おちたツキ【暴太郎・ソノイ】
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タロウ君と一緒におでんを食べた数日後。タロウ君が行方不明になった。まあ、彼のことだから何かしら事情があるのだろう。特に気にも留めず喫茶どんぶらにやって来ると、店内にはマスターはおろか誰もいなかった。
「あれ?」
「あ、柚葉さん」
「え、はるかちゃん達…?」
私の後にはるかちゃんと雉野さん、教授がやって来た。マスター、マスターとはるかちゃんが店内を捜索すると、何故か店の奥から手術着を着たマスターが出てきた。
「これから緊急手術でね」
「何?シュールなギャグ?」
「今日は臨時休業にしようと思っているんだが」
「あっ…そ、それがあの…これから脳人の皆さんとここで会うことに…。どうも、大事な話があるようで…」
脳人の皆さんって何?脳人ってソノイさん以外にもいるの?という疑問を思い浮かべていると、足音と共に誰かが喫茶どんぶらの暖簾を捲った。──ソノイさん、だ。
「そっ…!ソノイさん!?」
「あっそっか…柚葉さん、あの時いなかったもんね…」
「な、何でソノイさんが!?生きてたの!?」
「うっ!ゆ、揺らさないで…!!」
ぐらぐらとはるかちゃんの肩を掴んで揺らすと、彼女は事の顛末を話してくれた。何故だかよく分からないがソノイさんが生き返った、と。そして、そこには恐らくタロウ君の行方が関わっている…とまで。
所謂お誕生日席に、ソノイさんと教授が座った。残りの四人もそれぞれ席に座り、部外者である私は四人席の方に腰掛けて様子を窺う。
「コーヒー」
「チョコレートパフェ」
「ところてん」
「ほうじ茶」
「アイスティー」
「きびだんご!」
えっ…ソノイさんって、きびだんご好きなの?でも、何だか私の知っているソノイさんじゃない気がする。前は青一色だったのに、今は赤色が混じっている。大きな声で話す人でもなかったし…。
マスターが全員の注文したものを並べると、穏やかに、それでいてひりついた空気の中で会議が始まった。
「それで…何かな?大事な話というのは」
「結論から言おう。タロウは俺が倒した。お前達ドンブラザーズは、俺のお供になれ!」
「も…桃井さんが!?」
「まさか…」
「そんなの有り得ないから。タロウは不死身だもん!」
「いや、間違いな……うっ!」
ソノイさんがきびだんごを口に運ぶと、喉に詰まりかけたのか苦しみ始めた。脳人の二人が慌てて背中をさすろうとするが、ソノイさんは喉に手を当てて悶える。
「そ、ソノイさん!大丈夫ですか!?」
「マスター!マスター!」
「ソノイ様!ソノイ様!」
また店の奥からマスターが出てきて、水を持って来た。水によってきびだんごを流し込み、せき込みながらもソノイさんは呼吸を取り戻す。…脳人って、だんごを喉に詰まらせたら死にかけるんだ…。
「もう大丈夫。きびだんごが喉につかえたようだ」
「ねえマスター!信じられないよね?タロウが死んだなんて…」
「…ああ。生きてるよ、今のところ」
マスターがそう言って奥に戻って行くと、「ほ~ら」とはるかちゃんが胸を張った。
「何故あの男の言葉を信じる?何者だ?あの男は」
「謎の男…。信用できる、謎の男」
彼女がドヤ顔でそう言うと、脳人で茶色の服を着ていた人が漫画の進捗について彼女に窺った。スランプだと言うはるかちゃんを励ますと、彼女は脳人である男の人を「編集長」と呼んだ。どうやら、ここはここで謎の関係が生まれているらしい。
「ところで、仮にタロウが死んだとして…何で私達が脳人の仲間にならねばならないのかな?」
「お前達には力がある。俺が鍛えれば、いいお供になるだろう!」
「前々から気になっていたが…せっかくのことだ聞いておこう。私達の力は何なのか?」
「お前の質問に答える必要はない」
「私達も君のお供になる必要はない。話は終わりだな」
教授がそう言って話を切り上げようとすると、編集長と呼ばれていた人が机を拳で叩いた。
「戦えばいい!お前達が負ければソノイ様のお供だ!」
「いや、相手にならん。結果がわかっている勝負は退屈だ」
か、カッコいい…。何かお供とか俺とか、ソノイさんらしくない言葉を使ってるけど、そのひと昔前の俺様系みたいな態度も似合う…!私もお供になりたい…!
「じゃ、じゃあゲームで勝負したらどうですか?トランプとか…」
「面倒だ」
「ならこのピーナッツを使って何か…」
「くだらん」
「面白い!」
女の子は雉野さんの提案を切り捨てたが、ソノイさんは同意して席を立った。そしてピーナッツを親指で弾くと、見事に編集長の口元に収まる。
「なるほど。君が投げたピーナッツを口で受けとめたらいいんだな。私がやろう」
「お前が勝てば何でも質問に答えよう。負ければお供だ!」
正直教授であろうとも負けてほしくない。というか、教授だからこそ負けてほしくない。教授がソノイさんのお供になるなんて、羨まし過ぎて失神してしまいそうだ。
「あれ?」
「あ、柚葉さん」
「え、はるかちゃん達…?」
私の後にはるかちゃんと雉野さん、教授がやって来た。マスター、マスターとはるかちゃんが店内を捜索すると、何故か店の奥から手術着を着たマスターが出てきた。
「これから緊急手術でね」
「何?シュールなギャグ?」
「今日は臨時休業にしようと思っているんだが」
「あっ…そ、それがあの…これから脳人の皆さんとここで会うことに…。どうも、大事な話があるようで…」
脳人の皆さんって何?脳人ってソノイさん以外にもいるの?という疑問を思い浮かべていると、足音と共に誰かが喫茶どんぶらの暖簾を捲った。──ソノイさん、だ。
「そっ…!ソノイさん!?」
「あっそっか…柚葉さん、あの時いなかったもんね…」
「な、何でソノイさんが!?生きてたの!?」
「うっ!ゆ、揺らさないで…!!」
ぐらぐらとはるかちゃんの肩を掴んで揺らすと、彼女は事の顛末を話してくれた。何故だかよく分からないがソノイさんが生き返った、と。そして、そこには恐らくタロウ君の行方が関わっている…とまで。
所謂お誕生日席に、ソノイさんと教授が座った。残りの四人もそれぞれ席に座り、部外者である私は四人席の方に腰掛けて様子を窺う。
「コーヒー」
「チョコレートパフェ」
「ところてん」
「ほうじ茶」
「アイスティー」
「きびだんご!」
えっ…ソノイさんって、きびだんご好きなの?でも、何だか私の知っているソノイさんじゃない気がする。前は青一色だったのに、今は赤色が混じっている。大きな声で話す人でもなかったし…。
マスターが全員の注文したものを並べると、穏やかに、それでいてひりついた空気の中で会議が始まった。
「それで…何かな?大事な話というのは」
「結論から言おう。タロウは俺が倒した。お前達ドンブラザーズは、俺のお供になれ!」
「も…桃井さんが!?」
「まさか…」
「そんなの有り得ないから。タロウは不死身だもん!」
「いや、間違いな……うっ!」
ソノイさんがきびだんごを口に運ぶと、喉に詰まりかけたのか苦しみ始めた。脳人の二人が慌てて背中をさすろうとするが、ソノイさんは喉に手を当てて悶える。
「そ、ソノイさん!大丈夫ですか!?」
「マスター!マスター!」
「ソノイ様!ソノイ様!」
また店の奥からマスターが出てきて、水を持って来た。水によってきびだんごを流し込み、せき込みながらもソノイさんは呼吸を取り戻す。…脳人って、だんごを喉に詰まらせたら死にかけるんだ…。
「もう大丈夫。きびだんごが喉につかえたようだ」
「ねえマスター!信じられないよね?タロウが死んだなんて…」
「…ああ。生きてるよ、今のところ」
マスターがそう言って奥に戻って行くと、「ほ~ら」とはるかちゃんが胸を張った。
「何故あの男の言葉を信じる?何者だ?あの男は」
「謎の男…。信用できる、謎の男」
彼女がドヤ顔でそう言うと、脳人で茶色の服を着ていた人が漫画の進捗について彼女に窺った。スランプだと言うはるかちゃんを励ますと、彼女は脳人である男の人を「編集長」と呼んだ。どうやら、ここはここで謎の関係が生まれているらしい。
「ところで、仮にタロウが死んだとして…何で私達が脳人の仲間にならねばならないのかな?」
「お前達には力がある。俺が鍛えれば、いいお供になるだろう!」
「前々から気になっていたが…せっかくのことだ聞いておこう。私達の力は何なのか?」
「お前の質問に答える必要はない」
「私達も君のお供になる必要はない。話は終わりだな」
教授がそう言って話を切り上げようとすると、編集長と呼ばれていた人が机を拳で叩いた。
「戦えばいい!お前達が負ければソノイ様のお供だ!」
「いや、相手にならん。結果がわかっている勝負は退屈だ」
か、カッコいい…。何かお供とか俺とか、ソノイさんらしくない言葉を使ってるけど、そのひと昔前の俺様系みたいな態度も似合う…!私もお供になりたい…!
「じゃ、じゃあゲームで勝負したらどうですか?トランプとか…」
「面倒だ」
「ならこのピーナッツを使って何か…」
「くだらん」
「面白い!」
女の子は雉野さんの提案を切り捨てたが、ソノイさんは同意して席を立った。そしてピーナッツを親指で弾くと、見事に編集長の口元に収まる。
「なるほど。君が投げたピーナッツを口で受けとめたらいいんだな。私がやろう」
「お前が勝てば何でも質問に答えよう。負ければお供だ!」
正直教授であろうとも負けてほしくない。というか、教授だからこそ負けてほしくない。教授がソノイさんのお供になるなんて、羨まし過ぎて失神してしまいそうだ。