お姉様ナンバーワン!【50・ブーケ】
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
(前略)お姉様がまた記憶喪失になってしまった。女王様曰く、一時的なものらしい。放っておいても元に戻ると言われたが、お姉様が一人で人間界へ行ってしまった為あたしは慌てて後を追った。
「これ美味しい~!」
お姉様は苺クレープを非常に美味しそうに頬張っている。匂いを嗅ぐと食べたくなった為、あたしもチョコクレープを頼んだ。気を抜くとクリームやアイスが着物に付きそうなのが怖い。
「ねえ、柚葉のクレープも一口貰っていい?」
「えっ、あたしの…ですか?」
「…ダメ?」
上目遣いで少し悲しそうに言われた。か、可愛い。本当にこの方は、何をしても愛らしい。
「だっ、ダメじゃないです!あたしが口を付けたやつで良ければ…」
「やった~!ありがとう!」
スプーンでチョコソースのかかったアイスをすくい、口に運ぶ。「んん~!」と頬を手で押さえて目を細め、お姉様は「美味しい!」と笑った。記憶喪失のお姉様は、普段の彼女よりも無邪気で子供らしい。勿論それでも美しさや可愛らしさは変わらず、陸王を眺めている時のようなイキイキとした感じがある。お姉様の本質は、もしかしたらこちらに近いのかもしれない。
「あなたも一口どうぞ!」
「っ、い、良いんですか…?」
「もちろん!美味しいものは共有しないと!」
「……ありがとうございます…」
恐る恐るクリームをすくうと、「苺も取って!」と言われた。数少ない苺を頂いていいのか迷っていると、クリームをすくったまま戸惑っているあたしの口にお姉様が苺を差し出した。
「はい、あーん」
「!!?」
「ほら、口開けて?」
い、いいのだろうか。記憶喪失のお姉様に、こんなことをしてもらって。もしも正気に戻った時、不快感や嫌悪感があったら。もしもお姉様に拒絶されたら。怖くて、堪らない。この方に嫌われることが世界で一番怖くて、それをされた瞬間活動することが無意味に思えてしまうのに。
「…私にこうされるのはイヤ?」
「…嫌、じゃないです。むしろ嬉しくて…光栄で…だからこそ、怖いんです」
「?なんで?」
「…お姉様に、嫌われたくないから」
「う~ん…私柚葉のこと覚えてないけど…でも大丈夫だと思う!だってあなた良い子だもの!きっと普段の私も柚葉のこと大好き!」
「……そうだと、良いのですが…」
「うん!だから、あーんさせて!」
「…はい…」
ぱくり、と苺を食べた。甘酸っぱくて美味しい。
「美味しい、です」
「良かった!やっぱり美味しいものって、一緒に食べた方が美味しいよね!」
「はい。お姉様といると…世界が色付きます」
「え~嬉しい!私も柚葉といるの好き!」
ニコ~ッ!と、そんな効果音が付きそうな程眩しい笑顔をお姉様は浮かべた。こういった幸せそうな表情を見る度、彼女への気持ちが高まる。この表情を守りたいのだと、実感させられる。ああ、好き。大好き。あたしは、この方が笑っている世界で生きていたい。
「私が元に戻っても、仲良くしてね?」
「…はい。あたしはずっと、お姉様の味方です」
「味方じゃなくて、お友達でいて!」
「…お友達…」
「私が間違ったことをしていたら、叱ってほしいもん。ダメなことはダメって言ってね?」
「……」
素直には頷けず、苦笑で誤魔化した。お姉様を正すだなんて、出来る自信がない。あたしは、あなたの鼓動で生かされているのだから。
「あたしは…お姉様が笑っていられるように、死力を尽くします。あなたの笑顔を守ります」
「柚葉…」
「あなたが笑っていてくだされば、あたしは何もいりません」
「…私は、愛は無償じゃなくてもいいと思うけど」
「え…」
「うーん…誰だろ…。誰かがそんな感じのことを言っていた気がするんだけど…忘れちゃった」
「…」
「…形になる物で、私のこと…繋いでいてもいいと思うよ?」
その言葉に、胸が締め付けられた。繋いでいいと言われたら、あたしはきっと死ぬまでお姉様を縛っていそうだから。繋ぐことと縛ることは、違う。けれど、あたしはそれを区別できない。
「…いけません。お姉様は、自由で在るべきです」
「…柚葉は辛くない?」
「…辛く、ないです。あなたが幸せだったら…あたしは何も望みません」
「そっかあ…」
あまり納得していないようだったが、焼き芋の移動販売を見つけた彼女はそちらに向かって走り出した。
あなたが、そんな風に笑って…美味しいものを食べて、幸せそうにしていたら、あたしもそれで…満足。その、筈だから。そのことを、疑っちゃ駄目なんだ。
焼き芋の代金を払う為にあたしもそちらへ向かった。あたしの全ては、あなたに。あなたをあなたらしく形作る為に、全てを犠牲にしてみせる。
「これ美味しい~!」
お姉様は苺クレープを非常に美味しそうに頬張っている。匂いを嗅ぐと食べたくなった為、あたしもチョコクレープを頼んだ。気を抜くとクリームやアイスが着物に付きそうなのが怖い。
「ねえ、柚葉のクレープも一口貰っていい?」
「えっ、あたしの…ですか?」
「…ダメ?」
上目遣いで少し悲しそうに言われた。か、可愛い。本当にこの方は、何をしても愛らしい。
「だっ、ダメじゃないです!あたしが口を付けたやつで良ければ…」
「やった~!ありがとう!」
スプーンでチョコソースのかかったアイスをすくい、口に運ぶ。「んん~!」と頬を手で押さえて目を細め、お姉様は「美味しい!」と笑った。記憶喪失のお姉様は、普段の彼女よりも無邪気で子供らしい。勿論それでも美しさや可愛らしさは変わらず、陸王を眺めている時のようなイキイキとした感じがある。お姉様の本質は、もしかしたらこちらに近いのかもしれない。
「あなたも一口どうぞ!」
「っ、い、良いんですか…?」
「もちろん!美味しいものは共有しないと!」
「……ありがとうございます…」
恐る恐るクリームをすくうと、「苺も取って!」と言われた。数少ない苺を頂いていいのか迷っていると、クリームをすくったまま戸惑っているあたしの口にお姉様が苺を差し出した。
「はい、あーん」
「!!?」
「ほら、口開けて?」
い、いいのだろうか。記憶喪失のお姉様に、こんなことをしてもらって。もしも正気に戻った時、不快感や嫌悪感があったら。もしもお姉様に拒絶されたら。怖くて、堪らない。この方に嫌われることが世界で一番怖くて、それをされた瞬間活動することが無意味に思えてしまうのに。
「…私にこうされるのはイヤ?」
「…嫌、じゃないです。むしろ嬉しくて…光栄で…だからこそ、怖いんです」
「?なんで?」
「…お姉様に、嫌われたくないから」
「う~ん…私柚葉のこと覚えてないけど…でも大丈夫だと思う!だってあなた良い子だもの!きっと普段の私も柚葉のこと大好き!」
「……そうだと、良いのですが…」
「うん!だから、あーんさせて!」
「…はい…」
ぱくり、と苺を食べた。甘酸っぱくて美味しい。
「美味しい、です」
「良かった!やっぱり美味しいものって、一緒に食べた方が美味しいよね!」
「はい。お姉様といると…世界が色付きます」
「え~嬉しい!私も柚葉といるの好き!」
ニコ~ッ!と、そんな効果音が付きそうな程眩しい笑顔をお姉様は浮かべた。こういった幸せそうな表情を見る度、彼女への気持ちが高まる。この表情を守りたいのだと、実感させられる。ああ、好き。大好き。あたしは、この方が笑っている世界で生きていたい。
「私が元に戻っても、仲良くしてね?」
「…はい。あたしはずっと、お姉様の味方です」
「味方じゃなくて、お友達でいて!」
「…お友達…」
「私が間違ったことをしていたら、叱ってほしいもん。ダメなことはダメって言ってね?」
「……」
素直には頷けず、苦笑で誤魔化した。お姉様を正すだなんて、出来る自信がない。あたしは、あなたの鼓動で生かされているのだから。
「あたしは…お姉様が笑っていられるように、死力を尽くします。あなたの笑顔を守ります」
「柚葉…」
「あなたが笑っていてくだされば、あたしは何もいりません」
「…私は、愛は無償じゃなくてもいいと思うけど」
「え…」
「うーん…誰だろ…。誰かがそんな感じのことを言っていた気がするんだけど…忘れちゃった」
「…」
「…形になる物で、私のこと…繋いでいてもいいと思うよ?」
その言葉に、胸が締め付けられた。繋いでいいと言われたら、あたしはきっと死ぬまでお姉様を縛っていそうだから。繋ぐことと縛ることは、違う。けれど、あたしはそれを区別できない。
「…いけません。お姉様は、自由で在るべきです」
「…柚葉は辛くない?」
「…辛く、ないです。あなたが幸せだったら…あたしは何も望みません」
「そっかあ…」
あまり納得していないようだったが、焼き芋の移動販売を見つけた彼女はそちらに向かって走り出した。
あなたが、そんな風に笑って…美味しいものを食べて、幸せそうにしていたら、あたしもそれで…満足。その、筈だから。そのことを、疑っちゃ駄目なんだ。
焼き芋の代金を払う為にあたしもそちらへ向かった。あたしの全ては、あなたに。あなたをあなたらしく形作る為に、全てを犠牲にしてみせる。
41/41ページ