おちたツキ【暴太郎・ソノイ】
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「ええっ!?ドンブラザーズをクビになった…!?」
ソノイさんが、まるでリストラを言い渡されたサラリーマンのような顔で報告してきた。いや、多分彼の性格的に解雇通達の報告を引き延ばしていたとは思えないが。
「ええ、その…桃谷ジロウと、方向性が合わず…」
「そ、そっか…」
「だが、先代から継いでいる屋台を本格的に継ぐことになった。収入については何も問題ありません」
「屋台…あ、おでんか。じゃあ…まあ、一応就職ってことなのかな…?」
「…すまない」
「えっ、何で謝るの」
「いや…君にも迷惑をかけてしまって…」
迷惑。ソノイさんがドンブラザーズを離れることが、私にとって迷惑?よくわからない。私にとっては、ソノイさんが一緒にいてくれるだけで嬉しいのに。
「迷惑…?何が…?」
「…喫茶どんぶらに行き辛くなるのではないかと思い…」
「…た、確かに…。でも、最近みんなと予定合わないんだよね。みんな順風満帆って感じで…タロウ君がいた時のドンブラザーズとは大違いだよ。私は…昔の方が好きだったな」
「……それには、私も同意だ。勿論、桃井タロウがいなくとも長く我々はやっていけると思っていたが……少し雲行きが怪しくなってきた。まるで、嵐の前の静けさのようだ」
「嵐の前…」
それは、一体どんな嵐なのだろうか。言葉通り受け取るのなら、間違いなく悪い意味だ。みんなの人生が順風満帆に進んでいるのは良いことである筈なのに、生活に反して心はひどく貧しくなっているような気がする。まるで、タロウ君という存在がいなくなって、みんなを律する役目がいなくなったような。
「……私は、どんな嵐が来ようともソノイさんと一緒なら幸せだよ」
「………私は、君といることが幸せな筈なのに…まだ心のどこかで、桃井タロウを求めている」
「…ごめん、それは私も同じ。タロウ君って、ドンブラザーズに必要不可欠だったんだなって痛感してる」
「…タロウがもう一度、記憶を取り戻せばいいのだが」
「そうだね。そうすれば、タロウ君は必ずドンモモタロウとして戻って来るだろうし」
役目を終えた彼に休みが必要なことは、私達もよく理解している。しかしそれ以上にタロウ君の存在は眩く、強烈なものだった。
「…いけませんね。執着という欲望は…底知れない」
「昔のソノイさんの面影出てるよ。元に戻れ~」
えいえいと首元の羽をわしゃわしゃ触ると、くすぐったかったのかすぐに憂いを帯びた表情が明るくなった。うん、どんな表情をしていても好きだし綺麗だけど、こういう穏やかな表情が一番好きだなあ。
「ふふ、元に戻ったね」
「…す、」
「”すまない”も”すみません”もナシ!」
「…ありがとうございます」
「うん、この件は一旦これで終わり」
欲望の根源は執着だ。でも、全部が駄目とか悪いという訳じゃない。欲望だって、立派な生きる力の源になるのだから。
「本格的に屋台を継ぐ、かぁ…。何だか、ソノイさんのファン増えそうで怖いな」
「…君がそれを言うのか」
「え?」
「数多の人間達を惹きつけてきただろう」
「く、黒歴史…やめて…。今はソノイさん一筋だから…」
「別に、悪い過去ではないのでは?君は人間を平等に好いていただけだ。博愛は罪ではない」
「……うう~…。博愛と不誠実は違うっていうか…現代社会では成り立たないっていうか…」
「?」
「…男女の友情は、”基本的には”成立し辛いってこと」
ドンブラザーズの中で犬塚さんとソノニさん以外に惚れた腫れたは無いが、それは男性陣みんながはるかちゃんのことを年下としてちゃんと扱っているからだ。各々きちんとした相手がいることも大きいが。
ドンブラザーズの男性陣は変人奇人ばかりだが、恋愛という分野において見た場合社会的には誠実な方に入るのである。彼らの方が珍しいくらいだ。…だからヒーローになれたのかもしれない。
ソノイさんが、まるでリストラを言い渡されたサラリーマンのような顔で報告してきた。いや、多分彼の性格的に解雇通達の報告を引き延ばしていたとは思えないが。
「ええ、その…桃谷ジロウと、方向性が合わず…」
「そ、そっか…」
「だが、先代から継いでいる屋台を本格的に継ぐことになった。収入については何も問題ありません」
「屋台…あ、おでんか。じゃあ…まあ、一応就職ってことなのかな…?」
「…すまない」
「えっ、何で謝るの」
「いや…君にも迷惑をかけてしまって…」
迷惑。ソノイさんがドンブラザーズを離れることが、私にとって迷惑?よくわからない。私にとっては、ソノイさんが一緒にいてくれるだけで嬉しいのに。
「迷惑…?何が…?」
「…喫茶どんぶらに行き辛くなるのではないかと思い…」
「…た、確かに…。でも、最近みんなと予定合わないんだよね。みんな順風満帆って感じで…タロウ君がいた時のドンブラザーズとは大違いだよ。私は…昔の方が好きだったな」
「……それには、私も同意だ。勿論、桃井タロウがいなくとも長く我々はやっていけると思っていたが……少し雲行きが怪しくなってきた。まるで、嵐の前の静けさのようだ」
「嵐の前…」
それは、一体どんな嵐なのだろうか。言葉通り受け取るのなら、間違いなく悪い意味だ。みんなの人生が順風満帆に進んでいるのは良いことである筈なのに、生活に反して心はひどく貧しくなっているような気がする。まるで、タロウ君という存在がいなくなって、みんなを律する役目がいなくなったような。
「……私は、どんな嵐が来ようともソノイさんと一緒なら幸せだよ」
「………私は、君といることが幸せな筈なのに…まだ心のどこかで、桃井タロウを求めている」
「…ごめん、それは私も同じ。タロウ君って、ドンブラザーズに必要不可欠だったんだなって痛感してる」
「…タロウがもう一度、記憶を取り戻せばいいのだが」
「そうだね。そうすれば、タロウ君は必ずドンモモタロウとして戻って来るだろうし」
役目を終えた彼に休みが必要なことは、私達もよく理解している。しかしそれ以上にタロウ君の存在は眩く、強烈なものだった。
「…いけませんね。執着という欲望は…底知れない」
「昔のソノイさんの面影出てるよ。元に戻れ~」
えいえいと首元の羽をわしゃわしゃ触ると、くすぐったかったのかすぐに憂いを帯びた表情が明るくなった。うん、どんな表情をしていても好きだし綺麗だけど、こういう穏やかな表情が一番好きだなあ。
「ふふ、元に戻ったね」
「…す、」
「”すまない”も”すみません”もナシ!」
「…ありがとうございます」
「うん、この件は一旦これで終わり」
欲望の根源は執着だ。でも、全部が駄目とか悪いという訳じゃない。欲望だって、立派な生きる力の源になるのだから。
「本格的に屋台を継ぐ、かぁ…。何だか、ソノイさんのファン増えそうで怖いな」
「…君がそれを言うのか」
「え?」
「数多の人間達を惹きつけてきただろう」
「く、黒歴史…やめて…。今はソノイさん一筋だから…」
「別に、悪い過去ではないのでは?君は人間を平等に好いていただけだ。博愛は罪ではない」
「……うう~…。博愛と不誠実は違うっていうか…現代社会では成り立たないっていうか…」
「?」
「…男女の友情は、”基本的には”成立し辛いってこと」
ドンブラザーズの中で犬塚さんとソノニさん以外に惚れた腫れたは無いが、それは男性陣みんながはるかちゃんのことを年下としてちゃんと扱っているからだ。各々きちんとした相手がいることも大きいが。
ドンブラザーズの男性陣は変人奇人ばかりだが、恋愛という分野において見た場合社会的には誠実な方に入るのである。彼らの方が珍しいくらいだ。…だからヒーローになれたのかもしれない。