おちたツキ【暴太郎・ソノイ】
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ソノイは、守護人である桃井陣に接触を図っていた。ソノニとソノザがいない間に脳人レイヤーで陣に呼びかけると空間が変化し、彼の目の前に檻に入れられた陣が現れる。
「守護人よ。聞きたいことがある。巴柚葉という女を、知っているか?」
「…どこでその名を知った?」
「まずはこちらの質問に答えてほしい」
陣は黙ってソノイの様子を窺っていたが、ソノイが無言でタッパーに入った屋台のおでんを差し出した。それを受け取り、「むかしむかし」と語り始める。
「ドン王家と同じく、人間との共存を掲げた貴族層の女がいた。その者は記憶を消され、体も赤子同様にされてしまい…人間の世界へ流刑となった」
「流刑?」
「ああ。風の噂で聞いたところによると、その者は竹の形をしたカプセルに入れられていたらしい」
「!」
以前屋台で聞かせてもらった柚葉の出自が脳裏を過った。彼女は自身について「竹の中にいた」と語ったのだ。
「そしてとある老夫婦に拾われ、育つことになる」
「…その者の、名前は?」
「ユズハ。ドン王家と同じ罪を犯した、罪人 だ。罪人を出したという罪で、彼女の一族も既に滅んでいる。彼女は人間界でもう一度育ち…巴柚葉と名乗るようになった」
確定だった。巴柚葉は、ユズハ。脳人であり、人間ではない。
実を言うと、ソノイは薄々感じていた。だから確信を得る為に、陣に接触を図ったのである。
「…しかし、何故ここに辿り着いた?」
「……彼女は以前ソノシに出会い、逃げてきたらしい。持っていた鍋の中にあるおでんは潰されていた。つまり遠目で見たのではなく、接触した可能性が高いだろう。だが、あのソノシが人間を見過ごせる訳がない」
「…何が言いたい?」
「彼女は…何らかの方法でソノシを撃退したのではないかという結論に辿り着いた。そして、彼女に獣人の兆候はない。ならば…何かしら脳人に関わっているのではないか、と」
「ほう。大したものだな」
陣はたまごを食べた後、「面会はここまでだ」と告げた。ソノイは無言でそれを受け入れ、やがて空間も脳人レイヤーに戻る。俯いたまま、彼は考え込んでいた。
*
詐欺師、亀田勉を罠に嵌める為偽装家族を演じる猿原、はるか、雉野。そこに翼とジロウが加わり、更には何も知らない&嘘が吐けないタロウまでもが合流してしまった。
亀田と共にドンブラザーズが鍋を囲んでいる中、猿原家の縁側に何故か柚葉がやって来た。彼女は躊躇うことなく掃き出し窓を開け、「こんにちは~」とタロウの後ろで呑気に挨拶をする。
「柚葉さん!?な、何で…!?」
「え?おでん作り過ぎたから持って来たの。教授、味見くらいならいつでもするって言ってたし。それより何でみんな…」
「ああああっ!柚葉さん、久しぶりっ!元気でした!?」
大きな声で誤魔化すはるかに違和感を抱いた亀田が、「こちらの方は?」と柚葉を手で示した。
「あっ、ええっと!タロウお兄ちゅわんの彼女です!」
「は!?」
「は?」
いきなりの展開に驚く柚葉と、本当にその設定でいいのかと言わんばかりのタロウ。柚葉が余計なことを言う前にはるかが「渡したいものあったからこっち来て!」と彼女を奥に引きずり込んだ。
死角から亀田を見、はるかは「うんぬんかんぬんで」と事情を話す。大体わかった彼女に、はるかは「お願いです!協力してください!」と頭を下げた。
「嘘が吐けないタロウのフォロー役が必要なんです!」
「でも私ソノイさん一筋だし…」
「い、以前おでん作るの協力しましたよね!?」
「うっ」
「あの時の借りを返すってことで…」
「そう言われると強く出れない…」
柚葉、タロウの彼女役で参加が決定。
彼女がタロウの隣に座ると、亀田がタロウと柚葉を見比べた。
「しかしお兄さんと彼女さんにも、よく見ると色々なものが憑いてますな」
「え?憑いている…ですか?何が…?」
「彼女さんには……何やら、おでんの悪霊が視えます。以前、おでんに何かしましたか?」
「ハッ…そ、そういえば…この前、作ったおでんがぐちゃぐちゃにされました…!」
「おでんが怒っていますね。食べ物は粗末にしてはいけませんよ」
「は、はいぃ……ごめんなさい、おでん…」
柚葉がおでんへ謝罪している間に、亀田はタロウに近付いた。手をかざし、さも何かを視ているかのような振る舞いをする。
「お兄さんには…怪物のような…妖怪のような…」
「それでいい。それが俺というものなのだろう」
全く動じないタロウに戦く亀田。そんなタロウの皿に「お肉できたよ~タロウ君」と肉を放り込む柚葉。今更ではあるが、混沌としていた。
亀田は元の場所に戻ると、いよいよ猿原一家の恐ろしさを感じたのかお暇することを告げ、猿原家を出て行った。
「守護人よ。聞きたいことがある。巴柚葉という女を、知っているか?」
「…どこでその名を知った?」
「まずはこちらの質問に答えてほしい」
陣は黙ってソノイの様子を窺っていたが、ソノイが無言でタッパーに入った屋台のおでんを差し出した。それを受け取り、「むかしむかし」と語り始める。
「ドン王家と同じく、人間との共存を掲げた貴族層の女がいた。その者は記憶を消され、体も赤子同様にされてしまい…人間の世界へ流刑となった」
「流刑?」
「ああ。風の噂で聞いたところによると、その者は竹の形をしたカプセルに入れられていたらしい」
「!」
以前屋台で聞かせてもらった柚葉の出自が脳裏を過った。彼女は自身について「竹の中にいた」と語ったのだ。
「そしてとある老夫婦に拾われ、育つことになる」
「…その者の、名前は?」
「ユズハ。ドン王家と同じ罪を犯した、
確定だった。巴柚葉は、ユズハ。脳人であり、人間ではない。
実を言うと、ソノイは薄々感じていた。だから確信を得る為に、陣に接触を図ったのである。
「…しかし、何故ここに辿り着いた?」
「……彼女は以前ソノシに出会い、逃げてきたらしい。持っていた鍋の中にあるおでんは潰されていた。つまり遠目で見たのではなく、接触した可能性が高いだろう。だが、あのソノシが人間を見過ごせる訳がない」
「…何が言いたい?」
「彼女は…何らかの方法でソノシを撃退したのではないかという結論に辿り着いた。そして、彼女に獣人の兆候はない。ならば…何かしら脳人に関わっているのではないか、と」
「ほう。大したものだな」
陣はたまごを食べた後、「面会はここまでだ」と告げた。ソノイは無言でそれを受け入れ、やがて空間も脳人レイヤーに戻る。俯いたまま、彼は考え込んでいた。
*
詐欺師、亀田勉を罠に嵌める為偽装家族を演じる猿原、はるか、雉野。そこに翼とジロウが加わり、更には何も知らない&嘘が吐けないタロウまでもが合流してしまった。
亀田と共にドンブラザーズが鍋を囲んでいる中、猿原家の縁側に何故か柚葉がやって来た。彼女は躊躇うことなく掃き出し窓を開け、「こんにちは~」とタロウの後ろで呑気に挨拶をする。
「柚葉さん!?な、何で…!?」
「え?おでん作り過ぎたから持って来たの。教授、味見くらいならいつでもするって言ってたし。それより何でみんな…」
「ああああっ!柚葉さん、久しぶりっ!元気でした!?」
大きな声で誤魔化すはるかに違和感を抱いた亀田が、「こちらの方は?」と柚葉を手で示した。
「あっ、ええっと!タロウお兄ちゅわんの彼女です!」
「は!?」
「は?」
いきなりの展開に驚く柚葉と、本当にその設定でいいのかと言わんばかりのタロウ。柚葉が余計なことを言う前にはるかが「渡したいものあったからこっち来て!」と彼女を奥に引きずり込んだ。
死角から亀田を見、はるかは「うんぬんかんぬんで」と事情を話す。大体わかった彼女に、はるかは「お願いです!協力してください!」と頭を下げた。
「嘘が吐けないタロウのフォロー役が必要なんです!」
「でも私ソノイさん一筋だし…」
「い、以前おでん作るの協力しましたよね!?」
「うっ」
「あの時の借りを返すってことで…」
「そう言われると強く出れない…」
柚葉、タロウの彼女役で参加が決定。
彼女がタロウの隣に座ると、亀田がタロウと柚葉を見比べた。
「しかしお兄さんと彼女さんにも、よく見ると色々なものが憑いてますな」
「え?憑いている…ですか?何が…?」
「彼女さんには……何やら、おでんの悪霊が視えます。以前、おでんに何かしましたか?」
「ハッ…そ、そういえば…この前、作ったおでんがぐちゃぐちゃにされました…!」
「おでんが怒っていますね。食べ物は粗末にしてはいけませんよ」
「は、はいぃ……ごめんなさい、おでん…」
柚葉がおでんへ謝罪している間に、亀田はタロウに近付いた。手をかざし、さも何かを視ているかのような振る舞いをする。
「お兄さんには…怪物のような…妖怪のような…」
「それでいい。それが俺というものなのだろう」
全く動じないタロウに戦く亀田。そんなタロウの皿に「お肉できたよ~タロウ君」と肉を放り込む柚葉。今更ではあるが、混沌としていた。
亀田は元の場所に戻ると、いよいよ猿原一家の恐ろしさを感じたのかお暇することを告げ、猿原家を出て行った。