おちたツキ【暴太郎・ソノイ】
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気が付くと。私は何故か喫茶どんぶらから自宅まで帰って来て、きちんとお風呂にまで入っていた。しかも日付が変わっているし、財布からお札が消えている。丸々使うことなんてあるかなあと不思議に思っていると、はるかちゃんからメッセージが飛んでくる。喫茶どんぶらに来てほしい、とのことだった。
最近はおでんの屋台よりもどんぶらに行く方が多くなったなあ。でも、どんぶらでソノイさんと会えるようになったのなら屋台よりも喫茶店の方が会いやすいか。
いつも通りの準備をして喫茶どんぶらに向かい、暖簾をくぐる。丁度みんな集まっていた。
「ねえ、この前は結局あの後どうなったの?」
「あー…色々あって、新生ドンブラザーズの絆は深まったっていうか…」
「それなら良かった。戦う仲間なら、わだかまりは無い方が良いもんね」
長机の方に腰掛けると、入口の方でタロウ君の隣に立っていたソノイさんが私のところまでやって来る。身長が非常に高い為見下ろす形になっているが、威圧感は特に感じられない。上から見られるのも良いな…と、謎の扉が開きかけて閉じた。
「……柚葉。君のことに関して、話したいことがある」
「?はい」
「出来れば、みんなも聴いてほしい。これは…彼女の今後を左右する話になる」
随分と壮大な話になりそうだ。アイスティーを注文するとみんなもそれぞれ席に着き、以前行った会議のような形になった。
「ドン家と同じく、人間との共存を唱えた上流貴族の娘がいた。その者は罪人であるからとして記憶を消され、肉体も赤子に変えられ、人間の世界へと流刑になった」
「それって、タロウと同じじゃん…」
さらっとはるかちゃんが言って行ったが、タロウ君ってそんな出自だったのか。驚いてタロウ君の方を向いたが、本人は特に気にしていない様子だ。それに、みんなも驚いていない。つまり周知の事実だったらしい。
「名をユズハ。竹の形をしたカプセルに入れられてこの世界に流れ着き、老夫婦に人間として育てられることとなる」
「え?それって…」
「…そう。君だ、巴柚葉。君の肉体は脳人と同じ…つまり、人間ではないということとなる」
私が、人間じゃない…。
確かに、実の親は知らない。おじいちゃんとおばあちゃんとも、血は繋がっていない。でもそれは、私が孤児だから…。
「あ……竹に入ってたって、まさか…嘘じゃなくて…」
「真実だ。君は老夫婦が自分の為に吐いてくれた嘘だと言っていたが…これは本当の話で、おとぎ話ではない」
呆然としてソノイさんの顔を見つめていると、アイスティーが運ばれて来た。だが手を付ける余裕もなく、私は言葉を失ってしまう。
「桃から生まれたタロウはドンモモタロウで…多分、桃太郎がモチーフ。じゃあ竹の中にいた柚葉さんは…」
「浪漫的な話をすれば、かぐや姫だな」
「イデオンの上流貴族の娘であれば、姫という解釈もあながち間違いではない」
教授とソノニさんが補完してくれたが、私にはそんなこと…どっちだって良かった。自分の手のひらを見る。血管が透けている。脈を測る。心臓はドクドクと動いている。それなのに…私は、脳人。
「で、でも私…人間的な感覚はありますよ…?」
「それは君が人間として育てられたからだ。私達がこの世界で暮らしていくうちに感情を覚えたのであれば、脳人だから感情が欠落しているということではない」
「というか、タロウもジロウも変なところはあるし…」
「…まあ、私からすれば…君には誠実さへの理解というものが常人よりも無かったように見えるが」
「こら教授!余計なこと言わない!」
教授の肩をはるかちゃんが思い切り叩き、バン!という音が響いた。痛がって唸る教授の声が遠く聞こえる。
誠実さへの理解は…確かに、普通の人と違っていた。自分でもその自覚はある。今はもう理解していて、だからこそタロウ君の彼女役をするのは演技だとしても気が引けた訳で。
「そして、君の中には脳人としての人格であるユズハが眠っていた。彼女はソノシと接触したことで起こされた。それがこの間の彼女だ。あれはユズハが肉体を乗っ取って喋っていた」
「ああ、だからあんな尊大な喋り方をしていたのか…」
「わ、私…そんなことしてたんですか…?」
「…ソノシと初めて会った時の記憶は、あるか?」
「えっと…話しかけられて…欲望を解放するとか言われて…それで………あれ?」
記憶が、無い。ソノシさんと会話をして、ヒトツ鬼にでもなる覚悟をしたのに。そこから先の記憶がない。
「気が付いたら…必死に逃げていて…ソノイさんに会って……」
「ユズハが肉体を使い、ソノイを退けた。だから君の記憶が抜け落ちている」
「……私、本当に脳人なんですか…?」
最近はおでんの屋台よりもどんぶらに行く方が多くなったなあ。でも、どんぶらでソノイさんと会えるようになったのなら屋台よりも喫茶店の方が会いやすいか。
いつも通りの準備をして喫茶どんぶらに向かい、暖簾をくぐる。丁度みんな集まっていた。
「ねえ、この前は結局あの後どうなったの?」
「あー…色々あって、新生ドンブラザーズの絆は深まったっていうか…」
「それなら良かった。戦う仲間なら、わだかまりは無い方が良いもんね」
長机の方に腰掛けると、入口の方でタロウ君の隣に立っていたソノイさんが私のところまでやって来る。身長が非常に高い為見下ろす形になっているが、威圧感は特に感じられない。上から見られるのも良いな…と、謎の扉が開きかけて閉じた。
「……柚葉。君のことに関して、話したいことがある」
「?はい」
「出来れば、みんなも聴いてほしい。これは…彼女の今後を左右する話になる」
随分と壮大な話になりそうだ。アイスティーを注文するとみんなもそれぞれ席に着き、以前行った会議のような形になった。
「ドン家と同じく、人間との共存を唱えた上流貴族の娘がいた。その者は罪人であるからとして記憶を消され、肉体も赤子に変えられ、人間の世界へと流刑になった」
「それって、タロウと同じじゃん…」
さらっとはるかちゃんが言って行ったが、タロウ君ってそんな出自だったのか。驚いてタロウ君の方を向いたが、本人は特に気にしていない様子だ。それに、みんなも驚いていない。つまり周知の事実だったらしい。
「名をユズハ。竹の形をしたカプセルに入れられてこの世界に流れ着き、老夫婦に人間として育てられることとなる」
「え?それって…」
「…そう。君だ、巴柚葉。君の肉体は脳人と同じ…つまり、人間ではないということとなる」
私が、人間じゃない…。
確かに、実の親は知らない。おじいちゃんとおばあちゃんとも、血は繋がっていない。でもそれは、私が孤児だから…。
「あ……竹に入ってたって、まさか…嘘じゃなくて…」
「真実だ。君は老夫婦が自分の為に吐いてくれた嘘だと言っていたが…これは本当の話で、おとぎ話ではない」
呆然としてソノイさんの顔を見つめていると、アイスティーが運ばれて来た。だが手を付ける余裕もなく、私は言葉を失ってしまう。
「桃から生まれたタロウはドンモモタロウで…多分、桃太郎がモチーフ。じゃあ竹の中にいた柚葉さんは…」
「浪漫的な話をすれば、かぐや姫だな」
「イデオンの上流貴族の娘であれば、姫という解釈もあながち間違いではない」
教授とソノニさんが補完してくれたが、私にはそんなこと…どっちだって良かった。自分の手のひらを見る。血管が透けている。脈を測る。心臓はドクドクと動いている。それなのに…私は、脳人。
「で、でも私…人間的な感覚はありますよ…?」
「それは君が人間として育てられたからだ。私達がこの世界で暮らしていくうちに感情を覚えたのであれば、脳人だから感情が欠落しているということではない」
「というか、タロウもジロウも変なところはあるし…」
「…まあ、私からすれば…君には誠実さへの理解というものが常人よりも無かったように見えるが」
「こら教授!余計なこと言わない!」
教授の肩をはるかちゃんが思い切り叩き、バン!という音が響いた。痛がって唸る教授の声が遠く聞こえる。
誠実さへの理解は…確かに、普通の人と違っていた。自分でもその自覚はある。今はもう理解していて、だからこそタロウ君の彼女役をするのは演技だとしても気が引けた訳で。
「そして、君の中には脳人としての人格であるユズハが眠っていた。彼女はソノシと接触したことで起こされた。それがこの間の彼女だ。あれはユズハが肉体を乗っ取って喋っていた」
「ああ、だからあんな尊大な喋り方をしていたのか…」
「わ、私…そんなことしてたんですか…?」
「…ソノシと初めて会った時の記憶は、あるか?」
「えっと…話しかけられて…欲望を解放するとか言われて…それで………あれ?」
記憶が、無い。ソノシさんと会話をして、ヒトツ鬼にでもなる覚悟をしたのに。そこから先の記憶がない。
「気が付いたら…必死に逃げていて…ソノイさんに会って……」
「ユズハが肉体を使い、ソノイを退けた。だから君の記憶が抜け落ちている」
「……私、本当に脳人なんですか…?」