げた彼は先程までのやり取りが無かったのではと思うくらい開き直っており、中々良い性格をしている。
「それにしても…実力や内面、かっこよさを備えた戦士、ですか。それなら尚更ゼロ師匠が理想では?」
「はあ!?」
「ゼロは友達期間が長いからね…。今更そういう目で見るのは難しいというか…。まあ強いて言うなら、お兄ちゃん的な」
「お、お兄ちゃん…」
何故かダメージを受けて肩を落とすゼロ。そんなゼロを慰めるゼットを見ていると、正式な弟子かどうかは置いておいて、良い先輩後輩の関係だなとは思う。案外、結婚しなくても…こういう関係でも十分、幸せは掴めるのかもしれない。
「…私もゼロに弟子入りしようかな?」
「冗談じゃねえ…。これ以上厄介なのが増えて堪るか」
「えーいいじゃんゼロ師匠」
「マジでやめろ」
「もしかして、そうなると柚葉さんは妹弟子ってことになります?順番的に」
「確かに。身長も大中小で絵面の収まりが良さそう」
「おおー良いですね!川の字で寝れますよ!」
「勝手に話を進めてんじゃねえ!!お断りだ!!」
「ゼロさあ、ウルトラマンゼットって知ってる?」
「え?お、おう。当たり前だろ」
「なんか彼、弟子入りしたらしいんだよね。誰か知ってる?」
「は!?っし、知らねえな…」
「なーんだ、ゼロも知らないのかあ」
同期であるゼロは色んな方面に顔が広いが、そんな彼でもそこまでは知らなかったらしい。意外だ。もしかして、ゼットについても名前や所属を知っているだけであまり詳しくないのだろうか。
「…そんなに興味あんのか?」
「そりゃあ、もちろん」
「何でだよ。別に、お前ゼットとめちゃくちゃ仲が良い訳でもないだろ」
「いやー、一応少しは可愛い後輩だと思って見てたし…。それに、ゼットの師匠って噂によると凄く強くて…」
「おう」
「厳しいけど優しくて…」
「うんうん」
「光の国でも屈指のイケメンだ、って」
「まあな!」
「何でゼロが得意げなの」
「何でもねえよ。んで、お前はまんまとそのイケメンウルトラ戦士に釣られたミーハーってことか」
「言い方!」
かっこよくて強い人が気になる、なんて当然だ。私はさっさと良いお婿さんを見つけて幸せな結婚をしたいのである。
「ミーハーじゃないもん。未来の旦那さんを探してるだけだもん」
「そういえばそんな話もあったな…。…え、お前まさか…ゼットの師匠と結婚すんの?」
「いやいや、会ってもいないのに要素だけで決めるなんて失礼だよ」
「ま、まあそうだな…」
「今のところ80%くらいはアリ」
「その気じゃねえか!」
「ルックス実力性格良し…。しかもあのゼットを押さえ込む力がある気配。間違いなく優良物件」
「そりゃ…そうだけど…!虚言かもしれないだろ!」
「みんな言ってるんだから虚言な訳ないよ」
「ゼット本人が虚言の可能性はあるだろ!?」
「ゼットはそんなこと言わない!…多分!」
「あれ!?柚葉さんと師匠!?どうしてお二人が!?」
私とゼロが睨み合っていると、丁度そこに通りがかったゼットが足を止めた。非常に驚いた様子で口元に手を当てており、心なしか小刻みに震えている。
「げっ」
「ゼット!心配したよ、暫く会えていなかったから」
「あわわわすみません…最近は何かと忙しくて…!」
「ところで、さっき師匠って言ってた?もしかしてゼットの師匠ってここにいるの?」
「えっ…とぉ…それは…」
ゼットはオロオロしていたが、そんな彼の首根っこをゼロが掴んで少し離れたところに行った。何やら私の方を見ながら、二人でヒソヒソと話している。やがて話が終わった二人が戻って来たが、ゼットは何だか居心地が悪そうだ。そんなゼットを横目に呆れた様子でゼロが話し出す。
「柚葉。ゼットだが、コイツは俺の弟子を一方的に名乗ってる」
「…えっ?どういうこと?…ゼットは弟子入りなんてしてないの?」
「言葉としては!”やらせてもらっている”で通していましたから!」
「ここまで話が変に広まっておいてそれが通じるか!俺は弟子をとった覚えはねえ!」
…どうやら、話を聞く限りゼットはゼロに対して押しかけ女房よろしく押しかけ弟子をしていたらしい。態度を見る限りゼロは満更でもない様子だが、頑として彼を弟子であるとは認めようとしない。まあ、ゼロにも色々考えがあるのだろう。
「ていうか、何でゼットと知り合ってるのにその辺を聞かされてないんだよ…」
「いやぁ…柚葉さんは結婚相手を探していると仰っていましたので、ゼロ師匠の存在を知ったら電撃結婚なさるのでは自分なりに考えまして…」
「ははーん…。成る程…。それで私にはゼロとの関係を黙っていた、と…」
「申し訳ございません…!もう暫くはしがらみナシで柚葉さんの後輩でいたかったので…!」
床に突き刺さりそうなくらい頭を下げるゼットを許し、この件については一先ず終止符を打った。ようやく顔を上げた彼は先程までのやり取りが無かったのではと思うくらい開き直っており、中々良い性格をしている。
「それにしても…実力や内面、かっこよさを備えた戦士、ですか。それなら尚更ゼロ師匠が理想では?」
「はあ!?」
「ゼロは友達期間が長いからね…。今更そういう目で見るのは難しいというか…。まあ強いて言うなら、お兄ちゃん的な」
「お、お兄ちゃん…」
何故かダメージを受けて肩を落とすゼロ。そんなゼロを慰めるゼットを見ていると、正式な弟子かどうかは置いておいて、良い先輩後輩の関係だなとは思う。案外、結婚しなくても…こういう関係でも十分、幸せは掴めるのかもしれない。
「…私もゼロに弟子入りしようかな?」
「冗談じゃねえ…。これ以上厄介なのが増えて堪るか」
「えーいいじゃんゼロ師匠」
「マジでやめろ」
「もしかして、そうなると柚葉さんは妹弟子ってことになります?順番的に」
「確かに。身長も大中小で絵面の収まりが良さそう」
「おおー良いですね!川の字で寝れますよ!」
「勝手に話を進めてんじゃねえ!!お断りだ!!」
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