おちたツキ【暴太郎・ソノイ】
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初めて、人を抱いた。
知識として知っている程度だったが、それでも十分だったようで彼女は大層満足してくれている様子だ。行為を終え、風呂に入り直し、ベッドで二人横になっている。
「…ソノイさん、上手だね…」
「…知識として知っているだけです。君も、初めてであれだけ気持ち良さそうなのは珍しいのでは?」
「…まあ、ね。最初はちょっと怖かったけど…沢山慣らしてくれたし、キスしてくれたからリラックスできたよ」
にへら、と子供のように笑う。今までは愛らしいものだった笑顔が、今はとても艶やかに見えてしまう。
「ね、脳人って…どうやって繁殖するの?」
「……秘密です。知らなくても良いことはあります」
「えっ。だ、だって…もし赤ちゃん出来たら…大変だし…」
「心配せずとも、人間と同じ行為では、脳人は孕みません」
「へ〜そうなんだ…」
モゾモゾと布団を胸の上まで引っ張り、「ねえねえ」と狭いベッドの中でくっついて来た。暑いような、その体温が心地良いような。未だにじんわりと残る快感で体がぼんやりとしている。
「そう考えると、脳人って何で人間と同じ体の構造なのか分からないよね。人間を下に見てるなら、排泄とか体液とか無くしちゃえばいいのに」
「まあ、色々と事情があるのでしょう。あまり深く考えるのはやめておいた方がいい」
「うーん、わかった…」
そのまま柚葉は目を瞑ると、すぐに穏やかな寝息を立て始めた。初めての行為を終え、さぞ疲労が溜まっていたのだろう。肉体は勿論、精神も相当エネルギーを使った筈だ。
布団の中で彼女の頭を撫でた後、自分も目を瞑って眠りに落ちた。汗の滲んだシーツは、明日洗濯することにしよう。
*
体を重ねたからといって非日常的な、特別な朝になる訳ではない。月は沈み、陽は昇る。小鳥の囀りが聴こえ、カーテンの隙間から差し込む朝陽が柚葉を照らしていた。
「…暑い…」
「そろそろ起きませんか?」
「ええ~…」
「シーツを洗濯したいので」
「…わかった……」
彼女が起きてからすぐにシーツを剥がし、洗濯物と共に洗濯機へ突っ込む。
「朝ご飯どうする?ご飯あるけど、お味噌汁作ってないよ。インスタントでいい?」
「ええ、それで構いません」
「因みに私は面倒なのでシリアルにします」
「シリアル……?」
「コーンフレークと牛乳混ぜるやつ」
そんなものが朝食になるのだろうかと思っていると、何とも形容しがたい食事を彼女は自分の前に置いた。白米と味噌汁を口に運びながら彼女を観察していると、スプーンでコーンフレークを掬い、牛乳を絡めて食している。
「……何?」
「いえ…あまり馴染みが無い食べ物なので」
「あ~…確かに食べなさそう…」
「…まさか、私が来る前はずっとそういう朝食を…?」
「いやいや、流石にしてないって。これはね、朝が面倒臭い時のご褒美だから」
一口食べる?と提案されたが、断っておいた。食事はシンプルな方がいい。
「昔はいかにも日本の朝食って感じのものが多かったんだけど、その反動なのか大人になったらこういうのに結構ハマっちゃったんだよね」
「…基本的にはきちんとした食事をとってくださいね」
「…は~い…」
「何なら明日からは私がずっと朝食を用意しますが…」
「いやいや、そこは今まで通り交代制でいこ。私達対等なんだから」
私が気になるだけなのだが、と思ったが彼女はシリアルとやらを堪能しているようなのでそれ以上は言わなかった。まあ、たまに食べる程度ならいいだろう。
「今日屋台は?」
「休みです」
「じゃあのんびりしない?まだ疲れてるでしょ?」
「脳人は疲労の回復も人間より早いので…」
「ええ…。私も脳人なんだけどな…」
「じゃあ、君に合わせて今日はお互いゆっくりしましょう」
知識として知っている程度だったが、それでも十分だったようで彼女は大層満足してくれている様子だ。行為を終え、風呂に入り直し、ベッドで二人横になっている。
「…ソノイさん、上手だね…」
「…知識として知っているだけです。君も、初めてであれだけ気持ち良さそうなのは珍しいのでは?」
「…まあ、ね。最初はちょっと怖かったけど…沢山慣らしてくれたし、キスしてくれたからリラックスできたよ」
にへら、と子供のように笑う。今までは愛らしいものだった笑顔が、今はとても艶やかに見えてしまう。
「ね、脳人って…どうやって繁殖するの?」
「……秘密です。知らなくても良いことはあります」
「えっ。だ、だって…もし赤ちゃん出来たら…大変だし…」
「心配せずとも、人間と同じ行為では、脳人は孕みません」
「へ〜そうなんだ…」
モゾモゾと布団を胸の上まで引っ張り、「ねえねえ」と狭いベッドの中でくっついて来た。暑いような、その体温が心地良いような。未だにじんわりと残る快感で体がぼんやりとしている。
「そう考えると、脳人って何で人間と同じ体の構造なのか分からないよね。人間を下に見てるなら、排泄とか体液とか無くしちゃえばいいのに」
「まあ、色々と事情があるのでしょう。あまり深く考えるのはやめておいた方がいい」
「うーん、わかった…」
そのまま柚葉は目を瞑ると、すぐに穏やかな寝息を立て始めた。初めての行為を終え、さぞ疲労が溜まっていたのだろう。肉体は勿論、精神も相当エネルギーを使った筈だ。
布団の中で彼女の頭を撫でた後、自分も目を瞑って眠りに落ちた。汗の滲んだシーツは、明日洗濯することにしよう。
*
体を重ねたからといって非日常的な、特別な朝になる訳ではない。月は沈み、陽は昇る。小鳥の囀りが聴こえ、カーテンの隙間から差し込む朝陽が柚葉を照らしていた。
「…暑い…」
「そろそろ起きませんか?」
「ええ~…」
「シーツを洗濯したいので」
「…わかった……」
彼女が起きてからすぐにシーツを剥がし、洗濯物と共に洗濯機へ突っ込む。
「朝ご飯どうする?ご飯あるけど、お味噌汁作ってないよ。インスタントでいい?」
「ええ、それで構いません」
「因みに私は面倒なのでシリアルにします」
「シリアル……?」
「コーンフレークと牛乳混ぜるやつ」
そんなものが朝食になるのだろうかと思っていると、何とも形容しがたい食事を彼女は自分の前に置いた。白米と味噌汁を口に運びながら彼女を観察していると、スプーンでコーンフレークを掬い、牛乳を絡めて食している。
「……何?」
「いえ…あまり馴染みが無い食べ物なので」
「あ~…確かに食べなさそう…」
「…まさか、私が来る前はずっとそういう朝食を…?」
「いやいや、流石にしてないって。これはね、朝が面倒臭い時のご褒美だから」
一口食べる?と提案されたが、断っておいた。食事はシンプルな方がいい。
「昔はいかにも日本の朝食って感じのものが多かったんだけど、その反動なのか大人になったらこういうのに結構ハマっちゃったんだよね」
「…基本的にはきちんとした食事をとってくださいね」
「…は~い…」
「何なら明日からは私がずっと朝食を用意しますが…」
「いやいや、そこは今まで通り交代制でいこ。私達対等なんだから」
私が気になるだけなのだが、と思ったが彼女はシリアルとやらを堪能しているようなのでそれ以上は言わなかった。まあ、たまに食べる程度ならいいだろう。
「今日屋台は?」
「休みです」
「じゃあのんびりしない?まだ疲れてるでしょ?」
「脳人は疲労の回復も人間より早いので…」
「ええ…。私も脳人なんだけどな…」
「じゃあ、君に合わせて今日はお互いゆっくりしましょう」