おちたツキ【暴太郎・ソノイ】
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ソノイさんソノイさんソノイさんって三回流れ星に願ったら、会えたりしないかなあ。
そんな子供じみたことを思いつつ、私はベランダから夜空を見上げた。当然、都会で星は見えない。満天の星空なんて、もう何年も見ていない。昔はおじいちゃんとおばあちゃんと一緒に月見をして、団子を食べたものだ。今思うと、あれは凄く恵まれて…幸せな時間だった。
スマホが鳴った。慌てて電話に出ると、以前仲良くしていた男の子だった。
「柚葉、今から会えない?」
「え…もう時間が遅いし…物騒だから、無理だよ」
「俺…今日、田舎のじいちゃんが…死んだんだ。明後日には田舎に戻らないといけないからさ、どうしても会いたくて…」
「でも…」
「お願い、少し会うだけでいいんだ。柚葉とは、もうこれっきりにするから…お願い!」
結局、折れてしまった。まあ、呼び出されたのも深夜営業しているカフェの為、どこかに連れ込まれたりする危険はないだろう。
何より、知り合いを喪うのは…とても、辛い。私も、おじいちゃんとおばあちゃんが亡くなったとき、とてつもない虚無感に襲われた。三日三晩何も食べられなかった程だ。そんな彼の気持ちは、痛い程わかる。
これは、誠実な行動だと思う。胸を痛めている彼に、人として寄り添ってあげたい。
呼び出されたカフェに入ると、男の子が窓際に座っていた。ジンジャーエールを頼んで席に着くと、「ありがと」と彼は微笑んだ。
「…誰かとお別れするのは、凄く辛いことだから。私と話すことで楽になるなら、何でも話して」
「…田舎のじいちゃんさ、もう何年も前に死んでるんだ」
「…え?」
私が顔を上げると、彼は頭を抱えて俯いてしまった。
「柚葉と会いたかったから…嘘を、吐いた」
「…何で…」
「それはこっちの台詞だよ。散々遊んだくせに、連絡もしなくなって…」
「ちが…!私はもう、軽率な行動はとらないって決めたの。だから全部やり直そうと思って…!」
「やり直せる訳ないだろ…柚葉は…柚葉は俺の物だ!」
バン!と机を叩く。彼の前に置かれていたコーヒーカップが倒れて、机を濡らした。コーヒーは私の側にまで垂れて来て、服を汚していく。どんどん、黒いシミが広がる。
唸り声を上げて、彼はヒトツ鬼へと姿を変えた。机をひっくり返す勢いで立ち上がり、私に向き直る。
「どこにも行くなー!!」
ヒトツ鬼の目が光った瞬間そこに吸い込まれた。
*
誰かのものを奪ったことなんて無い。私がどんな人とでも遊ぶことはよく知られているから、それを知った上でみんな関係を築いてきた…つもりだ。どれだけ裸になることを求められても決して頷かず、危ない一夜を過ごすようなことはしなかった。
しかし、今になってツケが回ってきた。過去を断ち切ろうとしても、人との縁は簡単に断ち切れない。私が逃げようとも、縁を手繰って誰もが追ってくる。逃げられない。
私のせいで、みんなヒトツ鬼になってしまう。私の罪ではないとソノイさんは言ってくれたし、私も罪の意識はなかったが…やはり自業自得ではあるのだろう。普通の女の子は、みだりに交友関係を築かない。
人間が好きで、その人を知りたいだけなのに。見境なく人と仲良くすることは駄目なのだと、言われる。
そんな子供じみたことを思いつつ、私はベランダから夜空を見上げた。当然、都会で星は見えない。満天の星空なんて、もう何年も見ていない。昔はおじいちゃんとおばあちゃんと一緒に月見をして、団子を食べたものだ。今思うと、あれは凄く恵まれて…幸せな時間だった。
スマホが鳴った。慌てて電話に出ると、以前仲良くしていた男の子だった。
「柚葉、今から会えない?」
「え…もう時間が遅いし…物騒だから、無理だよ」
「俺…今日、田舎のじいちゃんが…死んだんだ。明後日には田舎に戻らないといけないからさ、どうしても会いたくて…」
「でも…」
「お願い、少し会うだけでいいんだ。柚葉とは、もうこれっきりにするから…お願い!」
結局、折れてしまった。まあ、呼び出されたのも深夜営業しているカフェの為、どこかに連れ込まれたりする危険はないだろう。
何より、知り合いを喪うのは…とても、辛い。私も、おじいちゃんとおばあちゃんが亡くなったとき、とてつもない虚無感に襲われた。三日三晩何も食べられなかった程だ。そんな彼の気持ちは、痛い程わかる。
これは、誠実な行動だと思う。胸を痛めている彼に、人として寄り添ってあげたい。
呼び出されたカフェに入ると、男の子が窓際に座っていた。ジンジャーエールを頼んで席に着くと、「ありがと」と彼は微笑んだ。
「…誰かとお別れするのは、凄く辛いことだから。私と話すことで楽になるなら、何でも話して」
「…田舎のじいちゃんさ、もう何年も前に死んでるんだ」
「…え?」
私が顔を上げると、彼は頭を抱えて俯いてしまった。
「柚葉と会いたかったから…嘘を、吐いた」
「…何で…」
「それはこっちの台詞だよ。散々遊んだくせに、連絡もしなくなって…」
「ちが…!私はもう、軽率な行動はとらないって決めたの。だから全部やり直そうと思って…!」
「やり直せる訳ないだろ…柚葉は…柚葉は俺の物だ!」
バン!と机を叩く。彼の前に置かれていたコーヒーカップが倒れて、机を濡らした。コーヒーは私の側にまで垂れて来て、服を汚していく。どんどん、黒いシミが広がる。
唸り声を上げて、彼はヒトツ鬼へと姿を変えた。机をひっくり返す勢いで立ち上がり、私に向き直る。
「どこにも行くなー!!」
ヒトツ鬼の目が光った瞬間そこに吸い込まれた。
*
誰かのものを奪ったことなんて無い。私がどんな人とでも遊ぶことはよく知られているから、それを知った上でみんな関係を築いてきた…つもりだ。どれだけ裸になることを求められても決して頷かず、危ない一夜を過ごすようなことはしなかった。
しかし、今になってツケが回ってきた。過去を断ち切ろうとしても、人との縁は簡単に断ち切れない。私が逃げようとも、縁を手繰って誰もが追ってくる。逃げられない。
私のせいで、みんなヒトツ鬼になってしまう。私の罪ではないとソノイさんは言ってくれたし、私も罪の意識はなかったが…やはり自業自得ではあるのだろう。普通の女の子は、みだりに交友関係を築かない。
人間が好きで、その人を知りたいだけなのに。見境なく人と仲良くすることは駄目なのだと、言われる。